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ばんえい存続の一方で ばん馬医療ミス訴訟の行方は

http://www.yomiuri.co.jp/national/news/20061214i306.htm?from=rss
こういう言い方をすると当事者の方々に失礼かもしれませんが、興味深い裁判だと思います。
釧路地裁北見支部は治療を行った日高軽種馬農協の医療ミスを認定し、現役時代の成績を基準に
「もし生きていたら」の3年分の賞金獲得可能額の約530万円、さらに引退後に種牡馬になっていた場合の
予想売却額約390万円、計約1165万円の支払いを命じたとのこと。農協側は控訴をしていたそうです。
さらにここで問題になったのが、もしばんえい競馬が廃止になったらということ。
廃止になればその後は生きていたとしても走ることは無理なので賞金は稼げないし、種牡馬にもなれない。
今回は廃止にならなかったが、それでもばんえい競馬自体は縮小されることになったので、
獲得可能な賞金額が少なく見積もらなければならないのではないか、というのが日高軽種馬農協の主張ですね。


今回は廃止論議が加わって複雑化してしまいましたが、こういう裁判は今後もありえそうじゃないですか。
以前にも平成15年に北海道でハンターがサラブレッドの若駒を3頭誤射して殺してしまい、
その後裁判で3700万円程度の損害賠償を払うことになったという事件がありました。
その時も争点は「仮に馬が成長して売却したとしたら幾らになっていたか」だったわけですが、
裁判官は「弱い馬と見たものが予想外の高値で売れたり、よい馬と見たものがレースで活躍できなかったり、
そういう見通しの誤りなども認められる」として原告側の請求の半分くらいの額だったじゃないですか。
サラブレッドがその後いくら稼ぐかなんて、予想なんてまず無理なわけです。生き物ですしね。
そんな、「これが正しい」というような明確な基準が掴み難い裁判だけに、今回判例が基準になったりするかも。
そういう意味で注目かなと思ったまでです。