FF13の他機種・多タイトル展開について

日本を代表する2大RPGといえばドラゴンクエストファイナルファンタジー。ただ、最近はどちらもバリエーションがたくさん出てきていたり、本編もドラクエ9で大幅にゲーム性変化、FF13は複数タイトル同時展開と、これまでと違った展開をみせています。

そんなFF13ですが、当初よりPS3で2タイトル、携帯で1タイトルが発表されており、特にPS3版は苦境のつづくPS3の巻き返しのためにはなくてはならない、貴重なキラーソフトとして注目されているタイトルでもあります。

新型ゲーム機:Wii圧勝で任天堂“王座”奪還 「FF13」PS3巻き返しのカギに−ゲーム:MSN毎日インタラクティブ

そんなFF13ではあるのですが、もともと1つの“神話”にもとづく複数プラットホームでの複数タイトル同時展開というものを見せていたために、PS3や携帯以外への展開もいろいろ噂されていましたし、既報の3タイトル以外のロゴが発見されたりもしていました。

[etc] 『FINAL FANTASY Haeresis XIII (ファイナルファンタジー ハエレシス 13)』 ロゴ画像の商標登録が発見される - ゲーマーホリック

オーストラリアの雑誌記事で鳥山氏が他機種展開についてコメント

そしてここに来て、具体的にスクウェアエニックスの方からも既報3タイトル、PS3と携帯以外での展開についての可能性が示唆されたようです。以下で、オーストラリアの雑誌記事で出ていた内容を紹介されています。

[etc] 『ファイナルファンタジーXIII』 は3つだけではない。鳥山求氏インタビュー - ゲーマーホリック
FF13 Vids | FF13は3つではない。鳥山さんインタビュー!

またGoNintendoでは、日本でのスクエニプレゼン資料を例に取り、任天堂ファンサイトだけに任天堂プラットホームへの展開を想像しています。

Go Nintendo » Blog Archive » FFXIII branch off could come to Nintendo platform- What are you waiting for?

上記記事で引用している画像は、www.gamefront.deというサイトに掲載されていた以下の画像のようです。

http://www.gfdata.de/archiv04-2007-gamefront/ff13fabula.jpg

日本でのプレゼン資料っぽいですが、いつ頃の発表資料かはよく分かりません。何か、FF13発表時に見たような気がしないでもないですが。

まあともかく、当初からの予想通り、PS3や携帯以外でもFF13が出るのは確実になったということでしょう。DS版はほぼ決まりですかね?あとはWiiXbox360がどうなるか、というところでしょうか。意外とPS2だったりするかもしれませんが。

FF13がもくろむ「勝利前提のシナリオ」の課題

ただ、前も書いたことがありますが、まだ1作品も発売されていない段階で、同じ世界観で複数のタイトルを出されると言われても、正直あまり魅力的な感じはしないんですよね。本当にこのFF13のベースとなる“神話”が非常に魅力的であるのなら分かるのですが、現状だといろいろと引っかかる内容も聞こえてきています。スクエニ的にはガンダム的展開で、売り上げ倍増という青写真を描いているようですが、この状態で複数タイトルで展開しても、消費者が根底となる神話に魅力を感じなかった場合、連鎖的に全てのタイトルを購入対象外としてしまう、というリスクを抱えてしまっているように思います。
また、FF13の場合根底となる「本編」の位置づけが現状ではまだ曖昧です。ガンダムですら、コアとなる本編アニメがあった後、その派生という進め方をしているのに、先にこれだけ横展開を吹聴されてしまっては、肝心のコア部分の魅力が薄まってしまっている印象もします。
むしろ、FF7的なアプローチの方が分かりやすい展開ですよね。スクエニの和田社長的には、FF7は最初から横展開を考えた作りになっていないのが問題だ、ということのようですが、逆に最初から横展開を意識しすぎると「金儲けしたい」という意図があまりに露骨に見えすぎて、消費者が引いてしまうところもあると思います。

何かFF13には、「消費者が選択するのが当たり前、あとはいかに他の利益につなげるか」という、勝利・成功前提のシナリオで話が進められているような感じがしてなりません。いわゆる、勝者のモデルなわけです。このモデルは、PS3とも似ていますよね。PS3もある意味PS2での圧勝を受けてゲーム分野で勝利することが前提としてあり、それに乗っかってBDの推進、HDMIでのHDテレビの販売促進、各種サービスのオンライン販売を便乗して支配力を高めていこうとしていたわけです。これはWindowsでやったMSの戦略に近いものがありますが。FF13も、本編が大成功するのは前提で、そこで獲得したファンから、派生作品、グッズなどでガンガン金を儲けようとする、いわばマンガ・アニメ的展開なわけです。

FF13のモデルが成功するかどうかは、結局はその土台を作っている鳥山求氏や野村哲也氏にかかっていると言えるでしょう。ある意味、ガンダムシードやブリーチレベルのファンムーブメントを起こすことを会社からの至上命題として与えられているわけで、非常に厳しい仕事だとは思いますが、どのような結果を出せるのか注目ですね。