広がりを見せるPS3値下げ検討報道

苦戦の続くPS3。今週はメディアクリエイト調べの週間売り上げで1万2千台を割り込むなど、非常に厳しい状況となっています。その要因としてソフト不足と併せて大きく上げられるのが4万円以上というその本体の価格。発表当初は7万円というあり得ない価格で、その後発売前に1万円安くなりましたがそれでもまだ高い、という印象ですね。
しかし、PS3は非常に金のかかっているハードであることをそのスペックや丁寧なハードの作り、独自設計オンパレードなどを見ても一目瞭然で、この価格でも赤字だろうと予測されています。

しかし、ファミ通の浜村氏なんかは、無責任に繰り返し「すぐに値下げしてPS3が勝利!」みたいな自論を展開していましたね。この間予想を外した際の言い訳も「SCEの出荷量が少なかった」と、自分のそもそもの予想が的はずれなことに触れない始末。流石業界最大手エンターブレインの社長様ですね。

英紙報道が発端となった値下げ騒動

しかし、そんな浜村氏の発言が効いたのかは知りませんが、海外でPS3値下げに関する話題が聞こえてきました。

ITmedia News:PS3値下げ検討? 英紙が報道
ソニー、PS3の値下げは「状況を見て検討」 - レビュー - ZDNet Japan
ソニー、「プレイステーション 3値下げ検討」報道にコメント
「PS3の値下げ報道」に対してソニーが広報コメントを発表

イギリスの経済誌ソニー中鉢社長が話した内容が波紋を与えているようですね。海外での記事なのに、これだけ日本で報道されるというのは、最近のソニーバッシングの流れが継続している印象です。ソニーも値下げ報道に対してコメントも出していますが、値下げ自体は否定はしていません。ただ、時期などはとくに明確化していないので、結局いつ下がるのかはよく分からないんですけどね。そのうち下がるのは確かでしょうが。特に、日本は発売前値下げもしているだけに、値下げしても海外だけ、という展開もありえるところでしょう。

値下げの効果のほどは?

正直、現状はソフトがろくにそろっていないので、今このタイミングで値下げしても全然効果ないでしょう。そもそも、ゲーム機が普及し始めるのは3万円を切ってから。今の状態から2万以上の値下げが可能になるとは考えづらいので、少々の値下げじゃとくに売れ行きは変わらないのではないでしょうか?

そもそも、最初に「売る価格」を考えずに製品を企画している時点で失敗なんでしょうけどね。PS2のあまりの圧勝状況が、目を曇らせてしまったのかもしれません。柳の下に、どじょうはなかなかいなかったと言うことでしょうか。

値下げなどをするとしても、せめて先日のエントリで触れたように、PS3コントローラに振動機能を追加し、PS2用メモリカードリーダを同梱、本体設計を見直して部品などの低価格化をはかり、さらにみんなのゴルフやGT5など看板タイトルを同梱して4万円のバリューパックとして売る、ぐらいやってこないといけないのではないでしょうか。どう頑張ってもより赤字を広げる展開にはなってしまいますが、現状何も手を打たない状態ではじり貧ですので、やるときはそれなりにインパクトのある内容でドーンと大きくやる必要があるんじゃないかと思います。

ともかく、まずはソフト不足解消が第一。サードが様子見モードになっているだけに、SCE自身の努力が必要ですね。ぼくのなつやすみ3、みんなのゴルフ5などはよいタイトルではあるのですが、どちらかというと本体が普及してから売れるソフトのような印象がします。6万で本体買ってまでやるかどうかというと、ちょっと微妙な感じも。とはいえ、崖っぷちの今、全力を掛けてSCEのソフト力を注ぎ込んだ作品をどんどん見せて欲しいですね。本体ファームの更新もいいですが、肝心のゲームの充実を期待したいところです。