「Wiiは時代遅れ、近く人気が薄れる」by 米セガサミー

今日はPS3について「クリスマスまでに値下げするかも」ということをにおわせる発言をソニー会長のストリンガー氏がし、ネットで話題になっていました。その中で、2chなどで張られていたリンクが以下のロイターのHPです。

PS3の価格引き下げを検討中─ソニー会長=FT紙 | Reuters

ただ、上記ページを見に行って、ふと右側の記事ランキングを見ると、ちょっとびっくりする記事がランクインしていました。

任天堂<7974.OS>の「Wii」、近く人気薄れる可能性=セガサミーHD<6460.T>米国法人幹部 | Reuters


内容はよくあるWii卑下誹謗する発言で、同様の発言を以前から繰り返していたファミ通とか、直接のライバルであるSCE・MSの人間がこうした発言をするのならまだ分かるのですが、セガ側からこうした発言が出たことが驚きですね。Wiiでは早くからソニックを提供、今度はNiGHTSも出すことになっており、マリオとソニックのコラボで北京オリンピックゲームを出すなど、サードの中でも特に任天堂とよい関係を築いている印象があっただけに、こうしたベタなWiiへの牽制発言が出るとは、ちょっと予想していませんでした。

ベタベタなWii批判発言をしたセガ、その意図は?

今回発言を行ったのは、セガサミーHD米国子会社のバイスプレジテント、スコット・スタインバーグという方の発言のようです。以下、上記の記事から、彼が指摘したとされる部分をピックアップしてみたいと思います。

  • 任天堂のゲーム機「Wii(ウィー)」の人気が2008年までに薄れる可能性がある
  • 「Wii」は時代遅れのグラフィックに加え、ソニーや米マイクロソフトなど競合他社のゲーム機にみられる技術的なオプション機能を欠いており、長期的な生存能力が脅かされる可能性がある
  • 開発者が、『Xbox360』や『プレイステーション3』の価値について理解を深めれば、今後2―3年のうちにWiiは、かなり時代遅れにみえてくるだろう

なんか、ネットでちょくちょく見かけるような批判の仕方ですよね。たしかに、自分もHDゲーム機との性能差は感じますし、現在の売り行きだけみてWii圧勝確定とは思っていないので、上記のような事態が起こらないとは言いませんが、それにしてもあの「セガ」からこうもダイレクトな発言が出てくるとは思いませんでしたね。

Wii向けに複数のタイトルを開発し、いわば任天堂よりなサードと思われている中でのこうした発言にどうした意味があるんでしょうね。「自分らは別に任天堂べったりじゃないよ」というスタイルを示したかったのかもしれませんが、正直ここまで直接言ってしまっては、任天堂との関係に問題が起きたりしないのでしょうかね?

果たして実際の市場の動向はどうなるか

ソニーの値下げの記事でも、ストリンガー氏は「Wiiが成功しているのは値段が安いから」とか言ってますし、米セガサミーの発言も、もう発売前から分かっていた性能差の話。こんなこと、一体どれだけ前から自明だと思っているのでしょう?Wiiのモーションセンシングやポインティングというゲーム性の変化、それによる新しいユーザー層の獲得がWiiの好調の要因だと思うのですが、それらに触れずに今後の展望を値段とスペックだけで語って、なんの意味があるんでしょうね。しかも、会社役員ですのに。なにか、非常に薄っぺらい発言を聞いている印象がします。

まあ、とはいえWiiPS3およびXbox360とで画質性能差が大きくあるのは確かです。自分も一応HDTV持ちですし、Wiiをプレイしてそのジャギやボケが気になることも度々あります。ただこの差が、本当に2,3年もたつと「Wiiなんて汚くてやってられない!やっぱりPS3Xbox360だね!」となるのか。そして、PS3が例えば3万円台になって、「この価格なら、やっぱりPS3だね!」となるのか。結果はすべて市場が判断を下してくれるでしょう。とりあえず今年のクリスマス商戦が終わった時点で大方の方向性は出ると思うので、注目して結果を見ていきたいと思います。


P.S.
上記発言をした米セガサミー役員から釈明コメントが出たようです。以下のエントリで紹介していますのでご覧ください。
わぱのつれづれ日記 - 「Wiiは時代遅れ」発言の米セガサミー役員が釈明