スクウェアエニックスがテクモにTOB提案

ゲーム業界が任天堂一人勝ちの中、サードでは最も気を吐いているのがスクウェアエニックスドラクエのリメイクなど主力を早めにニンテンドーDSに移し、これまでの積み重ねや特定プラットホームに固執せずドライに多方面展開することで成功を収めていた形ですね。

こうしたスクエニを率いるのが、CESA会長でもある和田社長。元々ゲーム畑の出身でないため、ゲームに関して愛情の欠いた発言でゲームファンの怒りを買うこともしばしばですが、一方で徹底したビジネス思考は、現在の厳しいゲーム業界では優秀な経営者の1人と言えるでしょう。

さて、そんなスクエニですが、再びゲーム業界の大きな再編の波を起こしたようです。それは、テクモへのTOB提案です。

スクウェア・エニックス、テクモに対し株式の友好的公開買付けを提案

経緯として、元々テクモM&Aは検討していたものの、最近のテクモのごたごたを見て早めに手を打ったという説明ですね。特に今年は大きくテクモは株価を大きく下げていただけに、当初想定していた買収額でも友好的な価格になっているところもポイントなのかもしれません。

この買収は、比較的効果的な感じはしますね。テクモXbox360との関連が強いイメージがありましたが、スクエニに買収されることで、今後はPS3へも展開しやすくなり、売上の拡大が見込めます。一方、スクエニ的にも海外での販売比率を伸ばすためにはXbox360をはずす訳にはいきませんので、海外で強いブランドとXbox360のノウハウを持っているテクモの開発力は大いにプラスになるでしょう。

特定のハードメーカーに牛耳られることを嫌い、携帯やPCなども含めソフトメーカー主導の世界を目指すスクエニ和田社長。今回のテクモ買収がうまくいった暁にはどういった展開を見せるのか、いろいろ注目を集めそうですね。