和楽多屋日記

伝統工芸・和雑貨の「和楽多屋」店長の日記。

印伝─使い込むほどに味が出る

warakutaya2007-11-13

普段使ういろいろな小物、たとえばバッグや財布などは、やはりお気に入りのものを持ちたいものです。一日のうちで何回も目にし、触れ、一緒にいるのですから、当たり前ですよね。

物の中には「使い込むほどに味が出る」ものがあります。たとえば革製品などがそうです。何年も経つうちにすれたりして色がはげたりシワができても、それがまた味わいとなって愛着がわく。新品の輝くような美しさもいいですが、そういう古びたというか、くすんだ味わいには暖かさがあり、それを使っていた人の愛情を感じるものです。

『和楽多屋』で扱っている「印伝」もそのひとつです。「印伝」とは印伝革の略で、羊や鹿の皮をなめし、漆で模様を描いたものをいいます。革には細かいしぼが多くあって非常に触り心地がいい。袋物などに用いられます。どうして「印伝」というかというと、インド(印度)伝来に因むということです。

普通「印伝」というと、甲州印伝を思い浮かべる人が多いと思いますが、『和楽多屋』で扱っているのは江戸印伝。江戸印伝の特徴は革の染色以外一切科学薬剤を使わないこと。そしてすべてが手作りということです。がんこな江戸職人のこだわりですね。

私もひとつ持っているのですが、柄も渋めのものが多く、それがかえって現代においては新鮮であったりします。一生愛着をもって使えそうですね。

http://www.warakutaya.com/wazakka.html

和楽多屋スタッフ:MORI