主義、教義は人をバカにする

 昨日、読書会だった。課題図書は谷崎潤一郎の『陰翳礼讃』(中公文庫)。これは谷崎の日本文化論であり、なかなか長大な愚痴でもあった。谷崎が昭和の初期に失われつつある日本の文化に哀惜の念をこめた随筆である。ただ、谷崎にしては、いささか書きこみが甘いような気がした。後段の日本と西洋のお化けの比較や、白人と日本人、混血の話などは、話がうまく回っていない。
 松岡正剛氏もそのあたりを『千夜千冊』で指摘していて、「文章もへたくそ、話をぶちこわしてしまっている」と厳しい。
 ワシャは、そこまでの読書力がないので、谷崎の「陰翳」の礼讃ラインナップに度々感心したものである。とくに直前に江戸期に建てられた商家を見てきたこともあって、谷崎の「陰翳」が心に沁みた。
 谷崎の作品の『吉野葛』『月と狂言師』『蘆刈』などを読んでみようっと。

 そうそう、昨日の読書会は刈谷駅前で開催した。ホームに降りて、エスカレーターで改札階に上がると、遠くから経文が聴こえてきた。
「ハンニャ〜フンニャ〜フンダラ〜ヒンダラ〜」
 法華の方々か、どこかの門徒の皆さんが声明を唱えているのか。最近珍しいね、と思いつつ改札を抜けると、あらららら、宗教関係ではなかったのね。まぁ、ある意味で宗教かも知れないが(笑)。
 刈谷駅の改札前の自由通路にどうだろう20人くらいの「9条門徒衆」が念仏を唱えていたのだ。
「戦争反対、9条守れ」「戦争法は即刻廃止」「9条守ってテロなくせ」の大合唱だった。ワシャは「プッ!」と吹き出しそうになってしまったので、門徒衆とは視線を合わせずに、足早に通り過ぎたが、ステーションビルから出たところで笑い出してしまった。9条守ってどうやってテロをなくすの?田嶋陽子の好きな「話し合い」で解決できるなら、後藤健二さんも湯川遥菜さんも殺されることなどなかった。そもそも後藤さんは湯川さん救出のための「交渉」にいってああいう結果になっている。テロリストと話し合いをしてもなんの解決にもならない。

 この話題も「9条門徒」と同根の話。
報道ステーション」の古舘伊知郎のことである。基本的にワシャは「報道ステーション」は見ない。同時刻にニュースを求めるなら、BS日テレの「深層ニュース」やBSジャパンの「プラス10」を視聴する。なにしろ古舘氏の司会は陳腐なのだ。以前に石原慎太郎氏を招いて話をしていたが、石原氏の言うことがまったく理解できていなかった。石原氏も「バカに話をしてもバカらしい」と思われたのだろう。その後、話は平行線をたどってかみ合うことはなかった。本来、MCである古舘氏が、いろいろな手を使って、石原氏から話を引き出すべきなのだが、知識がない上に偏った主張に凝り固まっているのでインタビューにならない。その時以来、バカが感染するといけないので「報道ステーション」を見るのを止めた。
ゲストもゲス徒が多く(笑)、見ていても「こんな偏った意見ばかりを流していて大丈夫なのだろうか」と心配をしたものだった。顔ぶれをみれば、コメンテーターの席にはガリガリ朝日新聞サヨク反日学者しか出ないのだから。
その古舘氏が、「報道ステーション」がついに自爆した。
《「誤爆犠牲者から見れば、有志連合空爆もテロだ」  報ステ・古舘氏の問題提起に異論も噴出》
http://news.livedoor.com/article/detail/10847760/
 ネットでは炎上しているらしい。古舘氏の話を深堀しても、なにも得るところはないので、そのことだけ記録しておく。