知ったかぶり

 朝日新聞「声」の欄の右肩が相変わらずキ印だ。右肩なのに左強肩と言っておく。11月3日の呼び方の問題をほじっている。占領軍は、占領下憲法の交付日をわざわざこの日に当ててきた。日本が日本であったころ「明治節」と呼ばれて国民に親しまれていた四大節のひとつを「文化の日」などと勝手に名前を変えやあがった。これは現在の天皇陛下のご生誕日に、言うのも忌まわしいことをあててきた、それと同根のことである。それを書き出すと長くなるのでやめておく。この左肩オバサンの発言である。
《「明治の日」への変更は、日本を再び天皇が治める国にしようという動きを加速するものではないでしょうか。》
 困ったものだ。知ったかぶりをする左巻き、特定の教条に染められたサヨクはどうしようもないな。
 そもそも日本国憲法においても天皇は元首であり、元首はその国を治めているのだ。アホウがバカに言ってもしかたがないので、ここは憲政学者の倉山満さんの言を借りたい。
「日本の国体とは何か。それは皇室と国民の絆である」
 昭和20年8月15日の悲劇にも、この紐帯は切られることなく存続した。
 今年の8月8日の陛下のお言葉についても、現在の日本国民は大多数が好意的に受けとてめている。ごく一部に異をとなえる者がいるが、5%くらいはどんなことにも反対をするつむじ曲がりは存在するので、そんなのは無視してもいい。倉山さんは続ける。
「象徴とは何のことか。国家元首のことなのである。実際の運用でも、日本の国家元首天皇である。たとえば、外国大使の信任状を渡すのは国家元首の役割だが、天皇が行っている。天皇が日本の国家元首である。これは厳然とした事実である」
 ということなのである。
 道長が月までも我が物にしても、信長が魔王になっても、秀吉が朝鮮へ攻め込んでも、徳川が260年間統治しようが、国家元首天皇であった。そんなことは微塵も変わっていない。
 サヨクオバサンが吠える。《自民党改憲草案にいたっては天皇を「元首」と明記しています》。だからそうなんだって。もともと元首なんだって。《日本が再び天皇中心の国になってしまえば、同じことが起こるのではないと危惧します》。
 ああ、教条主義者にはいつもながらため息が出る。歴史を読め。統帥権という魔術を使って国を滅ぼしたのは、優秀な軍官僚だった。原爆が投下されても主戦論を唱えていたのは、エリート軍人だった。おそらく本土決戦まで悪化していれば、この国は東西で二分されドイツの悲劇を味わっていた。あるいは朝鮮半島の地獄を見たのかもしれない。それを止めたのはどなたであったか。そろそろ5%の左側も気づけよ。
 朝日新聞の今朝の「声」欄を読んでいてそんなことを思った。
「知ったかぶり」でもう一ネタ重ねるつもりだったが、どうでもいいネタなので、また機会があれば。