餅投げ

 地元の神社の春の大祭があって、神社係をやっている友人から声が掛かった。
「餅投げをするんだが、メンツが足りない。ワシャくんも参加してくれないか?もちろん参加費込みで(笑)」
 昔から調子のいいヤツだったが、困っているようだったから、二つ返事で了解をしておいた。
 その餅投げが昨日だった。「正装をしてこい」という話だったので、ダークスーツに黒っぽいネクタイを締めて、神社の大祭なので日の丸のピンバッチをつけて参加しましたぞ。
昼過ぎに神社に行くと、すでに御神楽の準備も整って、小さな巫女さんたちがキャーキャーとかしましい。簡単な打ち合わせ(といっても酒を飲まされただけ)を済ませ本殿に入って祝詞を上げてもらう。神殿に榊を奉納し、直会のお酒を(また)いただいた。
 その後、4時からメインイベントの「餅投げ」が始まった。神楽殿から張り出す格好で臨時に設置された舞台に登り、厄年会、還暦会の衆が餅を撒く。もう境内の神楽殿のまわりは人人人人……。国会前のデモよりも多かったのではないか(笑)。
 餅を撒き出すと、背後のチビ巫女からも「御餅ちょうだいちょうだい」と声が掛かる。だから時おり、投げる餅が後ろにこぼれる厄年もいた。
 なにしろ天候に恵まれ事故もなく盛大な餅投げになってよかったよかった。