早朝畑をお借りしている○倉さんからムサシ(ホームセンター)に長ネギの苗が入ったとのメールが入った。そこでムサシで苗を買い、畑に出かける。おお、西瓜や南瓜にも花が咲いた。こりゃあ期待が持てるかな?とまたもや先の事ばかり考えるのだった。
さてネギの苗を植えねばならぬ。ネギは結構深く掘らねばならないので労咳を患っている身にはいささか応える。(あ?いつから労咳になったんだ?)取り敢えず一列掘ったので苗を立てかけるように並べてから植えたが、さて土をどの位かけたら良いかハタと困った。事前にインターネットで調べてきたつもりだったが、ここへ来て忘れてしまった。Uさんはそんなにかけなくていい筈だと言い、私は先さえ出ていればいいんじゃない?とばかり沢山掛けた。え〜と誰か教えてくれる人はいないかな。あ、鯖石走ろう会の○村さんがバイクで来る。
「オーイ、ちょっと○村さん、ネギの土のかけ方について教えて頂戴!」
あれ、行ってしまった。
「すかんぴんがもっとでかい声を出さないから聞こえないんだよ。全く普段の声はでかいくせに、こんな時に限って蚊の鳴くような声なんだから。」
とUさんは中々手厳しい。さーてどないしょ?あれそこにいるお方はひょっとしてこの間の野菜作り名人のお婆さん。しめた!こりゃあいい所へ。
「えーと。ネギの土のかけ方が分らないんですが・・・・」
「あれま、こんなにいっぺこと土をかけてまあ、これじゃネギが苦しがるがね。あ〜あ、縄なんか入れて。」
「え〜、藁が無かったんでまあ縄の余ったのを入れといて置いたんですが・・・。」
「そんがんの腐らんすけ駄目だこてね。藁がなければ土手の萱の刈った物でも入れて置けばいいんだこて。」
「ありゃあ、やっぱり」
と言う訳で植え直し。その後も刈ってきた苗の本数が多かった為、もう二列程植える。その後○倉さんがやって来て奥さんに携帯電話で聞くとどうも苗は立てかけて置くよりも溝の真ん中に植えるらしい。あちゃー、またやり直しだ。日は既に高く上り、気温は30度近い。あっちぇの〜。
「おーい、もう適当にして置いて引き揚げるべえ。枯れたら枯れたで構わんよ。だーすけいっペ植えたんだからさ。」
と私は早くも白旗宣言。
あ〜あ、果してこんな事でちゃんと野菜を収穫出来るんだろうか。件のお婆さんが言うには、私達の隣の畑も素人さんがやっているので、折角なったキュウリはカラスが来てみんなつついていったそうだ。この辺はカラスやタヌキが出没するので対策を講じないと駄目らしい。
「農業は金の掛かるもんなんだこて。」
お婆さんの言った一言が身に浸みる。汗をかき、恥をかき、日焼けし、疲れたな〜と言いながらお昼を食べに引き揚げるのだった。