すかんぴんのブログ「今日もヒマだぁ~」

暇を持て余して、お山、お絵かき、蕎麦打ち、山菜採り、キノコ採り、音楽鑑賞、オーディオ、パソコンと、あれこれ手を出し、もがいているジジイのページです。

広重ビビッド

 新潟市美術館へ広重ビビッドとタイトルされた展覧会を見に行ってきた。財界人の浮世絵蒐集家故原安三郎氏の貴重なコレクションだ。初摺りの版画だけに大いに興味が有った。

 拝見して確かに素晴らしい版画揃いだと感心した。よくも集めたりと言う所か。実は私は広重の「名所江戸百景」や「六十余州名所図会」などは全作を見たことが無かったのである。況してや本物ならば尚更の事だ。で、帰りがけに思い切って図録も買った。初刷りの図録は基調と思ったからである。

 私は北斎と広重どちらが好きかと問われれば、今までは間違いなく北斎と答えていた。「東海道五十三次」などは実際に自分の足で歩いて描いたものではなかったからであるし、構図の奇抜さ、独創力から言っても北斎の方に軍配を上げたかったからである。しかし「名所江戸百景」は中々の名作、力作揃いで、特に縦長の画面を採用し、上から俯瞰した構図と言い、近景と遠景を巧みに配置した構図などは見事である。私はこれで広重を見直した。

 それにしても広重や北斎などの浮世絵師だけでなく、彫師や摺師と言った裏方たちの技術が無ければ、印象派にも影響を与えた日本が誇る浮世絵は在り得なかっただろう。実際初摺りと後摺りとではかなり作品の出来が違う。摺師も初摺りには殊更力栄入れていたものと思われる。

 午後2時から美術館学芸員による解説があり、こちらも大いに楽しませて戴いた。後半展示が始まる4月18日以降も是非行ってみたいものだ。