どうも物事には二つのタイプがあるようで、オーディオマニアも例外では無い。即ちオーディオ装置を自ら組み立ててその過程を楽しむ方と、私のように良い音質の音楽を楽しむ者だ。勿論自作をする人も音が良くなる事を目指して作っているのだろうが、ともすると音楽の聴き方がそれ程熱心で無い方も少なくない。
まあこの間もＦさんとそのことで話したのだが、人にはそれぞれの楽しみが有るのだから、前者の方々を別に私は非難しているのでは無い。寧ろ私は電気の事なんか全然分からないノーナシだから、そんな技術の有る人を羨むだけだ。
ただそう言う方と話をすると決まって機械や技術の話になるので、些か残念になるだけだ。無論私も機械の話が嫌いでは無い。でもたまには音楽そのものの話が聞きたい。曲やミュージシャン、演奏についての事などなどだ。
そもそも何のためにいい音で聴きたいのか？ それは好きな曲や演奏を少しでもいい音で聴けば一段とその曲や演奏が好きになり、もっとその演奏の奥にあるものも理解出来るようになるかも知れないからだ。ところが音だけに拘っている方は（まあ、それでも本人の自由なんだからとやかく言う事はないのだが…）どうも話題がちっともそちらに行かない。
本当にその音楽が好きなのかとさえ訝ってしまう。私は本当は機械よりも一曲でも良い歌、良い演奏に巡り会いたいと思っている輩だ。だから例えラジオから流れてきた曲でも自分が共鳴すれば感動する。考えてみるとラジカセで聴いていた時が一番音楽に対して熱心だったような気がする。(笑）ただいい曲、いい歌、いい演奏に出会った時、もうちょっといい音で聴けたら、もっと違った楽しみが有るのでは無いかというのが高じて今のようになっただけだ。
てもずらをかく（こちらの方言で手でやる作業、イタズラの事）人はいい音でも聴きたいし、作る楽しみもしたいと言う事で二足のわらじを履きたいと願う欲張りな方かも知れない。まあその方が面白いんだけどね。でも私はやはり先に音楽ありきなんだな。だから私は反って不器用で良かったと思っている。もしも器用だったらきっと私も同じように手もずらをかいて、聴く事は二の次になってしまったかも知れないからだ。
でもそう思っていても出来る方を見るとやっぱり羨ましい。(笑)何せ楽しもうと思えば両方楽しめるんだから。まあやっぱり二つのタイプがあっていいか。それぞれに影響し合えばいいんだから。ハイお後が宜しいようで。
