この間Ｋさんがやって来て言うには最近の人は言葉を知らないそうだ、たまたま同僚と話をしていてＫさんが「半可通」という言葉を使ったら、何ですか、その半可通というのはと言われたそうだ。
半可通なんて言葉は私は中学生の時はもう知っていた。それ程使われている言葉だったのだ。でもそう言えば最近は滅多に使われる事が無くなった。まあ、Ｋさんが古風なのかも知れないが、少なくとも言葉くらいは知っていて欲しいものだ。ことさらＫさんと話していた同僚は国語教師だから尚更だ。
国語教師さえ半可通の意味を知らないなんて、やはり今の人は本を読まないのだろう。スマホは朝から晩までいじっているのに紙の本は読もうとしない。嘆かわしいの一語だ。昔の小説を読んでいれば、否が応でも半可通なんて言葉は出てくる。今の人はよく「習ってないから分からない」と言うが、習ってなくとも常識で覚えておくべき事なのだ。
半可通が分からないだけでその人間の価値が決まる訳では無論ない。しかし汚い言葉遣いが世間を席巻し、昔からある味わい深い言葉や情緒有る言葉が使われなくなるのは、文化の後退のようで寂しい。どうかこの半可通が分からなかった先生の知識は半可通でない事と願いたいものです。
