金田一耕助ベストテン
実は昨日からスカパーを導入したのですが、早速、ミステリチャンネルで『火曜日の女』シリーズ「いとこ同志」を見ました。
http://www.mystery.co.jp/program/itoko.html
- 出版社/メーカー: 日本クラウン
- 発売日: 2006/08/25
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「火曜日の女」は、1969年〜1973年にかけて日本テレビ系で放送されたサスペンスドラマシリーズで、のちの「火曜サスペンス劇場」の母体となったものです。
当時は2時間ドラマという形態がありませんでしたので、一回一時間で六〜七回程度の、連続ドラマとして作られていました。
このシリーズでは、コーネル・ウールリッチや笹沢佐保など内外の小説を原作としており、この「いとこ同志」は横溝正史の『三つ首塔』を原作としています。
- 作者: 横溝正史
- 出版社/メーカー: 角川書店(角川グループパブリッシング)
- 発売日: 1972/08/22
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ヒロインは島田陽子、相手役は佐々木剛という『仮面ライダー』色の強いキャスティングで、金田一耕助は出てきません。
同枠では、『犬神家の一族』『悪魔の手毬唄』も、『蒼いけものたち』『おんな友だち』というタイトルでドラマ化されていますが、これらにも金田一耕助は出ないんですね。
当時はまだ金田一耕助ブームが来ておらず、名探偵という古めかしい存在が敬遠されたんでしょうか。
さて。
横溝正史先生にも、自作ベストテンを選んでいただいたことがありました。
- 作者: 横溝正史
- 出版社/メーカー: 角川書店
- 発売日: 1979/01
- メディア: 文庫
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自作について謙遜することしきりだった横溝先生のことで、さすがに自分で選んだのではなく、評論家の田中潤司氏によるベスト5の引用にとどまっているのですが、
となっています。これに続き、ご自分で選んだのが
- 悪魔が来りて笛を吹く
- 仮面舞踏会
であり、この下には、「文庫本の売れ行きからすると」というデータ主義的な選定基準で
- 三つ首塔
- 女王蜂
- 夜歩く
が選ばれているのですが、
むろん私はこれらの作品にも深い愛着を持っているのだが、ベスト10に入れるとなると躊躇せざるを得ないのである。
と、謙遜深い姿勢を見せる横溝先生なのでありました。
しかし、その創作意欲はまだまだ旺盛で、
私にはまだ数編書く歳月が残されているはずである。そのなかからこれぞベスト10作品というのを、少なくとも三編は書きたいと思っている。
と、その章を結んでいます。
横溝正史は、それから亡くなるまでに『病院坂の首縊りの家』『悪霊島』という二つの長編を完成させましたが、それらをベストテンに入れるかどうか、は微妙なところですね。