パスト・マスターズ

ここ数日のトピックで、触れてなかったネタをいくつか。

宮崎勤処刑

幼女連続誘拐殺人犯の宮崎勤が、6月17日に死刑執行されました。


この件については、鳩山邦夫法務相朝日新聞のコラムで「死に神」と評されたり、秋葉原通り魔事件の直後に執行されたというタイミングに恣意的なものを感じる人が多かったり、といろいろありました。



ぼくとしては、「フィクションに登場する宮崎勤という切り口でちょっと論じてみたいところです。

リング [DVD]

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中田秀夫監督による日本版『リング』では、呪いのビデオの映像中に「白い布をかぶって指をさす男」が登場しますが、これは宮崎の現場検証をモデルにしているそうです。

  • 呪いのビデオ


報道写真を見た中田監督が、その禍々しさが印象的だったので、そのイメージを採用したのだとか。


大同人物語 (1) (Gum comics)

大同人物語 (1) (Gum comics)

また、平野耕太の『大同人物語』では、コミケに参加していた同人作家の主人公が、かつて同じサークルに所属していた仲間が事件を起こし、激しく弾劾されたという過去を持っていました。


宮崎は実際に一度コミケに参加していたことがあり、逮捕直後、1989年の夏コミを取材した東海林のり子が「ここに10万人の宮崎勤がいます」と言った、という話は有名ですね。


ヒステリック・サバイバー

ヒステリック・サバイバー

それから、深町秋生先生の2006年作品『ヒステリック・サバイバー』には、幼女連続誘拐殺人犯である”本山通”という人物が登場します。


舞台となる町は彼の出身地で、それゆえオタクへの偏見が強いその土地の中学で、オタクが迫害を受けるというストーリーでした。


このネーミングは、こないだ文庫になった『電波男』の人に酷似していますね。

電波男 (講談社文庫)

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7人のセーラームーン

6月18日、アイドルで女優の神戸みゆきが亡くなりました。

神戸みゆき AMARETTO 危険な香り [DVD]

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昨年に体調を崩し舞台を降板してから、入退院を繰り返していたとのこと。元気ではつらつとしたイメージの人だったので、驚きました。人の命なんてはかないものですねぇ。


で。



この人の訃報を伝えるニュースでは、どこも「三代目セーラームーンと言ってたのですが、正直それはイメージ薄いなぁ。ミュージカル版なんて観た人あんまりいねえだろ。


というわけで、歴代セーラームーンについて調べてみました。

美少女戦士セーラームーン Vol.1 [DVD]

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1992年3月に放送開始されたアニメ版では、三石琴乃が主役を演じました。当時まだ若手だった三石はこれでブレイクを果たし、1997年のシリーズ終了まで演じ続け、現在も人気のベテラン声優として活躍しています。

  • 二代目:荒木香恵

美少女戦士セーラームーンR VOL.1 [DVD]

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1993年2月〜3月に放送された、無印『セーラームーン』44話から第二期『セーラームーンR』4話までの7週分、三石琴乃が急病で入院したため、代役として荒木香恵が主役を演じました。荒木はこの縁で、後期シリーズにおいて、未来からやってきた主人公の娘”ちびうさ”を演じることになります。
この辺は、同じ東映の制作ということもあって、『仮面ライダー』における藤岡弘、の負傷→佐々木剛が演じる仮面ライダー2号の登場という流れを彷彿とさせるものがありました。


また、『セーラームーンR』は代役で放送が開始され、アイキャッチも荒木が吹き込んだものが使われたため、三石が復帰してからも新録はされず、最終回まで荒木の声が使われることになりました。

1993年に初演されたミュージカル『美少女戦士セーラームーン』では、大山アンザが主役を務めました。以後、1998年まで大山がセーラームーンを演じることになります。三石琴乃と並び、最も長期間セーラームーンを演じた女優ですね。


大山は、現在はANZAと改名して女優・歌手として活動しており、ヘヴィ・メタルバンド”HEAD PHONES PRESIDENT”のヴォーカルとしても活動しています。

VARY

VARY

1998年から99年にかけて主演。

2000年から2001年にかけて主演。

元ギャルの黒木真由美の娘である黒木マリナは、2001年から2005年まで演じました。
12のらくがき

12のらくがき

美少女戦士セーラームーン(1) [DVD]

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2003年から2004年にかけて放送された実写ドラマ版では、沢井美優が主役でした。


というわけで、新聞などでは「三代目」と書かれていた神戸みゆきは、アニメ版から数えると五代目にあたるのでした。