鬼畜

鬼畜 [DVD]

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Amazonでは、違法性をテーマにしたアダルト商品の取り扱いを中止するそうです。


http://alfalfa.livedoor.biz/archives/51404352.html
自著が買えなくなったというエロ漫画家さんが出版社を通じて問い合わせたら、こんな回答が返ってきたそうな。

Amazon.co.jpでは既に取り扱いを禁止している児童ポルノを想起させる商品に加え、
以下に該当するようなアダルト商品の取り扱いを、今後中止することにいたします。
また発見した場合は直ちにカタログの削除を行います。
・違法性、残虐、虐待をテーマにした商品、または著しく嫌悪感を催すような商品
―「残虐表現」「ドラッグ」「鬼畜系」「食糞」「獣姦」等の残虐表現を含むもの


また商品登録の際に下記の文言を「キーワード」に登録することを禁じます。
―「レイプ」「強姦」「輪姦」「暴行」「乱暴」「凌辱」「虐待」「残虐」「食糞」「獣姦」「ドラッグ」「鬼畜」
その他著しく残虐または嫌悪感を催すような表現


上記に該当する商品の登録や、キーワードの登録があった場合は商品を削除させていただき、
また削除にも拘わらず同じ商品を再度登録されたり、禁止されたキーワードを再度登録されたりといった状況がある場合、
今後の取引をお断りすることもございますので、予めご了承くださいませ。

まぁ、ふつうに言葉狩りですよね。
「レイプ」がダメ、「ドラッグ」もダメだってんなら、ニルヴァーナマリリン・マンソンもダメになっちゃうじゃないか。


イン・ユーテロ

イン・ユーテロ


メカニカル・アニマルズ

メカニカル・アニマルズ

まぁこれらの音楽ソフトは「アダルト商品」カテゴリには入りませんけど。


児童ポルノを「想起させる」とか、「著しく嫌悪感を催す」とか、いちいち曖昧な表現で商品を削除していこうってんだから、Amazon表現の自由ってもんをまったく軽んじていることは確実です。


そんなさぁ、同じビルに住む山岡に感化された八百屋が「これからウチは無農薬・有機栽培のオーガニック野菜しか置かないよ」とかいうのとはワケが違うんだよ、あんたらの商売はさぁ。

(なんか最近『美味しんぼ』ネタが多いなぁ)


違法なものやグロテスクなものを扱ったフィクションを、市場から締め出そうというのは危険なことだと思うけどなぁ。


しかも、キーワードで逐語的に潰すってのは、ねぇ。

山本弘のSF秘密基地BLOG:毬江がテレビに出なかったわけ
山本弘会長は、『図書館戦争』の原作に登場するある人物がアニメ版には出てこなかったことについて、こう書かれています。

図書館戦争』の世界は絵空事ではない。現実に起きていることだ。この話をリアリティがないと思うのは、出版界や放送界の実状を知らない人だろう。
図書館戦争』の世界と違うのは、「違反語」リストを作り、それに従って言葉を狩っているのが、政府が作った良化委員会ではなく、出版界や放送界自身だということ。「メディア良化委員会」とは、実はメディアそのものなのである。

出版会や放送界の「良化」をくぐりぬけて来た作品も、流通の段階でまたハネられるんだもんなぁ。


そのうち、野村芳太郎監督の『鬼畜』とか、パゾリーニの『ソドムの市』とかも、Amazonじゃ買えなくなるんでしょうか。

<ホラー番長シリーズ> ソドムの市 [DVD]

<ホラー番長シリーズ> ソドムの市 [DVD]

『ソドムの市』で検索しても、こっちしか出てこないという(笑)



食糞」といえばディヴァインを思い浮かべる人も少なくないと思いますが、今んトコはまだ『ピンク・フラミンゴ』も売ってるみたいなので、お買い上げはお早めに。

ピンク・フラミンゴ ノーカット特別版 [DVD]

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