傍聞き

本日は、山形市で「小説家になろう講座」を受けてまいりました。


今回の講師は、『傍聞き』で日本推理作家協会賞の短編賞を受賞された、山形市在住の長岡弘樹先生です。

傍聞き

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講座出身の作家である、深町秋生先生と柚月裕子先生も、顧問という形で参加されています。


この講座は、受講生の書いた短編小説やエッセイをテキストとして、受講生や講師の先生が批評するというスタイルをとっています。今月は、ぼくの書いた短編小説も、テキストの一つとして使ってもらいました。


長岡先生が、小説を書く上で気をつけているのが、「○○感」という単語を使わないこと。


「安堵感」「恐怖感」「違和感」を感じた、と書いてしまったらそれだけで終わりなので、人物のリアクションで表現することが必要なんですね。


安堵した人がどんな表情になったのか、恐怖を感じた人がどこをどう震わせたのか、違和感を覚えた人が何をどう感じたのか、を書かないと小説にならないんですね。


ぼくも、ブログでは「空気感」「なるほど感」「やらされてる感」などの国語的に間違ってる感のある言葉を使うことがあるので、小説を書くときはそのクセが出ないように気をつけたいと思います。



講座の後半は、柚月先生による一問一答インタビューがありました。


「子供のころは、一言でいうとウソツキな子だった」という長岡先生は、軽妙なユーモアを交えて話されるのですが、「好きな映画は」という質問に北国の帝王と即答されたのはネタかマジか判断しづらかったです。会場には三十人以上の受講生がいたのですが、笑ってたのはオレと深町先生の二人だけでした。

感情より理知の面白さを描くことを重視している長岡先生が、思いついたアイデアを片っ端からエクセルのネタ帳に書き込むものの使えるのは1%以下だ、というご苦労も聞かせていただきました。

サインもいただきました。ありがとうございます。
「忙しい人のために書く」という座右の銘は、余計な文章を入れず簡潔に書くということをそう表現されてるそうです。



この「小説家になろう講座」は、1997年に直木賞作家の高橋義夫先生を講師として発足し、現在は評論家の池上冬樹先生を世話役兼講師として、さくらんぼテレビの後援を得て運営されています。


くわしくはこちらをご参照ください。
http://www.sakuranbo.co.jp/special/narou/info.html


次回は5月24日(日)、角川書店の山田剛史さんを講師として、ゲストに作家の安達千夏さんをお迎えして開かれます。

モルヒネ (祥伝社文庫)

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