人生という名のSL

ブラック・ジャック創作秘話』完結の5巻を読んだッス。

今回は、手塚治虫の娘である手塚るみ子・千以子の両氏、秋田書店の元制作部長、元アシスタントの歯科医、赤塚不二夫(1998年のインタビュー)、元アシスタントで漫画家の伴俊男に取材しています。
最近は田中圭一とよくコラボしているるみ子氏が、思春期にあった父への反発心を告白するあたりは興味深いですね。



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神罰

神罰


でも、ほとんど漫画家との接点がない制作部の人の話は、あんまり手塚治虫とも『ブラック・ジャック』とも関係ないし、赤塚不二夫の回は98年の赤塚インタビューと2013年の編集者インタビューの話が混在していて、「これ誰が話してるんだよ」と混乱するところもありました。

これでいいのだ―赤塚不二夫自叙伝 (文春文庫)

これでいいのだ―赤塚不二夫自叙伝 (文春文庫)

(この本からの引用もあり)


とはいえ、最終回となった伴俊男の回は感動的で、病床の手塚治虫が弟子を怒鳴りつける場面は実に味わい深いです。

手塚治虫物語―アニメの夢1960~1989

手塚治虫物語―アニメの夢1960~1989


あと、吉本浩二の似顔絵技術も上達していて、1巻では永井豪がぜんぜん似てなかった(あんなに似せやすい人なのに)のに対し、5巻の赤塚不二夫はそっくりに描かれています。

これは似てるなあ。


というわけで、全5巻にわたって、楽しませていただきました。「これで終わり」という区切りをつけづらいタイプの作品ではありますが、完結エピソードもよくできていて、納得のラストでありました。