男の魂に火をつけろ! このページをアンテナに追加


  
 

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2015-05-21 もし夢枕獏が桃太郎を書いたら このエントリーを含むブックマーク

ナナオクプリーズ』の桃太郎ネタも本になったことだし、このネタもそろそろ遠慮したほうがいいのかもしれないけど、そんなこたぁよう、おいらの知ったことじゃぁねぇのさ。


過去シリーズ一覧はここだぜ。

もし大藪春彦が桃太郎を書いたら - 男の魂に火をつけろ! もし大藪春彦が桃太郎を書いたら - 男の魂に火をつけろ!

もし平山夢明が桃太郎を書いたら - 男の魂に火をつけろ! もし平山夢明が桃太郎を書いたら - 男の魂に火をつけろ!

もし夢野久作が桃太郎を書いたら - 男の魂に火をつけろ! もし夢野久作が桃太郎を書いたら - 男の魂に火をつけろ!

もし横溝正史が桃太郎を書いたら - 男の魂に火をつけろ! もし横溝正史が桃太郎を書いたら - 男の魂に火をつけろ!

もし小池一夫が桃太郎を書いたら - 男の魂に火をつけろ! もし小池一夫が桃太郎を書いたら - 男の魂に火をつけろ!

もし桃太郎が水曜どうでしょうだったら - 男の魂に火をつけろ! もし桃太郎が水曜どうでしょうだったら - 男の魂に火をつけろ!

もし桃太郎がなんJ民だらけだったら - 男の魂に火をつけろ! もし桃太郎がなんJ民だらけだったら - 男の魂に火をつけろ!

もし梶原一騎が桃太郎を書いたら - 男の魂に火をつけろ! もし梶原一騎が桃太郎を書いたら - 男の魂に火をつけろ!

もし伊藤政則が桃太郎を書いたら - 男の魂に火をつけろ! もし伊藤政則が桃太郎を書いたら - 男の魂に火をつけろ!

もし淀川長治が桃太郎を解説したら - 男の魂に火をつけろ! もし淀川長治が桃太郎を解説したら - 男の魂に火をつけろ!

もし鈴木涼美が桃太郎を書いたら - 男の魂に火をつけろ! もし鈴木涼美が桃太郎を書いたら - 男の魂に火をつけろ!

もしタカアンドトシが桃太郎をやったら - 男の魂に火をつけろ! もしタカアンドトシが桃太郎をやったら - 男の魂に火をつけろ!

もし全盛期の古館伊知郎が桃太郎を実況したら - 男の魂に火をつけろ! もし全盛期の古館伊知郎が桃太郎を実況したら - 男の魂に火をつけろ!

もし吉田豪が桃太郎一行にインタビューしたら - 男の魂に火をつけろ! もし吉田豪が桃太郎一行にインタビューしたら - 男の魂に火をつけろ!

もし富野由悠季が桃太郎を書いたら - 男の魂に火をつけろ! もし富野由悠季が桃太郎を書いたら - 男の魂に火をつけろ!

もし頭脳警察が桃太郎を歌ったら - 男の魂に火をつけろ! もし頭脳警察が桃太郎を歌ったら - 男の魂に火をつけろ!


もし夢枕獏桃太郎を書いたら

昔。

或。

爺。

婆。

住。

山。

柴。

川。

濯。

呑。

武。

羅。

虎。

流。

大。



「――ふひゅう」


たまらぬ桃であった。


桃太郎は、鬼ヶ島へ向けて歩き出した。

歩いた。

歩いた。

歩いた。

歩いた。

ただ歩いた。

風が、吹いた。

金木犀香りが、夜気に流れ出していた。


目の前に現れた男を見た瞬間、桃太郎脊髄にこわいものが走った。

太い男であった。

男は、ころりとした拳をさもうれしそうな顔で撫でつつ、有無を言わせぬ太い声を叩きこんできた。


桃太郎さん、桃太郎さんよう。

おめえさんの腰につけてるそいつを、

――キビ団子ってえのかい――

そいつをよう、おいらにひとつ、わけてくれねえかい



「ぬうっ」

桃太郎の肉の裡に高圧が生じ、ふくれあがってくるのがわかった。

呼気を吐くように、つぶやいた。


――やるさ。ああ、あんたにやろうじゃねえかよ。

だがな、ただってわけにはいかないぜ。

俺ぁこれから鬼ヶ島へ討伐にいくのさ。

それにあんたが、ついてくるってんなら――やるぜ。


「にいっ」

男の、太い口の端が吊り上がった。

太い笑みであった。


行くぜ。どこまでも行くしかあるまいよ。

おいらはよう、おめえさんみたいな男が好きさ。

わかっているぜ。おめえさんも、おいらみたいな男を探していたんだろう。

家来にだってなんだって、なってやるさ。おもしれぇぜぇ、桃太郎さんよう。


――そういうことになった。


さあ、ついに。

ついに、桃太郎物語がはじまってしまった。

こうなってしまったからには、もうどこまででもぶっ書いてぶっ書いてぶっ書きまくるしかあるまい。

当初の予定では一巻で完結させるつもりだったが、なに、書いてみたらごらんのとおりだ。

桃太郎松尾犬山出会いを描くだけで、一巻目の枚数を使い果たしてしまったのである

まことにもって、編集者諸氏には申し訳ないのだが、まだまだ書きたい場面が山ほどあるのだ。

次巻では、桃太郎と“マカコ”の対決をお届けできればと思っている。

ともかく、物語は動き出してしまったのだ。

さあ、知らねえぞ。

あと、五巻ほどはおつきあい覚悟していただこうか。


平成二十七年五月二十一日 仙台にて

鷲羽大介

Ivan_WiskyIvan_Wisky 2015/05/21 20:19 完結しねぇ(笑)

RASRAS 2015/05/21 22:40 「鬼を相手に、どういう作戦で闘う?」
キジが質問した。
「ない」
桃太郎が答えた。
「ない?」
「ああ」
「何も作戦は無しか」
「あるとすればーーー」
桃太郎の返事はシンプルなものであった。
「全力でやる」
「全力?」
「ああ」
桃の実を割った時のように。
犬とやった時のように。
猿とやった時のように。
そしてーーー。
「俺とやった時のように、か」
キジは面白そうに笑った。
俺とやった時のように、か。
ふふん。
俺も、桃太郎を相手にいっぱしの口をきくじゃあないか。
あの時、キジは成す術もなく桃太郎に敗北した。
ただ一方的に打撃技を喰らい、クチバシを折られただけでなく、最後は寝技で右羽根を折られたのだ。
一切の手加減を、桃太郎はしなかった。
だが、不思議とキジは悔しさを感じなかった。
キジの羽根を折った後、桃太郎は上半身裸のまま裸足で逃げたと後から聞いた。
今でも、それを思い浮かべると、キジは吹き出しそうになる。
その闘いの負傷が回復した後、キジは鬼退治の桃太郎一行に加わった。
あの時、敗北したからーーー。
今まで昔話の世界で生きてこられたのだと、キジはそう思っている。

ブルーブルー 2015/11/14 11:17 面白過ぎ