スーパーカップ カキだしチゲ鍋風ラーメン

カップ麺業界というのは非常に商品の移り変わりが早く、ひっきりなしにモデルチェンジが行われているので、お気に入りの品物は常に一期一会の精神で食べなくてはならない。


エースコックの大盛りカップラーメン「スーパーカップ」は、従来の1.5倍というボリュームとパンチ力ある味つけでジャンクフードファンの厚い支持を得てきたが、2014年からさらなる食べ応えを追求して「カドメン」というコンセプトを打ち出した。単なる太麺ではなく、四角くエッジの利いた断面の麺にすることで、食感がさらにくっきりして、唇から喉に至るまで強いインパクトを残すようになったのである。

ラーメン食いてぇ!(上) (イブニングKC)

ラーメン食いてぇ!(上) (イブニングKC)

林明輝の『ラーメン食いてぇ!』でおじいちゃんが言っていたように、ラーメンが「麺料理」か「汁料理」か、その捉え方は人それぞれである。が、ひとつの考え方として、麺を「ハード」、スープを「ソフト」と捉えることもできるであろう。「スーパーカップ」の現ラインナップを見ると、カドメンというハードの性能を最大限に発揮することを目的として、各フレーバーが開発されているのを感じる。



http://www.acecook.co.jp/products/list.php?noodleType=&tasteType=&brand=1



従来からある「みそ」「しょうゆ」「とんこつ」というスタンダードに加え、「ブタキム」「ギョーザパンチ」「芳醇とんこつ」、バター状ブロックを添えて濃厚に仕上げる「みそバター」など、麺の食べ応えを強調するジャンキーな味付けが選ばれている。そして、昨年の11月末から販売されているフレーバーのひとつが、この「広島産カキだし チゲ鍋風ラーメン」である!


http://www.acecook.co.jp/products/detail.php?id=384


「スーパーカップ」は、ほかの商品は豚ベースのスープで、動物系のパンチある味を身上にしている。しかし、「カキだしチゲ鍋風ラーメン」は魚介の味を前面に押し出しているのがポイントだ。カキのだしは、濃厚だがともすれば臭みが鼻につきやすい。しかし、チゲ風の味付けにすることで、唐辛子やにんにくのスパイシーさが加わり、また、カドメンの歯応えに負けないインパクトを演出している。麺を食べ終わったら、ご飯を投入しておじやにするのもよろしい。炭水化物こそわれら貧民の味方である。



中年にもなってカップ麺ばかり食べている人間のことを、世間ではどう思うか。オレだってそんなことは知っている。だがそんな世間体が何だというのだ。人生は短いのだ。わかったような顔をして、スカした飯を食っているヒマなんかオレにはない。何を食うか、というのはどう生きるか、と同義だ。どんな異性と、あるいは同性と寝てきたか。どんな職場で働き、あるいは働かなかったか。どんな本を読んで、どんな映画を観てきたのか。どんな主義思想を持ち、どの神に祈って生きてきたか。そんなものが人間の本質を表しているなんて、オレは信じない。オレという人間に本質があるとしたら、それはカップ麺の中にしかないのだ。