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WASTE OF POPS 80s-90s

2016年10月27日

amiinA / Avalon (Album)

大傑作。
アイドルグループのアルバムとして評価云々ではなく、今年聴いた洋邦東西全てのジャンルの音楽アルバムの中で確実に三本の指に入るレベルで。
先行シングルにあたる「Atlas」の時点で方向性が定まりスケール感も格段に増したことが確認でき、アルバムにも期待しかなかったのですが、果たしてその期待を軽く超えてきました。
既発曲もそれなりに収録されてはいるのですが、新曲や未音源化曲がその点と点をつなぐように配置され、アルバムとしてのトータル感がハンパない。

楽曲派サブカル糞親父として最近のアイドル界隈を眺めると、明らかにこれまでと異なった様子が見られます。
BABYMETAL以前にもメタルっぽいモチーフのアイドルはいましたが、彼女たちだけがブレイクしたのは「バックトラックが本物のガチ」であったことがその要件のひとつであることは間違いなく、そしてそのブレイクに呼応するかのようにメタル以外のジャンルの音楽をベースにするアイドルにも「それっぽい」ではない、「バックトラックが本物のガチ」なグループが増えてきています。そのジャンルに対しての本気度がおよそ従前のアイドル音楽の次元を超えてくるヤツが。

アイドル楽曲のお約束をおよそ全無視して狭義のEDMをそのまま鳴らすSTEREO TOKYO、ワンマンライブ開始以降ツインドラムを含む最大13人編成のバンドになるゆるめるモ!、従前から活動しているパンクバンドをバックに付けてバキバキのライブを展開する絶叫する60度、残響レーベルの強者がプロデュースから演奏から行った結果変拍子上等の轟音ポストロックなsora tob sakana。等々。

「アイドルの割にしっかりした音」ではなく、ただ音楽として本気のトラックを作った後に女の子のパフォーマンスを乗せたといっていいんじゃないかレベルのグループが出てくるようになり、そして、その流れの現時点での最高峰が出てきてしまったという感じのが、このアルバムです。

以前「Canvas」を語る際にSigur RosのJonsiのソロアルバムを引き合いに出しましたが、彼やArcade Fire等が用いる「バンド的な構造にこだわらないスケール感優先の展開」という方向性の音作りが全編にわたって展開されてアルバム通して全くぶれず、そういうスケール感ですから音楽としての「大きさ」も他にそう簡単に類を見ないレベル。結果、アルバム聴いている最中だいたいずっと鳥肌立ちっぱなし。カタルシスっていうのはこういうことです。

今、日本の大衆音楽はすごく面白いと思っています。ベテランが復活してプレゼンスを見せつける中、新しいアイデアを持つバンドが数多くデビューしたり、過去の音楽ジャンルを掘り起こして更に独自のヒネりを加えるミュージシャンがいたり。
そしてアイドルシーンも「バックトラックが本物のガチ」な流れとも相まって、アイドル以外のシーンの音楽と相当に密接なリンクが進んできていて、純粋に音楽として面白い。楽曲派サブカル糞親父にとっては天国です。

細かくジャンル分けするのもだんだん面倒臭くなってきたことですし、だいたい「ポピュラー音楽」としてまとめて全部聴いちゃえばいいんですよ。アイドルのライブにもばんばん行けばいいんですよ。いい音楽がデカい音で聴けて、それを歌ってるのが可愛い女の子ならいろいろおトクじゃないですか。別に怖くないです。大丈夫です。ごく稀に怖い人もいますが、積極的にこちらに危害を加えに来るタイプではありませんので、ちょっと距離を置けば平気です。多分。