sora tob sakana「cocoon ep」のこと

sora tob sakana / cocoon ep (EP)

何だこれ。
あの大傑作だったはずの1stアルバムを軽く超えてきやがった。ミニアルバム6曲通してとんでもないことになっている。

昨日公開されるや一部ですごい反響のあったリードトラック「ribbon」、およそ全体通して5拍子で途中でポリリズム的展開もぶっ込まれ、楽器の鳴りも相変わらずやたらソリッド、メロディもただの繰り返しにはならず次々新しいメロが差し込まれるという複雑な構造のトラックのはずなのに、通して聴くとふわっとした感触すらする「アイドル楽曲」として完全に成立しているという謎状態。

いま改めて1stを聴くと、照井氏が「アイドルソング」という枠をある程度意識しつつそこに自分がハイスイノナサ等のバンド活動で得た知見・センスをぶち込んでみました、という感じの曲も多かったわけですが、今回は「アイドル」という曖昧な枠でもなく、バンド活動の知見の流用でもなく、もう完全にあの4人だけを見て出てくるものだけで作ってる感じがするのです。
sora tob sakanaのアイデンティティがそのまま鳴っていて、彼女たちが歌っている。それは無敵ですよ。

4月30日リキッドルームでの完全生バンドのワンマンライブ、ソールドアウトだそうで、何か動き始めているような気もしなくはない。こういう楽曲ですからもう1ステップ行けるかどうかくらいではあると思うんですけど、でもメンバーの気持ち、特にれいちゃんの「もっと売れたい」という野心が満足するくらいにまではなってほしいし、こういう音楽がこういう形で売れるとすれば、日本の音楽もう少し面白くなります。
とりあえず30日、俺は泣くと思います。嬉しいでも悲しいでもなく、ただ感極まって泣きます。リキッドでおっさん泣いてたらそっとしておいてください。