授業紹介「東南アジアの社会と文化」

「東南アジアの社会と文化」担当教員の金丸です。
この授業は国際社会システム専修の専門科目で3年生以上で履修できます。
前期に「1」が、後期に「2」が開講されます。






前期の「1」では、主に東南アジア地域の歴史と文化についてお話しします。
どうしてバリ島(インドネシア)は観光客に人気なのか?どうしてアユタヤ(タイ)の仏像は多くが破壊されているのか?マラッカ(マレーシア)の街には中国風の建物とヨーロッパ風の建物がミックスされているのか?などなど。それらは、ヒンドゥー、仏教、イスラムといった宗教とともに文化が流れ込んできた経緯があり、さらに西欧諸国による植民地化の歴史的背景があります。
現在ある独立国としての東南アジア諸国の歴史は、せいぜい第二次大戦以降です。その際にどのような経緯で独立を果たしたのかということが、現在に至る政治体制にも影響しています。後半では独立後の各国の概要についてもお話しします。

こうした歴史的経緯もふまえて、後期の「2」では、独立後、現在に至る東南アジア諸国の政治と経済の発展について主にお話しします。90年代には「奇跡」とも呼ばれた東南アジア諸国の経済発展はどのようにして可能になったのか?そこに関係する各国の政治の仕組みと特徴。そして、経済発展という「光」の一方で、「影」とも呼ばれるさまざまな問題、例えば、抑圧的な政治体制の問題や、少数民族問題、格差が生み出す取り残された貧困層の問題などについて解説したいと思っています。




東南アジアは「近くて遠い地域」といった印象が、日本人の間で長く持たれてきました。しかし、昨年のタイの水害でもわかったように、現在では多くの日本企業が東南アジア各国に進出し、日本経済はもはや東南アジア抜きには考えられません。
また文化の面でも、ジャカルタインドネシア)にはAKB48の姉妹ユニット「JKT48」が結成されたり、東南アジアの至るところで「ONE PEACE」や「NARUTO」といった日本のコミックがあふれていたりと、ますます関係を深めているようです。
みなさんもこの機会に、もうちょっと深く、東南アジアのことについて学んでみるというのはいかがでしょうか?