サンスイ AU-9500の話 (2)


まずは出力のDCバランスと、出力段のバイアス電流を測定してみます。
サービスマニュアルではDCは+/-30mV以内、バイアスは30〜40mAとされてます。この修理後の実機では、バイアス電流が各チャンネルともにちょっと控えめ、15mAに調整されていました。




パワーアンプドライバー基板に付いている2つの半固定で、バイアス電流、DCバランスが調整できることを確認。下がドライバー基板の回路図。




出力段のパワーTrは、東芝の2SC1079/2SA679。サンケンの石が載っているバージョンもあるらしい。この東芝のコンプリペアは、ラックスマンのL-309あたりと一緒。




プリアンプ用の定電圧電源駆動用のトランジスタは日立2SC680。これとコンプリペアの2SA566は金田式の定電圧電源駆動用として超有名でいまはとっても入手難。




プリアンプ用定電圧電源基板。この基板を外すと、ラインアンプ基板のパターン面にアクセスできるようになります。




ラインアンプ基板パターン面。ラインアンプ基板のパターン面には、トーンなどさまざまなサブ機能基板との入出力配線が直付けされてます。出入りするたびにカップリングの電解Cが入るのでちょっと嫌な感じです。
これら直付け配線を全て一旦外して、ラインアンプ基板を摘出することにします。




無事摘出。元にもどせるかどうか、ちょっとだけ不安。




ラインアンプ基板の回路図。
もともと、三菱の低雑音小信号Trである2SC1313/2SA726が多用されていたところが、修理調整によって2SC1845/2SA992に変更されています。ここを、本来の2SA726に戻し、2SC1313の方は2SC1400に交換するのがラインアンプ改造のハイライト。
2SA726のエミッタフォロワによるプリアウト、がもともとの設計ですが、ここは2SA606あたりに変えてしまおうか、とも思います。ついでに、各部の発振防止の小容量セラコンは、適当に容量減らしてマイカコンデンサにしてしまいましょう。チェンジニアの本領発揮。




なにはともあれ、まずは基板上のTrを全て外してみた。