福王子神社

福王子神社は、京都市右京区宇多野福王子町に鎮座。
式内社「深川神社」の後身だとか。

御本殿本社 福王子大明神 班子皇后一座
末社 松尾大明神 夫荒神

右京区宇多野に鎮まります福王子神社は第五十八代光孝天皇の皇后班子皇后がおまつりしてあります。
班子皇后は仁和寺の開山祖 宇多天皇の御母君であらせらるるところから、古くより仁和寺鎮守神であります。
この御神殿は寛永二十一年今から三百三十年前 三代将軍徳川家光公と仁和寺法王覚深親王仁和寺大伽藍と共に新たに御造営された社殿で、それ以前は深川神社(本社末社共)と申上げ平安朝時代からあった神社で延喜式の社号がございました、が應仁の戦乱で惜くもすっかり焼失してしまいました。現在の福王子神社はこの深川神社の後身であり御再建以来、仁和寺歴代親王の崇敬あつく今日も尚 お祭には奉幣の儀が行はれて居ます。
又、御祭神班子皇后は至極お気軽なお気持ちのお方でその御神徳をお慕ひ申上げ、古くより東紙屋川 西廣沢 大沢池畔、嵯峨野、南三条辺まで産土の大神として厚く尊崇せられて居ます。
因みにこの地は一説によれば御祭神班子皇后の御陵墓かと言い傳へられてゐます。
末社荒神は平安朝時代毎夏洛北氷室より御所宮中へ氷を献上する習はしあり、氷を運ぶ役夫がこの辺で疲労の為力つき息絶ゆ、その霊をまつり、人々の安全を祈願致しました。
昭和四十八年三月この社殿の技法が何れも古式豊かで、よく神社建築の正しい手法が守られて居るところから、此度文部省より重要文化財に指定せられました。 以上

「由緒書より」

鳥居と拝殿

社殿

[末社] 夫荒社