もののみごと

west2692011-10-06

今日の一枚はタイヤ、といっても自動車の話ではない。三重県は松坂駅の近くにある鯛屋という旅館。前面道路の拡張で古い建物は大方消えてしまった。この店も玄関のところをゴソッと取られてしまったけれど、従来の雰囲気を残すべく改装したのだそうだ。改装以前の階段手すり客室も残っているけれど、常連さんが入り浸って空き室は無いとのこと。
内部の造作もどんな風なのか関心があったので、残念。そんな訳で新しい部屋に泊まった。

旅館の朝は早い。朝食後、約束の時間まで少々余裕がある。部屋に備え付けの地図を持って街に出るとこんな建物があった。


本居宣長の居宅跡」と記された敷地の隅にあった建物。外壁に杉皮を張り、杉板張りの軒だれが付いている。我が家にある「日本民家の造形」(川村善之)に載っている「本居宣長の居宅」によく似ているような気がする。こんな場所で遭遇するとは奇遇だ。
「成程これかそうかあ。早起きは三文の得なのだ」と、周りをウロウロして、写真を撮って、帰り際に説明版を読むと「本居春庭居宅」とあった。もののあわれ、いやものの見事に間違えてしまった。本命の方はどうやら松坂城跡の中に移築したらしい。