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what_a_dudeの日記 このページをアンテナに追加 RSSフィード

2012-01-28

ハーバードの確率の授業が凄い件

Statistics 110: Introduction to Probability

Statistics110というのはハーバードの履修番号で、この講義はHalf courseということになっているのでどの講義も1時間以内に終わる。講義をしているのはJoe Blitzsteinで、専門は確率と組み合わせ、モンテカルロ法をつかったネットワーク理論。彼のHPはこちら

 英語は基本的に平易で、数学的バックボーンがなくてもわかる、教養用の授業になっている。半期の授業なわけだが、講義のインデックスを見て驚くのは最終的にはMCMCに辿り着くことになっている。マジですか、と思いちらちらと見始めたらあっという間に半分見れてしまった。この人、めちゃくちゃ授業うまいです。調べるとハーバード大学全体から毎年3人選ばれるbest lecturers*1になったり、と学生からの評価が非常に高い。納得。ハーバード統計家で面白い人、と言えばXiao-Li Mengが思い浮かぶわけですが(どうですか、みなさん) 、この人の講義は非常にオーガナイズされていて、シンプルで、楽しい。高校生でも多分できる。左利きで字は汚い。何が面白いって「法則を覚える」ってステージから「問題を考える」っていうステージに誘導してくれる講義になっている所。

 この人の師匠は非常に有名な人でPersi Diaconis*2という人で、ランダムネスの研究者です。*3師匠さん譲りなのか最初の確率に関する説明が非常にわかりやすく、高校生から、大学生ぐらいの多くがつまづく、「条件付き:Conditioning」というやつがきわめて素直に理解できると思う。彼は「Conditioning」が「統計の魂:the soul of statistics」であるという。その後のさまざまな分布も、いろんなゲームの結果の分布として紹介している。

 例をあげよう。X=Binomial(m,p)Y=Binomial(n,p)があった時にX+Yはいくらか、という問題があったとする。

X+Y=Binomial(m+n,p)が答えなのだが、なぜか、というのは二項分布をベルヌーイ試行の結果としてとらえると理解しやすい。

X=Binomial(m,p)とは確率pで現象Aが起きる試行をm回おこなった時にX回起きた、ということを意味している。Aが成功でpが成功率だとすると、ようはm回チャレンジしてX回成功したわけだから、X+Yとは確率pの試行をm+n回チャレンジした場合の結果と捉えられる。X+Y=Binomial(m+n,p)だ。厳密な証明は省いて、ストーリーによる証明で理解させてくれる。終始こんな調子。

 講義は、誕生日問題やシンプソンのパラドックス、モンティ・ホール問題、ギャンブラーの破滅問題といった、有名な問題を扱うことで、ストーリーとして理解させることをかなり重視していることがわかる。ボース・アインシュタイン凝縮なんて恐ろしげな物理現象がかいてあっても気にすることはない。マクスウェル・ボルツマンとの違いとしてとらえる説明があってもいいかな、とか思ったけど、確率の授業だしね。

 

 英語の勉強としてもいいと思う。要求されるリスニングレベルは多分そんなに高くないと思うんだけど他人にとっての難易度が理解しにくくなった今日この頃。でもまぁ凄くお勧めです。ベイジアンの入り口にいざ立たんと思っている人に特に。私も今晩と明日の晩ぐらいで全部見終われるかな。

 

 あと実はハーバード以外でもアメリカの大学はオンラインでオープンにしている講義が多い。

 統計で言えばバークレー統計学の基礎講座もネットで見ることができます。

http://webcast.berkeley.edu/series.html#c,d,Statistics

youtubeでも観れる。

D

 つくづく思うが、英語を使えばネットでアクセスできる情報量というのは本当に膨大になるなぁということ。今回紹介したBlitzsteinの講義なんか確率初学者には本当に最高級のものだと思いますよ、ええ。

追記:ハーバードの講義はitunesからです。

youtubeの笑い飯みたいな人はバークレーのFletcherさんっていう講師です。

*1:マイケル・サンデルも貰ったやつ

*2:指摘ありがとうございます。

*3:一般受けのネタではコインの裏表の出る確率は50%ではないみたいなのもやってる。

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