みたもの・読んだもの

ウィンタースリーパー [DVD]

ウィンタースリーパー [DVD]


今更だけど、ここのところ続けてトム・ティクヴァ監督の作品をみている。
これもオープニングからして、音楽や映像がかっこいい。
話の展開のスピード感がいいし、情感いっぱいの甘いシーンは皆無。
単にきれいなショットでまとめられてるんじゃなくて、独特の映像美を感じさせる。


タイトルやパッケージの写真のイメージからは、ただのセクシー系?って感じなんだけど、でも実は夢遊病がテーマの物語。
語り手が主人公の女性を想う男性、ではなくてその男性の同棲相手という、ちょっとややこしくなってるのが面白い。
私は夢遊病の現実を知らないのでただこの作品だけをみて感じたことを書くのだけど、患者のガブリエルがひどい発作を起こすのはセックスの直後になるよう描かれてるなあと。
でもわりとこれは芯を突いているように思う。


宮脇檀 旅の手帖

宮脇檀 旅の手帖

タイトル通り、宮脇檀さんの旅の手帖。
主にホテルの客室の間取りスケッチ画で埋められている。
メジャー持って旅に出るのを真似してみようかな。
もちろんオニオンスキンの手帖で。
気に入った文章を引用しておく。

旅をする以上、何のためにこの旅をするのかという意識を持ちたい。建築が見たいのか、女に触れたいのか、うまいものが食べたいのか、ただ土産が買いたいのか、何でもいい。まず目標を設定すること。目標を設定しさえすれば、必ず何か収穫はある。逆に、何の意識もなければ何も見えない。テーマを持って出掛けるのとそうでないのとでは、収穫が10倍は違うのだ。

ツクツク図書館 (ダ・ヴィンチブックス)

ツクツク図書館 (ダ・ヴィンチブックス)

今の私には可愛らしすぎる内容だったかな。
おはなしのメインではないけれど、飼い猫の描写がいいなあと思う。
どこか「かなしみ」を含んだ文章が好きだ。
そしてふと思い出したのが、小さい頃読んだこの本。
淋しいおさかな (PHP文庫)

淋しいおさかな (PHP文庫)

この短編集におさめられている「ふな屋」という物語の物哀しさが印象深い。
「猫貸し屋」なんておはなしもあったんだなあ。
どこにしまわれているのか分からなくなってるけど、どうにか見付けて読み返したくなった。
と、ここまでは非現実の「かなしみ」。
つい最近のニュースで、私はひどく「かなしい」と感じる映像をみた。
それは加害者側の謝罪の会見であって、それに気持ちを寄せることは非難されるのだろうな。
でも私にはなぜかその場面が強烈だった。