くまみこ

 巷では最終回がものすごく叩かれていましたが、個人的には原始人(まち)を小馬鹿にする現代人(ナツ)みたいな構図が胸糞悪くて初期の時点でキツいアニメだなと思っていました。
 しかしその割には最終回まで見ることができたので、相応の面白さはあったのかなと思います。
 なんというか自然描写が割合多めで良かったです。草木が生い茂る景色ってのは見てるだけで癒されるものです。それしか特筆する良さは無かったかもしれません。
 この作品、大人がかなり身勝手で嫌な奴らでしたが、田舎の大人って結構あんな感じなのでむしろ再現度高いかなと感心したところです。子供はうまく折れつつコミュニケーションを確立するしかないのだ。ただ、ポジションとして常識人のオバサンとか必要だったんじゃないかなあ、なんて思います。人物関係がとても物足りなかったですね。
 会話内容が常時単調だったのは否めなくて、それは都会と田舎、老人と若者、原始人と現代人、みたいな単純極まりない構図でしか物語が進行しないことに問題があったんじゃないかなと思います。
 しかしこのアニメ、悪い意味で最終回の反響が物凄かったですが、連載中の原作漫画を一旦最終回として締めることの難しさみたいなものを切実に感じさせますね。
 たぶん、まちはどこかのタイミングで人間として成長せざるを得ないんでしょうが、そのタイミングは今じゃなかったんでしょう。
 成長はさせない、けれど作品としての落としどころは欲しい、という思いが交錯した結果、つらい結末を迎えてしまった。
 なんだかSHIROBAKOを思い出しますよ。終わってみると反響も含めて見る価値はあったなという意味で満足はしています。