舞台『TRUMP』2015ver.感想2 相違点とその感想など。

舞台『TRUMP』2015ver.行ってきました。

truth ver.初日のざっくり感想はこちらに
  『TRUMP』2015ver.truth ver.初日の感想

reverse感想はこちらに
  『TRUMP』2015ver. reverse感想

『TRUMP』関連作品など,もろもろ紹介はこちらに(ネタバレなし)
  『TRUMP』関連作品など,もろもろ

『TRUMP』総括的な感想はこちらに。
  『TRUMP』総括的な。


ざっくり感想とは切り離して,今までのバージョンとの違いを,感想を交えながら。
まだtruth ver.初日しか観ていないので,勘違いや,上演を重ねることでの演出変更があるかもしれません。


⚫︎冒頭
客席を亡霊に見立てている?


「本当に狂ってる人は,狂っていることに気付かない」という語り。
これはどこへの伏線だったのだろう。クラウス? それとも4500年後のソフィ? それとも繭期のクラン生?


クランのあった地は疫病があって滅んだ。
確かに,疫病だと納得する。


キャスパレが! ダンス!!
重厚な感じで,とっても好きです。
繰り返してみたいです。


⚫︎全体
ソフィの回想が多い。
以前はソフィとウルの二人でやっていたナレーション部分が,すべてソフィの回想に。
これがあるので,冒頭とエンディングへとのつながりが強固になった気がします。
ソフィ,本当にひとつずつ思い出してるんだな(;_;)ウッ



ギャグ成分は大幅減。
ストロングもエレガントもなし。
ラファエロの馬鹿成分も萬里の無茶振り自己紹介も,ザワザワもなし。
ダリちゃんはあります。やや控えめだけど,ダリちゃんはあります。


アンサンブルに,ソフィとウルはほとんど混じらないように。
キャスパレもですが,「二人で後から出てくる」というシーンが多い気がしました。
それだけ,二人のペア感や,特別感が際立ってて,よかったです。



⚫︎以下,バラバラと
ソフィの過去が明らかに。
「生まれた時に両親が死んだ」ということは,ソフィ自身に伝えられている。
ソフィが育ったのは,身寄りのないダンピールを集めた孤児院。そこにいた他のダンピールの子どもは,みな卑屈だと。
『SPECTER』で語られた養護施設ですね。



これまでのソフィは,巻き込まれ主人公で,自分から何をすることもなかったし,何を思ってるのかも断片的だったけれど,今回はそれが変わって能動的になった印象でした。



萬里がソフィに友達のことを聞くときに,「本当の君は,自分勝手で独りよがりで孤独だ」という具体的な発言が入った。
そしてその描写は,ほとんど『LILIUM』の彼に繋がるものだったと思います(;_;)(;_;)





ウルは,エリート集団に何度か「一緒に行こうぜ」と誘われる。
これは,前から「そうだろうなあ」と思っていたところだったので,語られていてスッキリ。
ウルは,もともとは良家の子息なのだから,アンジェリコと同じく「取り巻きになりたい人」がいるだろうなと。ウルは,ソフィとは違って,少なくとも表面的には孤独でないというか。
もちろん,ウルはそれをあえて拒否して,ソフィといるわけですが。



その他,ソフィがウルを強く拒絶したり,それを謝ったりと,二人の関係が濃くなっていました。




萬里の無茶振り自己紹介はなくなるする。
その代わり,「なれ合うつもりはない」と宣言が入る。
ソフィにラファエロに萬里にと,孤高の存在が多いですね,このクラン。



ウルがソフィに,一緒に永遠を生きることを提案。
ソフィにふられて「じゃあ,代わりに女の子の仲間をいっぱい作ろうかな」的な発言も。
それってどこのLILIUMですか(T_T)



ウルは今回「永遠の繭期だよ」という発言が多いなと。
以前は「永遠の命」と言っていたのですが。
でも,そもそもダンピールのウルにとっては,「永遠の命を望む」ってことは,「永遠の繭期を望む」ってことなんだなあ(T_T)



ソフィがクランに来た当初,リンチにあいラファエロに助けられた過去が入る。
それを受けて,ソフィがラファエロに対して,尊敬をにじませる発言があるし,「ラファエロが剣術試合で優勝すると言われてる」とソフィが言う。
「ソフィの剣は,兄さんに似ている」と,ウル。





ジョルジュとモローの言動が,繭期の症状として説明される。
そうか,ギャグとクイズは,繭期の症状だったのか……。
なんて平和な症状なんだ。サトクリフさんと交換してあげて!!




ダリとラファエロの関係強化。
剣術試合前にダリとラファエロが出会うが,あえて声をかけない。うう,かけてあげてください(T_T)
ただ,描写は強化されていましたが,ダリとラファエロの関係は,まだよくわからない。
パンフレットを見ると「ラファエロもウルもどちらも愛している」とあるけれど,ダリにとってのラファエロラファエロにとってのダリはどんなものだったのか。自分の中でうまく着地できていません。




ラファエロが,ジョルジュに対してかすかなやさしさを見せる。
(ちなみにジョルジュのギャグは健在。ギャグベストセレクションになってました)



ラファエロを殺したクラウスに対して,「自分がラファエロを殺したかったのに」というアンジェリコ
その後「本当は二人で血盟議会を……」とありましたが,個人的には,「ラファエロを殺したかった」だけで十分その気持ちは伝わりました。
この二人の関係は,舞台でがっつり見たいです。





ラストシーンのソフィとクラウスが変わった。
以前はクラウスがソフィに手を伸ばしていましたが,今回はソフィがクラウスに向かって手を伸ばすシーンに。


私は,以前の描写が好きだったので「ええ?!」と思いました。
以前の描写だと,クラウスが,ソフィを(ソフィが望もうとも,望まざろうとも),永遠の世界に導く意思を感じられたのですが,
今回だと,ソフィがクラウスを求めている感じでした。
いや,クラウスを探しているのだから,それは別に間違ってはいないのですが。



ただ,以前のシーンでは,「クラウスの罪,渇望,孤独」というのが詰まっていたと思ったので,今回はどう受け止めればいいのか。うーん。まだ飲み込めていません。




ピエトロの存在感もありました。
クラウスから「君はなんでクランにいるんですか?」と聞かれたり。


その他,クラウスはメリーベルを見たことがあったり,グスタフとミケランジェロに,過去を回想するちょっとした台詞があったり,細かいところでも変わっていました。






役者が変わったせいで,印象が変わった人物も。



特にウルは,ガラッと変わったなと。
ウルは,人懐っこさと脆さが共存する存在だなと思ってたので、今回のウルは想定外。チラシとも全然違うー!
強すぎて、守護者いらないじゃ? 的なことを言われてたのがよくわかった。
ただ,ラファエロはそれ以上に強さを打ち出していたので,この兄弟すごいです。


あと,心の中では「ウル,ネブラ村にいきなよ!」と何度か思いました。
あそこの村人は,繭期を超えて長生きしている比率が高い気がするので,水がいいとか,何らかの秘訣あるのでは?
(いや,ネブラ村はもう焼け落ちてるんですが)




アンジェリコ様は,高貴なのですが,もっとキッラキラのギッラギラかと思っていました。
もっと純血倶楽部の活躍を見たいところです。




萬里は,ノームらしさをひしひしと。
成長したノームがいますよー(T_T)




クラウスとアレン。クラウス……クラウス……。アレン………。
この二人はとくにまだ飲み込めません。


「『LILIUM』の初日は,すごすぎて拍手も起こらなかった」と聞きましたが,
今回、カーテンコールでクラウスとアレンが出てきたときは,私も拍手の手を止めてしまいました。
自然と,手が止まってしまった。それくらい,圧倒されました。



明日は,リバースを観る予定です。
どれだけ変わっているのか,もしくは同じなのか。
観たとき何を思っているのか,想像できません。たのしみですが,怖いです。




うーん,めっちゃ長いですが,とりあえず投下。