茅田砂胡 嘆きのサイレン

今までラノベは書いてなかったような気がする。茅田砂胡は今一番売れているラノベ作家じゃないかな。紀伊国屋ランキングとかにもしばしば入ってるし。別にそれがどうこうってわけじゃないけど、久方ぶりにラノベを手にとったので読んでみたわけですよ。どうやらクラッシュ・ブレイズもシリーズ化みたいですな。新刊も出てますし。
まぁ、茅田砂胡を知らない人はデルフィニア戦記のシリーズやスカーレット・ウィザードのシリーズを読むといいですな。というか、この本はデルフィニア戦記から数えると外伝の外伝の外伝ぐらいに位置するので、せめてスカーレットウィザード読まないとダメかもしれない本ではあります。
まぁ、キャラクターで面白がれる人なら善いんですがね。

あらすじ

  • 茅田節を知ってる人向け

例の夫妻が蘇ったフランケンシュタインを狩るお話

  • 初めて読む人向け

宇宙〜の海は〜俺〜の〜海〜という海賊のケリーと元特殊部隊所属の「雌虎」の異名を持つ大金持ち且つ元病弱なジャスミンの夫婦は暇を持て余して居た所、もう引退した元政治家から水を向けられ暇つぶしに事件解決に出かける。
二人はケリーの持ち船のダイアナ11Thに乗って宇宙船の感応頭脳が異常を起すという宙域に出かけたのだが・・・ダイアナがおかしくなるのだった。
ダイアナは偶然の産物の人工知能型感応頭脳の持ち主でれっきとした自我を持っている。そこらの船にはブレインファックされないはずなのだが・・・。

感想

茅田さんには珍しく1冊完結型の本ですな。今までは外伝は置いておくとしても一冊完結せずに結構長引いたりしてたわけですが、今回はラストまでこれで一冊で終わるのかちと心配でしたが無事終了。続冊は出てる模様なのでそのうち読む予定。しかし、暁の天使達の外伝2をまだ読んでないんでそっちが先になるかも。
しかし、作品世界は好きなんだけど、外伝の外伝の外伝というあたりのこの本はちょっと微妙ですな。新規開拓という方向ではないし、既存の読者のための読者サービスの様な本ですわ。これは単体で読んでもそれほどでも無いかと。まぁ、角川でシリーズ書いてるレッドガンナーの中途半端さとは無縁の茅田節なので、茅田砂胡の読者は安心して読める内容。ただスカーレットウィザードに有ったストーリーカタルシスが無くなって読者には厳しい内容になりつつありますが、今後どうするんだろうなぁとか思う次第。完全な新規シリーズあたりはじめないと厳しいかもしれない。さぁどうなるでしょう。
点数は70点ぐらいかな。ちょっと甘すぎる気もするけど、面白かったのでいいかなと。暁の天使達よりはましだし。あと珍しく茅田さんが長命者と短命者について哲学的に思考してプロット書いたという痕跡が残っておりました。今までは力業のオンパレードだったけど、きちんとテーマを持って書くようになれば今後の飛躍になるだろうと希望も込めてこの点数。

参考リンク

クラッシュ・プレイズ 嘆きのサイレン
茅田 砂胡
中央公論新社 (2004/11/25)ISBN:4125008779
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