アニメ・特撮 ① 【無敵超人ザンボット3】

巨大ロボットものですが、本当に暗いストーリーです。
主人公の神(じん)一家が、追い出し運動の憂き目に遭います。

主人公は10代の少年。3機合体ロボに搭乗します。あと2人のパイロットは彼のいとこです。
神一家は数百年前に宇宙から地球に不時着したビアル星人。一族の秘密として、宇宙船と巨大ロボットが伝えられてきました。
そして、ビアル星を滅ぼした一味がついに、地球にまで魔の手を伸ばし、神一家は地球防衛のために宇宙船とロボットを復活させます。

彼らは侵略者と戦うのですが、巨大ロボットで戦うため、町が破壊されるなど、周辺に甚大な被害が起きます。神一家はその責任を問われるのです。
神一家の存在が侵略者を引き付けているということから、排斥運動も起きるわけです。主人公の親友は家族を失い、激しく主人公をなじります。

更に、主人公の理解者である幼馴染は、侵略者の手によって人間爆弾に改造され、爆死します。

宇宙を舞台にした最後の決戦では、主人公と一緒に戦う神一家、親、いとこ、叔父、大叔父、祖母が次々と死んでいきます。

それでも、敵の大ボスを追い詰めます。その時、大ボスは「なぜ、お前が俺と戦うのか分からない」と言います。
そして、地球を指差しながら、「お前はあの星で邪魔者扱いされたはずだ。あの星で、一体誰がお前たちに感謝しているのだ?」と問い詰めます。
答えに窮しながら、それでも「地球人は良い人ばかりだ」と言い、大ボスを倒す主人公。
しかし、大ボスがいなくなった後、敵のメーンコンピューターが作られた目的を話します。それは、宇宙に害を与える邪悪な生物を自動感知し、攻撃し滅ぼすための装置である…と。

コンピューターは最後に質問をします。「あの星の人に頼まれて戦ったのか? 親や親類を犠牲してまで守る価値があの星にあるのか? いったい誰が感謝しているのだ?」と、そして、「きっと、お前は優しく迎えられない」と言い残します。

戦った相手がただの機械だったことにショックを受けながら、地球に落下する主人公のロボット。

落下した場所は生まれ故郷。海岸に流れ着き、気を失った主人公を介抱するのはもう1人の幼馴染。そこに主人公をなじった親友もやってきます。
2人は主人公を自分たちは好きなんだと語り合います。
ゆっくり目覚める主人公。海岸には付近の住民たちが、主人公が生きて戻ったことを祝いに駆けつけます。
はっきり目を開けた時、画面は真っ白にフェードアウトし、物語は終わります。

全編を通じて、暗いトーンの話です。
最終回ストーリーhttp://www.h2.dion.ne.jp/~koga_tj/anime/magyou/zanbot3.htm

制作は機動戦士ガンダムを1年後に発表する日本サンライズ
監督はガンダム富野喜幸。主人公の声は大山のぶ代。まだ、「ドラえもん」がヒットする前。「ハリスの旋風」の石田国松のイメージが強かったから、起用したのだろう。今ならちょっと無理かな。

主人公の地球防衛の行動で、周辺住民が迷惑するのは、特撮ものの「シルバー仮面」がある。アニメでは「科学忍者隊ガッチャマン」でそういうストーリーが1本あったと記憶しているが、これほど暗い話はめずらしい。

最後のシーン、真っ白にフェードアウトする時の主人公の表情。ガンダムやクラッシャージョー、アリオン安彦良和の絵が素晴らしい。この絵が、救われたような実感を観ている者にも与える。

ただ、気になるのは、「サイボーグ009」の事実上のラストシーンとの相似。
宇宙空間に飛び出した魔神像の中でブラックゴーストは009に「自分が滅びても人間に欲望がある限り、ブラックゴーストは復活する」と語りかける。そして助けに来た002と大気圏に落下、「ジョウ、君はどこへ落ちたい?」「あ、流れ星…」という有名なラストシーンに至る。
共に手塚治虫のところにいたからかな。


1回目を記念しておまけ。
アダルトな内容を含みますので、お気をつけ下さい。

【淫獣キトラ】



2001年に制作、販売・レンタルされた(らしい)、AV(アダルドビデオ)特撮作品。
実は見ていない。ネットで特撮もののキーワードを入れていたら、ザボーガーやシルバー仮面と一緒に引っかかってきた。
「なんだろう? しらんぞ。こんな特撮作品…」て思ったら、AVでこういう分野があるらしい。
是非、1度は見たいものだ(爆)

きれーなおねーちゃんが、コスチュームを剥がれて…ていうのを想像していたら、解説を読むと違うらしい。
なんと、着ぐるみを着たまま、動きだけ18禁らしい。なーんや。でも、なんか見たくなる。好奇心が…(笑)

古代の巫女の家に生まれた主人公ってことだから、タイトルはキトラ古墳からとったのだろうね。