藤野の散文-鴻雁来る このページをアンテナに追加 RSSフィード

2016-09-26 本当の革命はこれから始まる。

[]まだまだ入り口。 まだまだ入り口。を含むブックマーク まだまだ入り口。のブックマークコメント

車も家も自転車も、ネット回線も雑用だってシェアする時代だ。
発想は以前からあっても「ネットの入り口」なかりせば実現しなかったことが一気に起こっている。

相変わらず「行政」はそういうものを取り仕切って許可制・認可制にして罰を課したり、営業停止にする。
という発想はそろそろ終わりにしたほうがいいのではないだろうか。

役所に行くたびに「この膨大な数の公務員は本当に必要なのだろうか」と反射的に思う人は多いのではないだろうか。
これからは、"ネットの入り口の恩恵"が中身にも入ってくる段階になると思う。
それは、

口コミとかレーティングのようなものなのか、もっと相互的なものか…
またトラブルの補償も民間で保険などでカバーされてくるだろう。

そういう意味ではネットの威力が最も強く現れるのは「国とか行政の解体」ではないかとも思う。

中央集権とか、反権力とか、偏在とか。
実はそんなものをバラバラにする、今はまだネット世界の"ほんの入り口"にしか過ぎない…なんて考えるとちょっと寒くなってきた。

そういうことを考えると、閉塞感を感じる世の中もちょっとワクワクするような感じがする。


シェアビジネス、安心を確保 業界横断ルール、政府が骨格案 身分証提示や保険義務化

 政府は車や部屋などを貸し借りする「シェアビジネス」の利用者保護に向け、業界全体の横断ルールとなる指針の骨格案をまとめた。サービスの提供者に身分証明書の提示を義務付けるほか、事故やトラブルに備えて賠償保険の加入を求めることなどが柱。消費者の安全志向が根強い日本ではシェアビジネスが出遅れており、サービスの質を確保して市場を育てる。

 14日に内閣官房が開くシェアリングエコノミー検討会議に示す。秋に報告をまとめ、年度内に業界側も横断的な指針として採用する見通しだ。

 指針の最大の狙いは安心・安全の確保だ。総務省のシェアビジネスに関する調査によると、民泊を「利用したくない」と答えた人にその理由を聞いたところ、53%が「事故やトラブル時の対応に不安がある」と回答するなど、安全性の確保などが課題となっていた。

 新規参入や創意工夫を促すため、強制力の緩い「業界標準」にとどめることも特徴だ。政府は今春、シェアビジネス向けの新法の制定を検討していたが、当面見送る。

 指針案ではサービスの提供者に運転免許証などの身分証明書の提示を求める。評判の悪い提供者が別の名前をかたってサービスすることも禁じ、トラブルを未然に防ぐ。

 事業者に保険の加入を義務付けて賠償可能な体制整備も求める。電子メールなどの苦情窓口を設置させ、消費者の泣き寝入りも防ぐ。顧客情報の漏洩防止策も求める。

 指針の実効性を高めるために、業界団体が事業者を認証する仕組みづくりも検討する。ルールに違反した事業者には認証の取り消しを含む罰則を設ける見通しだ。

 シェアビジネスを巡っては欧州連合(EU)の欧州委員会も6月に加盟国に対する指針となる文書を公表した。法的な拘束力はないが、国ごとに対応が割れる規制の動きに方向感を与える。

 シェアビジネスの本場、米サンフランシスコでは、市が米民泊大手エアビーアンドビーへの住宅提供者を登録制にする規制を6月につくった。ホテル税の徴収、トラブル防止につなげる利点がある。これを不服としたエアビーは連邦地裁に訴訟を起こした。中西部テキサス州オースティン南部フロリダ州マイアミでも短期貸し出しへの規制を強める動きがある。

 中西部カンザス州では配車サービスに厳しい安全規制を課す法案議会を通過したため米ウーバーテクノロジーズがサービス提供を中止。5月に州側が譲歩し、サービスを再開した経緯がある。ニューヨーク市などでは運転手の指紋登録などが義務づけられている。

 中国では利用客とのトラブルが増えている配車サービスを11月から法律で規制する。新法ではタクシーを含む「サービス提供企業」「実際に使用する車両」「運転手」などについて、関係当局への登録を義務付ける。

2016-09-25 やってみたら大化けしたり。 このエントリーを含むブックマーク このエントリーのブックマークコメント

[次の世代に]急がば回れ
"継続は力なり"は出典の分からない名言らしいけれど、少し前は「便利屋さん」的な捉え方だったコンビニエンスストアは、今や「コンビニ」という常套句になり、その密着性が昇華して新たな存在になっている。
ほんまもんのコンビニだ。

例えば「災害時の補給拠点」とか
「銀行や役所の出張所的な機能」とか
「ちょっとした八百屋さん」とか
「近場の書店」とか
「うまくて安いコーヒーショップ」とか。
最近では高級品とか健康食品なども求められて、いっときの「よろずやさん」という存在ではない貴重な存在になりつつあるようだ。

都心部でもともかく、地方都市に行っても"コンビニの存在"は際立っている。
周囲数十キロから、若者もファミリーも車で駆けつけて「そこでの生活時間」を楽しんでいる。

無味乾燥に見えた、それこそ自動販売機の延長のような「単なる便利ストア」が、結局は地域に密着した「いろんなサービス拠点」になろうとしている。
そのうち"コンビニ"が、行政や、地域社会や、地域物流の唯一の拠点になる日が来るかもしれない。
いろんな出来事は、自分たちのすぐ目の前で起こっている。
それに気づくか気づかないかは自分次第なんである。

革新性競うコンビニ改革

 小売業のファミリーマートとユニーグループ・ホールディングスが経営統合し、ユニー・ファミリーマートホールディングスが発足した。傘下のコンビニは1万8千店を超え、首位のセブン―イレブン・ジャパンに迫る。今後は規模だけでなくアイデアや革新性でも競い合い、生活者に新しい価値を提供してほしい。

 コンビニは食品販売から始まり公共料金の支払いやATM設置など、利便性を軸に商品やサービスの幅を広げ成長してきた。かつては単身男性が主要客だったが、東日本大震災以降は総菜などを求める主婦や高齢者の利用も増えた。

 価格競争とは一線を画すコンビニにとって、現在広がる消費者の節約志向は逆風だ。食品スーパー各社がコンビニに対抗し、新鮮で多種多様な総菜づくりに力を入れ始めたことも脅威となっている。数年前に始めた店頭でのいれ立てコーヒー販売以降、大きなヒット商品も乏しい。

 しかし、まだ掘り起こしていない消費者のニーズは多いはずだ。コンビニの競争力の核は消費者の立場に立った新商品・サービスの開発にある。業界3位となるローソンを含め、大手3社は積極的な挑戦を続けたい。

 日経MJが若者を対象に、コンビニに期待するものを聞いたことがある。上位に入ったのはシャワーブースや昼寝部屋だ。すでに高齢者がいれ立てコーヒーを片手に店内で談笑する光景は見られる。飲食スペースを併設する店も増えた。忙しい人が短時間、立ち寄る店から、快適な時間を過ごす居場所へ。そんな転換も一つの道だ。

 品ぞろえの点でも減塩や減糖、有機栽培品など、健康志向から需要が高まっている食品が、高級スーパーなどに比べまだ少ない。高齢者や生活にゆとりのある層を取りこぼしている可能性は大きい。

 社会のインフラとなったコンビニは、地域コミュニティーへの貢献や人々の健康にも一定の責任を負う。これからの店づくりでは、そうした視点も大切にしたい。

2016-09-24 ついに時間以内に。

[]先鋭化する物流先鋭化する物流。を含むブックマーク 先鋭化する物流。のブックマークコメント

ネットで進んだスピード化がリアルの物流に押し寄せている。
アスクルとかアマゾンが「当日」を売りにしたら、さらに「半日」「二時間半」と詰めてくる。

面白いのは「アマゾンプライムナウ」で「一時間以内だけど890円」というのは出足が鈍いらしい。

「すぐ欲しい」という感情と「でも手間賃(配達料)は少なく」という消費者心理との戦いだ。
今のところ、自分たちの消費者心理は「無料で数時間以内」、というあたりがボリュームゾーンらしい。

買い物が何日も待たないと届かなかった頃とは違い、逆に「本当にすぐに欲しいもの」というのはそれほどない、ということにも気づかされる。
水とかお酒とかに続いて、「日常の食料品も二時間以内に届く時代」になれば、リアル物流の戦争も一旦は休息になるだろう。

「今は時間がかかって当たり前のもの」がブレイクスルーされる時代。
次のターゲットはどの分野だろうか。
食品はまだかなぁ。


ヨドバシ、通販2時間半で無料配達 東京23区で、家電や食品 アマゾンに対抗

2016/9/15付

 家電量販店ヨドバシカメラは15日から、インターネット通販で東京23区などを対象に、注文後最短2時間半で無料配達する。到着予定時間を1分単位で顧客に知らせ、一部地域では24時間再配達に対応する。アマゾンジャパン(東京・目黒)も有料会員を対象に最短1時間での配達を始めており、速さやサービスを巡るネット通販の競争が激しさを増してきた。

ヨドバシは購入金額に関係なく送料無料で配達(東京・秋葉原の店舗)

 新サービスは「ヨドバシエクストリーム」。東京都23区全域と武蔵野三鷹調布狛江の4市の一部地域で、注文から2時間半で届ける。これまでは6時間で配達していたが、時間を半分以下にするとともに、対象地域を今春比で2倍程度に広げる。ネット通販で取り扱っている約456万点のうち大型家電などを除く約43万点が対象だ。

 家電だけでなく調味料や加工食品の販売も始めた。通販での家電の購入頻度は年3〜4回だが、食品や日用品はより頻繁な購入が期待できる。

 短時間配達によるコストアップは効率化により吸収する。30億円を投じて配達拠点や物流効率化のためのIT(情報技術)システムを導入した。

 都内に在庫を保管するための物流センターを3カ所、商品を仕分けする小型の配送拠点を10カ所設けた。在庫を各地域に分散させることで、顧客の家までの配達距離を短くし、時間短縮を可能にした。運送会社に委託するのではなく、ヨドバシの従業員が300台弱のトラックで消費者の自宅まで届ける。

 新開発の全地球測位システム(GPS)端末を使い、一つ一つの荷物の担当が誰で、今どこにあるのかをリアルタイムで把握する。購入者には何時何分に到着、といった情報を自動でメールする。配達時に顧客が入浴などで対応できないリスクを減らせる。再配達が減りコストを減らせる。それでも再配達が必要になった場合、中野区杉並区では24時間対応する。

 たとえ乾電池1個でも無料で届ける。小型商品は郵便受けに入れ、配達の手間をできるだけ省く。6時間配達の実績では、小型家電や飲料水がよく売れており、1回当たりの平均購入額は5千円前後だ。短時間で無料配達しても、物流効率化や販売増の効果で十分に利益は出せるとみている。

 東京23区では1日の配達件数を従来の1.5倍の2万件に増やす計画大阪京都など関西でも短時間配達を計画中だ。ヨドバシの通販を利用する30代男性会社員は「送料が無料なので助かる。酒類も販売してほしい」と話す。

 国内の家電市場でネット通販の比率は年々上昇している。調査会社GfKジャパン(東京・中野)によると、16年は15年比0.4ポイント高い12%になる見通し。ヨドバシのネット通販の売上高は16年3月期に前の期比2割増の1千億円弱に増えた。年間売上高が1兆円近いアマゾンジャパンとは開きがある。新サービスで顧客を開拓する考えだ。

2016-09-23 オメガ6(サラダ油)と3(DHA)。

[]魚のない日はエゴマ油。 魚のない日はエゴマ油。を含むブックマーク 魚のない日はエゴマ油。のブックマークコメント

日経より。
ここ数年、炭水化物功罪が話題になることが多いけれど、医学薬学が進めば進むほど「どんどん新説」が現れる。
素人サイドとしては「おいおいこれまでの話はどうなった?」と言いたくなることもしばしばだけれど、まああまり新しい報道に飛びつくのは得策ではないらしい。
結局は「腹八分目」ということだろうか。

それ以前には「脂肪」とか「油」がずい分話題になっていたけれど、この記事を見れば油のことが概括できる。
つい最近では"マーガリン"が槍玉に上がっていた。
枝葉かもしれない研究の発表を追いかけるよりは、こうした「基礎の幹」を正しく理解しておくことの方が役に立ちそうである。

油のタイプ知り上手に摂取 リノール酸の取りすぎ注意 週3、4回…|ヘルス|NIKKEI STYLE

 ひと昔前まで「太る」「体に悪い」とひとくくりに思われてきた油。しかし、その認識が変わりつつある。食用油の種類を見極め、バランスよく必要量を取れば、様々な健康効果が期待できるという。必要量の範囲内で健康に良いとされる油を増やしていこうというのが最近の常識だ。正しい知識を身につけよう。

 油は三大栄養素の1つ、脂質の仲間。取りすぎはよくないが、必要量はしっかり取ろう。厚生労働省2015年版「日本人の食事摂取基準」で、30歳以上が取るべき脂質の目標量上限を引き上げた。従来は総エネルギーに占める割合は25%だったが、30%になった。

 脂質はエネルギー源になるだけではない。お茶の水女子大学ヒューマンライフイノベーション研究所所長の小林哲幸教授は「細胞の膜や体の様々な働きを調節するホルモンに似た物質などの材料になる」と話す。麻布大学生命・環境科学部の守口徹教授も「脳の約65%は脂質。神経の伝達機能をつかさどるのに脂質は欠かせない」という。

生活習慣病にも

こうした働きを高めるには様々なタイプの油の摂取バランスがとれているのが大前提。一口に油といっても、主成分である脂肪酸の種類でそれぞれ性質が異なるからだ。

まずは常温で固体か液体かで大きくわかれる。飽和脂肪酸は肉やバター、ラードなど魚以外の動物性脂肪に多い。常温で固まり、他の油に比べて体脂肪になりやすい。

 さらに人間の体内でつくることができる一価不飽和脂肪酸と、つくることのできない多価不飽和脂肪酸に分類される。一価不飽和脂肪酸の代表はオリーブオイルに多いオレイン酸だ。酸化しにくく加熱調理に向く。

 多価不飽和脂肪酸にはオメガ6系とオメガ3系がある。いずれも食事で取る必要のある必須脂肪酸だ。オメガ6系の代表は、大豆油やコーン油といった植物油に豊富なリノール酸。ちなみにサラダ油は、オメガ6系の植物油を精製したものだ。

 一方、オメガ3系の代表例はイワシやサバ、サンマなど青魚の油に多いドコサヘキサエン酸(DHA)とエイコサペンタエン酸(EPA)。エゴマ油やアマニ油に豊富なα(アルファリノレン酸もある。エゴマ油はシソ科の一年草エゴマの種子、アマニ油は亜麻という植物の種子が原料。

 「特に意識すべきは、オメガ6系とオメガ3系の摂取バランス」と小林教授。「両者は、体内で一方が増えると他方の作用が抑えられる関係にある」。どちらも必要だが、このバランスの乱れが生活習慣病のリスクにつながるという。厚生労働省の食事摂取基準ではオメガ6系を4〜5に対しオメガ3系は1の割合が望ましいとされている。

■原材料チェック
ところが「現代人の多くは食生活の欧米化でオメガ6系を過剰摂取している。できればオメガ6系を2に対し、3系は1の割合を勧めたい」と守口教授。オメガ6系のリノール酸は、菓子、パンマヨネーズカップ麺、総菜など加工食品やファストフードに含まれる。こうした「見えない油」が、知らず知らずのうちに摂取過多を招く。

 リノール酸は必須脂肪酸だが「取りすぎると免疫細胞が働きにくくなる。その結果、アトピー性皮膚炎や花粉症などのアレルギー性炎症疾患を引き起こす」(守口教授)。動脈硬化や心臓の病気などを誘発する可能性もあるという。

 現代の食生活では「オメガ6系は最も減らすべき油。加熱調理にはサラダ油の代わりにオリーブオイルを。加工食品を選ぶ際は原材料表示を確認して」と守口教授。「植物性油脂」と書かれていれば、リノール酸が使われている可能性が高い。

 反対に不足しているのはオメガ3系。昔ほど魚を食べなくなったためだ。「DHAとEPAは血液の流れをよくし、血管をしなやかにして動脈硬化を防ぐ」(小林教授)。心臓の病気や脳卒中リスク、中性脂肪値を下げたり、アレルギー症状を改善したり、脳の活性化も期待できるという。「週に3、4回の魚食が理想」(小林教授)

 魚が食べられない日は、エゴマ油やアマニ油を小さじ1程度取ろう。αリノレン酸は体内でDHAやEPAに変換されるためだ。αリノレン酸は熱に弱く、加熱調理に向かない。エゴマ油やアマニ油は、調味料として料理の仕上げにかけるとよい。サラダや納豆、スープなどにかけるだけで、手軽にオメガ3系を取ることができる。酸化しやすいので密閉し冷蔵した方がいいという。

■マーガリン、トランス脂肪酸多く
 かつて動物性のバターよりも低カロリーで健康的だとされていたマーガリン。摂取を控えた方がいい油「トランス脂肪酸」を多く含むことで、最近注目されている。

 トランス脂肪酸とは、常温では液体のオメガ6系植物油を、化学処理で固体化する過程で発生する物質。「長く食べ続けると心臓の病気や糖尿病リスクが高まるとされる。取り過ぎは避けるべき油」(守口教授)

 マーガリンから水分と添加物を除きクリーム状にしたショートニングも同じ。菓子類など身近な加工食品に使われている。原材料表示にマーガリン、ショートニング、食用精製加工油脂とあったら取りすぎに注意を。

(ライター 松田 亜希子

[日経プラスワン2016年9月10日付]

2016-09-22 健康人任せ。

[]健康を外部に託す。 健康を外部に託す。を含むブックマーク 健康を外部に託す。のブックマークコメント

会社で受ける健康診断も、その結果を自分で気にすることはあっても「それ自身が指導の対象」になるとは思わなかった。

もう「健康でいること」は自分とか家族だけの問題ではなく、その価値は「関わっている会社の価値」の時代になりつつある。

同様の話題で、結婚する相手(主に男性)の遺伝子を調べて、病気の可能性とか、寿命とかを調べる試みは既にある。
昔のように「健康も不健康も俺の好き放題」という時代は失せつつあるようだ。

よく眠れているか、とか
夫婦が円満に過ごせているか、とか
家族縁者との関係が良好か、とか
上司や部下や職場の配置が適正か、とか
一昔前は「自分でしか判断し得なかったこと」が、次々に明るみに晒されIT化されてゆく。

人間という生き物と、それを分析するITがいよいよその境界を「交わって」くる時代に入っているのかもしれない。

健康とか寿命とかストレスとか。
そんなことを自分自身で考えずとも、客観的なアドバイスがもらえるというのは画期的なことでもある。
自分のことに主体性がなくなりそうで、ちょっと心配ではあるけれど。

社員の健康 IT指南 データ統合、改善促す 富士フイルムなど、人材生かす環境整備
2016/9/13付
IT(情報技術)を活用した健康経営に力を入れる企業が増えている。富士フイルムホールディングス(HD)は社員の健康診断の結果や勤怠情報などを一元管理して、きめ細かい健康管理につなげる。大和証券グループ本社は健康情報をインターネットで学習するとポイントを与え、給与にも反映する。健康保険組合の財政悪化や人材不足を見据え、社員が健康で長く働けるようにする。

 富士フイルムHDは、従来は別々に管理していた健康保険組合や産業医、会社の人事部などが持つデータをグループ全体で統合する。健康診断やストレスチェックの結果、生活習慣病での受診歴、勤怠情報のほか、これまでの上司が誰だったかといった職場情報まで合わせて分析できるようになる。

 これにより勤務体系や特定の事業所・上司などで生活習慣病が多いといったことも分かる。問題が見つかれば改善を促し、生活習慣病の予防などにつなげるほか、産業医による健康指導や勤務体系の改善に役立てる。

 このほど富士フイルムと富士ゼロックスの2社で導入が完了した。2017年度末までには国内グループ会社の社員全員、4万7000人が利用する計画だ。事業所ごとにメタボリックシンドローム内臓脂肪症候群)に該当する社員の比率を出すなど、健康度のランキングを作ることも検討している。

 富士フイルムHDでは自社の中で健康や医療データの分析・活用の専門家を育成し、新たなビジネスにも生かす考えだ。

 伊藤忠商事もITを活用する。16年度中に肥満気味の若手・中堅社員にウエアラブル端末を配布し血圧や心拍数、歩行数、睡眠時間などを自動測定できるようにする。さらに端末と連動した「マイページ」を社内サイト内に開設し情報を管理できるシステムも開発中だ。

 テルモは社員対象のウオーキング大会を実施。楽しみながら体質改善できるよう毎日歩いた歩数をパソコンに記録すると画面上で果物が育つゲームを取り入れた。

 45歳以上の社員が健康増進に取り組むとポイントを付与し、給与に反映していた大和証券グループ本社は、15年末にメンタルヘルスに関する情報などをインターネットで学習するとポイントを与える制度を導入した。

 ITを生かした健康経営に企業の関心が高まっている。15年12月には従業員の健康増進を推進する団体「ウェルネス経営協議会」が発足した。ビッグデータ人工知能(AI)などの活用をうたう。ANAホールディングスやファミリーマートなどが発起人企業として名を連ねる。

 企業が社員の健康増進を推し進めるのは経営に直結する課題との認識が広まっているためだ。病気の社員が増えると保険給付費の支出が膨らみ健保財政を圧迫する。少子高齢化労働力人口が減少に向かう中、社員が長く健康で働ける環境をつくることは企業の競争力を左右することになる。

2016-09-21 詐欺より怖い適当さ。

[]判断はお金だけではない。 判断はお金だけではない。を含むブックマーク 判断はお金だけではない。のブックマークコメント

少し前は和牛商法。
その前は架空の金地金買い。
も少し前は人工ダイヤ販売
そしてネットワークビジネスなんかの「在庫持たせ」商法があって、その前はネズミ講

自分も誘いを受けたことがあるけれど、結構な「常識人」と思う人がまんまと引っかかっていたものだ。
頭の良い人の方がかえって「理屈の罠」にはまってしまって当事者になっていた感もある。
つまり「たたき上げの商売人」みたいな人はこの手の話には乗らないことが多い。

濡れ手に粟、の儲け話などこの世には存在しない、ということを肌で分かっている人と、
「それでも理屈ではあり得る」と頭で判断してしまう人の構図は、ちょっと皮肉なものである。


翻って。
分かりやすい投資詐欺の話はともかく。
日常の自分たちの生活でも「そうした判断の場面」は幾らもあるものだ。

「真っ当に修行しないで飲食店を開く」とか
「自社の商品や業界を勉強せずにセールスする」とか
「どんな仕事かを研究しないで就職する」とか。
「だらだらと三十年も働き、そのまま定年退職してしまう」とか。

目に見えての「うまい話」ではなくても、「まあいいか」と適当に判断してしまうことは実に多い。
いい加減な投資話と同様に、「何となくの判断」が及ぼすマイナスは一見目立たないけれど注意が必要だ。
投資詐欺被害の話を聞いて、「実は詐欺でない失敗の方が多いのではないか」と思った次第なのである。


「レンタルオーナー」相談相次ぐ 高利うたい元本戻らず

津田六平、藤田さつき

2016年9月20日18時30分

続きから読む

 「この商品のオーナーになれば、毎月レンタル収入が入ってきます」。こうした文句で誘われた高齢者が多額の出資をしたものの、「元本」すら取り戻せなくなる「レンタルオーナー契約」をめぐるトラブルが相次いでいる。老後の蓄えを失うケースも。国民生活センターが注意を呼びかけている。

■年利4%「安心かなと」

 「毎月、定額のレンタル料が入ってきますよ」

 大阪府の女性(77)の自宅に電話があったのは3年前。その後自宅にやって来たマネジメント会社を名乗るスーツ姿の男性は、誰もが知る大手リース企業が関わる事業説明した。「レンタル料は2年満期で年利4%の額になる。しかも満期になれば元本をお返しします」

 ちょうど夫が体の調子を崩した時期だった。受け取る年金額が少ないことも頭をよぎった。女性は「行く末が心配。決まったお金を月々受け取れるなら安心かなと思った」。2014年2月に契約を交わし、パチスロ機30台のオーナーになった。支払ったのは計500万円。夫とともに縫製業を営みコツコツと蓄えてきたお金だった。

 自分の機器を実際に見たことはなかったが、業者が全国のパチンコ店に機器を転貸したというレンタル料名目で毎月1万7500円の振り込みが始まった。一安心した女性に増額の誘いがあった。さらに500万円を追加すると、年利が上がった。

 だが、最初の契約の満期が近づいた昨年末、振り込みが止まった。元本の返金を求めると、東京から社長を名乗る男性が頭を下げに来た。今年2月、業者から経営困難に陥ったという封書が届き、がくぜんとした。

 計約1千万円をつぎ込み、レンタル料として手元に戻ったのは100万円ほど。昨年末に亡くなった夫には最後まで言い出せなかった。女性は涙ながらに振り返る。「『高利回り』につられ、都合のええように考えてしまった」

 今年6月、この業者の債権者集会が開かれた。破産管財人の報告によると、800人弱から約50億円の債権届け出があった。大半はパチスロ機のレンタルオーナーからの出資金とみられる。

 オーナー側の代理人弁護士は「優良な取引で利益が出ていると数多くの高齢者をあざむき、高額な被害を出しており、非常に悪質だ」と話している。

■5千万円以上の損害も

 国民生活センターによると、こうしたレンタルオーナー契約をめぐるトラブルの相談は年間数百件寄せられているという。同センターは契約後に短期間で破産したり、連絡が取れなくなったりした4業者に関係する相談を分析。2012年度以降で約300件の相談があり、8割が60歳以上だった。損害額の平均は600万円で、5千万円以上の損害を被った80代の女性もいたという。

 近年、レンタル契約に用いられトラブルになっている商品は、パチスロ機のほか、太陽光パネルやコンテナ、クレジットカードの決済端末機などだ。

 特定の商品を預かり、利子などを支払う取引については、特定商品預託法で規制。貴金属などの特定商品やゴルフ場などの施設利用権に適用される。実際には行われていない事業に出資させた上で計画的に倒産し、客から集めた金をだまし取る「現物まがい商法」から消費者を守るためだ。

 同法では業者に対し、実際にどれだけの商品を保有しているかなど業務や財産の内容を明らかにした書面を交付し、契約時には契約内容を記した書面を客に渡すことを義務づけている。これまでトラブルの実態に応じて和牛や家庭用マッサージ器などが対象に追加された。だが、近年、トラブルになっているパチスロ機などの商品は特定商品に指定されていない。抜け穴を狙う業者といたちごっこになっている。

 トラブルの相談は消費者ホットライン(電話188)へ。(津田六平、藤田さつき)

2016-09-20 やり得、逃げ得、知らんふり。

[]最悪にならないために。 最悪にならないために。を含むブックマーク 最悪にならないために。のブックマークコメント

子供は大人が口で言うよりもその「振る舞い」をよく見ているし、
だから「都合の悪いこと」が起きた時に、その大人が「どう振る舞うか」をこそよく見ている。
だって自分が子供の時もそうだったから。

業績の粉飾やら、
産地の偽装やら、
データの捏造やら、
やらやらやら。

「バレなければいい」「バレても言い逃れできればいい」さらに「罪に問われても悪意はなかったと言えばいい」「最悪、覚えていないと言えばなんとかなる」。

『悪の小粒化』
そんな言葉が頭をよぎる。
一つ一つの悪事がセコくなっていないか。
政治家が、昔は巨大な利権に手を染めていたのが、今はずい分スケールが小さいようだ。
摘発された本人たちも「これが俺のやり方だ」というような人は皆無だ。
「ルールを知らなかった」「自分の手下がやっていた」「騙された」。そんな話ばかりである。

ハラキリ文化が正しい、とは思わないけれど若い人や下々の人が見ると「保身」とか「責任逃れ」がありありと見えてしまう。
そして「それが普通のやり方」だという価値観になるのが嫌なのだ。

"ズル"はまかり通ってはならない。

厳密にどこからがズルなのか。
本当にズルのない駆け引きなんてあるのか。
結局は自分のモラルとの戦いになるし、それができるのが人間だろう。

世間の常識として「捕まらなければラッキー」という振る舞いが普通になるのはご免である。
かっこ悪い、イケてないのが"ニッポンの大人"なのだというイメージだけは取り除かねばならないと思う。


国交省「常軌逸する」 三菱自、再測定でも不正

 三菱自動車の燃費不正問題で、国土交通省は15日、4月20日の問題発覚後に実施した再測定で同社が不正をしていたことについて「測定結果をかさあげしようとした意図が疑われ、常軌を逸する事態」とする立ち入り検査の報告書を公表した。同省は15日、三菱自の益子修会長兼社長を呼んで厳重注意するとともに、今回の不正の経緯解明と再発防止策の見直しを指示した。

国交省の藤井自動車局長(左)から指示文書を受け取る三菱自動車の益子会長兼社長(15日午後、国交省)

 国交省は先月30日に三菱自9車種のうち8車種で燃費がカタログ値を下回ったとする独自試験の結果を公表。同社が不正な方法で再測定をしていたとして、今月2日に同社に立ち入り検査した。

 検査の結果、同社がこれまで燃費を再測定したとしていた「ミラージュ」は実際は再測定せず、2012年に実施した測定結果を流用していたことが判明した。

 このほか国交省は4月28日に正しい燃費の測定方法として5回程度実施して最低と最高を除いた3回の平均値を使うことを同社に説明。ところが同社は意図的に燃費が良く出るデータを抽出するため約30回再測定するなど不正な方法を続けていたことも分かった。

 こうした再測定方法については社内の会議で「国の見解に従って測定方法を改める」ことを確認していたが、実際には守られていなかった。

 再測定の経緯について、益子会長は先月30日の記者会見で「法令に定めがなく、現場は間違っていたという認識がなかった」などと“無知”を強調。だが正しい測定方法を説明していた国交省は検査報告書で「再測定結果をカタログ値に近づけようとした意図が疑われる」と不正を認識していたと指摘した。

 同省の藤井直樹自動車局長は15日、益子会長に対して「検査の結果、現場の法令順守意識の欠如と経営陣のチェックの欠如が改めて明らかになった」として、再発防止策の見直しを9月中に報告するよう指示した。

 益子会長は記者団の取材に対し、「『お客様第一』『コンプライアンス第一』という考えが見失われていた」と陳謝。燃費がカタログ値と異なり、販売を一時停止している8車種の販売再開について「9月中に国交省に対応を報告し、理解を得た上でお願いする」と述べた。

2016-09-19 自分なう。(2)

[]幽体離脱幽体離脱。を含むブックマーク 幽体離脱。のブックマークコメント

自分を「過去・現在・未来」の軸で見てみると奇妙な感じがする。

過去の自分はもう「過去」でしかない。
そこには触れることはかなわない。

現在の自分こそが自分そのものだ。
けれど「必然的」に今の自分がいるというよりは「成り行き」で今の自分がいる気がしてならない。
つまり「意図して作ってきた自分」ではなく、ただ「今の状態の自分」がいるだけだ。
それは「状態の描写」であって「作ろうと意図していた自分の姿」とは程遠い。

自分とはそういうものだろう、という諦観すら正しく思えてくる。
ほとほと、「意図したような生き方」というのはしにくいものだと思う。

では「未来の自分」はどうか。
現在の自分が、それほど「意図しにくい」わけだから、未来の自分もいつしか「現在の自分」と化すわけで、つまり未来の自分も「理想的な」状態にはなさそうな匂いがプンプンする。

けれど、けれど。
唯一。
「未来の自分」は想像することができる。
想像する分には自由である。

過去の自分はもう触われないし、現在の自分も受け入れる以外にない。

だからこそ
明日の自分、
来週の自分、
来月の自分、
来年の自分、
十年後の自分、
三十年後の自分…くらいまで。
を想像する自由がある。

突拍子もない宇宙旅行をしているとも思えないが、「ゆっくりと想像すれば」今よりも"よほど計画的な自分"がイメージできそうなきがする。
今年ももう四分の三が過ぎようとしているけれど、年末の自分とか、来年の自分とか、リアルに想像してみるのはなかなか面白い作業ではないだろうか。
ちょっとした幽体離脱みたいな感じがする。

未来から、現在を見るということは、
 ほんとうはできない、ということは知ってる。
 いつも、ぼくらは現在にしかいられないのだから。
 過去から現在を見ることも、もちろんできない。
 ぼくらはもう、過去にはいないのだから。
 (そして、ややこしくなるけれど、
 現在から現在を見るというのも、
 なんだかほんとうはできないような気がする。
 でも、めんどうだからそれは考えないようにしよう)。

しかし、過去から現在を見ている人はいくらでもいる。

 過去のデータを集めて、その上に立って、
 現在を見たり未来を見ようとする人たちは多い。
 いやいや、そんなマーケティングの話ばかりじゃないよ。
 じぶんの息子を、ずっと10歳くらいのときのままだと
 思いこんで見続けている親とか、
 若い後輩のやっていることを、いつまでも、
 じぶんより劣っていると思いながら見ている先輩とかも、
 けっこう危ういことしてると思うんだよね。

ぼくは、いつごろからか、イメージとしてだけれど、
 「未来のその先」みたいなところに、
 じぶんを立たせて、現在という「こっち」や、
 近い未来というものを見るようなことをしている。
 ただの趣味的なイメージの遊びだと思ってくれればいい。

例えば、渋谷スクランブル交差点のようなところを、
 これはずいぶん昔の景色だと思いながら見るのだ。
 未来の先に立っているじぶんが、
 過去の、つまり2016年の渋谷を見ている。
 そう思ったら、ずいぶん景色が妙なものに見えてくる。
 じぶん自身のことでも、この先の老後、の先の、
 「死んじゃったじぶん」がこっちを見ていると想像する。
 仕事も同じように、ずっと先に立ってこっちを見てみる。
 で、過去としての現在を、やさしく観察するわけだ。
 「まだこんなことやってたっけなぁ」と感じるんだよね。
 こっちから、なにかを積んでいってあっちに行くよりも、
 あっち側からの目で、こどもを見るよう現在を見る。
 これ、ぼくにはずいぶんおもしろい遊びになっている。
 コツをつかむと、けっこうできるようになると思うよ。
今日も、「ほぼ日」に来てくれてありがとうございます。
夢を持つのではなくて、「夢になる」ということなのかな。

2016-09-18 自分なう。(1)

[]今の自分を見ること。 今の自分を見ること。を含むブックマーク 今の自分を見ること。のブックマークコメント

ほぼ日より。
過去、現在、未来。
過去は見ることができる。
現在は現在だ。(見えているかどうかは別の話だ)
未来は見えないが、想像することはできる。
(想像しないこともある。)

はて。
自分という生き物は、過去から現在までを割と「直線的」に生きているつもりでいる。
毎日寝て起きて…だから連続している実感がある。
けれど、けれど。

「今の自分」を想像できた「過去の自分」はいない。
まさか今の自分が「こんな自分」だなんて思わなかった。

まあ、それほど「大した自分」ではないだろうけれど、それにしても「今の自分」はもともと「意図した自分」なのか、それとも「意外」あるいは「不本意」な自分なのか。
それほど「今の自分」って"成り行きな感じ"が強い。
もう少し、「ご利用は計画的に」という風にはいかなかっただろうか。(嘆)
(つづく)

未来から、現在を見るということは、
 ほんとうはできない、ということは知ってる。
 いつも、ぼくらは現在にしかいられないのだから。
 過去から現在を見ることも、もちろんできない。
 ぼくらはもう、過去にはいないのだから。
 (そして、ややこしくなるけれど、
 現在から現在を見るというのも、
 なんだかほんとうはできないような気がする。
 でも、めんどうだからそれは考えないようにしよう)。

しかし、過去から現在を見ている人はいくらでもいる。

 過去のデータを集めて、その上に立って、
 現在を見たり未来を見ようとする人たちは多い。
 いやいや、そんなマーケティングの話ばかりじゃないよ。
 じぶんの息子を、ずっと10歳くらいのときのままだと
 思いこんで見続けている親とか、
 若い後輩のやっていることを、いつまでも、
 じぶんより劣っていると思いながら見ている先輩とかも、
 けっこう危ういことしてると思うんだよね。

ぼくは、いつごろからか、イメージとしてだけれど、
 「未来のその先」みたいなところに、
 じぶんを立たせて、現在という「こっち」や、
 近い未来というものを見るようなことをしている。
 ただの趣味的なイメージの遊びだと思ってくれればいい。

例えば、渋谷スクランブル交差点のようなところを、
 これはずいぶん昔の景色だと思いながら見るのだ。
 未来の先に立っているじぶんが、
 過去の、つまり2016年の渋谷を見ている。
 そう思ったら、ずいぶん景色が妙なものに見えてくる。
 じぶん自身のことでも、この先の老後、の先の、
 「死んじゃったじぶん」がこっちを見ていると想像する。
 仕事も同じように、ずっと先に立ってこっちを見てみる。
 で、過去としての現在を、やさしく観察するわけだ。
 「まだこんなことやってたっけなぁ」と感じるんだよね。
 こっちから、なにかを積んでいってあっちに行くよりも、
 あっち側からの目で、こどもを見るよう現在を見る。
 これ、ぼくにはずいぶんおもしろい遊びになっている。
 コツをつかむと、けっこうできるようになると思うよ。
今日も、「ほぼ日」に来てくれてありがとうございます。
夢を持つのではなくて、「夢になる」ということなのかな。

2016-09-17 ITは魔女ではない。

[]見過ごされてきたもの。 見過ごされてきたもの。を含むブックマーク 見過ごされてきたもの。のブックマークコメント

数の多寡ばかりが問題ではないとはいえ、これまでは「人力」に頼って「まあ、仕方がないよね」とされてきたものが、機械化されたりIT自動化したりすると、途端に問題になるのはどう考えても不思議だ。
日本だけでも、未だに交通事故の死者は4千人を超えていて、二千年当時の半分以下にはなっているとはいうものの、他の天災に比べたらどエライ数字である。

以前もちょっと書いたけれど、よくこういう「車両交通システム」が世の中に受け入れられたものだと思う。

車のない社会で突然、大メーカーとか政治家とかが国民にプレゼンして「これだけの経済効果が見込めますので、年間数万人の死亡者は覚悟しましょう」なんて言ったら即ボツになるのに違いない。

さらに、コンピューターが進化し過ぎると、人の仕事が奪われる、という表現も必ず出てくるけれど、もう「産業」とはそういうものである。
そりゃ郵便局の仕事は減るけれど、技術とはそういうものだと体感している人の方が多いだろう。

コールセンターが登場して「一括窓口」が実現したために、世界中のいろんなオフィスで「電話応対をしていた人」の仕事はその部分では消失している。
それをさらにAIがやったとて本質的には変わりはない。

「新しい技術」は最初は「信用されず」に苦労し、今度は「脅威論」で排斥される。

そうしていつの時代も、苦労した一握りのフロンティアが後から大いに賞賛されるのだ。
できればそちらに回りたいと思う。

2016-09-16 習い事という方法。(2)

[]無力感に浸る場所。 無力感に浸る場所。を含むブックマーク 無力感に浸る場所。のブックマークコメント

f:id:why-newton:20160915233737j:image
習い事の効用は、「一本道筋がついていること」だ。
上達するのに近道はなく、けれど努力をすれば全く無駄になることもない。
無駄だと思えたことも、何かの経験値になり「次につながるところ」も習い事の特徴だ。

そういう「地道な保証」がある代わり、「それ以外の保証」はない。

人間、何十年も生きてくると何をするにしても「経験値」がたまってくる。
毎日生活する上で、無意識にも「過去の経験値」を使って生きてしまう。

当たり前で、いいことでもあるけれど「常に過去を引きずっている」とも言える。
大人が子供の質問に、たいてい答えることができるのは「経験値」がモノを言っているからだ。
本当に「子供の立場に」なって考えれば案外難しいものだ。

そういう「経験値で分かったようなものをいう」ということが習い事にはあまりない。
自分の過去の経験値では「新しい習い事」には通用しないからだ。

「その道」で何かを言おうとすれば、その道での経験値しか使えない。
習い事の効用はそんな「無力感」の中に自分自身を置くことではないだろうか。

人生経験値の通じない「その世界」にだけ身を置くことで裸になるような感じだ。
どんなに年を取っても、瞬間で「無垢の子供に戻る」ような経験が習い事の特殊性だ。
日常生活とは違う「特別な場所」に意識して我が身を置くのって秘密の隠れ家を持つように楽しいものである。

おうぎおうぎ 2016/09/16 16:05 道を極めるということと対比して考えると面白いですね。別の世界を持つのって楽しそうです。秘密の一面とか。(笑)

2016-09-15 習い事という方法。(1)

[]常に逆風の中へ。 常に逆風の中へ。を含むブックマーク 常に逆風の中へ。のブックマークコメント

f:id:why-newton:20160914233836j:image
別に成人してからでも、中年になってからでもいい。
何か生涯を通じて一つ、習い事をしたほうがいい、と最近思うようになった。
それもできれば「本業」にあまり近くないほうがいい。

自分の専門性を影響することなく「全然違う立ち位置に身を置く」という感じ。

そこに行けば精神的な道着を着て、姿勢を正し何のしがらみもない「ただの人」になる。
自分の行く先は多分「一本の線」で、そこには近道もないしスキップもできない。
途中で別の支線に分かれたりもするけれど、また本線に帰ってくることもほとんどだ。

求道という言葉があるけれど、ある道を追求するのはそれはそれで大変な努力と苦労を要するし、何よりも「それそのもの」が目的になってしまう。

それも一つの生き方だと思う。

ただそれとは違う「習い事」というのは大袈裟に言えば「恰(あたか)も一身に二生を経る」というくらいに貴重な方法なのではないだろうか。

(つづく)

2016-09-14 総認識ネットワーク。

[]止まらない流れ。 止まらない流れ。を含むブックマーク 止まらない流れ。のブックマークコメント

f:id:why-newton:20160913231152j:image
新しいテクノロジーに、常に時代や社会は「後追い」でついていくものだ。
そういう場面には、何度遭遇してもちょっと間の抜けた感じがしてしまうものである。
ちょっと悪知恵が働くとか、とんちの効いている人たちは、どんどん新しい技術を膨らませてサービスを作ったり、製品にしたりしてしまうものだ。

個人情報保護」という言葉もそんなテイストがする。
これだけ通信データベースが進化している中で「実はこれとこれは個人情報でして…」というとどうも「今更ねぇ」という気がしてしまうけれど、まあ法律を作ったり実施していく方たちは大変だろうと思う。

今までは個人情報といえば「個人を特定するに足るもの」だったところに、ようやく「顔の画像」が仲間入り。
もともと「個人情報の最たるもの」だったはずだが、技術の進化とともに現実化してきた。

リアル世界ではさして問題にならない戸籍とか住所録とかだが、こと「デジタル世界で時間と空間と量を超えるレベル」では大問題になっている。

つまり

リアル社会で収集された情報の「デジタル世界への持ち込みについて」はこれからが本格化のとば口に違いない。

もうすでに老人ホームなどの施設では「顔認証で出入り口の施錠」が実用化されているし、特に安全とか治安の優先される場面(入国とか対テロとか)では普及がどんどん進むに違いない。

街中の公共の場では、すべてのゲートが顔認証され、手ぶらで外出したり(あるいは監視されたり)する時代は、もうすぐそこに来ているのではないだろうか。

法律や国家権力の問題は確かにあるけれど、「安全と利便の原理」はどんどん勢いを増していくと思う。
もう視点を変えて、そういう「認識されざるを得ない社会」での生活をどのようにしたいか、を議論する方が近道なのに違いない。

「顔は個人情報」対応急ぐ 改正法来年に施行 客に告知/匿名化、自主ルール

 カメラで撮影した顔の画像から抽出した「顔認識データ」を個人情報と定義することなどを盛り込んだ改正個人情報保護法の施行が来年に迫り、産業界がガイドライン策定などを進めている。改正法は小規模事業者にも適用されるため、消費者の理解を得る対応は急務だ。一方、第三者へのデータ提供の環境が整うことで、ビジネスへの活用の広がりも期待される。

顔認識データのビジネス活用は広がる(年齢・性別を推測して「おすすめ商品」を提案するJR東日本ウォータービジネスの飲料自販機)

 防犯カメラ万引き常習者を自動検知――。書店大手、丸善ジュンク堂書店がこんなシステムの導入を進めている。過去の万引き犯の顔の特徴を電子化したデータを蓄積。似た人物が入店すると保安員のスマートフォンに顔画像を送り、注意を促す仕組みだ。

 店内に「監視カメラ作動中」と掲示して客に告知しており、同社は「防犯目的以外には利用していない」と説明する。しかし改正法施行後は、一層の対応が必要になる可能性がある。

 顔データが個人情報に当たるかはこれまで曖昧だったが、改正法は、顔や指紋など身体的特徴を電子化し、個人を識別できる情報を「個人識別符号」と定め、氏名や生年月日などと同じ個人情報と位置付けた。

 具体的には、政府の個人情報保護委員会が今月公表した政令案では「顔の骨格及び皮膚の色並びに目、鼻、口その他の顔の部位の位置及び形状によって定まる容貌」のデータとしている。

 個人情報を取り扱う事業者は、利用目的を事前に公表したり、本人に通知したりする必要がある。改正法は来年9月までに施行予定で、同法に詳しい影島広泰弁護士は「防犯カメラで収集したデータの利用目的を店頭で告知するなどの対応が求められる」と話す。

 顔データの収集には市民の不安も根強い。情報通信研究機構2014年、JR大阪駅で監視カメラ映像から通行人の顔を識別し、防災に役立てる実験を計画したところ、利用客の反発を受け、エキストラによる深夜の実験に切り替えた。

 こうした経緯もあり、業界団体は自主ルール作りを進めている。顔認証カメラメーカーなどで構成する「日本万引防止システム協会」は今年10月をめどに、漏洩防止の徹底などを盛り込んだ指針を作る。「万引き常習犯以外のデータは登録しない」「データ保管を厳重にする」などをシステム導入企業に求める。

 指針作りに携わる防犯システム会社、三宅(広島市)の三宅正光社長は「消費者の不安の声に対し、企業は説明責任を果たす必要がある」と狙いを説明する。

 改正法では、取り扱う情報が5千人以下の小規模事業者も新たに規制対象になる。より多くの企業で対応が課題となる。

 顔データの利用は広がっている。JR東日本ウォータービジネス(東京渋谷)は、客の顔の特徴を判別して性別や年齢を推測し、「おすすめ商品」を提案する飲料自販機の設置を進めている。

 現状では「購入客のデータは蓄積していない」(同社企画部)が、改正法では、個人を識別できないように加工した大量のデータを「匿名加工情報」として第三者に提供できるようになる。ビッグデータを活用したビジネス機会が拡大する。

 匿名化の詳細な方法は業界団体の自主ルールに委ねられる。個人情報保護に詳しい中崎尚弁護士は「年齢など必要最小限のデータだけを残し、他の要素を消去するなど慎重な加工が求められる」と話す。
青木茂晴)

2016-09-13 経歴の意味。

[]プロフ=その人ではない。 プロフ=その人ではない。を含むブックマーク プロフ=その人ではない。のブックマークコメント

ここ数年幾度か「経歴詐称」の報道を耳にする。
聞き流していたが、何が問題なのだろうか。
過去の経歴なんてどうでもいいじゃないか、と思っていたけれど、これだけ問題にされるということは「自分たちは"人を"経歴で見ている」ということなのじゃなかろうか。

人材の採用面接などでも「人物を見る」というけれど、一方「過去の経歴に注目せよ」という話も根強く残っている。

詐称したくなるほど、未だに「経歴」ってやはり自分たちの価値観に大きなシェアがあるのかどうか。
「○○大卒、△△会社を経て、××カンパニーを立ち上げる」なんて話を聞くと、どうも想像力が働いて「ある種の固定観念」が出来上がる。
それはそれで正しい部分もあるけれど「あるがままの本人」を色眼鏡で見ている感は拭えない。

「価値観の補強」ということだろうか。
自分たちは他人と触れ合う時に、どうしても「事前情報」を仕入れたがる。
相手と簡単なプロフィールの交換をして「理科系ですね」とか「海外のメーカーですか」などと無意識に"コミュニケーションの縁(よすが)"を探している。

経歴とか国籍とか民族とか、確かに「その人を知る」上では重要な要素なのだが、くれぐれも「それありき」でその人の理解にバイアスをかけたり、恰も「経歴=その人」に逆転せぬようにしたいものだ。
過去の話なんて過去の話でしかない。

闇夜のカラス闇夜のカラス 2016/09/13 13:35 経歴について、確かに大騒ぎしすぎだと思いますけど、私たちがこだわり過ぎているのと、ネットで「経歴商売」をしている面もあるからだと思います。ネットで拡散してその恩恵を受けているからこそ叩かれるとか。良くも悪くも大規模に拡散している影響を忘れて軽はずみに動くとバッシングされるのではないでしょうか。

2016-09-12 何を学ぶ、なぜ学ぶ。

[]大人の勘違い。 大人の勘違い。を含むブックマーク 大人の勘違い。のブックマークコメント

f:id:why-newton:20160912001003j:image

なぜ? だから
何を?
が最も大事だと思う。

自分自身の経験からも「なぜ学ぶか」を追求せずして「学ぶ動機」など無いに等しい。
そういう動機付けを与えられなかった、ということに文句を言う気はさらさら無いが、若い人にはくれぐれも「それ」を考えてもらいたいと願う。
国語や英語も、物理化学も歴史も地理も。
社会人になって世の中に出てみれば「興味なし」というものはあまり無い。

パソコンやスマホが「電気の働きとトランジスタと回路」でいかに精密に動いているか、を少しでも知らされていれば物理と化学に興味を強く持つ人は多いだろう。
政治や宗教や、そして経済の仕組みも「未だここにある問題だらけ」な状態を知っていればもっと早くに勉強していたかもしれない。

せっかく「勉強だけしていても許される」学生時代に、強く学習の動機を持つために「実社会には学ぶべき種が星の数ほどあるのだよ」ということだけを知らせてあげればいい。

下手に「これを学びなさい」なんて尊敬できない大人が指示しても、無用の反発を招くばかりだ。
大人たちは、思っても見ないほど「自分たちが尊敬されていないということ」を知らねばならないと思う。
下手に若者を指導しようなどと思わず、「今の自分を正直に語る」だけで十分後世には伝わるのではないだろうか。

おじさん、おばさんたちは「若者の自由と自発」を最大限に尊重すべきだと思う。


学び方 対話で深める 中教審部会、学習指導要領改訂案を了承 能動的学習や英語前倒し

 中央教育審議会の教育課程部会は26日、2020年度以降に小中高校で導入する学習指導要領の改訂に関する審議まとめ案を了承した。対話を通じて知識の理解を深めるアクティブ・ラーニング(能動的学習)を全教科に取り入れ、英語教育を小学3年生からに前倒しする。

 審議まとめ案は「グローバル化人工知能(AI)の進化などで将来の予測が難しくなる中、社会で自立的に生きる力が必要」などと改訂の方針を強調。「何を学ぶか」だけでなく、「どのように学ぶか」も重視し、教育内容のみの改訂にとどまらず、学び方も見直すことで知識の深い理解を目指すとした。

 実現のために小中高の全教科に能動的学習を取り入れる。教員が一方的に知識を教えるだけでなく、知識をもとにした子供同士の議論や調べ学習などを授業に取り入れる必要性を指摘。一方、指導要領では能動的学習の具体的な指導方法は示さず、各学校の創意工夫を尊重することにした。

 グローバル社会を見据え、小学校では5〜6年で英語を正式教科にする。現在の「外国語活動」は歌やゲームを通じて英語に慣れ親しむのが目的で、「聞く」「話す」が中心。教科化で「読む」「書く」を加え、体系的に学ぶ。外国語活動は3〜4年に前倒しする。小学生が英語を学ぶ時間は現在から3倍に増える。

 小中高とも現行指導要領から学習内容は減らさないと強調。時間割を柔軟に組み立てる「カリキュラムマネジメント」を各校に求めた。

 高校の科目構成も大きく変わる。近現代史の定着度が低いため、日本と世界の近現代史を横断的に学ぶ「歴史総合」を必修科目として新設。選挙権年齢の引き下げを受け、主権者意識を育む新科目「公共」も必修にする。実験や観察など探究学習を行う「理数探究」も選択科目として新設する。

 年内の中教審答申を経て、小中学校の次期指導要領は今年度中、高校は来年度中に告示される見通し。小学校は20年度、中学校は21年度から全面実施され、高校は22年度から順次実施となる。

2016-09-11 政治の要諦。

[]成功例に学ぶ。 成功例に学ぶ。を含むブックマーク 成功例に学ぶ。のブックマークコメント

長野県の小村が「奇跡の村」と呼ばれる。
81歳の町長はカリスマ経営者のように見えるが、その肉声を聞くと政治とか行政の原点が見えてくるような気がする。
「行政頼みは限界」「議員を連れてきても突っぱねた」。

結局どんな政も「そういう単位」でしかないのではないか。
行政も最小限。
政治も必要以上にパワーをかけず、「力」に頼らず自分達のまとめ役を心がける。
国の補助金そもそもあてにしないこと。
子供の医療費をいち早く無料化。

ローカル村ならではの意思決定の早さと行動を支えたのが小さな政治だった。
大企業ベンチャーの図式にも似ているけれど、特に「向こう何十年も変わらずにやっていけた時代」は過ぎてしまった。
「小さく、早く、きめ細かく」という今のキーワードには既存のやり方が障害になっていると見えることが多い。

既存の成功例から離れ、いかに早く変化できるかがこれからの自分達を方向付けるのに違いない。

過疎と闘った前村長 伊藤喜平さんに聞く 村変えた住民の知恵と汗 行政頼み脱却し自信
 自分らで整備すれば、翌日から生活道路が使える

 長野県南部天竜川沿いの山あいにある下條村。村長を24年務めて7月24日に退任した伊藤喜平さん(81)の自宅を訪ねた。在任中は、51人いた職員を退職者の不補充によって一時34人(現在38人)に減らすとともに、村が資材費を支給し村民が自分で村道や農道、水路を整備する事業を導入。浮いた資金子育て支援に充てて人口増を実現し「奇跡の村」とも呼ばれた。

 「24年やってきて大きかったのは一にも二にも職員、村民に意識を変えてもらったこと。当初、職員は効率も成果も考えず、かかったものがコストという意識だった。普通の会社ならつぶれちゃうよ。まず役場の意識改革に着手した。頭の下げ方などを徹底指導した後、交代で民間のホームセンターの店頭に研修に出した。彼らにはカルチャーショックだったわけだ。われわれはこういう努力の上に乗っているということがわかり、それから意識が変わってきたな」

 「次に村民に村の実態をよくよく話し、行政頼みは限界なので皆さんも知恵を出し汗をかいて下さいと頼んだ。100万円に満たない簡便な道路や水路は材料代を払うから自分たちで重機などで整備して下さいと。住民が議員を連れてきて要望しても突っぱねた。やってみると、できてできて。自分たちで汗をかけば次の日から生活道路なんか使えるわけだ。達成感があって満足すると、またやるぞとなる。格安にできるだけでなく、自分たちで知恵を出して村に貢献できるならやろうという意識が醸成されてきた。これはありがたいです。自ら造った物は大事にするので長持ちもする」

 予算はモダンな村営若者定住促進住宅の建設などに回し、10棟124戸を建てた。県南部の中心都市の飯田市まで村から16キロと通勤圏内でもあり、若者世帯の人気を呼んだ。

 「国の補助金を使わなかったのでマイペースで進められた。道普請への協力とか消防団への加入とか入居条件を厳しくした。そうすると地域とのいざこざも起きない。都会では保育所や公園を造るのも地域ともめるそうだが、ナンセンスだな。どうしてこういう社会になったのか。権利はいくらでも主張するけど、義務には知らんぷりする。こんなの直すのは大変だよ」

 やれば達成感が生まれ、さらに考えられる

 いち早く子どもの医療費を高校生まで無料化。補助教員を村単独で配置し学童保育も充実させるなど教育環境も整備した。

「周辺町村からはブーイングだったが、子どもが風邪をひいてもケガをしても無料というのは本当にインパクトがあった。子育て対策を評価して、電子部品メーカーの工場が進出した。昔は電気と水道があればOKだったのが、今は優秀な労働力を何人そろえられますかとくる」

 「人づくりは基本。中学生には班ごとにテーマを決め、村をくまなく見て村会議場で議員になったつもりで質問させてきた。図書館はうまくやっているとか温泉は利用客がなかなか増えないとか。そうすると知らず知らずにふるさと愛が出てくる。役場側は一生懸命答弁し、正式文書生徒会に送る。取り入れた提案もある。面白いんだ」

 村長就任時は3900人だった人口が05年には4200人を超えた。合計特殊出生率も11〜15年の5年平均で1.88と、15年の全国平均1.46を大きく上回る。しかし15年に人口は再び4000人を割り込んだ。

 「競争が熾烈(しれつ)なんだ。同じような対策を近隣の自治体が始めた。それはそれで結構だと思う。若者向け対策をしなかったら人口は3300人を割っていただろう。若い人はほっとくと出て行きますよ。何か常にアクションを起こさないとね」

 「日本創成会議が『消滅可能性都市』を提議したが、あれは脅しではなく現実。早く咀嚼(そしゃく)してどう底上げするか。マジックはない。紙を一枚一枚積み重ねていくしかないな。大都市は利便性がよく刺激もあるけれど生活費がかかる。長野県の軽井沢町では移住して東京新幹線通勤する人が増えているようだが、これからはそういう考えが出てくる。交通体系を整備して遠方でもハンディを負わない社会にしないと。幸い、飯田にはリニア中央新幹線がやってくる」

 「下條村の子どもたちはふるさとに愛着は持っていても、どうしても1回は都会に出て行く。ふるさと回帰の気持ちもあるんだが、そうおめおめと帰れないというプライドもあるわな。そこのところを認めてあげて、帰ってきて再チャレンジできるようにすればいい」

 「日本人はもっと義務感や連帯感を持たないといけない。これだけの生活を日本は営んでいて、何でも国でやれというと、どうするんだ、財政を。国の借金が1050兆円。5人家族で4000万円なんて身震いするほどの金額になっている。こんな借金をしていて刹那的な幸せを追うのはだめだろう。下條でできたことはよそでもできる。都会でも公園の管理など近隣の住民ができるんじゃないか。実際にやると達成感もあり、地域をさらに考えるようになる」

 「それと、もうちょっとほのぼのとしたものが欲しい。泥臭い人間性のようなものがね」

長野支局長 宮内禎一)

 いとう・きへい 長野県下條村前村長。1935年下條村生まれ。飯田高校卒業。父の入院で進学せず家業の運輸業を継ぐ。ガソリンスタンドや自動車販売点検に事業を拡大した。75年に村議に初当選し、3期目は議長に就任。92年の村長選に出馬して98票の僅差で当選した。6期24年務め、引退を表明した。

2016-09-10 プロックチェーンという革命?

[]本当に新しいこと。 本当に新しいこと。を含むブックマーク 本当に新しいこと。のブックマークコメント

f:id:why-newton:20160910015907j:image
"それ"が後から見てどの程度すごい発明だったか…は「後世」から見てみてないとはっきりしないテーマではあるけれど。
インターネットだって、当初は「回線が繋がる場所だけ」の特典だったり、「ブラウザソフト」がある人だけだったりしたけれど、この十数年の「あるタイミング」でこれは"産業革命的な存在なのだ"と認知された。

歴史は後から作られる。
今、AIとかビッグデータとかフィンテックとか言われているが、果たしてどれが「大化け」するのか。
ちょっとそんな目で周囲を見ている自分がいる。

そんな中、「プロックチェーン」という取引き認証の仕組みは、一見地味だけれど「これまでの中央集権的なシステム」とは一線を画すという意味では新鮮だ。

中央の胴元というか「絶対的な存在」が認証してこその「証明」だったものが「相互的な認証」で「中央」を必ずしも経ないという。
これってさらっと語られているが、結構「革命的なこと」ではないだろうか。

いつかブロックチェーンが、数千年続いた「中央集権」を覆した仕組み、として取り上げられる日が来るのかもしれない。
歴史はここで動いている、という言葉を思い出しています。

ブロックチェーン 「インターネット以来の発明」
2016/8/22付

▽…インターネット上の複数のコンピューターで取引の記録を共有し、互いに監視し合いながら正しい記録を鎖(チェーン)のようにつないで蓄積する仕組み。「分散型台帳」といわれることもある。もともと仮想通貨ビットコイン」の取引を成立させるために開発された技術だったが、金融にIT(情報技術)を活用するフィンテックを中心に幅広い分野で応用が検討されている。

▽…巨大なサーバーで一括管理する従来の手法に比べてシステムを低コストで構築でき、さらに処理速度も速くできる。さらに「改ざんのないデータを共有する」基礎技術であるため、中央銀行など当局による取引の承認や記録が必要なくなるとの指摘がある。不動産登記簿戸籍など、社会インフラを支える新たな情報システムを実現できる可能性があり「インターネット以来の発明」とも呼ばれる。

▽…世界の金融大手が40行以上集まってブロックチェーンの共同開発を進めているほか、数多くの業種で実証実験が始まっている。国内では業界団体「日本ブロックチェーン協会」(東京・港)が立ち上がるなど活用に向けた動きが出ている。

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2016-09-09 ロボットアドバイザーの時代?

[]VIP気分。 VIP気分。を含むブックマーク VIP気分。のブックマークコメント

おまかせ資産運用THEO
ポートスター
昨日、今のレベルのAIでは「自分で概念の把握はできない」という記事を取り上げたばかりだが、続いては「ロボット運用実用化」のニュース。

(現在のAIの)
深層学習は優れた技術だが、あくまでパターン認識において有用であるにすぎない。実際に行っているのはビッグデータの統計処理であり、人間の脳における社会的・言語的な概念の処理と直接関係づけるのは困難だ。

国家とかナショナリズムとか、独自の価値観をコンピュータが持つのはまだまだ先だが、一方「分析ツール」としての割り切った使い方なら、「投資アドバイザー」としての使い方は思いの外早目に普及しそうな気配だ。

すでに世間には「投資情報系」の書籍やwebコンテンツなどが溢れているわけだから、そうした「投資情報サービス」のソフトウェア版だと思えばそれほど抵抗はない。
むしろ親しみを感じるだろうか。

投資を全面的に任せてしまうのでもなく、かといって完全な一般論的なアドバイスだけでもなく。

自分の状態や希望に応じて、それなりにアドバイスしてくれる存在って。
それこそ「プライベートバンク」でもない限りあまりないとも言える。

外部業者とのしがらみもなく、「ここが無駄」「ここが足りない」「思い切って行きましょう」などと口座の中身を見ながらのアドバイスを受けるのは案外楽しいのではないだろうか。
どうせ決めるのは自分の判断なのだから。

ロボット運用、日本で起動 世界最大手など20社が参入へ 資産配分、個々人に最適提案
 コンピューターのプログラム個人投資家に資産運用を助言する「ロボット・アドバイザー」が日本で普及期に入ろうとしている。世界最大の運用会社、米ブラックロックが近くサービスを始めるほか、大和証券松井証券など証券会社も参入する。ベンチャー企業を合わせれば来春までに20社弱がサービスを提供する。個人金融資産1700兆円を巡り、競争が激しくなりそうだ。

 ロボット・アドバイザーはコンピュータープログラムが個々の投資家の志向に応じ、最適な運用資産の配分を提案するサービス。先行する米国では大手だけで資産残高が4兆円に達する。「何歳か」「投資経験はあるか」など簡単な質問に答えれば「先進国株」「新興国債券」「金」などを組み合わせた運用メニューを数分ではじき出す。スマートフォンスマホ)やパソコンを通じ、気軽に利用できる。

 最大の強みは金融とIT(情報技術)を組み合わせたフィンテックが可能にしたコストの低さだ。手数料は運用額の0.2〜1%にとどまり、富裕層が利用するプライベートバンキングや、金融機関に運用を任せる既存のラップ口座(2〜3%程度)を下回る。ロボアドの資産配分は個々人で異なり、単純比較は難しいが、手数料が安い分だけ運用成績の面でも有利になる可能性が高い。

 世界で約500兆円を運用する最大手、米ブラックロックは近く日本でサービスを始める。自社やプロの機関投資家が使っている資産配分システムを日本の証券会社に提供する。証券会社の店頭や営業担当者を通じ個人投資家に上場投資信託(ETF)などを中心とした資産配分を提案する。

 日本ではフィンテックベンチャーが先行する。2月にはお金のデザイン(東京・港)、7月にウェルスナビ(東京・千代田)が資産配分の提案から運用まで手がけるサービスを開始。お金のデザインでは既に利用者が8000人を突破した。うち「約半数がほとんど投資経験のない人」(馬場康次チーフ・マーケティング・オフィサー)だ。

 大手金融機関も次々と参入を表明している。大和証券は来年1月にロボアド技術を使うサービスを提供。松井証券も年内に公募投信を組み合わせるサービスを始める。

 先行する米国でもゴールドマン・サックスウェルズ・ファーゴなど大手金融機関が続々と参入している。投資相談の専門家が顧客への提案にロボアドを併用し「対面サービスの補完と位置付けている」(野村資本市場研究所の岡田功太氏)。2020年に米国の運用資産が2.2兆ドル(200兆円強)に膨らむとの試算もある。

 ただ08年の金融危機以降に広がった新しいサービスのため、世界の金融市場に大きなショックが加わった場合の運用成績への影響は未知数だ。世界の金融商品分散投資するため、為替リスクも負うことが多い。

2016-09-08 AI脅威論の前に。

[]今再び人間とは。 今再び人間とは。を含むブックマーク 今再び人間とは。のブックマークコメント

人工知能がいよいよ人の仕事を奪うらしい、とかディープラーニングで人を超えたことを判断できるらしい、という話題がまことしやかに流れるようになったのは最近だ。
それだけ「得体の知れない脅威」が間近に迫った、と捉えることができるが、現実には人の作ったコンピューターが人を超える、というのはしばらく先にも起こるのかどうか…という気がする。

SFの世界というのは、常にこうした議論の遥か先を行っているわけで、そういう意味では大いに参考になる。
自分もIT業界に入って間もなく「次世代コンピューター」とか「エキスパートシステム」という言葉を聞かされて驚いたものだが、結果は記事にある通りだった。

シンギュラリティー(技術的特異点)仮説は、ついにある時期からは「人の判断を超える」という仮説だけれど、人間的な「一か八かの判断業務」におびえるよりも、もっと日常的なところで自分たちの仕事はコンピューターによって自動化されていることを重視すべきだろう。

「直感」とか「論理矛盾」とか「感情」とか。
人は矛盾の産物だ。
今も自分たちはその「矛盾」に日々悩んでいる。

偏差値や計算や統計で分かっていることは、それほどの驚きではない。

コンピューターやAIの登場によって、人は再び「人らしさって何か」ということを自身で考え直す機会を得ているのかもしれない。
機械が人になることの恐ろしさを心配するよりも、自分たちの生き方や方向性を改めて考えてみるべきではないだろうか。

人工知能の光と影(下)「人間の脳を超越」あり得ず 機械知より生命知に強み 西垣通東京経済大学教授
 囲碁の名人を米グーグルの人工知能(AI)「アルファ碁」が破ったことで、AIに対する世間の期待は高まる一方だ。人間はチェス将棋ではもう歯が立たない。組み合わせ数が膨大な囲碁は最後の牙城だったが、ついにこれも攻め落とされてしまった。

 それだけではない。AIが大学入試問題を解く能力も年々上がっている。近々、外国語の翻訳もスマートフォンが自動的にしてくれるらしい。「コンピューターが人間より頭が良くなるのは、もう時間の問題だ」という確信に満ちた声も聞こえてくる。

 だが、そうなると困ることもある。ホワイトカラーの仕事が奪われるかもしれない。やがて国内労働人口の約半分の仕事がAIに代替されるという調査報告も昨年発表された。未来のAI社会は一体、幸福なのか、不幸なのか……。

 言っておこう。こうした期待や心配は大きな誤解に基づいている。囲碁や将棋のAIソフトはすべて人間がつくったものだ。つまり普通の人間でもコンピューターの力を借りれば天才を負かせるというだけの話だ。百科事典を丸ごと記憶しているコンピューターが入試用の暗記問題を解いたところで驚くことはない。

 とうの昔から、機械の能力は部分的には人間をしのいでいる。だが自動車マラソンをして負けたからといって、騒ぐ人がいるだろうか。「頭が良い」とは本当はどういうことなのか、きちんと考えてみなければならない。

 ただし、世間の大騒ぎにはそれなりの理由がある。2010年代後半に入って、AIが新たな産業革命を起こし、近未来社会を変えるという議論が専門家の間で急速に盛り上がってきた。

 グーグル、米マイクロソフト、米IBMなどの企業は既に巨大な研究プロジェクトに着手している。日本でも今年4月に政府主導で人工知能技術戦略会議がつくられ、産官学一体となってAI研究を進めるという。そこでは膨大な経済効果が見込まれている。とはいえ成果を上げるためには欧米の後追いより、まず機械と人間の知に対する深い考察が不可欠ではないか。

 現在のAIブームは第3次だ(表参照)。第1次は1950年代、第2次は80年代で、ともに期待外れに終わった。とりわけ日本が80年代に開発した第5世代コンピューターは、500億円以上の予算をつぎ込んだあげく失敗したプロジェクトとして知られる。その反省から始めないと、同じ轍(てつ)を踏むだろう。

 コンピューターは論理機械だ。正確な論理操作をすれば、答えが誤ることはない。だからこそ優れた「人工の知能」に値するというのが第1次AIブームの時の発想だった。だが純粋な論理操作だけで解決できる問題は、簡単なゲームやパズルくらいしかない。

 この挫折から、多くの「知識」をメモリーに蓄積しておき、それらを組み合わせて推論するという発想が出てきた。これが第2次AIブームだ。例えば医学知識をデータベースに貯蔵し、患者の検査データと組み合わせて病名を診断しようというわけだ。医者のような人間のエキスパートの代わりをAIが務めるので「エキスパートシステム」という名がついた。

 この第2次AIブームはなぜ衰退したのか。知識の活用で応用範囲は広がったが、答えの精度が落ちる恐れが出てきたからだ。人間の知識は正確無比とは限らない。検査データと病名を結ぶ医学知識にも曖昧さはあり、だから誤診が生まれるのである。人間のエキスパートは何とか直観を働かせるが、AIには無理であり、そこに挫折を招く根本的問題があった。

 日本の第5世代コンピューターの失敗の原因は、この難問から目をそむけ、ただ推論操作の高速化だけに取り組んだ点にあったのである。

 第3次AIブームを起こしたのは「深層学習」という技術だ。画像や音声などのパターン認識は昔からコンピューターの苦手な分野だったが、深層学習はここに画期的なブレークスルー(技術突破)をもたらした。従来のパターン認識では通常、人間が外部から、パターンの特徴を機械に与える。だが深層学習を用いるAIは、自分で特徴を抽出してしまうのだ。

 有名な「グーグルの猫認識」は、動画投稿サイトユーチューブ」の1千万の動画から自動的に猫の画像を取り出してみせた。さらに深層学習のプログラムは、脳神経に似た構造を持っている。こうして「人間の脳に近い機能を持つAIが誕生し、自分で概念を把握できる」という思い込みが生まれてしまったのだ。

 専門家でもこうした思い込みを述べる者がいるが、これは完全な誤りだ。深層学習は優れた技術だが、あくまでパターン認識において有用であるにすぎない。実際に行っているのはビッグデータの統計処理であり、人間の脳における社会的・言語的な概念の処理と直接関係づけるのは困難だ。例えば自由とか国家といった概念を、統計処理のみから導き出すことなど不可能だろう。さらに統計処理はデータ群の全体的特性を抽出することはできるが、個別のケースでは間違える場合もある。

 この点は重要だ。AIは論理的正確さが売り物だが、深層学習では誤りの可能性を排除できない。具体的にいうと、AIが猫か犬か分からない奇妙な動物の画像を「認識」してしまう場合もある。深層学習の応用の現場では、AIが行った分類を、人間の概念分類に合致させるチューニング(調整)作業にかなりの手間がかかる。

 以上のように、深層学習を駆使したAIは万能ではないし、決して何でもできる汎用機械ではない。アルファ碁ができるのは囲碁だけで、投資相談も無理だし、経済学論文も書けない。にもかかわらず「近い将来、人間より賢い汎用AIが登場する」などと、自信たっぷりに述べる議論が出てくるのはなぜだろうか。

 AIが2045年に人間の脳を上回るという「シンギュラリティー(技術的特異点)仮説」は、そうした妄想の典型だ。これは米国発明家レイ・カーツワイル氏が主張している仮説で、約30年後にコンピューターが自我を持ち、人間の代わりに知的作業をこなしてくれるという。一方、これは機械による人間の支配であり、阻止すべきだという論者もいる。

 だがシンギュラリティー仮説や汎用AIなどは、西洋の宗教的伝統を背景とするものだ。神の論理は絶対であり、理想的なAIはそれに近づけるというわけだ。われわれ日本人が、そういう伝統に追従する必要はない。研究予算獲得のために欧米のまねをしても、大した成果は望めない。

 人間は論理機械でなく多細胞生物だ。だから人間の思考は論理矛盾を含んでいることも多いし、身体的な直観に支えられている。AIという機械知は過去のデータに基づくので、安定状態での作業効率は良くても、全く新しい環境条件には対応できない。生物は激変する地球環境の中で生き抜いてきた。この柔軟性こそ生命知の本質ではないか。

 よって大切なのは、自我を持つ汎用AIといった幻を追わず、実用的な専用AIの精錬にまい進することだ。応用分野は自動運転農業、スマート工場など数多い。目ざすべきはAIではなく、「IA」つまり人知(インテリジェンス)の増幅器アンプリファイアー)なのである。

○過去のAIブーム失敗の反省から始めよ

○深層学習でも調整作業に相当の手間必要

○AIよりもIA(人知の増幅器)をめざせ

 にしがき・とおる 48年生まれ。東京大工学博士。専門は情報学東大名誉教授

newsnews 2016/09/08 10:54 この日経、いい記事でしたね。

2016-09-07 流されない眼。

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科学アゴラより。

暮らしを変える驚きの数理工学 (ウェッジ選書53)

暮らしを変える驚きの数理工学 (ウェッジ選書53)

科学の進んだ今でさえ、事前に予測できない天災は後を絶たない。
医療テクノロジーの分野でも、つい「科学とは本当に進んでいるのか」と懐疑的になる場面も少なくない。

いつも自分たち一般人は結果しか見ていないから、時には喜び、時には絶望するけれど、それを冷静に「科学」という目で「定点的に見る眼」はブレないためにもとても重要だと思う。

全然別の分野に見えますが、複雑系である脳と経済地震には共通点があります。いずれも連続する時間の流れの中で、ある瞬間に事象が急に立ち上がります。これを「点過程」と言います。私たちのビッグデータ解析技術で研究しやすくなりました。

「脳と経済と地震」。
どれもが現代の難問だ。
どれも完全に解明されてはいない。
複雑系は、よほどのカオスに見えるが、実はそうではないかもしれぬ。(ぬぬぬ)
何だかとっても興奮するテーマだ。

DNB(動的ネットワークバイオマーカー:多数の体内指標物質)を定期的に検査しておけば、病気になる前の「未病」の状態をつかめ、超早期の効果的な治療につながることが期待されます。
もっとも漢方薬研究者からは「漢方の世界では2000年前から知られていた」と言われましたが。

最先端の数理工学を追い続け。
二千年前の漢方の世界と相見える
科学と自然の関係、は聞いているだけでも面白すぎるテーマ満載だ。

脳・経済・地震 意外な共通点
現実世界の諸問題を「数理工学」を使って解決したい

 東京大学の合原一幸教授は「数理工学」という武器を引っさげ、様々な要素が絡み合った複雑系と呼ばれる独特な学問分野に挑んでいる。

 ――数理工学とは何ですか。
 抽象的な概念を探る純粋な数学に対して、数理工学は現実世界の諸問題の数学的な解決を目指します。理論のプラットフォーム(足場)に基づいて、非常に広い応用範囲をカバーするという特徴があります。

 ――プラットフォームとはどんなものですか。
 複雑系における動的な変化の制御、要素間のネットワーク構造の最適化、ビッグデータを駆使した予測という3つの基礎理論で構成しています。最適化は電力システムの安定化に大切です。ビッグデータの解析は、最近とくに注目されていますね。

 ――どんな応用が考えられますか。
 例えば多数のバイオマーカー(体内指標物質)の変化をとらえて治療に生かすことです。私はそれをDNB(動的ネットワークバイオマーカー)と名付けました。これまでDNAを通じて生命に関する基礎的な理解が進みましたが、今後はDNBも重要になるでしょう。「Aの次はB」です。

 DNBを定期的に検査しておけば、病気になる前の「未病」の状態をつかめ、超早期の効果的な治療につながることが期待されます。もっとも漢方薬の研究者からは「漢方の世界では2000年前から知られていた」と言われましたが。

 ――横断的な知見もあるのですか。
 全然別の分野に見えますが、複雑系である脳と経済と地震には共通点があります。いずれも連続する時間の流れの中で、ある瞬間に事象が急に立ち上がります。これを「点過程」と言います。私たちのビッグデータ解析技術で研究しやすくなりました。

 脳の神経細胞は電気パルスを次々に点過程として生成し、情報を伝達します。為替相場などでは取引の成立が点過程に相当し、神経細胞のデータ解析手法為替の解析に使えることが分かってきました。地震のデータもやはり点過程であり、高精度の余震予測が可能になっています。

 ――今後はどんな方面に研究の方向付けをしたいですか。
 生物の仕組みをもっと理解することが大切です。脳をまねた電子回路の研究はもともと日本のお家芸でしたが、今は欧米に抜かれてしまいました。うまく集積化すると、高密度かつ圧倒的な省エネが可能です。若い人たちを「軍師」として支えながら、こうした研究に取り組みたいですね。
(池辺豊)

2016-09-06 AIアシスタント。

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f:id:why-newton:20160906011600j:image:large]
JRがオペレータと客との会話をAIで分析し、仕事の補助に利用する計画だという。
AIが直接単独で人間と「業務を完結」というのはハードルがまだ高いが、人間の補助としてならすぐにでも効果がありそうだ。

特に業務が特定されていれば、使う用語や分野も絞りやすいし、コンピューターやネットには「うってつけの役どころ」かもしれない。

自分たちの日常会話でもそうだが、会話の最中に「調べたり探したりしたいもの」はとても多い。
会議をしていても、遊びの予定を考えていても「すぐに知りたいことが分かれば、すごく進む」ということは多いものだ。

飛躍して考えれば、そのうち会議の最中に「もっと視点を若年層に向けてはどうですか?」とか「論点と主張と反証がズレてきています」とかいうことをAIがジャッジする日もそう遠くなさそうだが、まずは「会話の流れで知りたいことが、瞬時に分かる」というだけで今より1レベル上の利便性が得られると思う。

そう思えば、普段の会話って「自分がはっきり知らないこと」にはあまり触れなかったりするから、知らないうちに偏っていないだろうか。
いちいち入力して調べるのじゃなく、会話に寄り添ってくれるアシスタントがいれば重宝するに違いない。


JR東、AIで客の声分析 迅速な案内可能に

 東日本旅客鉄道(JR東日本)は「お客の声」を人工知能(AI)で分析するシステムを開発する。コールセンターに寄せられる質問内容を理解して適切な回答を作成したり、インターネット経由で寄せられる大量の意見や要望を要約・分類したりする。顧客からの問い合わせに素早く答えられるようにするなど、サービス向上につなげる。

 JR東日本はこのほど、AIの研究開発を進める部署横断チーム「IoT×AIタスクフォース」を設けた。関連技術を持つベンチャー企業を支援する「リアルテックファンド」に出資。AIに必要なセンサーを研究開発する団体「スーパーセンシングフォーラム」に参加するなど、社外のネットワークも活用する。

 まず今秋、東京都内の「JR東日本お問い合わせセンター」でオペレーターを支援する実証実験を始める。電話でのやりとりを自動的に文字データに変換したうえで、質問内容を分析し、オペレーター向けに回答を作成する。質問を受けたオペレーターがパソコンなどで運賃や特急の指定席の空き状況などを検索する手間が省け、迅速に案内できるようになる。

 実証実験では複数の回答候補をパソコンの画面に示し、オペレーターがどの回答を選んだかをAIが学習する。鉄道に多い専門用語や略語、愛称、新語なども自ら学び、データベースに蓄積。より適当な回答ができるようにする。将来は駅でロボットが利用客の質問に自動的に答えるといったことも視野に入れる。

 インターネットやメールで寄せられる意見や苦情の内容を要約し、テーマごとに分類するシステムの開発にも着手した。AIが時候のあいさつや文章の繰り返し部分などを判断することで、内容の把握に必要な部分だけを抽出。全文を読まなくても、どんな要望が寄せられているのか分かるようにする。

 現在は年50万件を超える意見や苦情を、本社や支社の担当者が読んでいる。要約や分類が自動的にできれば、駅や車両のサービス改善に向け、より多くの時間を使えるようになる。18年度までに試作システムを完成させて実証実験を始める。

 同社がAIの研究開発を推進する背景には、ベテラン社員が退職した後の技術継承への危機感がある。1987年民営化前後の採用抑制や人員整理により、若手とベテランをつなぐ40歳代の社員が少ない。車両や設備などのトラブル発生時に想定される原因を提示するシステムの開発も進めるなど、幅広い業務でAIを活用していく方針だ。

ちろりんちろりん 2016/09/06 10:48 ロボちゃんかわいー。癒されますね。

q-pad?q-pad? 2016/09/06 11:31 あピーボ君だ。

2016-09-05 染み付いた性根。

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女子の本懐 市ヶ谷の55日 (文春新書)

女子の本懐 市ヶ谷の55日 (文春新書)

小池旋風の後で、知事が表明していた"給与半減"に都議会議員がビビっているという。
知事の年収はおよそ2900万円で都議は1700万円。
知事が半分にしたら都議との逆転が問題だという。
そのわけは

たった1人の知事の給与を、127人もいる都議が上回れば「都民感情が許さないのでは」という懸念がある。

そもそもの報酬を都民感情は許しているのだろうか。

そして匿名都議の発言がケッサクだ。

議員は数が多く、コンセンサス(同意)が得られにくい。場合によっては、知事の出した給与削減条例案の否決という選択肢も出てくるのではないか」と述べた。

自分はこれまで「大きくなって滅んだ会社」を幾つか見たことがあるが、同じ性質を見た。

自分たちの安穏、既得権益のために平気で「組織全体」とか「顧客」を無視した判断をする。
そして、それをおかしいと感じない感覚の鈍磨だ。

末端ならともかく「一定以上のリーダー」がこの感覚に侵されると、大きな組織も突然潰れる。
先の知事は細かな経費が問題になったが、そもそもの問題はまだ手付かずのようだ。

衆愚って無知な市民による政治のことらしいけれど、さらに「選ばれた無知な人たち」ではかなわない。
新知事の検討を祈りたい。

小池知事「半減」で報酬逆転? 都民感情恐れる都議 「削減条例案否決の選択肢も」
 築地市場豊洲移転延期や都政改革本部の立ち上げなど、就任から矢継ぎ早に政策を打ち出している東京都小池百合子知事(64)。その小池氏が選挙期間中に公約に掲げた知事給与の削減をめぐり、蜜月関係とはいえない都議会に困惑が広がっている。ボーナスなどを含めた全額を半減させれば、知事の年収は約1450万円となり、都議1人当たりの年収約1700万円より少なくなる。来年に都議選も控え、たった1人の知事の給与を、127人もいる都議が上回れば「都民感情が許さないのでは」という懸念があるからだ。

都によると、知事の給料月額は145万6千円。これに地域手当(20%)を上乗せし、ボーナスにあたる年2回の期末手当を加えると、年収は2896万3480円になる。

小池氏は知事選の公約に「知事報酬の削減」などを掲げて、都議会自民党が擁立した元総務相増田寛也氏(64)と分裂選挙を戦い圧勝した。8月2日の就任会見でも給与削減は「身を切る改革の象徴」と強調し、「事務方にどのような形で行うのがいいのか、制度面を含めて検討していただいている」と述べた。

削減額については、月額のみを半減させる(年収約2022万円)▽各種手当も含めて総額を半減させる(同約1450万円)−など、「いくつかのパターンがある」(都人事課)といい、それぞれを示した上で小池知事に決めてもらう方針という。

一方、議会局によると、都議の年収は全国トップの1708万175円。小池氏の選択によっては、都議の報酬が知事の収入を上回る“逆転現象”が発生する。また、都議にはこれに加え、本会議などに出席するだけで1日最低1万円をもらえる「費用弁償」や、1人当たり月60万円の「政務活動費」が会派に支給されるなどの特権は多い。

議員報酬額や費用弁償の削減などについては、超党派でつくる「都議会のあり方検討会」で協議し、年度内に結論をまとめる予定だったが、参院選、知事選の影響もあり、議論が進んでいない。

ある与党都議は「知事より収入が上だとなれば、都議会に批判が集まりかねない」と懸念を示し、「議員は数が多く、コンセンサス(同意)が得られにくい。場合によっては、知事の出した給与削減条例案の否決という選択肢も出てくるのではないか」と述べた。

2016-09-04 中国発。

[]数の圧勝。 数の圧勝。を含むブックマーク 数の圧勝。のブックマークコメント

つい昨年くらいまで、決済の方法をめぐってクレジット各社がいろいろと鎬を削っていたが、ユーザー側の決済手段は一気にスマホになっているらしい。
日本のように小銭中心でもなく、百貨店でもスマホを財布と同様に扱う感性の時代になってきたのだと思う。
スマホ+アプリが小規模店舗でも使えるとなれば、いよいよ「現金最後の日」が来るかもしれない。

海外に行き、また二、三カ国も周遊すると国境を越えるたびにウォンだ元だ香港ドルだ、そしてドルか円か。
なんて両替や買い物のたびに頭の中であれこれ暗算し、苦労したものだがああいう風物詩も近くなくなりそうである。

便利なことはちょっと味気ない。


中国スマホ決済、日本でも 現地市場3割増 200兆円 小売業、訪日客誘う

2016/8/24付

 【上海=小高航】中国でスマートフォン(スマホ)を使った電子決済サービスが急拡大し、日本企業に商機を生み出している。2016年市場規模は前年から3割強増え、円換算で200兆円に迫る勢いだ。世界最大規模になった中国の「スマホ決済圏」は訪日中国人が増える日本にも広がる。中国で主流の簡易型は小規模店舗でも導入しやすく、普及すれば日本のスマホ決済の多様化につながる見通しだ。

 中国で一般的な簡易型はスマホの画面に表示される「QRコード」を店頭のタブレットにかざせば利用者の識別がすみ、購入できる。「スイカ」といった専用読み取り機を使う日本で主流の方式に比べると設置コストが少なく、小規模店舗や個人でも導入しやすい。

 中国ではクレジットカードによる支払いは少ない。利用額がすぐに銀行口座から引き落とされるデビットカードが普及していた。最近は使いやすさや信頼性の高さ、店舗での導入のしやすさから簡易型のスマホ決済(総合2面きょうのことば)が急増している。

 中国の調査会社、比達咨詢によるとスマホなどの移動端末を使った決済市場は15年に9兆3千億元(約140兆円)。17年は15兆元に増えると見込む。スマホ決済の米大手、スクエアは15年の決済処理額が約3兆6千億円。単純な比較はできないが、中国の規模は群を抜いている。

 電子商取引大手アリババ集団の「支付宝(アリペイ)」がシェア72%。騰訊控股(テンセント)の「微信支付(ウィーチャット・ペイメント)」が続く。こうしたインフラに慣れた中国人が大挙して日本を訪れるようになり、両社は日本での扱い店舗を拡大している。

 テンセントは16年中に1万店にする方針。狙いは訪日時の利用だけではない。日本企業が帰国後も中国人旅行者を「常連客」にできるようにしている。日本でスマホ決済した中国人に日本企業は帰国後もネット経由で新商品や割引の情報を紹介。通販で売り込める。これまで主流だった「銀聯カード」より一歩進んだサービスといえる。

 日本企業も動き始めた。高島屋日本橋店(東京・中央)や新宿店(東京・渋谷)など大型店でアリペイや微信支付を利用できるようにした。販売単価は下がっているが「客数は今後も伸びる」(高島屋)とみて、利便性を高めて集客する。

 ローソン羽田空港などの9店舗でアリペイを導入。セブン―イレブン・ジャパンは首都圏の数十店舗で試験導入した。ファミリーマートは4店舗で導入を始めた。

 今後、日本のスマホ決済の手段が広がりそうだ。ベンチャー企業、オリガミ(東京・港)が始めた読み取り機を使わない仕組みを大手衣料品チェーンが導入した。

 リクルートライフスタイル(東京・千代田)はアリペイとLINEペイに対応したアプリを提供しており、ユナイテッドアローズ那覇空港の店舗が採用した。導入のハードルが高かった小型店で普及が進めば、日本でもスマホ決済がより身近になる可能性がある。

2016-09-03 悪意の悪魔。

高野研一さんのコラムより。

[]創造的な違法行為は。 創造的な違法行為は。を含むブックマーク 創造的な違法行為は。のブックマークコメント

日本人は性善説を好むという。
国土も狭く、島国で村社会
侵略との歴史も関係しているだろう。

そして文化も経済も政治も、色んなことが「世界的に交わって」きた。
欧米に合わせたり、新興国のルールを考慮したり、何にせよ「日本の理屈」だけでは生きにくい。

目標制度とか業績連動とか、組織の考え方もいろいろあるけれど、自分はやっぱり性善説を推したい派である。
本コラムを読んで考えた。

(粉飾会計は)
「創造的な会計」により利益を追求した結果、気付いたら違法行為に手を染めていたのです。
当事者からすれば、自分の取った行動は結果的に「不適切」であったかもしれませんが「悪意」はないのです。
本書はこうした「悪意のない人たち」に、性善説は通用しないと言い切っています。

悪意はないが、ルールに触れること。
結局そのバランスのためにこそ、ルールがいるということか。


倫理の死角(2) 気付いたら不適切行為 悪意のない人に性善説は通じない

2016/8/23付

 性悪説に立って社外取締役によるけん制を強化せよという議論に対し、日本の経営者の多くは違和感を覚えるのではないでしょうか。性悪説は個人主義の強い米国で、スター経営者に高額の報酬を与えて短期業績を競わせる場合にはフィットしますが、日本のように終身雇用の世界で、社員やメーンバンク、系列などとの長期的関係を気遣いながら経営する場合には当てはまらないと考える人が多いからです。

 その一方で、性善説に立ってお任せのままでは株主も社会も納得してくれない時代になってきました。日本企業自己資本利益率(ROE)が諸外国に比べて低い中で、「悪いことをしない」だけでは責任を全うしていることにならないという議論があるからです。

 幸い日本には「論語算盤」という考え方があります。倫理とビジネスにおけるパフォーマンスは両立できるという渋沢栄一の思想です。本書の言わんとするところは、最後はここに行き着くのではないかと考えます。しかしその前に、性善説の限界についてみてみましょう。

 倫理学は社会人として自立していく上で重要な学問です。何が正しいことなのかを教えれば、善意を持った人が育つという考え方に立ちます。しかし、本書は何が正しいか知っていることと、実際に正しい行動を取ることとは全く別であるといいます。それは、大学の図書館で借りたまま返却されない本は、倫理学の本が一番多いということからも分かるようです。

 巨額の粉飾決算が発覚した米エンロン事件に関わった経営者らに、違法な意図があったわけではありません。「創造的な会計」により利益を追求した結果、気付いたら違法行為に手を染めていたのです。当事者からすれば、自分の取った行動は結果的に「不適切」であったかもしれませんが「悪意」はないのです。本書はこうした「悪意のない人たち」に、性善説は通用しないと言い切っています。

(全文を電子版に▼ライフ→出世ナビ)

2016-09-02 ポピュリズムの嵐。

[]視点を変えるために。 視点を変えるために。を含むブックマーク 視点を変えるために。のブックマークコメント

科学の目、科学のこころ (岩波新書)

科学の目、科学のこころ (岩波新書)

昨今の政治とかメディアのの様子が「ポピュリスト的」という言葉で表されると妙に納得した。

米国大統領選をはじめ、世界はポピュリスト政治の激動にさらされている感がある。ポピュリスト的主張は往々にして、客観的データに基づく自由政策議論を否定する。格差拡大という社会背景はあるにせよ、「科学する心」を欠くと社会は混迷に向かってしまう。

格差とか老後の不安とか、だから徹底保守だとか他種排斥だとか。
また何か事件が起これば、その周囲を含めて徹底的に叩く傾向も顕著だ。

情報が氾濫し、どんどん専門化もする今の時代には「その一点」だけを見ているとバランスを崩しやすいのではないか。
昔は全体ありき、というくらいの精度でしかなかった情報やデータが、今は量もスピードも以前の比ではない。

政治もマスコミも「ちょっと自分たちに酔いすぎ」と思える今、科学の目を持つための清涼剤のような存在だ。


科学する心 社会に大いに役立つと知る

 小学校でも中学校でも理科は好きではなかった。自分の人生とどう関係があるのか一向に糸口がなく、興味がもてない。今と違い「女の子が理数系?」というのが周囲の風潮だったとも記憶する。

 ところが、高校生活ではそれが一変した。まず『力学宇宙船に乗って』(コロナ社)を書いた物理の広井禎先生の授業だ。この世の物理現象の背後にある、動かしがたいシンプルな原理・原則を理解する痛快さを知った。「人間はスピードに強く、スピード変化に弱い」といった一文も面白かった。数学の先生も最初の授業で「平行線は交わる。非ユークリッド幾何学では」と仰(おっしゃ)るではないか。びっくりし、前提から世界を論理構築する凄(すご)さを味わった。

 自然科学原体験は強烈だったが、進路はやはり文科系を選んだ。ところが、経営戦略コンサルティング会社に勤務すると、集めたデータなどの客観的根拠を分析し、事実を正確に把握すること、それらを他者と冷静かつ自由に議論し、結論を共有する仕事のやり方を徹底してたたきこまれた。そのうち、「これって結局科学?」と思い至った。大げさに言えば、科学的な手法が実際に社会に役立っていることを私なりに実感した。

 『科学の目 科学のこころ』(長谷川眞理子著、岩波新書)はこうした実感を裏付けてくれる。「サイエンティフィック・リテラシー」、すなわち科学の基本にある考え方や意味についての確かな理解が現代社会にとって重要だと説く。万有引力の法則を発見したニュートンは、50歳を過ぎてから造幣局官吏に就任すると、汚職を徹底的に洗い出して局長に任命されたなど、面白いエピソードも満載だ。

 米国大統領選をはじめ、世界はポピュリスト政治の激動にさらされている感がある。ポピュリスト的主張は往々にして、客観的データに基づく自由な政策の議論を否定する。格差拡大という社会背景はあるにせよ、「科学する心」を欠くと社会は混迷に向かってしまう。

 現代社会の進歩を支える科学。かといって現実の科学者の言うことを鵜呑(うの)みにするのも考えものだということも政府審議会などで経験した。特に現代は多様な分野ごとの専門化が進んでいる。

 学界や研究機関は往々にして特定分野への巨額予算の配分を主張したりするが、それが社会全体としてはバランスを欠く場合もあるように思う。科学者もできるだけ幅広く社会との接点を持ち、過度の専門化の弊害に陥らない、オープンな姿勢が必要なのだろう。それが、結局は科学の本旨に沿い、進歩につながるのではないかと密(ひそ)かに思っている。

エコノミスト

2016-09-01 書籍読み放題の威力。

[]ついに大物の登場。 ついに大物の登場。を含むブックマーク ついに大物の登場。のブックマークコメント

Kindle for PC (Windows) [ダウンロード]

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鳴り物入りでスタートしたKindle Unlimited
中身は雑誌や写真集から、漫画、小説、ビジネスとかなり広い。
鈴木大拙からナポレオンヒルまで、和書12万冊+洋書120万冊といえば誰の本棚よりも圧倒的なボリュームだ。

ところが書籍コンテンツの提供元との契約の関係で「超人気コンテンツ」が予算オーバーで消え始めているという。
これに憤った出版社側は

「9月以降はバックナンバーや1巻目だけにする」などと鼻息が荒いらしいが、勝負の決着は着いているのに違いない。

ついに書籍までが著作権の波を超えて定額制になる時代。
これまではネット上のサイトと動画系のコンテンツの主戦場だったところに「既存のテキスト本」が乱入する。

書籍の中身までがすべて「検索フリー」になれば、「これまでのwebコンテンツ」にとっては余程の脅威になると思う。

書籍の編集力❌検索性が解放されれば、wikipediaなどだけではない「新たな智の世界」が始まるのじゃないだろうか。
早めに版元との契約問題を解決して、新しいwebの世界を旅したいものである。


アマゾン読み放題、人気本消える 利用者多すぎが原因?

2016年8月31日05時03分

続きから読む

読み放題サービスをめぐる利用料金の流れ

 今月3日にスタートした通販大手アマゾンジャパン電子書籍読み放題サービスで、人気のある漫画や写真集などがラインアップから外れ始めた。サービス開始に合わせて多くの書籍をそろえようとしたアマゾンが、出版社に配分する利用料を年内に限って上乗せして支払う契約を締結。しかし想定以上の利用が続いて負担に耐えきれなくなり、利用が多い人気本をラインアップから外し始めたとみられる。

 同サービス「Kindle(キンドル) Unlimited(アンリミテッド)」は、洋書約120万冊のほか、国内の数百の出版社と契約を結び、小説やビジネス書、雑誌、漫画など和書計約12万冊が月980円(税込み)で読み放題になるとしてスタート。電子書籍のダウンロード数に応じて出版社に利用料の一部を配分するとした。

 複数の出版社によると、アマゾンは一部の出版社を対象に、年内に限って規定の配分に上乗せして利用料を支払う契約を結び、書籍の提供を促したという。

 ところが、サービス開始から1週間ほどで漫画やグラビア系の写真集など人気の高い本が読み放題サービスのラインアップから外れ始め、アマゾン側から「想定以上のダウンロードがあり、出版社に支払う予算が不足した」「このままではビジネスの継続が困難」などの説明があったとしている。アマゾン側は会員数を公表していない。

 こうした事態に、出版社側は反発を強めている。数百冊以上を提供しているある大手出版社は29日までに、全ての本の引き揚げを検討しているとアマゾンに通告。アマゾンからは「道義的な責任はあるが契約違反ではない」との回答があったという。この出版社は朝日新聞の取材に「合意なく配信停止にしたことは契約違反。著者への説明もできず苦慮している」とする。

 徳間書店東京都港区)は同社が運営するホームページで「(アマゾンから)条件面での変更通達」があったとし、現在提供している漫画の月刊誌や単行本をサービスから引き揚げ、9月以降はバックナンバーや1巻目だけにすると告知した。同社は数百冊を提供しているが「他の本も調整中」としている。

 別の中堅出版社幹部は「ラインアップから外されて利用料も入らなくなった上、読み放題の本が売れ筋ランキングの上位にくるようになり、それまで売れていた本まで注目度が下がって売れなくなってきた」とする。アマゾンジャパンは取材に対して「いくつかのタイトルの変更はある」としながら、「契約に関することは話せない」とコメントしている。(塩原賢)

2016-08-31 言葉の反応力。

[]正しさだけでなく。 正しさだけでなく。を含むブックマーク 正しさだけでなく。のブックマークコメント

若者と話していて一番面白いのは「新語の使い方」かもしれない。

最近では"刺さる"という言葉に感心した。
「あれは刺さりましたねー」なんて使っている。

自分たちだって十代の頃には「キモい」とか「めっさ」とか新語を操っていたはずだが、今の新語とは相当違う。

そして著者の言うように「大人の職種」によってその「受け入れ姿勢の硬直度」が違うようだ。
中年以上の人たちが、無理に若者ことばを駆使しようとするのは見苦しい一面があるけれど、今の若者がリアルタイムで使うその言葉には「時代をそのまま写すエッセンス」があると思う。

「ウザっ」とか「やばい」とか。

ことばの包容力の狭まりは老化現象の始まりといえる。

正しい文法は心がけつつ、若者言葉もどんどん理解していきたいと思う。
やっぱり新語って面白いもの。


新語受け入れ、心の余裕反映

2016/8/21付

 ことばの研究者はときに非難される。乱れたことばが世に広がっているのに、弁護するからという理由である。しかし、ことばの乱れは、見方を変えれば新しい言い方の発生だ。研究者としては中立の立場で客観的説明したくなる。

 新しい言い方は、使わない人には不愉快だろう。しかし言語の使用能力よりも理解能力は大きい。自分で使わなくとも、聞いて理解できるし、許容できるはずだ。

 終戦後の話である。戦災孤児が収容施設の近くの畑のトマトを盗んだ。農家の主人が怒って施設にどなりこもうとしたら、奥さんがとめた。「おなかがすいているのだろう。かわいそうだ。トマトの植え付けを増やして、施設の子の分も作ろう」。こう言って、多く作ったそうだ。

 トマトを盗むのは悪いことだし、迷惑だ。しかし事情を考えて大目に見て、とらえ方を変えれば、心に余裕ができる。

 ことばでも同じである。新しい言い方を使う人の立場を考えて許せれば、大らかに、心豊かに過ごせる。ことばの理解能力・許容範囲を増やすのは無料だから、経済的である。施設のそばの農家と違って、土地が広くなくともいい。広い心はただで持てる。

 ことばに詳しい人、うるさい人が世にいる。ことばの正しさ意識は、人によって違う。どれほど受け入れるかは個人差が大きいが、文化庁マスコミ世論調査を分析すると、一定の傾向が見える。

 職種でいうと、事務系はことば全体に厳格である。接客系は敬語に敏感だが、労務系はあまり関心を示さない。その背景には、職種によることばの使い方の違いがある。事務系は読んだり書いたりするのが主な仕事で、接客系は人と話すのが大事な仕事、労務系は読み書きや話がそれほど必要ない仕事である。使うことばの量と質によって意識が違うのだ。

 一方、新語・流行語・外来語などを受け入れるかについては、年齢差が大きく、高年層ほど受容しない。ことばの包容力の狭まりは老化現象の始まりといえる。

 ことばの研究者は、使う人の立場を理解して、受け入れる能力がある。若々しい、やさしい心の持ち主なのだと言いたいが……。無理か……。

(言語学者)

カルナバカルナバ 2016/08/31 22:34 めっさwww

2016-08-30 確率という名の牢獄。

[]プロファイリングは問題か。 プロファイリングは問題か。を含むブックマーク プロファイリングは問題か。のブックマークコメント

少し前、コンピュータ操作の苦手な人は「デジタル難民」などと言われ、焦っていたおじさまたちも多かった。

今度は「バーチャル・スラム」が問題になるという。

個人がデジタル世界でプロファイリングされ、抽象化されて「本人の意図によらず」にひょっとしたら「ハズレ組」に分類されているかもしれない。
慶大の山本教授は言う。

「『その人らしさ』は、本来、人工知能によって解析し尽くせるものではありません。しかし、両者が短絡的に結びつけられることが増えてくる。これは、個人の事情を概括化、抽象化せず、一人ひとりの人格を尊重するという個人の尊厳原理を危険にさらします。憲法の基本原則でもあるこの原理を貫徹するためにも、個人に関する重要な判断は最終的に人間が責任をもつことや、プロファイリング結果に異議を申し立てる権利は重要です」

ただここで思う。
自分たちは結構こういう「プロファイリング」とか「バイアス」を元来使ってきた。
仕事をするにも人付き合いをするにも家族や親戚だって「ある種のプロファイリングはつきものではなかったか。
セレブ御用達の私立校とか、超大手企業には「一定のプロフィール」がなければ門前払いになるのは公然の秘密だった。

「デジタルに任せる」ということになると、自分たちは途端にその責任論とか弊害をあげつらうけれど、実は「デジタル」はそれを浮き彫りにしているだけで、これまで「人がしていることだから」とむしろ問題の本質に頰被りしてきたということではないだろうか。

特に記事が問題にしている「人材適正」の分野については、未だに「個人の適性と仕事の質」について決定的な回答のない分野である。
これまではキャリアの長い人間がむしろ「個人の経験と勘」を頼りにしていた分野にこそ、ビッグデータAIが生きてくる。

ITが問題なのではなく、ようやく「これまで見過ごされてきた、人の勘だけが頼りの分野」をこれからITがどんどん詳らかにしていく時代になるのだ。

磨けばピカピカに光るダイヤの原石って、通常の選考方法ではまず見つからないものだ。


(インタビュー)ビッグデータと私 慶応大学教授・山本龍彦さん

2016年6月1日05時00分

 大量のデータをあまねく高速で分析するビッグデータ時代である。個人の情報を集め、一人ひとりの好みや習慣だけでなく、未来の行動や適性、可能性まで予測することが可能になった。豊かさや便利さにつながる半面、個人の尊厳や、民主主義の土台を脅かしかねない面もあることに、いよいよ目を向けねばならなそうだ。

 ――ビッグデータ時代と言われますが何が起きているのですか。

 「アマゾンで買い物をすると、画面に『おすすめ商品』が表示されます。特定のユーザーを対象にしたターゲティング広告の一つで、購買や閲覧の履歴からコンピューターがその人の好みを自動処理で確率的に判断しているのです。自動処理する際の『計算方法』をアルゴリズムと言いますが、この予測の技術が広い範囲で使われているのが特徴です」

 ――企業には、関心のある顧客に絞って広告を見せ、広告効果を上げられる利点がありますね。

 「その通りですが、プライバシーや個人の尊厳に関する新たな問題が生じてきています」

 ――どういうことですか。

 「米国では、小売業者『ターゲット社』が、顧客の購入歴から妊娠の可能性や出産日を予測していたことが明るみに出ました。自社のアルゴリズム解析から、例えば無香料ローション、特定サプリメント、大きめのバッグのいずれの購入歴もある人は妊娠している可能性が高いとし、顧客にベビー服などのクーポンを送っていたのです。相手先がたまたま女子高校生で、娘の妊娠を知らない父親が驚いて、問題が発覚しました」

 「データベースに蓄積されたある人物のデータをコンピューター解析し、その人を評価・判断することをプロファイリングといいます。妊娠というセンシティブで秘匿性の高い情報をこの技術を使って把握することは、プライバシーの観点から問題です。それでも、商業広告であれば許容できる場合もありますが、企業の採用活動や住宅ローン、教育などの分野でプロファイリングをすると深刻な問題を引き起こします」

 ――どんな問題ですか。

 「ある女性が大学4年で希望する企業への就職に失敗し、ファストフード店でアルバイトをして翌年就職に再チャレンジしたとします。人工知能の解析にかけると、就職の失敗は『雇用されるにふさわしい能力』のスコアを下げ、アルバイトの経験も低賃金の職と推論されて、さらにスコアを押し下げるかもしれません。プロファイリングで、労働者としての適性が乏しいと判断されるわけです」

 「彼女が努力して成長、変化する可能性や、彼女を取り巻く具体的文脈などが捨象され、その能力がただ確率的に判断されているのですが、ビッグデータを基礎にしているだけに、正確な人物評価として科学的な説得力をもってしまう。人事部社員の勘より信頼できる、と」

 「SNS上で過去に公開した情報など労働者の適性に関連しないような行動の記録も併せて解析され、『能力の低い労働者』と評価されると、それが彼女に関する『真実』とみなされ、その後の人生にずっとつきまとう。人生の重要なポイントで個人の能力の判断を人工知能にゆだねることで、一人ひとりの人生を運命づけ、はい上がれなくなるリスクが生まれてしまいます。『バーチャルスラム』の形成です」

 ――初めて聞く言葉です。

 「『確率という名の牢獄』と呼ぶ学者もいます。人工知能も誤りうるのに、予測技術の向上により確率は飛躍的に高まるので、企業などは、経済的合理性を理由に人工知能の予測を積極的に使うようになるでしょう。そのことで、確率的な判断によるスティグマ(烙印〈らくいん〉)といった問題が生じる」

 「しかも、プロファイリングに使われる個人の属性や、アルゴリズムの内実が企業秘密になっていると、なぜ自分が不採用となるのか、排除され続けるのかわからない。カフカ的な不条理な世界に追い込まれます。米国のFTC(連邦取引委員会)が1月に公表した『ビッグデータ』という報告書のサブタイトルは『包摂の道具か、排除の道具か?』でした。ビッグデータの『利活用』が差別や排除につながるのではないか、という危機感が強く表れています」

 ――個人情報の漏洩(ろうえい)をどう防ぐかとは質の異なる問題が顕在化しているのですね。

 「漏洩は、人工知能やアルゴリズムが高度に発展する以前からあった古典的な問題です。これも重要な論点ですが、米国や欧州連合(EU)では、プロファイリングの公正さや利用範囲の問題が、積極的に語られ出しています」

 ――具体的な規制の動きは出ているのでしょうか。

 「個人情報を取り扱うEUの『一般データ保護規則』にプロファイリングに関する規定が20ほど入り、欧州議会本会議で4月に可決されました。施行は2018年ですが、例えば、企業の採用活動や借り入れなど個人の人生に重要な影響を与えるような事柄について、自動処理のみによって判断されない権利が認められました。人間の介入を得る権利や、プロファイリングの結果に異議を申し立てる権利も組み込まれました」

 「これらは、『あなたはこういう人間ですね』という人工知能の確率的な判断に対抗するための権利といえます。『そんなの私じゃない!』という叫びを権利化したといってもいい」

 ――人工知能に対し、個人一人ひとりの尊厳をいかに守るかが問われているのですね。

 「『その人らしさ』は、本来、人工知能によって解析し尽くせるものではありません。しかし、両者が短絡的に結びつけられることが増えてくる。これは、個人の事情を概括化、抽象化せず、一人ひとりの人格を尊重するという個人の尊厳原理を危険にさらします。憲法の基本原則でもあるこの原理を貫徹するためにも、個人に関する重要な判断は最終的に人間が責任をもつことや、プロファイリング結果に異議を申し立てる権利は重要です」

 ――社会のあり方にも影響を与えそうですね。

 「民主主義の行方にも関係します。例えば、政治的に偏った思想を持っていると予測されたくない人が、検索履歴情報を取られないよう政治的なテーマをネット検索することを避けようとするかもしれない。こうした萎縮効果は、民主主義の維持に不可欠な批判的な言論をくじくことになります」

 「プロファイリングによって予測された趣味嗜好(しこう)にあった情報のみがサイトに送られ、個人が自分好みの情報に囲まれることを『フィルターバブル』と呼ぶこともあります。これは快適である半面、自分と異なる『他者』の見解に触れずに生きていくという状況を生み出します。民主主義には『他者』との対話を通して議論が生まれ、国家の意思形成に結びつく側面があります。偶然的な出会いがなくなることは、異なる他者と対話ができないか、出会いがあっても鋭い対立になりがちです。フィルターバブルは民主主義そのものに深刻な影響を与えかねません」

 ――個人情報保護法制をめぐる国内の議論ではプロファイリングが本丸にもかかわらず欠落してきたと、発言されてきました。

 「日本では個人情報の漏洩や第三者提供の問題ばかりに議論が集中し、本質的な側面が見えなくなっている気がします。改正法では、人種や信条、病歴など差別や偏見を誘発しかねない情報を『要配慮個人情報』と定義し、取得の際に原則として本人同意をとることをルール化しました。しかし、実際には、米国のターゲット社のように関連情報のプロファイリングによって、妊娠というセンシティブ情報を『取得』することは可能です。改正法では、こうした要配慮個人情報の迂回(うかい)的な取得に対処しきれません」

 ――政府は改正法の目的の一つに、個人情報の「利活用」を強調しています。

 「もちろん、個人にかかわるビッグデータをビジネスに活用し、人々の暮らしの利便性が上がることはよいことです。一方、人工知能によって個人が確率で判断される社会でよいのかという本質的な問題がある。踏み込んではいけない個人の尊厳にかかわる領域があることを考えながら、議論を発展させるべきです。個人情報保護法制の問題を、セキュリティーなど個人情報保護だけの問題に矮小(わいしょう)化すべきではありません。それを超える問題にどう向き合うかが、根源的に問われているのです」

 やまもとたつひこ 1976年生まれ。専門は憲法学で、現代のプライバシー権をめぐる問題に詳しい。著書に「憲法1 人権」「遺伝情報の法理論」などがある。

 ■取材を終えて

 人工知能が先日、囲碁で世界最強の棋士の一人との対局を4勝1敗で制した。人工知能と歩む未来はバラ色か暗黒か、様々な議論がある。ただ、私たちはすでに、使い方次第で「人間の尊厳」が奪われかねない社会を生きている。リスクをいかに回避するのか、山本さんが言う本質的議論を始めることが次世代への責任でもある。(編集委員・豊秀一)

2016-08-29 若さを見過ごすな。

[]今を意識できるか。 今を意識できるか。を含むブックマーク 今を意識できるか。のブックマークコメント

十代の頃。
朝晩、特別な何かをすることもなく。
食べたいものを食べたいだけ食べ。
眠りたいときに眠った。
それで健康が損なわれるということもなく。

それが今はどう。
朝晩にはストレッチ。
歯磨きは入念に。
食事糖質、脂肪、蛋白質ビタミンを意識して、偏らずに。
1日1万歩は歩く。
筋肉は退化しないように筋トレを。

奔放に、本能のままに。
というのが若さの特権だと気付いたのが最近だ。(嘆)

若さは「若いこと」に気づかない。
当たり前か。
だから若いのだ。

しかし、だから年を取るってことは「そういうこと」も分かりながらの円熟味がある、とも言える。
だからいろんな「ルーティーン」を背負いながらも、なかなかに知恵を巡らせて毎日を生きて行ける。
老いるというのはそういうことかもしれない。

結局は「その時代の自分」をどう楽しむか、ということだろうか。
特に若い頃のには「その境地」が分からなかった。
今は大分「そんな気分」になっている。

それにしても、直接的にそういうことを示唆する本に巡り合わなかったのは自分の浅学の極みだ。
若くして頭でだけ理解できるものではないけれど、先輩の箴言には出会っておきたいものである。

2016-08-28 これからの報道。

[]その後のSTAP細胞その後のSTAP細胞。を含むブックマーク その後のSTAP細胞。のブックマークコメント

日経より。
STAP細胞の再現ドイツの研究室が成功たという話。
ますます報道は右に寄ったり左に寄ったりで、往年のスポーツ新聞を読むように「一体果たしてそうなのか」という疑問がわく。
マスコミの報道を盲信しない、という意味では随分と情報の耐性ができてきたように思うけれど、それにしても「バッシング体質」が鼻につく気がする。

荒っぽくリスクを取りにいかないと、出し抜かれるのは必然だ。
研究とビジネスでは、本来その目的が異なっているが、高度資本主義社会において両者は分かちがたく結びついている。

結局「結果次第」でその間の事実と報道は「完全にねじ曲げられる」というのが史実でしかないのか。
戦争の歴史は「勝った国によって編纂される」と言われるが、それを穿って事実を報道してこそのメディアに違いない。
今のネット時代だからこそ「本物の報道」の真価が問われてくるだろう。
もうトップ記事で争う時代から「いち早く真実を封じる時代」に入っているような気がする。

劇場型、叩き型の報道には自分たち視聴者が"no"と言わねばならないと思う。

国民性ゆえ 上田岳弘
2016/8/15付日本経済新聞 夕刊
 一昨年の年初、理化学研究所の女性がリーダーを務める研究ユニットが、STAP細胞と呼ばれる万能細胞の生成に成功したとのニュースが流れた。Wikipediaによると、「動物の分化した細胞に弱酸性溶液に浸すなどの外的刺激を与えて再び分化する能力を獲得させたとされた細胞」とある。万能細胞とは文字通り、人工的に体の一部を作り出すことができる細胞だ。ヒトの受精卵を使う必要がないのはiPS細胞と同じだが、STAP細胞は簡単に作れることで大きく期待された。

日本の社会は、リーダーの小保方晴子氏が若い女性であることをまずは肯定的に捉え、過剰に注目した。その直後、世論は本件に否定的になり、今度は小保方氏の周辺に疑惑の目が向けられた。氏の論文は撤回され、STAPにとって残念なことに、この現象は存在しないことになった。捏造(ねつぞう)と断定されたこの研究に、今さら手を付ける者は世界中どこにもいない、とも言われた。

 しかし予想は外れ、STAPに関心を持つ研究者は世界に存在していた。今春、ドイツのハイデルベルク大学の研究チームが、小保方氏の手法を修正して、独自にSTAP現象の再現に成功したと発表した。成功の真偽はともかく、我が国にそれを悔しがっている風潮は今の所なさそうだ。この二年間社会が注力してきたのは、小保方氏の実験が捏造であることの説明だった。今回もまた、ドイツの権威ある大学による手法が、小保方氏のプロトコルといかに違っているかを世間は知りたがっているのだろうか。あるいは、外国の研究者に対しても捏造疑惑が浮かぶのを待っているのかもしれない。

 明治時代陸軍軍医総監まで昇りつめた森鴎外は、軍に蔓延(はびこ)る脚気(かっけ)の原因を見誤り、経験的に効果がみられていた麦食を禁止する措置をとった。脚気細菌説に則(のっと)って論文を著し、海軍軍医による兵食改善の意見を排除した。結果として多くの兵士が死んだが、後からとやかく言うのは簡単である。当時の陸軍においては、ドイツの細菌学が主流だった。ドイツ留学中に細菌学の開祖であるコッホに師事し、陸軍中央部という権威に従った森鴎外一人を責めるのは酷だろう。これは個人による過ちではなく、長い物には巻かれよという、我が国の国民性が招いた結果であると僕は思う。真実を見極めることが困難な時でも、社会は真実らしくみえるものに従って判断を下していくものなのだから。

 国民性ゆえ、僕らの国において人と違った行動をとるのはリスクの高いことだ。まして新しいことをやろうとする場合、当然その初期において、多くの誤りを犯すことになる。すべてを証明できてから行動するのが万全な手順かもしれないが、それでは国家間競争に負ける。荒っぽくリスクを取りにいかないと、出し抜かれるのは必然だ。研究とビジネスでは、本来その目的が異なっているが、高度資本主義社会において両者は分かちがたく結びついている。

 YouTubeは、自由に動画を投稿・視聴できる革新性がうけたが、開始当初は、著作権保護の対策をかい潜(くぐ)って投稿される動画も多かった。それに対する批判に屈していたなら、今の隆盛はなかっただろう。利便性と秩序維持が秤(はかり)にかけられた結果、生き残ったのだ。仮に今の日本でこのサービスが始まっていたとしたら、どうなっていただろう。(作家)

2016-08-27 準備、準備、準備。

[]プロのレベル。 プロのレベル。を含むブックマーク プロのレベル。のブックマークコメント

練習はやり切った。

イチローとか羽生名人とか。
いつものことだが、トップレベルのプロの発言を聞いて、すぐそのまま自分への参考になどできないのはわかっていても、どうしてもそうしたプロたちの話ってついつい耳をそば立たせて聞いてしまうものだ。

どこかにあやかれる部分はないかしらん。
というあざとい気持ちもあるけれど、尊敬の念を持って接したい。

それにしても「練習はやり切った」と言えるレベルはある種「究極の状態」と言えるのではないか。

仕事でもデートでも準備に「過ぎる」ということはない。
どこまで準備しても足りないところはあるし、また準備に念が入っているほど本番に臨んでも安心感があるものだ。

だから反対に言うと"失敗"って準備不足、ということだ。
だからだから、準備が十分なら「うまくいく」ってことでもありそうだ。

成功とか失敗とかってつまりは準備の話とも言えそうだ。
どうしたってうまくいかないケースって、そりゃあるだろうけどそんなのは気にしなくてもいいだろう。
準備、準備、準備だ。

春秋
2016/8/10 3:30日本経済新聞 朝刊
 時に野球道といい、一球入魂とも聞く。草魂なる言葉をモットーにしていた投手もいた。なぜか、この競技に打ち込む姿は武術や禅の修行を連想させることがある。大リーグ通算3千安打を達成し、観客の歓声に応える42歳のイチロー選手には、古武士の風格があった。

▼目を潤ませながらの記者会見では、偉業を達成する間際の不振を「人に会いたくない時間もあった」と振り返った。しかし、「達成感や満足感を味わうほど前に進める」と聞けば、飽くことのない鍛錬の日々が思われて頭が下がる。「野球殿堂入りより、明日の試合に出たい」との弁には、「求道」の二文字さえ浮かんだ。

曹洞宗の祖、道元は言う。「修(しゅ)せざるにはあらはれず、証せざるには得る事無し」。誰しも仏の資質は心に備えるが、自ら修行し、悟りを得る過程を経なければ現れてこない、との意味だろう。人間の秘めた才能と、それを開花させるための努力の関係にもいえる。アスリートらは実践を通じ、とうに気付いているはずだ。

リオデジャネイロ五輪も日本のメダルラッシュだ。内村航平選手ら体操男子団体の5人の若武者は、予選や決勝でのミスをチームで補い合い金に輝いた。イチロー選手と5人に共通するのは陥った苦境からの見事なリカバリー。「練習はやりきった」との誇りが栄光を呼び込んだのだ。まさに「修せざるにはあらはれず」。