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2016-06-29 一万時間の天才。(2)

[]練習の秘密。目標方式。 練習の秘密。目標方式。を含むブックマーク 練習の秘密。目標方式。のブックマークコメント

GIGAZINEより。

自分でもよく思うのだが「さあ練習しよう」とか「さあ勉強しよう」という時にはゴールってないことが多い。
漫然と新刊本を読んだり、専門書を精読したりしているのって実はとても勿体ないことかもしれない。
読み終わって「あれ、何が残ったっけ?」というのは自分にはよくあることだ。

挑む対象が全く未知のテーマなら、「まずは全体の輪郭をいかに早く掴むか」を最初の目標に置いて臨むべきだろう。
逆に、すでにやり慣れている練習なら、今日はこのテーマについて掘り下げよう、とか音楽なら「このパッセージは克服しよう」とかいうテーマを自分で設定するのと「ダラダラと積み上げ練習をしているつもり」では成果は全然違ってくる可能性がある。

恋愛はともかく。
仕事も「終わりの設定が重要だ」とよく言われる。

ただお客に言われた製品を作るとか、受けそうな製品を販売するというのじゃなく「何を目指すのか」を考えてから行動することは、なかなかに難しいけれどその後に関わってくると思う。

さらに練習は「できることの反復」と「できないことへの挑戦」をどんな割合でやっているかも重要だという。

エリートスケーターはスケーター全体の平均よりも長く未習得のジャンプやスピンの練習を行っていることが明らかになりました。対照的に、平均的なスケーターはすでに習得したスキルの練習に多くの時間を費やす、とのことです。

「今できないことに最大の力点を置く。」
できないことにばかり挑戦しているのは一見、辛いようだがそれこそが自分の積み上げになるということらしい。

色んなことの「練習の仕方」がなんだか変わりそうな気がする。
さて今日の目標は何にしようか。

2016年06月16日 09時00分00秒
あらゆる物事に応用可能な、特定の分野で一流のスキルを身につけるための方法


By Joint Hometown News Service

1万時間の真摯な練習によって誰でも一流のスキルを身につけられるというのが、「1万時間の法則」です。これは、マルコム・グラッドウェル氏の著書である「天才!成功する人々の法則」の中で定義された法則で、熟達に関する研究の第一人者である心理学者のアンダース・エリクソン氏の研究をもとに考案されたものなのですが、そのエリクソン氏本人が「少し誤認されている部分がある」と、一流のスキルを身につけるために本当に必要なことについて解説しています。

Anders Ericsson: How to become an expert at anything - Business Insider
http://www.businessinsider.com/anders-ericsson-how-to-become-an-expert-at-anything-2016-6


エリクソン氏は10代のころ、クラスメイトとチェスをして遊ぶことが多かったそうです。当時、対決相手の中に1人、エリクソン氏より明らかに腕前の劣る同級生がいました。ところがある日、エリクソン氏はこの同級生に敗北してしまいます。この時、エリクソン氏は負けた悔しさではなく、「クラスメイトは何を実行してこれほどまでに劇的にチェスの腕前を上達させたのか知りたい」と感じたそうです。

結局、「彼はなぜ劇的にチェスがうまくなったのか?」の答えはわからず、エリクソン氏はチェスで負け続けたそうですが、その中で、自分自身が「チェスをうまくなりたい」と感じておらず、「人間はどうやって一流のスキルを身につけていくのか?」ということに興味を抱いていることに気づきます。以後、エリクソン氏は人間の熟達度に関する研究に携わっていくこととなり、現在はフロリダ州立大学の心理学の教授として研究を進めています。

By Ruocaled

そのエリクソン氏の研究によれば、多くの人々がプロのバイオリニストオリンピックに出場するレベルのアスリート、世界でもトップクラスの選手になれないのは、単に「真摯な練習」が足りないため。現状の能力を超えるスキルを身につけるために必要とされる「真摯な練習」は、既に習得したと満足してしまったスキルを繰り返し練習するだけでは意味がなく、「明確な目標」と「目標を達成するために教師となってくれる存在」が必要になるとのこと。この「教師」というのは、自身の練習に対するフィードバックをくれる存在のことを指しており、それにより自身のパフォーマンスを少しずつ微調整しながら改善していくことにつながるそうです。

エリクソン氏の研究は、プロの物書きやアスリートなど異なる分野で一流と呼ばれる人々は、例外なく「真摯な練習」に取り組んできたと規定しています。そして、この「真摯な練習」をわかりやすく、「1万時間の法則」としたのが、マルコム・グラッドウェル氏の著書である「天才!成功する人々の法則」です。この著書の登場で、「1万時間の法則」と共にエリクソン氏の「真摯な練習」という考え方は広く知られるようになりました。なお、グラッドウェル氏の「1万時間の法則」を端的に説明すると、「1万時間の練習に取り組めば、一流のスキルを身につけられる」というものです。

天才! 成功する人々の法則 | マルコム・グラッドウェル, 勝間 和代 | 本 | Amazon.co.jp


しかし、グラッドウェル氏が「天才!成功する人々の法則」の中で行った「1万時間の法則」についての説明は誤っており、ただ単に1万時間同じ動作を繰り返すだけでは、一流のスキルを身につけることはできない、とエリクソン氏は語ります。

グラッドウェル氏は、1993年にエリクソン氏が同僚と共同で執筆した論文を基に著書の結論を出したのでは、とエリクソン氏。1993年の論文では、ドイツのバイオリニスト40人を対象とした調査が行われており、「トップレベルの音楽家とそうでない音楽家との違いを生み出す要素は何か」にフォーカスした調査が行われたそうです。調査では、対象となったバイオリニストたちが普段の私生活をどのように送っているかが調べられ、バイオリニストの中でもトップレベルに分類される人々は、生活の中で特に多くの練習時間を割いていることが明らかになっています。エリクソン氏たち研究チームはピアニストに対しても同様の調査を行ったそうですが、調査の結果は同じく「レベルの高い音楽家ほど多くの練習を行っている」というものだったそうです。そして、優れたバイオリニストたちの練習時間を平均すると、20歳までに合計1万時間練習を行っていたとのことで、ここからグラッドウェル氏は一流のスキルが磨かれるには「1万時間の練習が必要」と定義したのでは、とエリクソン氏。

しかし、より多くの練習時間を費やしてきた人や、より少ない練習時間で一流のスキルを身につける人もいます。エリクソン氏が過去30年間の調査結果から導き出した答えは、あらゆる分野において「真摯な練習」がハイレベルなパフォーマンスを引き出す鍵になる、というもの。この考えは、エリクソン氏の著書である「Peak: Secrets from the New Science of Expertise」の中で語られています。

Amazon.com: Peak: Secrets from the New Science of Expertise eBook: Anders Ericsson, Robert Pool: Kindle Store


エリクソン氏は一流のスキルを身につけるのに絶対的に必要なものは「練習のみ」と考えており、高い認識能力や身体能力といった「遺伝的要素」が一流のスキルを身につけるために重要な要素になるかどうかについては懐疑的です。身体のサイズなどの遺伝的特性は練習によって変更することができない要素であり、パフォーマンス自体に大きく影響を及ぼすことはできない、としています。エリクソン氏いわく、知能ですら一流のパフォーマンスとは直接的に関わっていない、とのことです。

「Peak」の中では、イギリスの研究が「子どもIQから、チェスのうまさを予測することができる」ことを発見したことを取り上げています。しかし、子どものエリートチェスプレイヤーに限って言えば、IQの高さが粗悪なスキルと結びついていたそうです。一方、高いIQはチェスにおける基本的なスキルを習得することに役立つことも明らかになっており、最終的にはチェスにおいてIQが一流のスキルを身につけるために必要な要素とはならなかった、とのことです。ただし、一流のスキルを習得するには、当然のごとく真摯な練習に取り組むことは必須の要素だった模様。

このように、エリクソン氏はこれまでの30年間で、子どもが一流のスキルを身につける際に、それを抑制してしまう要素が何かないか調査を進めてきたそうですが、「驚くべきことに、私はまだそういった要素に巡り会っていません」と語っており、身体能力やIQの高さは一流のスキルを身につけるために絶対に必要なものではない、としています。

By Sara Ristić

しかし、エリクソン氏の「真摯な練習」に関する研究が本当に正しいものかどうかを調査する動きが、近年増加しています。2016年5月には、エリクソン氏の「真摯な練習」は熟達したアスリートとそうでないアスリートの違いを説明可能ではあるものの、全てについて説明できるわけではないという研究結果が発表されています。つまり、一流のスキルを身につけるためには真摯な練習が必要ではあるものの、ほかの要素がどの程度重要であり、どのような役割を果たしているかはわからない、と主張したわけです。

エリクソン氏はこれに対して、真摯な練習と普通の練習を混同している、と主張。エリクソン氏は、パフォーマンスを改善するため教師から割り当てられた練習を行っていない限り、真摯な練習に取り組んでいるとは言えない、としています。また、エリクソン氏はほとんどの練習はパフォーマンスの改善に結びつかない「普通の練習」に分類される、とも語っています。

By nosha

また、エリクソン氏は「練習を通して目標のスキルを身につけるにはには多くの失敗が必要となります」と語っています。フィギュアスケーターの練習時間に関する調査結果では、エリートスケーターはスケーター全体の平均よりも長く未習得のジャンプやスピンの練習を行っていることが明らかになりました。対照的に、平均的なスケーターはすでに習得したスキルの練習に多くの時間を費やす、とのことです。

ワカコワカコ 2016/06/29 04:05 それにしても奥深いですね。

2016-06-28 一万時間の天才。(1)

[]天才の所以。 天才の所以。を含むブックマーク 天才の所以。のブックマークコメント

GIGAZINEより。

プロに匹敵する一流のスキルは「一万時間の真摯な練習によって」誰にでも身につけられる。
(心理学者のアンダース・エリクソン氏の研究より)

研究が注目された当時は「ともかく一万時間」と数字が一人歩きしていたかもしれない。
そういった著書もあったと思う。
ご当人が細く解説している部分が重要だ。ちょっと長いが引用する。

多くの人々がプロのバイオリニストオリンピックに出場するレベルのアスリート、世界でもトップクラスの選手になれないのは、単に「真摯な練習」が足りないため。現状の能力を超えるスキルを身につけるために必要とされる「真摯な練習」は、既に習得したと満足してしまったスキルを繰り返し練習するだけでは意味がなく、「明確な目標」と「目標を達成するために教師となってくれる存在」が必要になるとのこと。この「教師」というのは、自身の練習に対するフィードバックをくれる存在のことを指しており、それにより自身のパフォーマンスを少しずつ微調整しながら改善していくことにつながるそうです。

ともかく一万時間ではなく。
毎日八時間を365日やっても丸三年半。
1日当たり五時間なら五年半。
「繰り返し練習よりは"目標を持った練習"を。
これって実はものすごく重要なことなんじゃないか。(汗)
(つづく)

2016年06月16日 09時00分00秒
あらゆる物事に応用可能な、特定の分野で一流のスキルを身につけるための方法


By Joint Hometown News Service

1万時間の真摯な練習によって誰でも一流のスキルを身につけられるというのが、「1万時間の法則」です。これは、マルコム・グラッドウェル氏の著書である「天才!成功する人々の法則」の中で定義された法則で、熟達に関する研究の第一人者である心理学者のアンダース・エリクソン氏の研究をもとに考案されたものなのですが、そのエリクソン氏本人が「少し誤認されている部分がある」と、一流のスキルを身につけるために本当に必要なことについて解説しています。

Anders Ericsson: How to become an expert at anything - Business Insider
http://www.businessinsider.com/anders-ericsson-how-to-become-an-expert-at-anything-2016-6


エリクソン氏は10代のころ、クラスメイトとチェスをして遊ぶことが多かったそうです。当時、対決相手の中に1人、エリクソン氏より明らかに腕前の劣る同級生がいました。ところがある日、エリクソン氏はこの同級生に敗北してしまいます。この時、エリクソン氏は負けた悔しさではなく、「クラスメイトは何を実行してこれほどまでに劇的にチェスの腕前を上達させたのか知りたい」と感じたそうです。

結局、「彼はなぜ劇的にチェスがうまくなったのか?」の答えはわからず、エリクソン氏はチェスで負け続けたそうですが、その中で、自分自身が「チェスをうまくなりたい」と感じておらず、「人間はどうやって一流のスキルを身につけていくのか?」ということに興味を抱いていることに気づきます。以後、エリクソン氏は人間の熟達度に関する研究に携わっていくこととなり、現在はフロリダ州立大学の心理学の教授として研究を進めています。

By Ruocaled

そのエリクソン氏の研究によれば、多くの人々がプロのバイオリニストやオリンピックに出場するレベルのアスリート、世界でもトップクラスの選手になれないのは、単に「真摯な練習」が足りないため。現状の能力を超えるスキルを身につけるために必要とされる「真摯な練習」は、既に習得したと満足してしまったスキルを繰り返し練習するだけでは意味がなく、「明確な目標」と「目標を達成するために教師となってくれる存在」が必要になるとのこと。この「教師」というのは、自身の練習に対するフィードバックをくれる存在のことを指しており、それにより自身のパフォーマンスを少しずつ微調整しながら改善していくことにつながるそうです。

エリクソン氏の研究は、プロの物書きやアスリートなど異なる分野で一流と呼ばれる人々は、例外なく「真摯な練習」に取り組んできたと規定しています。そして、この「真摯な練習」をわかりやすく、「1万時間の法則」としたのが、マルコム・グラッドウェル氏の著書である「天才!成功する人々の法則」です。この著書の登場で、「1万時間の法則」と共にエリクソン氏の「真摯な練習」という考え方は広く知られるようになりました。なお、グラッドウェル氏の「1万時間の法則」を端的に説明すると、「1万時間の練習に取り組めば、一流のスキルを身につけられる」というものです。

天才! 成功する人々の法則 | マルコム・グラッドウェル, 勝間 和代 | 本 | Amazon.co.jp


しかし、グラッドウェル氏が「天才!成功する人々の法則」の中で行った「1万時間の法則」についての説明は誤っており、ただ単に1万時間同じ動作を繰り返すだけでは、一流のスキルを身につけることはできない、とエリクソン氏は語ります。

グラッドウェル氏は、1993年にエリクソン氏が同僚と共同で執筆した論文を基に著書の結論を出したのでは、とエリクソン氏。1993年の論文では、ドイツのバイオリニスト40人を対象とした調査が行われており、「トップレベルの音楽家とそうでない音楽家との違いを生み出す要素は何か」にフォーカスした調査が行われたそうです。調査では、対象となったバイオリニストたちが普段の私生活をどのように送っているかが調べられ、バイオリニストの中でもトップレベルに分類される人々は、生活の中で特に多くの練習時間を割いていることが明らかになっています。エリクソン氏たち研究チームはピアニストに対しても同様の調査を行ったそうですが、調査の結果は同じく「レベルの高い音楽家ほど多くの練習を行っている」というものだったそうです。そして、優れたバイオリニストたちの練習時間を平均すると、20歳までに合計1万時間練習を行っていたとのことで、ここからグラッドウェル氏は一流のスキルが磨かれるには「1万時間の練習が必要」と定義したのでは、とエリクソン氏。

しかし、より多くの練習時間を費やしてきた人や、より少ない練習時間で一流のスキルを身につける人もいます。エリクソン氏が過去30年間の調査結果から導き出した答えは、あらゆる分野において「真摯な練習」がハイレベルなパフォーマンスを引き出す鍵になる、というもの。この考えは、エリクソン氏の著書である「Peak: Secrets from the New Science of Expertise」の中で語られています。

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エリクソン氏は一流のスキルを身につけるのに絶対的に必要なものは「練習のみ」と考えており、高い認識能力や身体能力といった「遺伝的要素」が一流のスキルを身につけるために重要な要素になるかどうかについては懐疑的です。身体のサイズなどの遺伝的特性は練習によって変更することができない要素であり、パフォーマンス自体に大きく影響を及ぼすことはできない、としています。エリクソン氏いわく、知能ですら一流のパフォーマンスとは直接的に関わっていない、とのことです。

「Peak」の中では、イギリスの研究が「子どもIQから、チェスのうまさを予測することができる」ことを発見したことを取り上げています。しかし、子どものエリートチェスプレイヤーに限って言えば、IQの高さが粗悪なスキルと結びついていたそうです。一方、高いIQはチェスにおける基本的なスキルを習得することに役立つことも明らかになっており、最終的にはチェスにおいてIQが一流のスキルを身につけるために必要な要素とはならなかった、とのことです。ただし、一流のスキルを習得するには、当然のごとく真摯な練習に取り組むことは必須の要素だった模様。

このように、エリクソン氏はこれまでの30年間で、子どもが一流のスキルを身につける際に、それを抑制してしまう要素が何かないか調査を進めてきたそうですが、「驚くべきことに、私はまだそういった要素に巡り会っていません」と語っており、身体能力やIQの高さは一流のスキルを身につけるために絶対に必要なものではない、としています。

By Sara Ristić

しかし、エリクソン氏の「真摯な練習」に関する研究が本当に正しいものかどうかを調査する動きが、近年増加しています。2016年5月には、エリクソン氏の「真摯な練習」は熟達したアスリートとそうでないアスリートの違いを説明可能ではあるものの、全てについて説明できるわけではないという研究結果が発表されています。つまり、一流のスキルを身につけるためには真摯な練習が必要ではあるものの、ほかの要素がどの程度重要であり、どのような役割を果たしているかはわからない、と主張したわけです。

エリクソン氏はこれに対して、真摯な練習と普通の練習を混同している、と主張。エリクソン氏は、パフォーマンスを改善するため教師から割り当てられた練習を行っていない限り、真摯な練習に取り組んでいるとは言えない、としています。また、エリクソン氏はほとんどの練習はパフォーマンスの改善に結びつかない「普通の練習」に分類される、とも語っています。

By nosha

また、エリクソン氏は「練習を通して目標のスキルを身につけるにはには多くの失敗が必要となります」と語っています。フィギュアスケーターの練習時間に関する調査結果では、エリートスケーターはスケーター全体の平均よりも長く未習得のジャンプやスピンの練習を行っていることが明らかになりました。対照的に、平均的なスケーターはすでに習得したスキルの練習に多くの時間を費やす、とのことです。

さくらいさくらい 2016/06/28 01:32 ダルビッシュ有「練習は嘘をつかないって言葉があるけど、頭を使って練習しないと普通に嘘つくよ」という言葉を思い出す。
何か通ずるものがある気がします。

2016-06-27 7500世代。

[]5分でわかる自分たち。 5分でわかる自分たち。を含むブックマーク 5分でわかる自分たち。のブックマークコメント

GIGAZINEより。
D

「人がこの数百万年の生物の中でどんな存在か?」という話題はしばしば比喩され、とても面白い。

こういう話を筋立てて、しかも映像でシナリオを作成する人って、実にクリエイティヴだと思うがこれもその一つ。

東京タワーの根もとを「生命の発生時」にして、今の人間は、頭のてっぺんに置いた「切手の厚さでしかない」と聞かされるとその相対感が際立つ。

この動画では「農業を覚えた人類の変化」とか「インターネットは過去の7500世代の中の一番新しい一世代での出来事」であり、それも人類が誕生してからの「7万年の0.001%」の今の時代が、地球環境を「最大に変えている」という話も感心する。

ともかく文明の進化で「いかに特異な点に自分たちはいるのか」ということを知るにはいい題材だ。
だからこんな0.001%の毎年は「ほんの点みたいな存在」だけれど、その「ほんの点」のうちに何かどえらい変化が起こったりするかもしれない。
というようなことを想像できる。

さらに、だからこそ「たった50年とか100年先がどんな風になっているか?」ということを予想するのは、今が一番難しい。

今が白亜紀なら、数千年先のこともそんなに変わりがなかっただろうけれど。
こんな変化がこれからますます指数的に急激になったらどうなるのか。
どうもAIだけの話じゃなさそうである。

soisoi 2016/06/27 23:34 毎日話題が豊富で楽しみにしています。たまに見忘れても全部過去記事が残っているのもいいですね。一番最初からちょこちょこ見たりしています。

2016-06-26 常にある鉄則。

[]本棚を眺むるに。 本棚を眺むるに。を含むブックマーク 本棚を眺むるに。のブックマークコメント

本棚を眺めると「いかにその人の様が出るか」とよく思う。
自分の棚には「成功の◯◯」とか「◯◯の法則」とか「失敗しない◯◯」とか、ともかくhow toものが多い。
ピアノ演奏の技術」とか「ピアノの弾き方」とか、その本を読んで安直にスキルを身につけようという浅慮がバレバレである。(嘆)

"楽して成功"というのがないことは知っているのにこの有様。
薬物に対してだけでなく、人の心がいかに弱いものかと思ってしまう。

糸井さんのブログより。

うまくいくための秘訣は?
→骨惜しみしないこと。

もうこれだけで、他の成功談とかストーリーは「ただ楽しむためだけ」にしておいたほうがいいのだろう。
他人様の成功談をいくつも読んでいるうちにどんどん時間は過ぎてしまう。

周囲の人の成功談とか失敗談は所詮噂話。
ゴシップをいくら聞いても身にはならないというものだ。

そんな時間を練習に向けよう。
手足をともかく動かすエネルギーにしよう。

ほぼ日刊イトイ新聞 - 昨日の「今日のダーリン」
06月24日の「今日のダーリン」

・なにを、どうすればうまくいくのか?
 いろんなことで、よく質問されます。

ぼく自身の、なにがどううまくいっているのか。
 それとも、なにかがどんなふうにうまくいってないのか。
 あんまり意識してないような気がします。
 ただ、ぼくも「うまくいってる」ものに興味はあります。
 だれだって、そうでしょう。

いまイチロー選手が、ヒットを打ち続けています。
 ここ何年かのトンネルを抜け出たみたいです。
 どういうことで、そうなったんだろう。
 いやもっともっと遡れば、
 イチローという選手はどうしてイチローになったのか。
 みんなが知りたがってきたし、多くの人たちが、
 それぞれにいろんな答えを想像してきています。

ある業種のある会社が、とてもうまくいっている。
 同じように見える別の会社は、うまくいってない。
 また別の会社は、どっちとも言えないような感じ。
 だれだって思いますよね、どうしてなんだろう。
 うまくいっている会社にあって、
 他の会社になかったものとはなんだろう。
 それをタネにして、ビジネス本がたくさん出ます。

あるいはまた、すっごくモテてる人がいます。
 そうでもない人とか、モテない人もいます。
 モテてる人は、どうしてモテてるのか。
 そういうテーマの雑誌やら書籍やらも、山ほどあります。

いろんな局面で人は、だれがどうしてうまくいったのか、
 ひっきりなしに考えてきているのです。
 その推理や想像そのものが愉しみでもあるし、
 そのことがわかったら、じぶんもうまくいきそうですし。

ずいぶん長い前置きをしましたが、ぼくはもう、
 わかったと言っていいんじゃないかと思うのです。
 これが鉄則だと思いますし、これでいいんじゃないか。
 「とにかく、骨惜しみをしないものがうまくいく」
 この一行のために、骨惜しみせずに39行ほど書きました。

今日も、「ほぼ日」に来てくれてありがとうございます。
骨惜しみしないとは、すなおに、すぐに、すっとやる‥‥。 

2016-06-25 会うは別れの始め。

[]EU離脱EU離脱。を含むブックマーク EU離脱。のブックマークコメント

f:id:why-newton:20160625002826j:image
大英帝国がどれほどの歴史とリーダーシップを誇るのか、は語る力は自分にはないけれど、FTの「英国は暗闇に飛び降りた」という表題はショッキングだ。

「離脱は自傷行為
ポピュリズムの怒りが爆発した瞬間」
「ほぼ100年にわたり英国政治を支配してきた保守党労働党二大政党政策の浅さを露呈した。」

と、大騒ぎだが、せっかくの欧州連邦が行き詰まりに瀕していたことは間違いがないだろう。
ほんの3%の差で国の政策が決まるというのもちょっと行き過ぎた感があるけれど、むしろ「欧州初の試み」と言われるEUのあり方についての一石になるのは間違いないと思う。

「会うは別れの始め」
The best of friends must part.
"最愛の友とも別れがくる。"
というのと「会うは別れの始め」ってちょっとニュアンスが違う気がするけれど、本当にEUの連邦制がこれからの世の流れに沿ったものならば、さらにここから「新しい形」が生まれるのではないだろうか。

組合とか連合とかの「ガチガチの統制組織」が今の時代に合わないことは、大体みんなが気付いている。

もしASEAN圏でEUのような統一経済圏を作ろうとしたら、日本はどうするだろうか。

加盟国の中で経営状態の悪い国があったらどうするのか。
EUはそうした「新しい結びつき」のトライアルであり、まだルール作りはこれからのはずだという気がする。
暗闇に、最初に飛び降りたグレートブリテンが、これからどのような「ジェントルなリーダーシップ」を発揮してくれるのかを見られる機会だと思う。
新しい試みは、まだまだ続く。

[FT]英国は暗闇に飛び降りた(社説
2016/6/24 21:27
 人々はついに怒りを言葉にした。英国の欧州連合(EU)離脱の選択は、1989年のベルリンの壁崩壊以来の大きな衝撃を欧州大陸に与えた。余波は英国や欧州だけでなく、西側諸国にも広がるだろう。

 英国は73年、EUの前身の欧州共同体(EC)に加盟してから40年余りで、離脱を選んだ。これまでEUの一員として外交経済政策をとってきたが、今後、28カ国で構成する共同体と5億人を抱える単一市場から離れることになる。後戻りはほぼできない。

イギリスのEU離脱決定を知らせる号外を受け取る市民(24日午後、ロンドン)=写真 小林健
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イギリスのEU離脱決定を知らせる号外を受け取る市民(24日午後、ロンドン)=写真 小林健

 フィナンシャル・タイムズ(FT)は国民投票までの間、離脱は自傷行為だと主張してきた。離脱は経済に悪影響を与え、世界の中で英国の役割を弱める。EUにも壊滅的な一撃になる。

 欧州はユーロ圏の景気減速や、第2次大戦後で最も深刻な難民危機に依然、苦しんでいる。フランスからイタリアポーランドまで各地でポピュリズム(大衆迎合主義)が台頭し、これまで国を主導してきた勢力は押されている。英国の国民投票は「ポピュリズムの怒りが爆発した瞬間」として歴史に残るだろう。

残留派、都市部の支配層への怒りを見くびる

 英国は国民投票の結果で社会通念がひっくり返された。保守主義と政治的安定で知られてきた国が、暗闇に向かって飛び降りたのだ。残留派は運動に情熱がなく、都市部の支配層に対する怒りの大きさを見くびっていたと責め立てられるだろう。移民への不安や地域社会への影響は多くの人が考えているよりもっともなことで、経済的な国益にまさった。「自分たちの力を取り戻そう」というスローガンは、足並みの乱れた欧州に批判的な人々の心に響いた。

 離脱は経済、金融、政治に強い不確実性をもたらす。キャメロン英首相は辞意を表明したが、当面は首相の座にとどまり、先の見えない変化の時を率いなければならない。英国は離脱の条件や欧州との新たな関係を決める必要がある。離脱派はこのどちらについても、ほとんど糸口を示していない。

■二大政党、政策の浅さを露呈

 投票は地域で大きく割れた。ロンドンとスコットランドでは残留票が圧倒的だった。都市部と地方の間で残留、離脱が分かれた。連合王国としてのまとまりに疑問符がつくのは避けられない。ほぼ100年にわたり英国政治を支配してきた保守党、労働党の二大政党は政策の浅さを露呈した。

 英国各地で産業界や投資家は今日、これまでとは違った景色を目にしている。英ポンドの急落や債券利回りの急上昇は、英国が直面する混乱の前兆といえる。

 主要国の中央銀行政治家などすべての関係者は、2008年の世界的な金融危機を引き起こしたリーマン・ショックの再来を何としても防がなければならない。

 英政府の最優先事項は経済を安定させることだ。中期的には今回の危機をチャンスに変える道筋を探る必要があるが、容易ではない。「(EUからの)独立の日」を語るだけでは、信頼に足る方策は出てこない。

 とはいえ、英国民は誇り高き歴史を持った才能豊かな人々だ。FTも非常に強く願っているが、英国はこれからも世界に関与し続け、開かれた、そして親欧州の国であり続けてほしい。そうしてこそ、英国の未来は開ける。

2016年6月24日付社説 英フィナンシャル・タイムズ電子版)

(c) The Financial Times Limited 2016. All Rights Reserved. The Nikkei Inc. is solely responsible for providing this translated content and The Financial Times Limited does not accept any liability for the accuracy or quality of the translation.

2016-06-24 経営と政治の差。

[]選挙で見えること。 選挙で見えること。を含むブックマーク 選挙で見えること。のブックマークコメント

この歳になってようやく興味本位でなく選挙のことが気になるようになった。
原発とか安保とかTPPとか、これまであんなに騒いでいたけれど、序盤の調査では自民党単独過半数だという。

政治ってやはり政治だ。(当たり前か)
経営との最大の違いは「経営者(や与党)が頻繁に変わって連続性がないこと」に尽きると思う。

それにしても組織票ってどこでどう固まって動いているのか、やはり「既得権益とか保護団体の圧力」ってすごく強いのだなあと改めて思う。
日本中有権者を「個人個人にバラして」みれば、多分違った見解になるのだろうと思うが、職業団体とか業界組合とかいう「ローカル集合体」の力は依然として強い。

グランドデザインを

メディアの今の仕事は党首討論ではなく、「どれだけシンプルに焦点を示せるか」にあると思う。

日本の財政の問題とマイナス金利とか、TPPと関税とか農業とか、雇用インフレターゲットとか、いくつも切り口があるから政治家の弁も多岐にわたる。

会社の経営と同じく。

各論には「一理あり」かもしれないが、全体としての日本のこれからはどんなのか?
をぜひ整理してもらいたい。

一冊の本くらいにはなると思うが、(また首相がそのくらいのスケールを考えてくれているとして)
「世界の中の日本」とか
先進国の中の日本」とか
アジアの中での日本」とか
だから「アメリカとの関係」とか
中東との付き合い方」とか。

国内では「高齢化超先進国のロールモデル」としての考えとか。
政治家も、学校の専門科目のように「定点テーマ」を絞って計画と実績を見ていくべきだろう。

企業経営との最大の差は「実績のレビュー」にある。
メディアの役割はそこにあるし、またトップの顔が変わったからといって追求を止めてはいけない。

有権者である自分たちも「くるくる変わる役者の顔」ではなく、日本の行く方向をちゃんと見ていなければならない。
「有権者やメディアなんてちょろいもんだ」と思われないような行動をとらにゃあいかんなと思う。

自民が単独過半数に迫る 参院選序盤、民進は議席
改憲勢力、3分の2うかがう
2016/6/23 23:00日本経済新聞 電子版
 日本経済新聞社は7月10日投開票の参院選の序盤情勢を探るため、全国世論調査を実施した。自民党は改選50を上回り、非改選とあわせれば単独過半数となる57議席に迫る勢い。与党など憲法改正に前向きな「改憲勢力」でみても、改憲の国会発議に必要な参院3分の2の議席獲得をうかがう。野党第1党の民進党は改選45議席に届くのが難しい情勢だ。

有権者のうち選挙区で3割、比例代表で2割がまだ投票先を決めておらず、流動的な要素がある。

 参院は定数242で半数の121(選挙区73、比例代表48)を3年ごとに改選する。与党の非改選は自民党が65、公明党が11の計76議席。与党は今回46議席をとれば過半数を維持する。

 自民党は安倍晋三首相(党総裁)の経済政策アベノミクス」の実績を支えに優位な戦いを進めている。選挙戦を左右する32の1人区(改選定数1)では、西日本を中心に7割程度の選挙区でリードしている。

 改選定数2〜6の複数区では、公認を1人に絞った選挙区は手堅い戦い。2人擁立した北海道千葉東京はいずれも1議席を確保した上で2人目を他党と競う。比例は2013年の前回参院選の18議席と同水準を確保する勢いで、27年ぶりの単独過半数を目指す。

 公明党は支持母体・創価学会の組織票を基盤に改選9議席を上回る公算が大きい。首相は勝敗ラインとして、与党で改選過半数(61議席)を掲げているが、大きく上回る70議席台が視野に入る。

 民進党は旧民主党時代に大敗した前回参院選に比べれば選挙区、比例代表とも回復しつつあり、前回の17議席は上回る見通し。それでも改選45には届かない公算が大きく、30議席程度になる可能性がある。

 共産党は改選3から大きく増やし、躍進した前回参院選の8を超える議席も視野に入れる。選挙区も複数区での議席獲得に向けてつばぜり合いを繰り広げている。

 民進、共産社民、生活の野党4党が32の1人区で候補を一本化した共闘は、一定の効果を上げているものの、勢いを欠く。

 東北や沖縄などで統一候補が先行し、非与党系の勝利が2選挙区だった前回選挙よりも勝つ選挙区は増える見通し。ただ北陸や西日本では厳しい戦いで、自民党に先行するのは全体の3割にとどまる。

 おおさか維新の会は地盤大阪で議席獲得の勢いで、兵庫でも有利な戦いだ。改憲に前向きな同党や日本のこころを大切にする党自公を合わせると非改選が84議席。今回の選挙で78議席を上回れば、参院3分の2にあたる162議席に届く。

 「改憲阻止」を掲げ共闘する野党4党は改憲勢力による3分の2を阻むのが目標だ。社民党生活の党は議席獲得に苦戦している。民進党を除く3党が前回並みだった場合、残り45議席が必要となる。民進党に無所属の統一候補をあわせても30議席台半ばにとどまる情勢になっている。

2016-06-23 デジタルの洪水。

[]IT化の現場。 IT化の現場。を含むブックマーク IT化の現場。のブックマークコメント

日経セブン&アイ物流センターの記事。
電化製品とか宅急便とかの物流がどんどん効率化されていくのは「運送業としての努力」で当然とも言える。
それが日用品とか小売店舗の世界に伝播していくと、どうも不自然というか「やり過ぎな感じ」がするのは自分だけだろうか。

これまでは客が「近くのスーパーに出向き、店舗に準備された品物を買う」というところでバランスを保っていたのが、「ネットで注文して自宅に届ける」という利便性を求めた結果が、"都心近郊の巨大倉庫群"ということらしい。

amazonも世界最大の倉庫業と言われているが、自動化されてごく少人数の人が働く巨大倉庫の存在を、自分たちは意識せずに暮らしている。

デジタル化の特徴はこういう「徹底的」なことではなかろうか。

デジタルでできる通信とか相互のコミュニケーションとか、コンテンツ配信とかゲームは「デジタルもの」として一括りにできたけど、それがもうモロに「アナログワールド」に浸潤してきている。

ライドシェアとか民泊もそうだ。無駄なく、隙間なく、早く。
少々非人間的な巨大倉庫を街中に次々と作り、まだまだ効率化の集積は進むだろう。
そろそろ"小売"は一通りターゲットになった。
次は人の関わるサービスが標的になるのだろう。

人の仕事は確実に減っているけれど、余った人たちは何をしているのだろうか。

(前略)
 ここまで見てきた通り、久喜センターは最大限、倉庫の自動化や機械化に挑んでいる。実際、センター内を歩いていると、巨大な棚やコンベヤーが目に付く一方で、作業者は非常に少ないことが分かる。それだけ少ない人数で運営できる体制を敷いているという証しでもある。

 ここに大きな課題が透けて見える。久喜センターが抱える最大の問題は人手の確保なのだ。omni7の命運を握るのは、実は物流センターの担い手をどれだけ安定して雇用できるかにかかっている。だがその保証はない。だからマルチシャトルシステムや段ボールの自動折りたたみ機をはじめとする装置に、セブン&アイは先行投資するのである。

 松尾センターマスターによれば、「東日本大震災以降、物流センターを沿岸部から内陸に移す企業が増え、なかでも首都圏へのアクセスが便利な埼玉・久喜エリアには今、物流センターが密集している」という。

 ところが久喜市の人口は15万人ほどにすぎない。高速道路網が充実しているとはいえ、人手の確保にはおのずと限界がある。現地では作業者の奪い合いが起きており、時給が高騰しているのだという。

■久喜に在庫を置くか、店舗共有か
 セブン&アイは2018年度にomni7で600万品目を取り扱う目標を掲げる。オープンから4カ月で、品目数は180万から220万へと増加している。

 その動きは急激な速さで、久喜センターに押し寄せている。というのも久喜センターの在庫数は、2015年11月のオープン時には約30万品目だったが、わずか3カ月後の2016年1月には約70万品目へと、2倍以上に膨れ上がっている。久喜センターへの「在庫寄せ」が始まったのだ。

 それには訳がある。鈴木取締役は「配送リードタイムが短く、すぐにお届けできる商品ほどよく売れることが、omni7のオープンから2カ月ほどで早くも実証されてきた」と打ち明ける。その結果、グループ各社が久喜センターに在庫を置きたがるようになったというのだ。

 久喜センターのすぐ近くにはヨーカ堂の共配センターがある。ならば、わざわざ久喜センターに在庫を置かず、注文が来たら久喜センターまで運べばいいという雰囲気が当初は漂っていた。しかし、久喜センターにある商品と取り寄せ商品では、明らかに配送リードタイムに差が出る。消費者の立場になれば、早く届く商品ほど安心してリピート買いできる。この事実は商品の注文数や回転率に如実に表れており、それが久喜センターに在庫を寄せる動きにつながっている。

 鈴木取締役は「お客様がすぐに欲しがる売れ筋は、久喜センターに適正な数の在庫を持った方がいい。逆にたまにしか売れないロングテールな商品は店舗との共有在庫として扱い、そのつど取り寄せてもいいだろう。今はそれをグループ各社が手探りで見極めている状態だ」と話す。

 分かりやすいのは、赤ちゃん本舗が扱う商品。おむつなどのベビー用品は親が気に入れば、同じ商品を繰り返し注文してもらえる。「久喜センターの稼ぎ頭は圧倒的に赤ちゃん本舗の商品」と松尾センターマスターが語るほどだ。そのため、赤ちゃん本舗の商品は今、どんどん久喜センターに集まってきている。

 せっかく久喜センターに置いている売れ筋の在庫は、サイト上でより良く見せて、手早く売っていきたい。そこで久喜センターは大規模な撮影スタジオまで完備している。モデルが服や靴、ネクタイ、かばんなどを身に着けては写真を撮影し、すぐにサイトにアップする。そこまで久喜センターが担うことで、在庫回転はさらに上がっていく。

日経情報ストラテジー 川又英紀)

2016-06-22 異端を認める力。

[]水清くては… 水清くては…を含むブックマーク 水清くては…のブックマークコメント

ルールは後からやってくる。
「決まりごとは破るためにある」という迷言があるが、ある場面では正しい。
新しいことをやろうとすると、必ず慎重論が出てくる。

youtubeが動画のポータルを制覇し、まだチャンスのあったyahooの動画サービスが絶えた、という記事は象徴的だ。

中でも

(著作権違反の疑わしいコンテンツを削除しまくった結果)
そして何が起きたか。「面白みのあるコンテンツがほとんどなくなり、だれも動画を見に来なくなってしまった」

どんな新サービスも既存の法律とか因習とか常識との、摩擦がゼロでは済まされない。
「ずっといい子」でいては伸びないということだろう。
多少やんちゃで礼儀を欠くことのあったyoutubeが、批判にさらされながらも、周囲の声に耳を傾けて自分を修正しつつ、ついに動画のインフラとなった過程は、自分たちに多くのことを示唆してくれている。

水清ければ魚棲まず、は日本のことわざだが「自由さ」とか「奔放さ」を排した世界では、イノベーションは起こらないのだろう。

逆説的だが、"異端"こそが新しい世界を切り開いていくのかもしれない。
ただ「皆で異端を目指す」というのもちょっとどこかズレている。

重要なのは「少々の異端」を常識とプライドで潰してしまわないことだ。

なぜか自分たちは「新しい異端児」を潰したり排したりすることに意義を感じたりする。
保身感情というのは恐ろしいものだ。

「異端を許容すること」も十分に特異な能力なのに違いない。

ヤフーの悲劇」を繰り返すな 編集委員 西條都夫

2016/6/14 3:30
ニュースソース
日本経済新聞 電子版
 ユーチューブといえば、言わずと知れた世界最大の動画投稿サイトで、日本語を含む76言語でサービスを展開。ユーザーは世界で10億人を突破し、企業価値は700億ドルを超えるという推定もある。電子版の読者の中にもユーチューブのファンは多いだろう。


 一方で「Yahoo!ビデオキャスト」というサービスを知っている人はいるだろうか。知らなくて当たり前。これは日本のヤフーが2007年7月に始めたユーチューブと同様の動画投稿サービスだが、さっぱり視聴者が集まらず、開始からわずか1年ほどでサイトの閉鎖に追い込まれた。

 両者の明暗を分けたものは何か。サービスの開始時期はユーチューブの05年に対して、ヤフーは2年遅れだが、それほど大きなハンディキャップとはいえない。ユーチューブが日本語対応を始めたのはやはり07年の半ばで、日本市場相手にする限り、ヤフーとユーチューブの間に時差はほとんどなかったからだ。

 技術的にも大差があったとは思えない。ヤフーのサービスはパソコンだけでなく、携帯電話からの投稿や閲覧を可能にする機能をいち早く備え、「ガラケー先進国」といわれた日本との適合性はむしろユーチューブに先んじていたという見方もある。

西條都夫(さいじょう・くにお) 87年日本経済新聞社入社。産業部、米州編集総局(ニューヨーク)などを経て産業部編集委員。専門分野は自動車・電機・企業経営全般・産業政策など。
西條都夫(さいじょう・くにお) 87年日本経済新聞社入社。産業部、米州編集総局(ニューヨーク)などを経て産業部編集委員。専門分野は自動車・電機・企業経営全般・産業政策など。

■著作権保護のルールめぐり明暗

 では何が「つまずきの石」だったのか。ヤフーで法務などを担当する別所直哉執行役員によると、「日米における著作権保護体制の違いが大きかった」という。動画投稿サイトにとって悩ましいのは、著作権侵害に当たる違法コンテンツにどう対処するか。米国では「デジタルミレニアム著作権法(DMCA)」によって、ユーチューブのようなサイト運営者が外部から投稿された違法コンテンツにどんな形で責任を負うかの原則が明記されている。

 その中身は、著作権者から「違法コンテンツがアップされている」と指摘を受けた場合、直ちにその投稿を削除すれば、サイト運営者はもろもろの責任を免れるというものだ。これを「ノーティス・アンド・テイクダウン」の原則ともいう。権利者からの通告(ノーティス)を受けて、投稿を取り下げる(テイクダウン)という意味だ。ユーチューブも著作権侵害で訴えられたことはあるが、この原則が一つの盾となって、事業を大きく発展させることができた。

 一方、日本でもプロバイダー責任制限法の中に似たようなサイト運営者(プロバイダー)の免責規定はあるが、知的財産権を専門とする福井健策弁護士は「日本は免責の要件があいまいで分かりにくい」と指摘する。仮に免責されることになっても、その範囲が狭いという難点もある。損害賠償責任は免れるが、著作権侵害による刑事罰やサイトの閉鎖命令などを免れるものではないのだ。

■行き過ぎた動画削除、商機逃す

経済財政諮問会議産業競争力会議の合同会議(6月2日、首相官邸)=共同
経済財政諮問会議と産業競争力会議の合同会議(6月2日、首相官邸)=共同

 そこでヤフーは「ビデオキャスト」のサイト内を自主的にパトロールし、違法の恐れが少しでもありそうな動画を片っ端から削除して回った。違法のそしりを受けて、サービスができなくなることを恐れたからだ。そして何が起きたか。「面白みのあるコンテンツがほとんどなくなり、だれも動画を見に来なくなってしまった」(別所執行役員)のだ。その結果、早々とサービス停止に追い込まれ、大きなビジネスチャンスを逃すことになった。

 この「ヤフーの悲劇」は何を示唆しているのだろう。インターネットのような新しい分野では、新サービスをめぐるルールをどう決めるかで、新規のビジネスが立ち上がるのか、芽のうちに摘まれてしまうのか、大きく結果が変わってくる。動画投稿サイトの場合は著作権をめぐるルールで明暗が分かれたが、例えば自動運転技術では、安全や道路交通法規の在りかた次第で一国の自動車産業の競争力が大きく左右されるだろう。

 政府はいま「第4次産業革命」を唱え、人工知能(AI)やロボット、ITなどの活用で日本経済の成長性を高める青写真を描いている。だが、技術があり、やる気のある企業があっても、規制と技術の不適合が起こればせっかくの新市場を取り逃がすというのが、「ヤフーの悲劇」の教訓である。新技術を調子よく囃(はや)したてることが政府の仕事ではない。産業創出につながる適切なルールづくりこそ、本来の役目である。

2016-06-21 教育の次世代。

[]教育食べ放題。 教育食べ放題。を含むブックマーク 教育食べ放題。のブックマークコメント

ルポ MOOC革命――無料オンライン授業の衝撃

ルポ MOOC革命――無料オンライン授業の衝撃

いわゆる高等教育も、戦後70年が経ち「ゆとり」で一旦停滞して、次の時代に入るような気がする。
ハーバード大などでは数年前から「講義のフリー供給」を始めているけれど、いよいよ日本も国立大も入った「大規模公開オンライン講座」が始まるという。
自分がそうだが、学校を志望するのに「これを学びたい」という発想はあまりなく「学歴はエンブレム」くらいの感覚しかなかった。
そういうのに比べると、年齢も時期も場所も問わずに「本当に学びたいこと」にたどり着けるというのはすごいことだ。

だから「今は学びたくない」と思ったらどんどんスキップしてもいい。
「これだけ学びたい」と思ったらどんどん深入りしてもいい。

そんな"教育食べ放題"の時代に入っているのじゃないだろうか。

義務教育から高等教育まで、もう「決まったカリキュラムしかない」というのが当たり前で、そう思うと「途端に学ぶ意欲がなくなる」ような自分のようなヤツは、「好きにしなさい」と言われるとかえって考える。

自主性尊重というのは、嬉しいことだが怖いことでもある。
勉強するのに「定食メニューばかりで面白くないなぁ」と思った人は多いのではないだろうか。

社会に出ると、その定食メニューが格段に豊富になる。

これからは中学くらいから「定食」を止めて自分で選べるようなシステムにしてはどうかと思う。

早めに一旦社会に出ることも全くアリにして、選択肢を自由にしていくことが「若さへの提案」ではないかと思う。

ちょっとでも実際に働いてみないと、仕事の厳しさなんて分からないものだし。

2016-06-20 5千冊と自分。(2)

[]自分と活字の関係。 自分と活字の関係。を含むブックマーク 自分と活字の関係。のブックマークコメント

少なくとも社会人になってから、週に一冊くらいは読書していたので、52週×30年としてざっと1500冊。
週刊誌も入れると5千冊くらいは何かしらを読んできた。(漫画を入れるともっとあるけど)

そうしたものを読んできて「自分」というのができている。
もう少し言えば、家族とか友人とか、学校とかの対人関係で「今の自分」が形成されている。

多分、ガラスケースの中で食べ物だけを与えられて培養されていれば、今のような自分では無いだろう。

結局自分というのは「自分ものもの」プラス「外部刺激」の産物なのだ。

そもそもの「自分の資質」については変えようが無いけれど、無垢の自分に「これからどのような刺激を与えるか」で出来上がりは変わってくるに違い無い。

もう少し冷静に自分を見て、「そろそろこういう刺激をしてみるか」とか「ここらでちょっとショックを与えてみるか」なんて考えてみれば面白い。
年を取ってもまだまだ未経験のこととか、新しい可能性を秘めていることはいくらでもある。

毎日を普通に過ごしていると「自分というアメーバに刺激を与える」みたいな気分にはならないけれど、ちょっとそんな自分に変化をつけてはどうだろうか。
案外色々とやれそうなことがあるのではないだろうか。

2016-06-19 5千冊と自分。(1)

[]活字から学ぶもの。 活字から学ぶもの。を含むブックマーク 活字から学ぶもの。のブックマークコメント

小さい頃、活字が好きでよく偉人伝を読んでいた。
エジソンとかファーブルとか樋口一葉とか。
思えば子供なりに「成功した話」が好きだったのか。
そのまま社会人になっても「他人様が成功した話」とか「成功の秘訣」みたいな題材のものばかり読んでいた。

何か漫画を読んでいたような気分がする。

本物の漫画も大好きで、特に少年漫画や時代劇。
漫画は決して悪いものではないと思うけれど、やっぱり「それだけ」では足りないものもありそうだ。

だから社会人になって「成功談」ばかり追いかけても、多分成功しないだろうな、ということが最近ようやく分かってきた。(嘆)

ヒーローものの漫画とか、成功談は面白いから、とかくその"how to"ばかりに目がいく。
どうして成功したか、とかどんな手順だったか、みたいなことだ。

でも実は、成功の道のり、はその時々で変わるもので、大事なのは「方針」とか「考え」とか「主義」とか「価値観」とかいったものなのだろう。

成功のストーリーは、ついそういう「内なる地味なもの」よりも派手なチャンバラシーンを見てしまう。
「そこで彼は死ぬことを覚悟した」というと読んでいる側は熱くなるけれど、「なぜそう覚悟したか」という方が余程大事なわけで、ついつい戦闘シーンに釘付けになって、そのまま興奮してエンディングへ…というのは勿体無い読み方に違いない。

漫画も成功談も、「その裏のなぜ?」を考えながら読もう。
でもそんな読み方は全然楽しく無いのかもしれないけれど。

2016-06-18 枠組みを示したnewton。その先のアインシュタイン。

[]科学は物語の一部。 科学は物語の一部。を含むブックマーク 科学は物語の一部。のブックマークコメント

asahiデジタルより。スティーブン・ワインバーグしのインタビュー。
色々とネットを泳いでいて、もう徘徊するのは止めよう、と思うことも多いけれど、こういう記事に出会ったりするとどうしてもウロウロとしてしまう。
この感覚は、ふらっと本屋さんに入り、キョロキョロしているうちに、幾つも面白そうな雑誌とか新刊本とか専門書とか実用書とか話題の小説とかがあったりして「どうしてもうろついてしまう」感覚に似ている。

プラトンアリストテレス詩人」であり、前者は「しばしば愚か」で後者は「退屈」だという。
常に実験や観測に照らしつつ、さらに異なる現象を統合し、より統一された理論を目指す。それが科学です。

そして観察した内容を「書き留める」だけでなくその「概念の説明」に成功したのはニュートンからだという。
科学っていうのは"こういうこと"だったのか。

「60年代前半までの素粒子とそれらの相互作用の理論は、ひどく複雑でした。観測結果を説明するだけの単なる寄せ集めに過ぎなかった。理論の美しさは単純さにあります。標準モデルの発展によって、物事はとてもシンプルに見えるようになり始めました」

デカルト方法序説、は40年ほど本棚の立派な飾りになってしまっているが、氏のように「歴代科学者哲学者を一気に俯瞰する」とジェットコースターに乗っているようでちょっと驚く。

私たちは正解のボタンをつつくとエサがもらえるハトのように、自然から徐々に学びます。

こんな話も含めて、最初にオリエンテーションを受けていれば、科学や物理にも入っていけたのかもしれないと思う。
医学宗教やあらゆる学問ってこうして眺め直す視点って大事だ。
もちろん一般のビジネスでもそうなのだろう。

>>
(インタビュー)科学者とは 理論物理学者、スティーブン・ワインバーグさん

2016年6月8日05時00分

続きから読む
 アリストテレスは軽率で、デカルトは過大評価――。科学史の先哲を、ノーベル物理学賞のスティーブン・ワインバーグ教授が容赦なく切り捨てる著書「科学の発見」が、論争を巻き起こしている。現代の視点で過去を裁く手法批判はあるが、一方で教授が投げかけるのは「科学とは何か」という根本的な問いだ。本人に聞いた。

 ――なぜ物理学者のあなたが科学史なのですか?

 「もともと歴史に興味がありました。私は何かについて学ぼうと思ったときには、そのテーマを講義することにしています。テキサス大の学生たちに科学史の講義をするうち、古代ギリシャのプラトンやアリストテレスといった人たちは、科学者というよりも『詩人』、と呼んだ方がふさわしいと分かったのです」

 ログイン前の続き――辛辣(しんらつ)ですね。科学の源流は、プラトンやアリストテレスにある、と考える人たちもいます。なぜ「詩人」なのですか。

 「自然の観察抜きに論理や数学だけに頼って理解しようとするのは科学ではありません。例えば彼らは物質を構成する元素について見解を述べていますが、理論や観測に基づいていません。単に、世界はこうあるだろう、という詩的イメージを述べているに過ぎません」

 ――科学史の「知の巨人」たちの業績を「科学ではない」と断じたあなたの著書は、歴史家たちから批判されました。

 「(本の内容が)不遜ですからね。例えばプラトンやデカルトを研究する歴史家は、彼らに共感することで理解しようとします。生涯を研究に費やし、尊敬の念を抱いていることもある。一方、私は科学者の視点から批判的です。アリストテレスはバカではないが退屈です。プラトンの著作はわりと面白いが、しばしば愚かです」

 「デカルトは、自然の真理に到達する正しい方法を見つけたと主張しました。その彼が地球の形状や光の性質、真空状態の有無、自由落下する物体の速度などについて、様々な点を誤解しています。明らかに彼の科学の手法はよいとは言えなかった」

 ――昔と今の科学では、そんなに違いますか?

 「私は、科学者、特に物理学者であることがどういうことか明確な感覚を持っています。観測や実験から得た情報に基づき、初期の理論を組み立てる。うまく行ったら、より多くの現象、より小さなスケール、より大きなスケールに当てはまる数式にまとめていく。常に実験や観測に照らしつつ、さらに異なる現象を統合し、より統一された理論を目指す。それが科学です」

 「歴史家の中には、現代の立場から過去を批判するべきでないと主張する人もいますが、科学に関しては賛同できません」

 ――科学は、時代背景と切り離せない政治や文化とは異なると?

 「芸術を例に挙げましょう。20世紀の詩人が19世紀より優れているとは言えません。(数多くの傑作を残した)シェークスピアは16世紀に活躍しました。絵画も同じです。時代と共に進歩するのではなく、それぞれの時代に優れた作品がある。芸術の歴史を私が科学でやったような方法で評価することは、よくないと思います」

 「科学とは、自然を学ぶ方法のことです。それには正しい方法が存在するのです。本のタイトルを『科学の発見』としたのもそのためです。『科学の発明』では、社会が異なれば別の科学が発明されるような響きがでてしまいます」

 ――著書では、キリスト教が、科学の発展を阻害してきたと示唆していますね。

 「宗教が研究に大きく影響するとは思いません。ただ、歴史的には、宗教は科学にとって大きな障害になってきました。ギリシャ科学の成果の一部は、ローマ帝国に受け継がれます。ローマ帝国はやがて東西に分裂し、東側のビザンツ帝国はその後、1千年も続きましたが、科学的に重要な成果はありませんでした。私は、(神がすべての創造主である、とする)キリスト教の興隆が影響したと見ています。キリスト教は、古代ギリシャの多神教的あるいは無神論的で科学的な世界観に取って代わるものを提示していったのです」

 ――現代につながる科学の分野で本当に革命的な仕事をしたのは、17世紀のニュートンだったと指摘していますね。なぜですか。

 「ニュートン以前にもガリレオケプラーの仕事がありましたが、それらはまだ、観察した内容を書き留めているにすぎません。ケプラーは惑星の動きを研究し、楕円(だえん)軌道であることを数学で説明しましたが、その理由は分かっていませんでした。ガリレオはすばらしい精度で天体を観測しましたが、なぜ天体がそう動くのか説明するすべを持ちませんでした。物体の動きを、力と加速度を用いた力学の概念で説明に成功したのはニュートンでした」

 「惑星が太陽を回るとき、潮の満ち引きや二つのビリヤードボールがぶつかるとき、そこには常に運動を支配する法則があり、数学的記述が可能です。ニュートンはパラダイム(枠組み)を示し、科学理論とはどういうものか具体的に示しました。まさに彼が、現代科学を発見したのです」

 ――著書では、アインシュタインについてはあまり触れていません。彼は相対性理論で科学に革命をもたらしたのではないですか?

 「アインシュタインは、ニュートン以降で最も偉大な物理学者の一人です。過去のすべての科学者の中で最も偉大な一人と言ってもいいでしょう。しかし、私はアインシュタインの理論がニュートンの理論と同じ意味で革命的であったとは思いません」

 「アインシュタインは例えば物質に当てはまる理論を光にも当てはめるとか、光速に近い速度で動いている物体に当てはめるといったように、より正確な理論に発展させようとしたのです。アインシュタインが成し遂げたことは、ニュートンが手がけていた理論を発展させた、ということなのです」

 ――あなたが貢献した素粒子の「標準モデル」は、現代素粒子物理学の基本理論となっています。数学的な理論の美しさを求めた末に現在の姿になりました。

 「60年代前半までの素粒子とそれらの相互作用の理論は、ひどく複雑でした。観測結果を説明するだけの単なる寄せ集めに過ぎなかった。理論の美しさは単純さにあります。標準モデルの発展によって、物事はとてもシンプルに見えるようになり始めました」

 「現在、標準モデルでは18の素粒子が登場します。多すぎますね。Tシャツ1枚に書ききれるくらいの数の方程式で導かれる理論を目指したいと思っています」

 ――物事を説明するとき、シンプルな美を求めるという点では、ニュートン以前の科学者たちにも通じる部分がありませんか?

 「古代ギリシャ人たちは、人間の美徳や戦争、愛などを一つにして物質の理論を作り上げようとしました。私たちは、物質の振る舞いに迫る方法としては、それが間違っていたことを自然から学び取りました(笑)。私たちは正解のボタンをつつくとエサがもらえるハトのように、自然から徐々に学びます。観測と一致する理論が得られたとき、より美しい理論が得られたとき、喜びという報酬を受け取ることができるのです」

 ――そもそも科学史を学ぶ意味はどこにあるでしょうか?

 「科学は私たちの文明の一部です。米大陸の発見や民主主義の発展と同じような物語の一部です。科学史を知ることは、科学という人類の思考モデルを理解することにつながります。世界は、自分が真実を知っていると妄信し、過ちを認めない政治や宗教の指導者たちによって大きな損害を受けてきました。科学史を学ぶと、科学者が間違いを繰り返し、偉大なニュートンやアインシュタインもしばしば間違っていたことを知ることができます。多くの人がそれを知ることは世界にとって有益です」

 ――あなたが今回やったのと同じように、未来の科学者が現代の科学を見たらどう思うでしょう?

 「私が古代ギリシャの『科学者』たちを見るのと同じように思うかも知れません。彼らは間違いなく私たちが知らないことを知っているし、おそらく私たちの無知を哀れむでしょう。ただ、手法を否定することはないと思います。私たちは自然を観察する新しい手法を開発するためベストを尽くしています。最近、天文学重力波の観測というドラマチックな発展があったことは、まさにそれを裏付けています」

 Steven Weinberg 理論物理学者、米テキサス大学教授 1933年生まれ。79年にノーベル物理学賞受賞。2015年に米国で「科学の発見」(邦訳、文芸春秋)を出版し、論争を呼んだ。

 ■取材を終えて

 高校時代、社会科の課題でデカルトの「方法序説」の難解な文章に悩まされて以来、彼を科学の基礎を築いた偉人と信じてきた。ワインバーグ教授は、科学者の視点から歴史をひもとき、凝り固まった評価に揺さぶりをかけているように感じた。固定観念にとらわれず、目の前のものを虚心坦懐(きょしんたんかい)に科学者の視点で見る――そんな強い信念が伝わってきた。(小林哲)

2016-06-17 リーダーの選び方。

[]有権者の責任。 有権者の責任。を含むブックマーク 有権者の責任。のブックマークコメント

共産党支持率の伸びが著しいらしい。
常に「資本主義とか市場主義をけん制する存在」だった政党が、どんどん支持されているということが世相を映している。
自分の知る50年でこんなことはなかった。
数年前のことだが、
>>
政治家の本分は権力の手中にこそある」と喝破していた先輩。
大手新聞社に勤める尊敬していた先輩が、自分も政治家になっていたのには驚いた。
そのココロは「批判だけでは政治は変わらない」と。

それにしても官僚出身、市井の人、タレント、作家、学者。
誰を選んでもうまくいかない、政治って難しいものなのだと思う。
都道府県のトップの裏には、密接に国会の政治家が結びつく。

「政治家は(国民ではなく)政治の論理で動く」とも言う。

高度成長期は「地元誘導」とか「GDP重視型」の政策が人気を博し、また有権者もそれほどブレずにいたのだと思う。
今みたいに「与党TPP推進、野党反原発改憲阻止」なんて局面は初めてだ。
政治家の諸氏もどうも戸惑っているようにも見える。

ともかく既存の手垢に染まっていない、冷静な分析ができる人がリーダーになる必要があると思う。
「勝つ候補は人気がある人」という図式は自分たち有権者がそろそろ改めねばならない根本的な問題だ。

都知事選、候補選びも波乱の予感
2016/6/15 21:19
日本経済新聞 電子版
 東京都舛添要一知事が6月21日付で辞職することが決まった。与野党は7月末にも実施される都知事選に向け、候補者選びを進めるが、都知事選の歴史は波乱含み。すんなりいきそうもない。

 「次は20年東京五輪を迎えるのにふさわしい人をしっかり選んでいかないといけない」。自民党東京都連会長、石原伸晃経済再生相は記者団にこう強調した。

■組織委と緊密連携できる人

 知事任期は4年間で、次の知事はちょうど2020年に開かれる東京五輪・パラリンピックを迎える形になる。五輪開催に向けては関係省庁、企業などとの調整力が必要だ。首相官邸や、元首相森喜朗氏が会長を務める2020年東京五輪・パラリンピック組織委員会と緊密に連携できることが条件と、与党幹部はみる。

2020年東京五輪・パラリンピック組織委員会の森喜朗会長(左)と握手する舛添知事(2014年2月、東京都庁)=共同
2020年東京五輪・パラリンピック組織委員会の森喜朗会長(左)と握手する舛添知事(2014年2月、東京都庁)=共同


 そんななかで自民党サイドが有力候補になりうるとみたのが、6月17日付で総務次官を退く桜井俊氏。長男がアイドルグループ「嵐」櫻井翔さんであることで知られる。しかし、15日、桜井氏本人が記者団に出馬の可能性を否定した。

 調整能力に優れていることが選挙で有利に働くとは限らない。1999年都知事選は自民党などの推薦で元国連事務次長の明石康氏が出馬したものの、自民党の一部が他の候補を支持したこともあり、得票数では4位に終わった。知名度の高さや、各党が幅広く相乗り可能かどうかなども候補者選びの要素になる。

 桜井氏のほか、88年ソウル五輪背泳ぎメダリストスポーツ庁長官の鈴木大地氏を推す声や、女性候補として衆院東京10区選出の小池百合子防衛相らの名前も挙がる。衆院比例代表東京ブロック選出の民進党長島昭久元防衛副大臣を担ぎ出すべきだとの意見も出ているのは、石原伸晃氏の元秘書であり、外交安全保障分野だけでみれば自民党の政策に近いからだというが、いまのところいずれも決め手に欠く状況のようだ。

■与野党対決型の選挙を意識

 「しっかり都政を刷新できる、勝てる候補が必要だ」。民進党の岡田克也代表は記者団にこう言い切った。「都政刷新」と「勝てる候補」という表現は与野党対決型の選挙戦を想起させる。14年都知事選で舛添氏を推した自民公明両党には今回の辞職に対する責任があり、主導権を渡すわけにはいかない、というのが野党側の立場だ。

大綬章親授式後、記念撮影の準備をする石原慎太郎東京都知事(右から2人目)(2015年5月8日、皇居
大綬章親授式後、記念撮影の準備をする石原慎太郎元東京都知事(右から2人目)(2015年5月8日、皇居)


 民進党内で有力候補として浮上しているのが、代表代行蓮舫・元行政刷新相だ。10年参院選では東京選挙区で171万票を集めてトップ当選を果たした。6月22日公示、7月10日投開票の参院選、東京選挙区にも出馬を予定しており、知事選に出るなら調整が必要になる。衆院東京7区選出の長妻昭代表代行らの名前も取り沙汰されている。

 与野党が神経をとがらせるのは、橋下徹大阪市長が立候補する可能性があるかどうかだ。「個人的見解だが、20000%ないだろう」。おおさか維新の会の馬場伸幸幹事長記者会見で否定的見解を示した。本人も否定した。橋下氏とパイプを持つ安倍晋三首相や菅義偉官房長官官邸の出方が今後を左右するかもしれない。

 猪瀬直樹氏、舛添氏と都知事は2代続けて短命に終わるが、石原慎太郎氏は約14年間、都知事であり続けた。そのきっかけをつくった99年都知事選で石原氏は最後の最後に名乗りを挙げることでメディアの注目を集め、選挙戦を有利に進めた。「知名度さえあれば後出しジャンケンが一番いい」というのは、当時の自民党都連幹部の言葉だ。今回もそんな都知事選の歴史を繰り返す可能性がある。

(犬童文良)

2016-06-16 自分地図。(2)

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地図に必要なものは、何と言っても正確さだろう。

多少縮尺が違っているくらいは問題ないけれど、位置関係が間違っていたり方角が違っていたりすると、たちまち路頭に迷う。

ジャングルなら死活問題だ。
自分の「仕事の地図」とか「人間関係の地図」とか「人生の地図」を作る時にはそういう所を間違うと、地図そのものの品質が下がる。

さらに重要なのは「方向と目的地」である。

これって(海賊の船出じゃないけど)「まだ見ぬお宝を探す」という感もあるから、明確な目的地がなくてもせめて方向は間違わないようにしたいものだ。
「過去のこと」は多少間違いがあっても(多分じっくり眺め返すのは老後だから)いいけど、知らぬうちに沿道の街やら旅籠やらに魅せられて、大きな寄り道をすることにも気をつけましょう。
(自分の過去を見て勉強になるのはそこかもね。)

私の場合、自分の程度なんかも考えて「ありゃ大失敗だったなぁ」というのはあまりないけれど、それって逆に言えば「ちゃんと焦点を絞ってないなぁ」ということの裏返しに見える。
これも大きな後悔の一つです。
ご参考まで。

つまりは何でも「地図を使った目的地探し」なわけで、仕事とか友達とか、異性とか結婚とか老後とか。
多分自分たちはこれからも何種類かの地図を使い分けながら生きていくことになるんだろう。

ちょっと積極的にそんな「地図のイメージ」を膨らませてみてはどうだろうか。

2016-06-15 自分地図。(1)

[]地図とは何だろう。 地図とは何だろう。を含むブックマーク 地図とは何だろう。のブックマークコメント

しばしば、地図に頼る。
そして自分で描く。

知らない土地や、都会の中でも初めて通る道を行くとしばしば迷子になる。

地図は、正しい道順は示さずとも「そこには何があるか」と「道はどこに通じているか」が分かる便利なツールだ。
逆に、地図を眺めていて「目的地」を思いつくことだってある。

「どこに何が必ずあるか」という情報は自分の方向を決める基礎データになる。

街中や旅先でもそうだが、それ以外にも。
仕事の地図、家族の地図、やりたいことの地図、そして人生の地図。(出ました)

どんなことをして遊んでいいか分からず、闇雲に手を出していると多分迷子になる。
迷子も悪いことではないが、脱出するには勘だけで動くより、やはり地図があったほうがいい。

何て言ったものの、自分の仕事の地図とか、人生の地図って思い返してもクネクネだらけの九十九(つづら)折りだ。

決して道に迷わずに歩いてこれたわけではないが、社会に出てから(学生時代にはそんなもんカケラもなかった)少しづつ時間が経つにつれ、「何となくこっちかもしれない」「多分この道はマズいぞ」なんて風にしてきたような気がする。
GPSでもありゃ、もっと広い範囲を見ながら賢い選択もできたろうに、残念ながら「自分の周囲」を見ながらの行きつ戻りつが今の自分である。

で何が言いたかったかというと、自分なりに何か「自分に関する地図」を考えてみても面白いかも、と思ったのだ。

(よくマインドマップ、というけれどあれはさっぱりわからない)
よくキャリアマップなんていうけれど、そういう無機質なものではなく、もう少し「これまで」と「これから」の道筋を考える材料を並べてみてはどうだろうか。
「コンピタンス」とかいうけれど、もう少し「これからの自分」を想像するための自分地図がいいと思う。
(つづく)

2016-06-14 スイス、ベーシックインカム否決だが。

[]背景に見えるもの。 背景に見えるもの。を含むブックマーク 背景に見えるもの。のブックマークコメント

スイス所得一律分配制度の是非を問う国民投票が行われ、否決。
政治家筋は「開かれた国境の問題」つまりそれを目当てに移民が大量流入してはたまらない、ということもあると言う。
記事中にあるように、しかし「国民投票が起きるレベル」までの盛り上がりはあったわけなので、そこが重要なことだろう。

「所得保障」と称されるのは、数多あるその他の「福祉施策」と違って、ハナから一律に所得を分配するところである。
日本でも「生活保護」とか「母子給付」とか「子ども手当」というと、途端に行政マターになり、認可だの給付の水準だので一悶着ある。
全く話にならない政策だ、ということでもないような気がする。

自分が思うにベーシックインカム制は、誰もが「引け目を感じず」「安心して」所得がある、という心理効果が"一番の肝"だと思うのだ。

我が日本でも、毎日「老後破産」「介護破綻」などという記事を目にしない日はないが、1500兆円と言われる財産の6割以上を六十代以降の人たちが持っているというから、どうも「安心できない心理」が蔓延しているのに違いない。

さらに、もっと大事なのは「どんな風な老後にしたいか」ということの情報も少なすぎる。
介護の制度だけはやたらに増えているけれど、そもそものシニアライフというもについて、選択肢が少ないと思うのである。

知り合いの75歳以上の人に「楽しいですか?」と聞いたら「案外楽しいよ」と返ってくることも多い。
>>
日本は戦後のこれまでの影響で「自分なりの過ごし方」というのにまだ慣れていないのに違いない。
誰もが所ジョージ氏のようには生きられないかもしれないが。

自分も"ミニ所"くらいにはなるつもりで、お金の使い方もイメージしておきたいものである。
>>
働かなくても毎月約30万円もらえるベーシックインカム制度の導入を決める国民投票がスタート、その結果は?


By Steven Depolo

スイスでは過去数年にわたり、成人国民に対して一律に月額2500スイスフラン(約27万円)を支給するベーシックインカム制度の導入を求める運動が行われてきました。働かなくても最低限の収入を得られるベーシックインカム制度の導入に関しては賛否両論あったわけですが、ついに同制度を決めるための国民投票が実施されました。

Switzerland's voters rejects basic income plan - BBC News
http://www.bbc.com/news/world-europe-36454060


スイスでは、10万人以上の署名を集めることで憲法改正要求することが可能な「国民発議」という仕組みが採られています。ベーシックインカム制度の導入を求める運動は2013年に12万人以上の署名を集めることに成功しており、それ以降も一部の市民が活動を行ってきました。この活動の成果として2016年には国民投票が予定され、世界的に注目を集めていました。

働かなくても毎月30万円もらえる所得保障制度導入の是非を決める国民投票がスイスで行われることに - GIGAZINE


このベーシックインカム制度の導入を決めるための国民投票がついに行われ、なんと約77%もの有権者が計画に反対したことが明らかになりました。この提案では、成人には2500スイスフランが、そして未成年には625スイスフラン(約6万8000円)が毎月支給される予定でした。なお、毎月の支給額はスイスの物価の高さを加味して設定された金額です。

ベーシックインカム制度の導入がいかに支持されなかったのかは以下のページを見るとよくわかります。

Vote results: June 5, 2016 - SWI swissinfo.ch
http://www.swissinfo.ch/eng/results-votes-june-5th-2016-in-switzerland/42153620

得票率は、ベーシックインカム制度の導入に賛成が「23.1%」、反対が「76.9%」。スイスの23州全てで反対票が賛成票を上回っています。


各州ごとの得票率を視覚化したマップが以下の画像。濃い茶色に近ければ近いほど反対票が多いことを示しており、青色に近いほど賛成票が多いことを示しています。マップをひと目見ればわかるように、賛成票が50%を超える州はなく、約半数の州で賛成票が20%未満であったことがわかります。


制度導入の支持者たちは「仕事がますます自動化されていくので、仕事の数は減って働き口も減少している」と、ベーシックインカムの必要性を訴えていました。しかし、政治家たちの中でベーシックインカム制度導入を支持する者はほとんどおらず、議会の中にはひとりもそういった意見を持つ政治家がいなかったそうです。また、評論家は「仕事とその対価として得られる金銭の間のつながりが分離してしまうことは、社会にとって悪いことだ」と、働かなくても最低限度の収入が得られるベーシックインカムに対して否定的な見解を示しています。

しかし、国民投票が行われたことからもわかるように、ベーシックインカム制度の導入に賛成する署名が10万人分以上集まったことも事実です。


By stanjourdan

スイス人民党右派議員であるルーツィ・シュタム氏は、「もしもスイスが島だったなら、答えはイエスだったかもしれません。しかし、スイスの国境は開かれており、現状の高い生活水準を保とうと思えば、導入は不可能です。もしも全てのスイス人に金銭を支給することにしたなら、多くの人々がスイスに流れ込んできたでしょう」と、ベーシックインカム制度の導入に反対意見である理由を語っています。

なお、ベーシックインカム制度の導入については他の国家でも議論されており、例えばフィンランドでは政府低所得者層8000人に対してベーシックインカムを支給する試みが検討されています。他にも、オランダユトレヒトでは2017年1月からベーシックインカムに関する試験計画がスタートする予定となっています。

2016-06-13 民泊考。

[]困難を越えて。 困難を越えて。を含むブックマーク 困難を越えて。のブックマークコメント

世の中ほとんどのことに「白か黒」は一色ではないから「ちょっと黒い」「大分黒い」にせよ悩まねばならないことは多い。
自分の住むマンションでも「民泊禁止」とか「民泊が発覚したら賃貸契約解除です」「所有者も告発します」とかなり物々しい。

ファミリーの住人たちは「知らない外国人が出入りするなんて」というトーン一色。
一方「小遣い稼ぎができて助かる」とか「利回りが上がるので推奨すべし」という声もある。

また犯罪とか「テロの基地に使われたらどうするのだ?」という声もあったりして調整は難航している。

特に不動産投資という観点で見ると、今は平均3-6%と言われている利回りは、家賃収入が倍にでもなれば非常な経済効果でもある。

この「経済的な力」ってかなり強くて、多分「何とか規則を定めつつも、民泊は必ずや増え続ける」ことになると思う。
「経済原理」という言葉はどこか銭儲け臭がしてあまり好きではないが、世の中だいたい「この流れ」に乗せられてしまうことが多い。

どうせなら「日数制限」とか「広さの規制」とか「特区制度」とかではなく「予約資格の認証」とか「安全確認」の整備に力を注げば普及は安全で速やかに進むのじゃなかろうか。

ともかく規制、ともかく抵抗、というやり方はもう時代遅れだと思うのだ。

民泊解禁 どんなことに気をつけたらいい?

相談者 M.Kさん

イラストレーション・橋本真貴子
イラストレーション・橋本真貴子
 私は30歳のインテリアデザイナー。都内の事務所で働いています。私の場合、忙しい時は徹夜も当たり前なのですが、仕事と仕事の合間には結構まとまった休みがとれます。学生のころから旅行が好きで、こつこつお金を貯(た)めては、長期休暇のたびに海外へ出かけてきました。いろんな地域に出かけて、さまざまな国の人と交流するのが楽しみなので、滞在先はもっぱらゲストハウスユースホステル。ホテルに泊まることはほとんどありません。

 今年2月にもアメリカニューヨークに行き、2週間滞在しました。その際、最近話題になっているインターネットのサービス「Airbnb(エアビーアンドビー)」を初めて利用してみました。貸したい部屋と借りたい旅行客を仲介する、アメリカ発の民泊サービスのことで、旅行好きの友人のほとんどが利用した経験があったため、思い切って民泊をしてみることにしたのです。

 滞在した場所はマンハッタンから少し離れていましたが、緑豊かで治安も問題ありません。アメリカでデザインの勉強をした学生時代に戻ったかのような気分でニューヨークを満喫しました。「子どもはみんな独立したので、若いお客は大歓迎だよ」という50代後半の家主さんとも仲良くなり、一緒にお酒を飲みに行ったり、おすすめの観光スポットを教えてもらったりと、楽しい時間を過ごすことができました。ニューヨークはホテルの宿泊料が高いことで有名ですが、個人宅を利用したことで料金もずいぶん安く抑えることができました。

 帰国からしばらくたちますが、あのときの楽しかった経験が忘れられません。そこで最近、ホストとして都内にある自宅マンションの一室を旅行客に貸し出せないかと考え始めました。実は、2年前に株で利益が出たため3LDKのマンションを購入して住んでいるのですが、一人暮らしの私には広すぎて部屋の一つはほとんど使っていません。その部屋を旅行客に貸し出すことができれば、国際交流ができる上に、ちょっとした副収入にもなります。

 ところが、ネットでいろいろ調べている中で、民泊を行うためには、実は旅館業法の許可が必要なことを知りました。どうやら、許可を得ずに行って摘発されたケースもあるようですし、騒音やゴミ出しなどで近隣の住民とトラブルになっているケースもあると報道されています。私一人の手に余るのではないかとだんだん不安になってきました。

 政府は、2020年の東京五輪パラリンピックに向けて、外国人観光客の増加で不足する宿泊施設を確保するため、民泊の規制を緩和しつつあるようです。今年に入って、東京都大田区大阪府で、国家戦略特区規制緩和を活用した民泊が始まっているほか、旅館業法の枠組みでの民泊を行いやすくするために、制度見直しの検討も進められていると報道されていました。

 そもそも、民泊を始める上で、法律上どんな問題をクリアしなければならないのでしょうか。政府の規制緩和に向けた取り組みの現状や、民泊を始める上で気をつけるべきことについても教えてください(最近の事例をもとに創作したフィクションです)。

(回答)

民泊サービスの広がり

 自宅やマンションの空き部屋などの一般住宅を、宿泊施設として貸し出し、旅行客を有料で泊める「民泊サービス」が広がりを見せ始めています。背景には、モノやサービスを個人間でやりとりしたり、共有したりする「シェアリングエコノミー」という新たなビジネスモデルの登場があります。その一つが、アメリカで08年に誕生した、Airbnbに代表される、自宅の空き部屋を貸したい人と宿泊先を探す旅行者とを仲介するサービスです。

 これによって、ホテルや旅館ではなく「他人の家」に泊まるという、新しい選択肢が生まれました。質問者も指摘しているように、部屋を提供する側は空いている部屋を有効活用できます。一方、旅行者の側には宿泊料を安く抑えられ、その国の地元の人々の暮らしを体験できるというメリットがあります。

 シェアリングエコノミーの広がりとそこに潜む問題点については、「民泊ビジネスの是非 ネットの新事業で失敗しない法律武装とは?」(15年8月26日掲載)において、エアビーアンドビーだけでなく、タクシーやハイヤーの配車サービスとして知られるUber(ウーバー)も取りあげて解説しています。興味がある方はそちらも参考にしてください。

 当時は、エアビーアンドビーもウーバーも、法律の問題もあって、普及するのは当分、難しいだろうと思われていました。ウーバーがタクシー事業者などの根強い抵抗に遭い、いまだに苦戦しているのに対して、エアビーアンドビーが実施している民泊は、着実な広がりを見せています。類似のサービスを行う企業は次々と登場しており、戸数の絶対数が多い東京だけではなく、全国で民泊ビジネスが注目され、民泊専用に部屋を購入・貸借する例も出てきているようです。

 他方、法制度の整備が追いつかない状況下で、許可などを受けないまま民泊を営業しているケースが多く見受けられ、問題となっています。例えば、京都市が行った調査によれば、インターネット上に公開されている市内2702の民泊施設について、その施設の情報と京都市が管理する旅館業の登録情報を照合したところ、少なくとも68.4%が無許可だったとのことです。

2016年05月25日 05時20分 Copyright © The Yomiuri Shimbun

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訪日客増で規制緩和へ

 日本政府観光局(JNTO)の統計によると、15年の訪日外国人観光客数は、前年比47%増の1973万人に上り、東京五輪・パラリンピックが開催される20年の達成を目指していた「年間2000万人」に迫りました。13年には1036万人だったので、2年間で訪日客は2倍近くに伸びたことになります。円安基調やビザの発給要件緩和、免税制度の拡充などが奏功し、中国人を中心に訪日客が急増したのが要因と考えられています。

 ここで課題となってくるのが受け入れ態勢の整備です。観光庁の宿泊旅行統計調査(速報値)によれば、15年の宿泊施設の客室稼働率は国内全体では60.5%ですが、大阪府の85.2%を筆頭に、東京都82.3%、京都府71.4%となっています。これらの地域では週末となればほとんど部屋を取れない状況です。ビジネスマンが出張に使うホテルも、外国人観光客に埋め尽くされており、「ホテルの予約が取れない」「宿泊費が高くて会社の旅費規定をオーバーしてしまう」といった悲鳴も聞こえてきます。

 先日、私のクライアント企業の社員の方と話をしていたら、「大阪に出張し、打ち合わせ終了後、現地の社員の方々と懇親会をしている最中に、電話で宿を取ろうとしたが、どこからも断られた。懇親会の後半は、参加者全員で手分けして空いているホテル探しをした」という、ほとんど冗談とも言えるような出来事を説明してくれました(結局、その人は、唯一空いていた、割高なスイートルームに宿泊したということです)。

 東京オリンピックを控え、インバウンド市場の拡大は今後も続くと見込まれています。政府は今年3月、訪日外国人数を20年に現在の2倍の4000万人、30年には3倍の6000万人にまで増やすとの新たな目標を決めました。そんな中、宿泊施設不足の打開策として期待されているのが民泊サービスです。

 楽天をはじめとするインターネット関連の企業群が参加する「新経済連盟」は、15年10月、「シェアリングエコノミー活性化に必要な法的措置に係る具体的提案」を発表しました。民泊解禁による訪日客の増加により、インバウンド消費を含む経済効果は10兆円台、受け入れ可能な外国人旅行者数は約2500万人に上ると試算し、民泊推進が、「『戦後最大の経済、GDP600兆円』の実現」に貢献するとしています。そして、政府も、特区の設置や政令改正、さらには法改正で規制緩和をすすめ、民泊の普及を後押ししています。

 政府が進めている規制緩和の内容については後ほど説明するとして、まずは、このような新しいビジネスに立ちはだかる「業法」である旅館業法において、民泊がどのように扱われるのかについて述べたいと思います。先に取りあげた「民泊ビジネスの是非 ネットの新事業で失敗しない法律武装とは?」の内容と一部重複しますが、以下確認したいと思います。

旅館業法の適用基準

 旅館業法では、旅館業には「宿泊料を受けて、人を宿泊させる営業」(ホテル営業、旅館営業、簡易宿所営業及び下宿営業)が該当すると規定されています。そして、この旅館業を行う場合は、都道府県知事保健所を設置する市・特別区では市区長)の許可を受けなければならないと規定されています。

 また、「宿泊」とは「寝具を使用して施設を利用すること」と規定されています。たとえば、友達をただで泊めてあげる、といったことなら「旅館業」にはなりませんが、有料で(=宿泊料を受けて)、社会性を持って継続反復している(=営業)、つまり繰り返しビジネスとして運営する場合には、許可が必要になるわけです。

 仮に宿泊料を、体験料、室内清掃費などの名目で徴収したとしても、実質的に部屋の使用料とみなされるものは「宿泊料」にあたります。社会性の有無は、「不特定多数」を宿泊させる、広く一般に宿泊者を募集しているなどの事情で判断されます。また、「土日限定」「夏季限定」などとして宿泊サービスを提供しても、継続性があるとみなされます。

 ただし、厚生労働省通達では「年1回(2〜3日程度)のイベント開催時であって、宿泊施設の不足が見込まれることにより、開催地の自治体の要請等により自宅を提供するような公共性の高いもの」は、「イベント民泊」とされ、旅館業法の適用は受けずに住宅を貸し出すことができます。また、農林漁業者の運営する施設に宿泊する「農家民泊」については、旅館業法の適用は受けるものの、面積基準の要件が緩和され、後述する建築基準法消防法でも特例扱いがなされています。

 旅館業がアパートなどの貸室業と違う点は、(1)施設の「衛生上の維持管理責任」が営業者にある(2)宿泊者が「生活の本拠」を有さないこと――と示されています。ここでいう「生活の本拠」の判断目安は1か月とされているため、ウィークリーマンションは旅館業にあたりますが、マンスリーマンションやサービスアパートメントなどは貸室業となり、旅館業法の対象外となっています。

 なお、旅館業の許可は、「ホテル」「旅館」「簡易宿所」「下宿」の四つに分類されています。そして、それぞれのカテゴリーごとに、客室の床面積、客室数、玄関帳場(フロント設備)など、施設の満たすべき基準が旅館業法施行令や各地域の条例によって細かく定められています。この許可を受けずに行った場合は、「6月以下の懲役又は3万円以下の罰金に処する」とされています。

 実際に、こうした無許可の民泊の摘発が近年相次いでおり、14年5月に東京都足立区で自宅の一部を旅行客に提供していた英国籍の男性が旅館業法違反の疑いで逮捕されたほか、15年12月には京都で、16年4月には大阪で、摘発事例が出ています。

 また、宿泊者がゴミ出しや騒音などを巡り、近隣住民とトラブルになるケースや、知らない人が出入りすることで、マンション内のセキュリティーに不安を覚える住民も出てきました。各地のマンションで、管理規約に民泊を禁止する条文を盛り込む動きが出てきたほか、売り出し当初から、民泊を禁止する規定を盛り込んだ新築分譲マンションも現れ、顧客からの中には「安心できる」と肯定的評価する人もいるようです。

 他にも、無許可民泊を野放しにしておくと、不十分な衛生管理による感染症リスク、防火対策の不徹底による火災の危険性、テロや薬物犯罪などの拠点に悪用されるなどといった懸念もあります。

 こうしたことから、まさに今、早急な民泊のルール作りの必要性が主張されているわけです。

2016年05月25日 05時20分 Copyright © The Yomiuri Shimbun

2016-06-12 老いぬ心。

[]「頭と手」の両輪。 「頭と手」の両輪。を含むブックマーク 「頭と手」の両輪。のブックマークコメント

ほぼ日より。
『畳の上の水練』は確かに名言だ。
どれだけ一生懸命、緻密に練習してもそれで泳げるようにはならない。
「畳の上のスキー」とか「畳の上の自転車」とかもそうだけど、頭で考えているだけではどうしようないことって案外多い。
(ただし相当なベテランになると「頭の中」だけでもずい分勉強になることはあるらしい。基礎があればそんなこともできる)

お医者さんだって理屈だけ知っていても、すぐに現場では役には立ちにくい。
つまり「理論と実践のバランス」ということなのだろう。
実践一本やり、で理論を学んだり考えたりしない人は「根性論」に走って徒らに疲労したりする。

こういう「手を動かしつつも、しばしば立ち止まって頭を使う」ということのバランスを知っておくのは重要なことだ。

どちらか一方では思わぬ溝にはまって抜け出せないことがしばしばある。
>>
そんな中、メディアの重鎮である糸井さんが、新しく立ち上げるサービスで宣伝に「手足を使う」という。
まあ広告のカリスマみたいな人が言うから「一周回って再び先頭に戻った」みたいな感じだ。

ネットもある。
電波メディアもまだある。
「だが地上戦も止めない」というのが先頭を切って走る人らしい。

その古びない感覚が今でも「他に見ないこと」を作り出し続けているのに違いない。
肉体と違い、精神はつくづく古びないことができるらしい。

自分も心がジジイにならないようにしたいと思う。

ほぼ日刊イトイ新聞

・夢に手足を。
 ‥‥の手足というのは、具体的な手や足のことです。 
 刑事ドラマの「捜査は、足でやるもんだ」とか、
 東北で耳にした「目は臆病、手は鬼」ということばとか、
 「しゃべってないで、手を動かせ」という叱咤だとか、
 手足ということばを「現実」の象徴として使ってます。
 幼いころに父から「畳の水練」ということばを教わって、
 なるほどなぁうまいこと言うものだなぁ、と思いました。
 いくら畳の上で泳ぎを練習しても泳げるようにならない。
 その通りだなぁと、こどもでもわかりました。

なにしろ、いまはネットの上で
 たくさんの情報が飛び交っている時代です。
 人は、「なにを言ったか」で評価されたりもします。
 「なにを行ったか」のまちがいではありません。
 行いのほうは、だれの目にも見えるものじゃないけれど、
 ネット上での「なにを言ったか」はみんなに見えます。
 だからなのか、手足を動かすことが大事にされてない。
 目の前の画面を見つめ、ことばをやりとりするばかり。

ことばは、ことばとしてそのまま、ではただのことばで、
 ことばがなにかを動かすから、ものごとが動くわけです。
 赤ちゃんなどでもそうですが、
 どうぶつとの関係のなかでは、
 主に手足をつかってコミュニケーションします。
 ことばだけでは、水のとりかえも、ごはんの世話も、
 散歩も、おしっこやうんちの始末も、なにもできません。
 大事なのは、手足に仕事をしてもらうことなんですよね。

そんなことが、『ドコノコ』の世界にも、
 なんか混ぜられないものかなぁと思いましてね。
 ながめてるだけでもたのしい『ドコノコ』ですが、
 手足の仕事として広げていけないかなぁと考えました。
 そんで、ですね(笑)‥‥チラシ配りを熱心にやります。
 ネットだとかマスメディアだとかも大事だけど、
 手足をつかってチラシを配って宣伝をしていきます。
 「なにを時代錯誤な!」と、笑われてもやります。
 それぞれの地域の迷子探しの練習にもなりますしね、
 チラシ配りのボランティアも募集しようと思っています。
 ご近所とか、会社とか、足で歩いて手で配りましょう。

今日も、「ほぼ日」に来てくれてありがとうございます。
ぼくは、もうやりだしてますが、案外よろこばれてますよ。

2016-06-11 騒ぐほどでも。

[]根本の問題。 根本の問題。を含むブックマーク 根本の問題。のブックマークコメント

子育て学校教育も「体罰悪し」の風潮が強いけれど、昭和の時代には道端でシバかれていた子供は普通にいたし、学校でも竹刀を持って徘徊している先生もいた。

"ネグレクト的な虐待"と"相当厳しい体罰"はそもそもの質が違う。

前者にはにはそもそも人間的な愛情が欠けている。
子供をモノのように扱い始めたら危険サインだ。(男のDVもこれだと思う)
親も精神的に幼い場合だと、そんなことが起こり得やすいのではないだろうか。

世の中が豊かになれはなったで、どんどん「引きこもり」だの「ニート」だのと新種の現象が起きてくるものだけれど、

そもそも「獅子はわが子を千尋の谷に突き落とす」というじゃない。
本当に突き落としては危ないが、やはりそのくらいの厳しさで臨まないと子供は親から自立できない、というのは昔からの変わらぬ経験則なのに違いない。

愛情が仇になり、「良かれ」と思って甘やかしたらドラ息子にドラ娘、という例はそこら中にありますし。

「手助けができても、あえてすまじ」というのが親の胆力というものだ。

逆にそこくらいまでの覚悟がないなら、子供は作っちゃいけない。
そんな「わざわざ言葉にするまでもないようなこと」もちゃんとどこかで伝えていかなきゃいけないだろうな、などと思う。

子育て万能法はあるのか? 置き去り事件で「評論家」続出

 週末に関東も梅雨入りしました。雨の日に2人の子どもを連れて歩くのはなかなか大変です。もう登山用の雨合羽で歩いてやりたいです。梅雨が終われば猛暑と蚊の季節。子どもを守るのは大変です。

しつけ議論のきっかけに

 先週、日本中だけでなく海外の注目も集めたのは、小学2年生の男の子がしつけのためとして山道に置き去りにされ、奇跡的に保護されたというニュースでした。「無事で良かった」の一言に尽きますが、今回の件を通してしつけや教育方法についての議論が巻き起こったのは興味深いことでした。

 この件は、結果的に心理的虐待にあたるとして児童相談所に通告されたとのことです。子どもは親の付属物という扱いでしたが、今は子どもの人権に対する意識が変わってきていてとても良いことだと思います。「しつけ」という名目で暴力や暴言を正当化する人はいまだにいるようですが、子どもの安全と、身体的、心理的虐待とならないことを守るのが教育の大前提だと思います。

とは言え悩む やんちゃな子どもの対処

 とは言え、やんちゃな少年に物事の善悪や節度を教えることの困難さについては、実際に子育てをしている人たちから「共感する」という意見が多数聞かれました。私自身も4歳の娘にいまだに手を焼くことも多く、 癇癪(かんしゃく) を起こしてどうしようもない時は、家の中で鍵のかかる部屋に逃げ込み、会話が成立する程度の冷静さを娘が取り戻すのを待つこともあります。

 その癇癪のきっかけはいつも本当に 些細(ささい) なことで、例えばおやつのプリンに(片手で運ぶために)スプーンを刺してテーブルに置いたら、「刺してほしくなかった!」とキレだすというようなことです。「ごめんね」と言ってもだめだし、「じゃあ、今からどうしたらいいのか」と聞いても「イヤだった」としか言わないし、怒ってももちろんだめで、殴られたり蹴られたりするので、その場から去る以外の方法が今のところありません。

 今回の件で素人から専門家まで「このようにすれば子どもの教育はうまくいく」というような意見をニュースサイトやSNSで多数見ましたが、子どもの好ましくない行動を注意して改めさせるという場面は非常にバリエーションが多く、私が参考にできるものは見つかりませんでした。「怒るのではなく叱る」とか「好ましくない行動は無視して良いことをとにかく褒める」などはよく見ますが、その程度でうまく行ったら悩みなんかありません。

 子どもは一人一人違いますし、成長段階で日々変化していきますから、子育てに「万能法」はありません。結局は、同年代の子どもを持つ親たちとつながりを持って、共感し合ったり相談し合ったりすることで子どもに分別がついていくのを待つしかないのかなあと思っています。

親同士の励まし合いも善しあし…

 ただ、「子育てに正解はない」というのと「どれでも正解」は決して同じではありませんが、親同士で励まし合うと極端なことも許容されてしまう結果になることがあります。また、思いきって悩みを吐露したのに「あらうちの子はそんなことないわ、大変ね。ご愁傷様」と言われた場合の落ち込みようはなかなか筆舌に尽くしがたく(経験済み)、親同士のつながり合いにも注意は必要です。

 子育てに悩むこと自体は悪いことではないと思うので、ベストと思うことを真剣にやるしかありません。私の娘の場合、 愛嬌(あいきょう) があってお友達とも仲良く遊べ、普段はママ大好きと言ってくれてラブラブなので、南の島に時々台風がやってくると思って頑張ります。ただ、飲食店など外出先でやられると、迷惑をかけるのもまずいし、あまり強引なこともできないし本当に途方にくれます。よく年配の方が「今の親たちは子育てができない」というようなことを言うのをききますが、「昔は体罰でもなんでもして子どもを手なずけていただけでしょ?」「子どもも多くて、今ほど迷惑がられなかっただけでしょ?」と思ってしまいます。

 昔に比べ、「虐待」や「体罰」がよくないという認識が広まってきたことはとてもいいことだと思います。私は「しつけ」という言葉が大人の価値観に合わせさせるようで大嫌いなのですが、今回の件を機に、「しつけ」という名の下に虐待レベルのことがまかり通ることがなくなるように願っています。

ブログ_顔120

宋 美玄(そん・みひょん)
産婦人科医、性科学者

1976年、神戸市生まれ。川崎医科大学講師、ロンドン大学病院留学を経て、2010年から国内で産婦人科医として勤務。主な著書に「女医が教える本当に気持ちのいいセックス」(ブックマン社)など。詳しくはこちら

このブログが本になりました。「内診台から覗いた高齢出産の真実」(中央公論新社、税別740円)について、詳しくはこちら。

宋美玄のママライフ実況中継の一覧を見る

出生率1.8の目標 今の少子化対策で現実的?

2016-06-10 人生は姿勢づくり。

[]思い通り。 思い通り。を含むブックマーク 思い通り。のブックマークコメント

もう何十回目かの質問「結婚っていいもんですか?」。
いつもその時思った回答をしてきたが、ようやく分かった。

結婚は「幸せを与えてくれるものだ」と思うと失望する。が、
「人生は自分独りで生きていくものだ」と思うと得るものがたくさんある。

だから、いつもの大人の回答、「いいものにも、悪いものにもなる」ということだ。

ただしそういう「心の姿勢」は大事だ。
友人とか、仕事仲間とか、彼氏彼女とか、家族とかでも同じだと思う。

相手から何かを得ることを期待する」か。
「ハナからそんなものはないと覚悟している」か。
「時には自分から何かを与えるものだ」というくらいの気構えがあるか。

そんな心構えで、自分の生き方ってどうにでもなるのじゃないか?と半世紀生きてきて、ようやく思う。(嘆)
どうしてこんなことを小学校で教わらなかったのか。
それともそんな「正解」だけを子供に教えても意味がないのか。

ともかく。
生き方とか幸せの感じ方は「自分次第」ということを気付けるかどうかは大きな視点の変化じゃないだろうか。

駅前の立ち飲み屋で「愚痴をこぼす」か。
同じく駅前の立ち飲み屋で「だから自分はこうします」と言うか。

そんなちょっとした心境の持ち方で、案外人生は180度変わってくるのかもしれない。
つくづく自分たちを動かしているのは心というソフトウェアなのだと思う。

2016-06-09 当たり前の時代。

[]ようやく、自分の選択ようやく、自分の選択。を含むブックマーク ようやく、自分の選択。のブックマークコメント

ビジネス界で「多様性」というと、もう頻出語になっているが(20年前には全くなかった)ようやく日本人が「画一的な選択」から脱出し始めている、というだけのことではないだろうか。
ヨーロッパアメリカの友人に聞いても「結婚しない」とか「子供が欲しいか」とか「どこに住むか」ということを自分なりに決めるのはむしろ当然で、今更「結婚しないアラフォーの何が珍しいのか」という反応だった。

ライフスタイルというか、選択肢がそれだけ増え、またそれを選ぶ余裕もできてきたというだけのことかもしれない。
シングルマザーシングルファーザーDINKS事実婚同性婚と、自由に選べるような社会インフラこそが大事なのだ、というのがフランスの友人。
さすがに「そういうものか」と感心してしまった。
日本は高度成長期が終わり、やはり「個性ボケ」しているきらいがあると思う。

自分自身でもそう。
「皆と同じでいると楽でいい」という感覚が強いから「あえて選択せよ」という場面になるとずい分悩む。
自己責任だけれど、もっともっと多様な選択肢が、若い人にも中年にも壮年にもあると思う。

自分で選択する、という最高の行為をもう少し積極的に考えたいものである。

「僕は結婚しない」と言い切るアラフォー男性の本音と課題

恋愛・結婚・人間関係コンサルタントコラムニスト 木村隆志

 なぜか結婚しないアラフォー男性。おせっかいとは承知しながら、本シリーズでは「 結婚しない30、40代男性の生態学 」を手始めに、それはなぜかを恋愛・結婚コンサルタントの木村さんに分析してもらっています。驚いたことに、彼らの中には「結婚する必要性を感じない」と言い切る人もいて、「なんでまたそういう結論になっちゃうの?」と、ナゾはナゾを呼ぶばかり。ニッポンの未来は、果たして大丈夫なんでしょうか?
すてきな女性を前になぜ、結婚しようという気が起こらない?(写真はイメージ)
すてきな女性を前になぜ、結婚しようという気が起こらない?(写真はイメージ)
 こんにちは。コンサルタントの木村隆志です。

 現在、日曜午後9時から放送されているドラマ『家族ノカタチ』(TBS系)で、香取慎吾さんが「自分の意思で結婚しない」アラフォー男性・永里大介役を演じています。一見、特異なキャラクターに見えますが、大介のような男性はドラマの中だけではありません。これまで私は多くの「僕は結婚しない」と言い切るアラフォー男性に出会い、話を聞いてきました。

 いまだ婚活ブームが続き、「いつかは結婚したい」という男性が大半を占める中、彼らはなぜ「結婚しない」と言い切れるのか。彼らの本音と、その裏にある微妙な心理を紹介していきます。

仕事や趣味を制限されたくない

 「今は仕事が充実しているし、頑張りどころなので、息抜きの恋愛くらいならいいけど、結婚を求められると引いてしまう」(41歳男性)

 「僕は食べることと旅が好きで、週末は必ずどこかの店へ食べに行きますし、年に2〜3回は海外旅行もします。結婚したら週末も長期休暇も、全部制限されてしまいますよね」(38歳男性)

 「趣味のクルマにかなりお金をかけていますが、楽しすぎてやめられないんですよ。だから、僕は結婚に向いていないというか、結婚しちゃ駄目な人だと思います(笑)」(39歳男性)

 最も多かったのは、「やりたいことがあるから結婚しない」という声。「趣味が楽しい、あるいは仕事が充実しているため、結婚するとそれが失われてしまう」と考えているようです。

 実際、結婚すれば、独身時代よりも時間とお金の制約は間違いなく受けるでしょう。彼らは「趣味や仕事のことでいろいろ言われたり、けんかをしたりすることが一番苦痛」と思っていて、それを未然に防ごうとしているのです。

 しかし、3人に「一生一人で暮らしていけると思いますか?」と聞いたら、「それは分からない」という言葉が返ってきました。すなわち、「やりたいことがあるから結婚しない」と言っているアラフォー男性は、他人への共感力に欠ける現実逃避タイプ。

 「やりたいことをやりたい。でも、一人で生きていく覚悟はない」、さらに心の奥で「この先結婚しようと思ったら、男はまだまだチャンスはある」という根拠のない優位性を感じているだけなのです。

2016年02月16日 05時20分 Copyright © The Yomiuri Shimbun

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過去の苦い経験が邪魔をする

なぜか、あと一歩が踏み出せない(写真はイメージ)
なぜか、あと一歩が踏み出せない(写真はイメージ)
 「2年間婚活をしましたが、けっきょく結婚どころか、付き合うことすらほとんどできませんでした。結婚相談所カウンセラーさんにも駄目出しされるし、『自分には無理かな』と思うんですよ」(41歳男性)

 「3年前に婚約解消したことがあって、こちらも向こうも家族を巻き込んで本当に嫌な思いをしたので、もう結婚はしたくないと思っています」(39歳男性)

 「前妻との離婚で懲りました。一緒に住んでいると逃げ場がないし、籍が入ったというだけで、女性は鬼のように厳しくなりますから。僕みたいな考え方のバツイチはけっこう多いんじゃないですか?」(43歳男性)

 次に目立ったのは、「過去の恋愛・結婚が影響して結婚しない」という声。恋愛のトラウマ、婚活疲れ、離婚歴などから、結婚を避けているのです。

 なかでも最もやっかいなのは、結婚そのものへの嫌悪感が強いタイプ。過去の失敗を「たまたまうまくいかなかっただけ。たまたま相手が悪かっただけ」と受け流せず、「反省して次に生かそう。きっと大丈夫」と前向きに考えることもできないのです。

 しかし、彼らに「相性のいい女性が向こうからアプローチしてくれたら、受け入れて結婚するのでは?」と聞いたら、「そんなうまい話はないと思うけど、もしあるなら結婚すると思う」と言うのです。すなわち、「過去の恋愛・結婚が影響して結婚しない」と言っているアラフォー男性は、お膳立てを待っているだけの甘えん坊タイプ。

 表向きは「自分にも結婚にも自信がない」と言いつつ、心の奥では「でも、完全にあきらめたわけでもない」「この状況から救ってほしい」「誰かに助けてもらいたい」と受け身であるにもかかわらず、希望を捨てられないのです。

結婚の必要性を全く感じない

 「そもそもなんで結婚しなければいけないのか、分からないんですよ。周りからは『変わってるね』と言われますが、僕には文句悪口を言いながら夫婦をやっている人たちの気持ちが全く理解できません。それなら恋愛で十分でしょ」(40歳男性)

 「僕は自分一人のライフスタイルが確立されてしまったので、誰かと一緒に住むのは難しいですね。そりゃあ家事をやってもらえるなら楽でいいとは思いますが、合わないところは絶対にあるし、メリットよりデメリットのほうが大きい」(39歳男性)

 「はっきり言うと、責任を負いたくないんですよ。今まで通り自由に生きていたいし、結婚すると何かとそうはいかなくなるじゃないですか。だから20代の女の子と付き合っているくらいがちょうどいいし、もてなくなったらキャバクラにでも行きます」(42歳男性)

 私が最も驚かされたのが、「結婚の必要性を感じない」という声。「メリットを感じない」「責任を負いたくない」「面倒くさい」などと、結婚そのものを真っ向から否定しています。

 彼らに共通していたのは、結婚のデメリットに対する強烈な拒否反応。友人や同僚などの失敗談を挙げて、「普通に考えれば、失う物のほうが大きいことが分かる」「だから僕は結婚しない」と自信満々に言うのです。

 しかし、彼らに「恋愛はしますよね? その相手を本気で好きになる可能性はないのですか?」と聞いたら、「恋愛はするし、本気で好きになることもあると思う」と素直に答えてくれました。さらに、「その相手から『結婚したい』と強く迫られたらどうしますか?」と聞いたら、「事実婚とか、結婚しなくていいように説得する」などと言うのです。すなわち、「結婚の必要性を感じない」と言っているアラフォー男性は、内心寂しがり屋で自己矛盾に気付いていないタイプ。

 結婚という形に過剰な拒否反応をしているだけで、「女性と一緒にいたい」という本質的な気持ちは既婚者と変わらないのです。実際このタイプは、一生独身で過ごす人よりも、アラフィフが近づいてきたころ「人生で一度は結婚してみたいな」と心変わりする人のほうが多いもの。ただ、そのことを3人に話したら、「そういう人もいるだろうけど、僕は違う」と笑い飛ばされてしまいました。

 アラフォー男性が「僕は結婚しない」と言い切るのは、「やりたいことがあるから」「過去の恋愛・結婚が影響しているから」「必要性を感じないから」という三つの理由がありました。しかし、その理由から見えてきたのは、「他人への共感ができず現実逃避」「お膳立てを待っているだけの甘えん坊」「寂しがり屋で自己矛盾に気付けない」という彼ら自身の課題。これらの課題を解消して、それでも「僕は結婚しない」と言い切れるのなら、それはひとつの生き方と言えるのではないでしょうか。

◆木村さんのこれまでの記事

結婚しない30、40代男性の生態学

「30・40代の男性が婚活で挫折する」六つのパターン

20代女性に聞いた「こんなアラフォーは結婚できない」

婚活中30代女性に聞く「アラフォー男性、アリとナシの境界線

未婚・既婚の40歳男性に聞いた「結婚相手の理想と現実」

アラフォーカップルの約8割が同棲〜結婚観の男女差に衝撃

プロフィル
木村隆志( きむら・たかし )
 恋愛・結婚・人間関係コンサルタント/コラムニスト。名古屋の巨大式場でウェディングプランナーのキャリアを積んだのち独立。ティーンから更年期世代まで、幅広い年齢層の相談を受け続け、コンサル数は対面だけで通算1万組を突破。各メディアへの執筆にも精力的で、著書は『告白女(コクジョ)〜運命を変える告白術51〜』、『好感度がアップするプラスひと言会話表現605』、『トップインタビュアーの聴き技84』、『友活はじめませんか? 〜30代からの友人作り』、『恋のリトマス試験紙』(共著)、最新刊『40歳からはじめる 一生の恋人の見つけ方』が発売中。ご相談などは、『 恋愛コンサル.net 』まで。
『話しかけなくてもいい!会話術』
『話しかけなくてもいい!会話術』
2016年02月16日 05時20分 Copyright © The Yomiuri Shimbun

2016-06-08 創作の果て。

[]コンテンツの無限性。 コンテンツの無限性。を含むブックマーク コンテンツの無限性。のブックマークコメント

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パチンコ業界の友人に聞いたのだが、パチンコのユーザーというのはさして新しい機能が施されていなくても、デザインとか見た目が新しければどんどん新しい台に流れていくものだという。
だから定期的に新台の開発というのは欠かせないらしい。

その本望はギャンブルだとはいえ、やはり見た目は新しい方がいいのだろうか。
「新しい台がよく儲かる台か」とは全く関係ないだろうし。

新しい台で遊びたいのか、儲けたいのかどっちなのだろうか。
両方か。

それはともかく。

似たようなことは「創作の世界」ではどうだろうか。

動画サイトやストリーミングには恐ろしい量のコンテンツが常に流入し、もう「過去のコンテンツ」で見られないものって珍しい。
それでも新しいコンテンツの、製作は止むことがなく、むしろ創作者が増えて全体量も増えているようだ。

コンテンツの将来ってどうなるのだろう。

もう軽く自分の一生かけても見られないものがあるのに、またまだ自分たちは「もっと新しいもの」を求め続けるのだろうか。

クラシック楽曲の世界では新作がなく、しかし過去の作品が演奏され続けるのは「創作できることはやり尽くしたから」と言われる。
けれど、音楽以外の創作物でもそういうことは起こるのだろうか。

何か次々と新しい映画や小説やビジネス書や音楽や絵画、に自分たちは振り回されているような気もする。
新しい刺激も悪くないけれど、過去の名作をゆっくりと味わいたいなぁと思ったりするのでした。

2016-06-07 時の運。

[]普及の転機。 普及の転機。を含むブックマーク 普及の転機。のブックマークコメント

最近「AIIoT自動運転の話」を聞かない日はない。
よくもこれだけ話題が集中するものだと思うが、これも「ネット効果」に違いない。

皆が瞬時にニュースや情報を共有できるから、より「興味の強いもの」へとフォーカスが集中する。
"情報のレバレッジ"と言えるだろうか。

だからネットを見ていると「ゆっくりとした一般教養的な話題」からは逸れて行く感じがする。
周辺の情報の裾野はまだ「紙新聞」に利があると思う。
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デジタルメディアはどれだけ「静的な、重要なこと」を伝えることを考えた方がいいだろう。

それはともかく。

先日メーカーの人の話を聞いたら「自動運転は限りなく事故をゼロにするだろう」と仰っていた。
もっと言えば「人が車の運転を止めれば、電車並みになる」と。
車というものが、それでいいのかどうかは、ちょっとここでは置いといて。

自分はよくもこの「車」というある意味恐ろしいものが、ここまで市民権を得て普及したなぁと感服するのです。

よく考えてみれば、未だに日本だけでも「数十万件」の規模で事故は起こり続けている。

仮に若し、「車並み」に事故が起きる他の製品が発明されたら、それは世間に受け入れられるだろうか。

車は道具であるし、事故の原因は車ではなく、運転する人ににある。
けれど飛行機や電車に比べたら格段に事故率は高い。
「便利だけど、これほど危ないもの」は、今の世の中では普及しないのではないだろうか。
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産業革命の頃は、それだけ新しい技術におおらかだったということだろう。

「おいしいお菓子」とか「すごく面白い映画」とか「新型スマホ」とかで、もし年に数人でも犠牲者が出たら、多分その製品はお払い箱に違いない。
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テクノロジーの普及には「時の運」が欠かせないのではないだろうか。

2016-06-06 デジタルサロンに参加するか。

[]リアルのシェアは。 リアルのシェアは。を含むブックマーク リアルのシェアは。のブックマークコメント

自分は自分の時間を、必要とする人がいれば売るだろうか。

「私の30分売ります」というキャッチで時間を販売しているサイトがすでにある。
人気チケットランキング | TimeTicket[タイムチケット]
面白い試みだが、物のシェアと違って「人と会う」ということになると途端にハードルが上がる。

ネットでの会話はそれほど軽く、リアルの対面はそれほど大変なことなのだ。

この辺りの心理的な壁とか、互いの条件の決め方などに工夫が加われば、こうした「デジタル・サロン」のようなものも一気に広がる可能性があると思う。
たとえ一時間とはいえ「コーチング命」の人と喋るのは怖い気がするし、ホステスをしている女性とランチをただ楽しむ、というのも何が目的か分からない。

自然さ。
気軽さ。

でも互いの事前の意思疎通、なんかが普及のための要素ではないだろうか。
facebookなどがリアルとネットの"ちょうどいいあたり"で普及している媒体が、「オフ会」になった途端に別のものになるということはしばしば言われている。

私の30分を「なぜ売るのか」
あなたの30ぷんを「なぜ買うのか」

というすり合わせが上手に出来れば、面白い試みになるのではないだろうか。
シェア業界はまだまだ面白いことがいっぱいある。

2016-06-05 次はシェア・タッピング。

[]軽いお誘い。 軽いお誘い。を含むブックマーク 軽いお誘い。のブックマークコメント

amazonレコメンド(推薦)広告をするようになって、今やネットマーケットでは当たり前な感じになっている。

自分は次に「シェアのお誘い」が始まると思う。

「シェアすること」が当然で、いいことだ、という意識が広まると「シェアできるものは何かな?」という意識が働く。

だから相互に「シェアしてもいいもの」が流通するのだ。
もちろん無理にする必要はない。
細かく条件設定しておけば、不快な思いをすることも防げるだろう。

私は今こんなことしています…
例えば食事中とか、
お酒飲んでます、とか
これからスーパーに寄って帰りますよ、とか。

自分としては、人気の混雑店で「今なら私の向かい側空いてますよ」という情報がもらえたらとても有難い気がする。
なので、今のあなたに「こんなこと、シェアしませんか?」とお誘い、というかお伺い(タッピング)するサービスができてくるのに違いない。

tappingという言葉は「傍受・盗聴」という不穏な意味もあるらしいがそっちではなく。
ネットの買い物以外では、まだまだ「レコメンド」の機会はこれからのテーマだろう。
「今日はいいコハダと柳鰈が入ってますよ」と言われたら、そりゃそっちの方に足がむくというものだ。

2016-06-04 まだまだ伸びる。

[]自分たちのすぐ後ろ。 自分たちのすぐ後ろ。を含むブックマーク 自分たちのすぐ後ろ。のブックマークコメント

f:id:why-newton:20160604001836j:image
Manufacturers, Suppliers, Exporters & Importers from the world's largest online B2B marketplace-Alibaba.com
yomiuri onlineより。
中国のEC市場が本格化してきた、という記事。
十数年前は、クレジットカード保有者が少なく、しかも「後払いなら払わない」という消費者が圧倒的に多い、という理由で「中国での通販は無理」というのが事情通の相場だった。
今や中国の人も銀聯カード(クレジット)を持って、日本で爆買いをする、ということだから、中国のネット事情もどんどん成熟してきているということに違いない。

何か上から目線でそんなことを言っていても、日本だってついこの間までは楽天amazonのお店も玉石混交で、配送のシステムも使いにくいものも多かった。
みるみるうちに「スピードと質」が洗練され、今や日常品やスーパーの品物にまで物流は進化している。

記事は「中国のEC市場はこれから」と、ちょっと最近の日本のIoT一色の記事からはトーンがずれているが、「ようやくネットが到達した中国のネット市場」が、これからどんどん洗練されていくとしたら、確かに「中国ネットの爆発的な伸び」はこれからかもしれないと思う。

つまり、ネットが本当の「リアル市場」に同化する。
今の日本のネットマーケットが、10数倍になって起きるだろうということだ。

「いいもの」があればそれについての情報が「すぐに届き」、「翌日に配達される」時代。
新興国の"伸び代"は確かにまだまだこれからに違いない。

爆発する中国eコマース市場と日本の戦略

株式会社オレンジモール社長 内田
 インターネットを使って商品を購入する電子商取引(eコマース:EC)市場が拡大の一途をたどっている。国内での取引にとどまらず、海外から商品を購入する「越境EC」と呼ばれる取引も注目を集めており、この「越境EC」市場で今、最も熱い視線を集めているのが中国だ。質の高い日用品を扱う日本企業にとっても、この市場は 垂涎 ( すいぜん ) の的といえる。では、日本企業が中国の「越境EC」で果実を得るにはどのようにしたらよいのだろうか? 日中「越境EC」を実際に手がけ、その事情に詳しい株式会社オレンジモールの内田信氏に、現状を伝えてもらった。
中国市場は今も拡大を続けている(著者撮影)
中国市場は今も拡大を続けている(著者撮影)
世界のBtoC電子商取引市場規模経済産業省「電子商取引に関する市場調査」報告書から)
世界のBtoC電子商取引市場規模(経済産業省「電子商取引に関する市場調査」報告書から)
世界の各国別BtoC−EC市場規模(2014年)(経済産業省「電子商取引に関する市場調査」報告書から)
世界の各国別BtoC−EC市場規模(2014年)(経済産業省「電子商取引に関する市場調査」報告書から)
 皆さんの中にも「アマゾン・ジャパン」や「楽天」などで買い物をしたことのある方が多いでしょう。経済産業省の調査「電子商取引に関する市場調査」報告書によると、インターネットを使って商品やサービスの売買を行う電子商取引は、世界全体で1兆ドルをはるかに超えています。市場を国別に見ると、1位は中国、2位は米国、3位英国、4位日本となっていて、中国と米国が大きな割合を占めています。

越境EC、20年には1300億ドル規模にも

 このEC市場で近年、脚光を浴びているのが「越境EC」と呼ばれるものです。これはたとえば、「日本の消費者がインターネットを使って米国の事業者から購入する」というように国境を越えて海外の事業者から商品を購入するイメージです。

 経産省の調査によると、「越境EC」市場は13年に世界で約250億ドルでしたが、20年には約5倍のおよそ1300億ドルにまで伸びると推計されています。その背景には、多言語に対応したサイトが増えていることや、商品の物流、決済システムが進化していることなど「越境EC」関連のインフラ整備の進展があるのです。

 世界一の規模を誇るEC市場であり、世界中から最も熱い視線を集めているEC市場、それが中国です。この市場はいくつかの点から、日本企業にとっても大変魅力的といえます。

圧倒的な存在感のアリババ

 その中国で圧倒的な存在感を放っているのが、日本のソフトバンクも出資するネット通販最大手の「アリババグループ(以下アリババ)」です。米の小売り大手「ウォルマート・ストアーズ」を抜いて「世界最大の流通企業」になったとも伝えられ、その勢いは増すばかりです。

 アリババの売上の内訳は、ヤフーオークションのような個人間取引のショッピングサイト「タオバオマーケットプレイス(以下、タオバオ)」が約30兆円(商品の点数は8億以上ともいわれます)。企業が出店する「天猫Tmall(ユニクロ、P&Gなど国内外の約7万ブランドを扱うショッピングモール)」が約20兆円で、合計すると約50兆円となります。

ベビー用品店を開設したきっかけ

 私どもが「タオバオ」にベビー用品店を開設したのは、08年のことでした。私どもの事例は個人間取引とは少し異なり、従業員15名程度の中小企業をイメージしていただくと理解しやすいと思います。きっかけはその当時、たまたま第2子が上海で生まれたことでした。自分の子ども向けに日本からミルクなどのベビー商材を送ってもらっていたところ、妻の友人や知人から商品購入の代行を頼まれたのでした。

 08年秋、中国でベビー用粉ミルク有害物質メラミンが混入し、死亡者まで出すという事件がありました。それ以降、安全な粉ミルクに対する需要がいっそう増大しました。在日中国人らが日本の小売店で粉ミルクを購入しては中国に送り、それらが中国国内でネット販売されました。このことは当時、日本でも報道されました。

 11年に東日本大震災放射能問題が発生したことから、粉ミルクに対する需要は消えてしまいました。これに代わり日本から中国へ大量に流れるようになったのが、紙おむつでした。

 粉ミルクに代わるものがなぜ紙おむつだったのか? 明確な答えはわかりませんが、粉ミルクを中国向けに輸出していた日本の貿易会社の多くが、同じベビー向けの商材として紙おむつを積極的に売り込んだことが要因だと思います。ベビー向け商材は、子どもが小さい一定期間、継続的に購入する必要があるので、安定して売れる商材なのです。おそらくその当時も今も、中国の消費者にとって品質の高い日本の紙おむつは、大変に魅力的なのだと思います。

 紙おむつについて、日本から中国などへ輸出される総額を財務省の貿易統計からまとめてみました(ナプキンなど衛生用品を含む)。これによると、おむつ関連商品の中国向け輸出は11年から、わずか15年までで20倍にもなりました(棒グラフの水色が中国)。中国の紙おむつ市場の需要がいかに急激に増えているかがわかると思います。


2016年06月03日 13時30分 Copyright © The Yomiuri Shimbun

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株式会社オレンジモール社長 内田信
「越境EC」が脚光を浴びたきっかけは

中国の消費者は、買いたい商品を実店舗で確認して購入する傾向がある(著者撮影)
中国の消費者は、買いたい商品を実店舗で確認して購入する傾向がある(著者撮影)
 日中の「越境EC」がにわかに脚光を浴びたのは、13年のことです。中国側が「越境EC」を促進しようと「保税区スキーム」という仕組みを設けたことがきっかけです。このスキームは、上海自由貿易区、寧波保税区など、中国国内の複数の都市に「保税区」と呼ばれる区域(税関が監督管理し、税制などに様々な優位性がある)を設けて在庫を取り置き、売れた時点で課税するというものです。

 中国では従来、コンテナ単位でまとまった量の商品を日本から輸入していました。その場合は、通常の貿易業務として「関税」と、日本で言う消費税に相当する「増値税」という二つの税が課されました(紙おむつで合計25%程度)。

 これに対して、保税区内に在庫を保管し、消費者が「越境EC」サイトで購入した場合は、これを個人輸入扱いとして「行郵税」という税を課し、低い税率を適用することにしたのです(紙おむつで10%程度。行郵税が50元以下のものは免税。1元は約16円)。このスキームが、「越境EC」事業を活気づける大きな要因のひとつとなったことは間違いありません。

 日本ブランドのある紙おむつ(Mサイズ68枚入り)の価格を例にとると、中国に実店舗を出店しているそごう百貨店「久光」などの一流店では230元、カルフールやベビーチェーンなどは170元がおよその相場です。また、「天猫Tmall」や「タオバオ」など、中国国内のECサイトでは130〜145元で販売されています。

 これに対して、保税区スキームを利用した「越境EC」サイトや、香港を拠点とする「天猫国際(Tmall・グローバル)」などのサイトは、100〜115元程度で取り扱われていて割安感があります。実店舗で販売される紙おむつの価格が高いのは、代理店や問屋などの中間流通コストが高いことなどによります。ECサイトが利益率を低く設定し、薄利多売で勝負をかけていることもあると思います。

課税制度に見直しが!

 ところが、保税区スキームについては16年4月8日に見直しがあり、制度が大幅に変更になりました。概略だけ言うと、従来あった免税枠がなくなり、税率も変更。化粧品健康食品に関しては「中国政府の輸入許可を受けていないものは輸入を禁止する」というものでした。5月25日には、「税率変更と免税枠の撤廃は、予定通り新しい規定を適用。輸入許可に関しては、17年5月11日まで適用を延期」という通達が出されました。

 これによって、各保税区の取扱量は大幅に減少しつつあるのが現状です。中国側の関係者も混乱しているようです。関係者からは、免税枠の撤廃による影響の大きさを嘆く声が多く聞かれます。

 今回の見直しについて公には、保税区を活用した「越境EC」を認可したものの、「国家の税収獲得に貢献していない」、「リアル店舗で販売されている輸入商品に比べ課税額が低く不公平」なためと説明されています。

 保税区スキームについては、更なる変更も予想され、紆余曲折(うよきょくせつ)があるかもしれません。ですが中国人の人口と所得レベルを考えれば、中国の「越境EC」市場そのものは、まだまだ拡大する余地があると考えられます。

2016年06月03日 13時30分 Copyright © The Yomiuri Shimbun

ページ: 3
株式会社オレンジモール社長 内田信
どんな日本製品が買われているのか?

 さて、海外から商品を購入する中国人はどんな人たちなのでしょうか? iResearchの「2016年中国越境輸入小売りEC業研究報告」によれば、性別では男性が6割超を占め、26〜40歳が全体の7割超となっています。平均月収は、1万1千元(およそ18万円ほど)。高学歴高収入サラリーマンが多いといわれていますが、中国人にとって先進国の商品は比較的高価ですから当然だと思います。

越境ECユーザーが購入した国トップ8(iResearch「2016年中国越境輸入小売りEC業研究報告」から)
越境ECユーザーが購入した国トップ8(iResearch「2016年中国越境輸入小売りEC業研究報告」から)
 彼らが購入する国は、1位がアメリカ、2位は日本です。日本からどんな企業が出店しているのでしょうか? たとえば「天猫国際(Tmall・グローバル)」で私がこれまで把握していたのは、イオンマツモトキヨシキリン堂、爽快ドラッグケンコーコムアットコスメミキハウス、ポーラ、セシールなどでした。ところが、改めて確認してみると、ピジョンユニ・チャームカルビー日本郵政なども参入していました。

 人気の日本製品は、化粧品、日用品、ベビー用品、食品・菓子類、衣類などが上位を占め、花王「めぐりズム」、カルビー「じゃがビー」、資生堂の洗顔料「パーフェクトホイップ」などが挙がっています(時期などによって人気商品は変わります)。

 これを見て、みなさんはどう感じられるでしょうか? ピン!と来た人も多いかもしれません。これらの売れ筋商品は、もっぱら中国人観光客(さらには在日の中国人)が日本で“爆買い”する商品群と傾向が近いのです。

 中国人の消費者は、「商品を自分の目で確認してから購入したい」という気持ちが大変強いのです。そのため、日本で“爆買い”してよかった商品を「越境EC」で再購入するという流れが生まれているのだと思います。

実店舗も重視する「越境EC」

 中国国内には、「越境EC」の新しい流れも見られつつあります。それは、O2O型(Online to Offline=ネットからリアルへ)という店舗の出現です。O2O型店舗には二つの形態があります。一つは、重慶モデルと呼ばれるもの。もう一つは、上海で行われている店舗形態です。

 重慶モデルは、重慶保税区の商品を、同区が運営する「越境EC」体験館で売るものです。消費者は、この体験館で実際に商品を手に取って確認し、そのまま店頭で購入することができるのです(ECに比べ、おおむね5%ほど価格は高くなります)。

 一方、上海モデルは、実際の店舗に「越境EC」体験コーナーを設け、そこに商品を展示。消費者は商品を確認したら、その場に用意されたPCやモバイル端末でオーダーをするという購入方法になっています。

 中国人の消費者は、海外商品に関する知識をあまり持っていない人も多くいます。そんな人でも、リアルな店頭で実物を見たり、手に触れたりした上で商品を購入できるのであれば、これは理想的といえます。

2016年06月03日 13時30分 Copyright © The Yomiuri Shimbun

ページ: 4
株式会社オレンジモール社長 内田信
日中越境ECから退散しないですむ方法

 さて、このような流れの中で、日本企業はどのように日中「越境EC」をとらえ、付き合っていけばよいのでしょうか?

 私が考えるのは、日本の各企業が本来の中国市場開拓を進める上での、あくまでも市場開発のツールのひとつであるということ。そして「越境EC」を通じて構築した販路は、中国が自由貿易化を進める流れにおいて、日本企業が進出するのに大きな役割を果たしてくれる、そんな位置づけだと思います。

 中国の消費者は、「偽物が怖い」「安全性に不安が……」「(同じ商品でも)日本で買った方が安い」などの理由から、「越境EC」を使って商品を購入します。その中でもっとも重視するのは「商品の信頼性」という観点です。彼らは、「いいな」と思った特定の商品を継続して購入する傾向が強く見られます。「ご指名買い」のような感じです。

 ですので、日本の企業が成功するためには、関連商材とどう絡めて売るか、ネットという限定された空間でいかに効果的に見せるか、さらにはO2O型の店舗をいかに有効活用するかなどを検討し、高い品質と安全性を伝えるブランディング戦略をしていくことが大切になります。

日本市場で成功していることも

 もう一つ、「越境EC」で成功するために大切なことは、その前段として日本市場で成功を収めていることです。化粧品や健康食品の売れ筋商品を見てみると、「楽天で1位」「アットコスメ(化粧品の口コミサイト)で1位」などと紹介され、日本でそれなりに販売数を伸ばしているものが多く見られます。

 近年、中国版SNSの「微信」を使って日本商品の「越境EC」に取り組む在日中国人が増えていますが、彼らもこの点を重視しているようです。彼らの目で「これは売れる」と感じられる商品は、彼ら自身が中国の消費者に広めてくれるというメリットがあるのです。

 一方で、10年頃に中国でECブームが起きた際、100社以上の日系企業が「天猫Tmall」などに出店しましたが、現在、事業を継続しているのは、おそらく10分の1程度ともいわれています。この事実にも目を向けるべきです。市場へ参加するには出店料がかかります。そして、薄利多売の過酷な競争が待っています。その競争に是が非でも勝ち残るという強い気持ちと行動力がなければ、退散の憂き目に遭うこともあり得ます。

長い目でゆっくりと取り組んで

「ゆっくりと付き合っていきたい」、そんな国が中国かもしれない(著者撮影)
「ゆっくりと付き合っていきたい」、そんな国が中国かもしれない(著者撮影)
 最後になりますが、私自身は昨年から、家族を上海においたまま、日本を拠点に活動しています。上海、松山、大阪、そして東京と飛び回る日々です。

 東京で勤務しているときはさほどではありませんが、地方を訪れると高齢化が進んでいることを、身をもって感じます。そして人が少ない……。福岡を含む4大都市圏を除いた地方都市は、消費市場としては年々、縮小していくだろうと感じます。

 これに対してアジア諸国を回ってみると、中国以外の国々も若くて活気があります。市場としては、香港、シンガポールクアラルンプールバンコクは魅力的ですが、マニラホーチミンはまだ若干早いと感じています。そして各国を回ってみてわかることは、中国の存在が圧倒的であるということです。

 中国は、経済不安が取りざたされていることも事実です。上海の不動産は強烈なバブルです。長期的に見ると、中国経済も停滞や一時的な混乱が生じることもあるだろうと思います。そしてその時、中国経済に依存しているアジアの国々も大きな影響をこうむることでしょう。でも、日本は何とか耐え切ると信じています。

 私は、日本の商品を海外に販売したい、中国人に日本の質の高い商品を売りたい――そういう思いで8年間やってきました。年月が経過して思うのは、自動車や家電、ハイテクなどは世界市場を目指せるでしょうが、日用品関連商材は人種的に近いアジア諸国が最も取り組みやすい市場だということです。そしてその中では、中国しかないと思っています。

 経済的な交流が深まればもっと仲良くなれる。そう信じて中国に渡り、尖閣問題が起こったときには大きな挫折感も味わいました。しかし今、上海の街を実際に歩いてみれば、中国人の日本に対するイメージが良くなってきていることを実感します。簡単には引っ越せないお隣の国、そして市場として見れば、リスクはあっても圧倒的な魅力を秘めた国。それが中国。長い目でゆっくり取り組んでもいい国だと思います。

【出典と参考URL】
◆経済産業省「電子商取引に関する市場調査」
ジェトロ「保税区と輸出加工区の優遇策:中国」
◆2016年中国越境EC顧客研究報告
◆2016年中国越境輸入小売りEC業研究報告

プロフィル
内田 信(うちだ・まこと)
(株)オレンジモール社長。
1960年生まれ。学習院大学法学部法学科卒業、UCLA Anderson School Executive Program修了。大成建設ジョンソン・エンド・ジョンソンメディカルトランスコスモス韓国法人社長、中国法人、香港法人取締役CFO。インデックスアジアパシフィックCFO、フリールCOO。08年から上海欧貝薩企業諮詢管理有限公司創業董事長、15年から株式会社オレンジモールを設立し社長に。
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2016年06月03日 13時30分 Copyright © The Yomiuri Shimbun

2016-06-03 達人たちの横顔。

[]勝利の言葉。 勝利の言葉。を含むブックマーク 勝利の言葉。のブックマークコメント

D
羽生名人相手に若手がタイトルを奪取。
報道にも勝者の一言って多いし、またそうしたヒーローインタビューを自分たちは好む。
けれどスポーツマッチの勝者のインタビューってあまり内容のあるものってあんまりない。(と思う。多分そう簡単に一言で語れるものではないのだ)
それにしても棋界のトップ選手たちのインタビューってどこか似過ぎていておかしい。

多分羽生さんが作った「羽生トーン」ではないかと思うのだが、(以前の年配の棋士たちはもう少し喜怒哀楽を出していたと思う)今の若手は揃って「実感がまだありません」とか「毎局が新鮮でした」とかいう表現で、まあそれが本当のことなのだろうけれど、「してやったり」とか「あれさえなければ自分の勝ち」とか「次は地獄に落としてやる」とかいうサービストークは一切ない。

プロレスと違って、まあ品格ある世界だから当然の礼儀なのかもしれないが、取材部屋の「よもやま話」はよほど面白い。
少しはそんなエッセンスを勝利者インタビューで盛り込むような記者がいても面白いと思うのだが。

このITの時代、囲碁将棋の世界も、いよいよ観戦記の面白さが焦点になってきているのではないだろうか。
羽生さんの今後が楽しみです。

2016-06-02 日常を、歌うように。

[]言葉のタマシイ。 言葉のタマシイ。を含むブックマーク 言葉のタマシイ。のブックマークコメント

純粋経験の哲学 (岩波文庫)

純粋経験の哲学 (岩波文庫)

寸鉄人を刺す、という。
哲学者のウィリアム・ジェームズ。

人間は幸せだから歌うのではない。
歌うから幸せになるのだ。

この言葉と、

心が変われば行動が変わる。
行動が変われば習慣が変わる。

習慣が変われば人格が変わる。
人格が変われば運命が変わる。

この言葉の作者が同一だとは知らなかった。
演繹的だけれど、こういう「色んなものの関係性」を探して言葉にしてみるのも面白い。

冒頭の句では「ふるまい」が自分の「環境」とか「行動」を変える、と読み取れるし、
下の句では結局は「心」が変われば「運命」が変わるということを示している。


自分もこの歳にしてつくづく感じるのは「言葉の力」ということ。
人が使う言葉の影響ってとんでもなく大きいと思う。
その意味で「歌うこと」は重要だ。
ポジティブな考えと言葉遣いに通じている。

自分たちは周囲に起こる事実とか環境から「自分のマインドセット」を決めてしまいがちだ。

当たり前といえばそう。
雨の降る日は気が滅入る、とか。

でも「しとしと降る雨と、その前の新緑と、そして暑い夏」と考えると季節感に富んでいて雨だって楽しめる。

ウィリアム・ジェームズは「心が変われば…」といみじくも仰っているがまさに「心の操り方」というふうに考えると、自分たちの日常のメンタリティにも色々と役に立ちそうである。
自分のメンタルを自分で自由に操る、というと奇妙な感じだが、自分の心くらいは健康に気をつけてあげたいものだと思う

2016-06-01 本当の時代の変わり目。(1)

[]マンモス東芝から見えること。 マンモス、東芝から見えること。を含むブックマーク マンモス、東芝から見えること。のブックマークコメント

力の入った日経ビジネスの記事。

原子力が東芝の意思決定をゆがめる構図は、今も昔も変わらない。
現実を直視しない限り、東芝再生は難しい。

記事を読んでいて「ここ30年のこと」で思い当たるのは「マンモスの最期の話」だ。

巨大化しすぎたマンモスが、ついには自重に耐えられなくなり滅びてゆく。
多分、「マンモスの代謝システム」がその時代に合わなくなったということだ。
会社も同じだろう。

やっぱり「時代が変わった」のだ。

高度成長期の「大規模システム」が完全に機能麻痺を起こしている。

何とかその巨大性に合わせてIFARSだのCOPだのISOだのと色々な枠を作ってはいるものの、その限界に来ているのではないだろうか。

日本は戦後に急速に産業を巨大化させ、欧米を"模倣"してきたから、成長も早かったけれど老化も早い。
「自分で考え、経験しながら作ってきたシステムではない」から、崩れ始めても対処のノウハウがないのだと思う。
だから起業家や日本発の製品メーカーも少ないのだと思う。

模倣は悪いことではないし、今この国は豊かだから「既存のステレオタイプ」からどれだけ早く脱するかが肝になるのじゃないだろうか。
これまでの、いわば"大成功体験モデル"を捨てるのは、高いところから飛び降りるに等しいかもしれないけれど、その見極めが遅ければ火事の現場に巻き込まれてしまうだろう。

時代の変化を実際に感じながら動くのって、現実にはとーーっても大変だけれど「今がそのときかも」というセンスは常に持っておきたいものである。
茹でガエルになるかどうかは自分が決めるのだ。

東芝の「聖域」原子力に隠された不都合な真実
2016/5/31 6:30
日本経済新聞 電子版

日経ビジネス
東芝の不正会計を象徴する「チャレンジ」が、米原子力子会社ウエスチングハウス(WH)でも行われていたことが、日経ビジネスの取材で分かった。

不正会計を調査した第三者委員会は、チャレンジを「過大な目標設定」や「業績改善の指示」などと定義。東芝経営陣がチャレンジの達成を部下に強要したことが、利益水増しの原因だったと指摘している。

日経ビジネスが入手した内部資料によると、WHのCFO(最高財務責任者)だった「T」は2013年7月、日本語と英語で1通の電子メールを送った。メールには、「予算達成」に向けて「チャレンジも織り込む」と書かれていた。受け取ったのは、WH会長だった志賀重範や社長兼CEO(最高経営責任者)のダニエル・ロデリックら40人超。志賀は16年6月、東芝会長に就任する予定の人物だ。

第三者委はWHを巡り、13年度の会計処理で不正があったと指摘。詳しく調べた役員責任調査委員会は、当時の東芝社長だった田中久雄と副社長CFOの久保誠に善管注意義務違反があったと認定した。志賀はこの件で責任を問われていないが「関与者」の一人として名前が挙げられている。志賀は「当時の役割、責任の中できちんと対処したと考えている」とコメントした。

WHは12年度と13年度に単体で計1156億円を減損処理し、2年連続で赤字に陥っていた。しかし東芝は、対外的には原子力事業は「順調」と主張し続けていた。メールが送られたのは、WHが赤字に苦しんでいた時期である。

■減損直後にメールで報告
メールの背景を説明しよう。東芝は06年、約6000億円を投じてWHを買収。15年までに30基以上の原子力発電所を新規受注し、原子力事業の売上高を1兆円に伸ばすと宣言した。だが、11年の東日本大震災で目算が狂う。原発安全神話が崩壊して、新規受注が停滞。経営不振に陥ったWHは12年度の単体決算で約762億円の減損処理を迫られ、赤字に転落した。

WHのCFOだったTが志賀らにメールを送ったのは、減損処理が確定した5日後、13年7月28日のことだ。Tはこう書いた。
「各PLでそれぞれチャレンジも織り込む。予算達成に向けてPLを鼓舞していきたい」

PLはプロダクトラインの略称で事業部門を意味する。WHは当時、「新規建設」や「燃料」など4部門で収益を管理していた。Tが危惧していたのはWHの業績が回復せず、東芝本体に悪影響を及ぼすことだった。Tは東芝副社長の久保に対し、「13年度は東芝(連結)レベルでののれん減損回避が課題」だと、別のメールで報告している。

WHが手掛ける「AP1000」型原発の新規建設プロジェクトではコスト超過が深刻になっていた。さらに、ウラン燃料の売り上げ減とチャレンジ未達が足を引っ張り、13年度は予算達成が難しいとTは分析した。Tは減益の要因を英語で「unachievable challenges for each PLs」と表現している。この状況を打開するには、PLを「鼓舞」する必要があるとTは考えた。

喫緊の課題は資金不足だった。新規建設の不調と「dividend payment (配当支払い)」が根深い問題になっていた。そこでTは、次のような対策を志賀とロデリックに具申した。

「各PLには投資の抑制、インボイスのタイムリーな送付、回収強化、注入抑制、棚卸削減、支払い繰り延べ等チャレンジする」

様々な手法を駆使して資金をかき集めるよう、各PLに求めたのだ。

会計をあずかるCFOの「チャレンジ」が何を意味するか、各PLの担当者が分からなかったはずがない。社長のロデリックや会長の志賀も同様だ。Tがメールを送ったのと同じ時期、東芝の別の部門では、チャレンジという名目で様々な不正会計が続けられていた。

志賀は日経ビジネスの取材に対し、WH会長時代にチャレンジという言葉を「使ったこと、聞いたことはあるが、私自身は達成困難な改善要求をする趣旨で使ったことはない」と述べた。

チャレンジの効果はあったのだろうか。WHは13年度も約394億円の減損処理を余儀なくされ、2年連続で赤字に転落した。

WHでのチャレンジの実態が、なぜ今まで明かされなかったのか。背景には東芝経営陣も含めた隠蔽工作がある。

日経ビジネス15年11月23日号では次のように報じている。東芝の法務部門は第三者委の委員と「謀議」し、WHに対する調査範囲を限定するよう画策した。謀議の内容は、現社長の室町正志や前社長の田中にもメールで伝えられた。

第三者委がWHの問題点にメスを入れ、東芝が連結で計上するのれんの議論に発展すれば、経営危機につながりかねなかったからだ。結果として第三者委は、WHの減損問題を調べていない。つまりWHには、外部の目が入っていない不透明な部分が残されている。

日経ビジネスは15年、WHで減損隠しがあった事実を報道し、問題の再調査を促した。だが東芝の監査委員会委員長の佐藤良二は15年12月、記者会見で「現在の監査委員会の役割ではない」と述べ、再調査の意思がないことを示した。

16年6月、志賀が東芝会長に就任する。指名委員会委員長の小林喜光(三菱ケミカルホールディングス会長)は「過去の解釈よりも、新生東芝になくてはならない人物」だと志賀を評価した。ロデリックも6月、原子力などを所管する東芝社内カンパニーエネルギーシステムソリューション社の社長に昇格する。

社外取締役のみで構成された監査委員会と指名委員会は、「新生東芝」(小林)のカギを握る存在だ。そのいずれもが、WH問題を“過去”のものとして目をつぶろうとしているようだ。

■原発の稼働予定は3年遅れ
東芝は16年4月、WHを含む原子力事業で2600億円を減損処理した。東芝の格付けが低下したことで、WHの資金調達コストが上昇したのが原因だという。一方で室町は「原子力事業の事業性、将来計画に大きな変更はない」と説明。今後15年間で45基の新規受注を目指す方針は変えなかった。

5月3日昼、日経ビジネスなどのインタビューに臨んだロデリックも、極めて楽観的な見通しを示した。
「6月にはインドで少なくとも6基契約できると考えている」
中国は200基の原発を造る計画で、今後5〜10年でこのうち30〜50基を我々が受注できるだろう」
記者団から疑念を呈されても、ロデリックは強気の姿勢を崩さなかった。

取材場所は米ジョージア州オーガスタ郊外にあるボーグル原発3、4号機の建設現場。WHの作業員ら約4000人が働いている。巨額減損を実施しても、原発ビジネスは「順調」だとアピールしたかったわけだ。

1979年スリーマイル島原発事故以降、米国では原発の新規建設が長らく途絶えていた。ボーグル3、4号機は事故後米国内で初となる建設計画だった。だが既に、当初の計画から大幅な遅れが生じている。当初は16〜17年稼働予定だったのが、今では19〜20年へと後ずれ。現在の工事進捗率は20〜30%にとどまっているという。

現場を歩くと、圧力容器やタービンローターといった原発の中核部品が収容されず、別の場所で保管されていた。「米国の建設許諾の仕組みが変わり工事が進められなかったためで、今後は予定通り進む」。横についた東芝の原子力事業担当者は工期が順調であることを強調する。

11年の福島第1原発事故を受け、米原子力規制委員会(NRC)は原発の安全基準を厳格化。結果、格納容器を保護する遮蔽壁などで細かな設計変更が求められるようになり、さらに工期が延びる可能性が出てきた。シェール革命の影響などで天然ガスの価格は下落傾向が続く。工事の遅れは、原発の高いコスト競争力を前提にした利益計画に狂いを生じさせることになる。

海外での大胆な受注計画も大きく崩れる恐れがある。

中国は現在、原発の国産化を進めている。WHの技術をベースに中国で開発された第3世代と呼ばれる新型炉が、国際原子力機関(IAEA)による安全性評価を得るなど、事業化に向けて着実に動き出している。

ロデリックは「我々には実績がある」と胸を張るが、中国が国産技術を袖にして、WHによる大規模受注を容認するとは考えにくい。中国以外の国々でも、今後は安値を武器にする中国勢との競争が激化する。買収以後、WHが受注し建設しているのは8基のみ。思惑通りに受注できる保証はない。

ロデリックが強気を貫く背景には、原発で稼がない限り再生が難しいという苦しい台所事情がある。過去数年間、東芝の利益を支えてきたNAND型フラッシュメモリー変調が覆い隠せなくなってきたからだ。

■主力のメモリーが急減速
スマートフォンの減速が需給バランスをゆがめている」。こう指摘するのは、半導体業界に詳しいIHSグローバル調査部ディレクターの南川明だ。米アップルiPhoneの減産に踏み切ったことも影響し、フラッシュメモリーの価格は下落が続いている。東芝は、17年3月期の「メモリ事業」の営業利益が前期比で8割減ると予測する。

フラッシュメモリーは2年ほど前まで、20%超の営業利益率を誇る東芝の大黒柱だった。ここで稼ぐ巨額の利益を分配することで、メモリー以外の半導体や家電、パソコンといった不振事業を延命させてきたと言えるだろう。

だが今のフラッシュメモリーに、他の事業を支える余裕はない。価格の反転は見込みづらいうえ、先行投資負担が重くのしかかるからだ。

東芝は16年3月18日、今後3年間で8600億円をフラッシュメモリーに投じると発表した。注力するのが、次世代型の「3次元メモリー」だ。

3次元メモリーの量産技術では「韓国サムスン電子が2年ほど先行している」(東芝半導体関係者)。手をこまぬくと、サムスンに圧倒的な差を付けられかねない。当面は厳しくても設備投資を続けることで「市場シェアを確保し、研究開発費を賄っていく」と東芝ストレージデバイスソリューション社社長の森誠一は述べる。

ただし、東芝が巨額の投資を続けるのは難しい。財務体質が脆弱だからだ。

不正会計により、ほぼ全事業で収益力が悪化。白物家電中国企業に売却するなど大規模なリストラに踏み切らざるを得なくなった。医療機器子会社をキヤノンに約6655億円で売却することで一息ついたが、それでも16年3月期は4832億円の最終損失に沈み、自己資本比率は前の期の17.1%からわずか5.8%に落ちた。

この比率は、リーマンショック直後の2009年3月期の7.1%をも下回り、過去最低水準。これに伴って格付けも大幅に低下し、投機的水準と呼ばれるレベルになった。

さらに深刻なのは、リストラをしても収益力が一向に上向かないことだろう。本業の強さを端的に示す営業利益率は12年3月期以降、15年3月期まで1期を除いて1〜2%台。17年3月期は、前述の大規模リストラで1200億円の黒字にV字回復するとしているが、営業利益率はそれでも2.3%とほとんど変わらない。

同業の日立製作所と比較すると、その低収益ぶりは歴然としている。日立の営業利益率は同じ期間中、4〜6%台。東芝はほとんどの期で日立の半分以下の利益率となっているのだ。

■もはや銀行が延命する“ゾンビ
それでも東芝が利益を積み上げて自己資本比率を上げていければいいが、今度は負債の膨張が難題となる。借入金社債の「有利子負債残高」は16年3月期に1兆4517億円に膨らみ、営業CF(キャッシュフロー)に対する倍率は974.5倍にも達した。前期の営業CFで有利子負債を返済するには1000年近くかかることを意味する。悲惨な状況と言わざるを得ない。

注:「 キャッシュフロー(CF)対有利子負債比率」は、営業CFで有利子負債を返済するのに何年かかるかを見る指標。格付けは米スタンダード・アンド・プアーズ。「B」は投機的水準の一つ、2016年5月13日に変更された

負債の膨張は別の問題をはらむ。「財務制限条項」である。金融機関が信用力の低い企業に融資を行う際に付ける条件のことで、企業がその基準を割り込むと即座に債務の返済を求められる。

これが東芝に重くのしかかる。16年3月期の第3四半期報告書には「純資産や営業損益、格付けが、財務制限条項に定める一定水準を下回ると債務返済をする」との趣旨が記載されている。

東芝の財務制限条項は、前期までの融資にも付けられていた。前期末に格付けが投機的水準に下げられた時点で、負債の返済を迫られてもおかしくないはずだが、その形跡はない。銀行と東芝との間で、返済の繰り延べ交渉を行ったとみるのが自然だ。

「リストラをしても収益力は上がらないが、融資が巨額すぎ、取引先・従業員も膨大な数に上る。融資の即時返済を迫れば、東芝が行き詰まるのは確実だけに、実行できなかった」というのが銀行の本音だろう。東芝は銀行によって延命させられている“ゾンビ”企業とさえ言えそうな状態である。

不正会計の発覚から1年が経過し、東芝の外見は大きく変わった。

不正を主導した歴代3社長は引責辞任に追い込まれた。複数の事業が切り売りされ、1万人超の従業員がリストラの憂き目に遭った。長年の懸案だったWHののれん問題は、2600億円を減損処理することで一定のめどをつけた。


16年6月には、事業売却を主導した綱川智が社長に就任し、新体制が発足する。綱川は「しがらみのない合理的な経営判断を行い、自由闊達な雰囲気を作り出す」と抱負を語った。構造改革が一段落したのを機にトップ人事を刷新することで、一連の不正会計問題に幕を引きたいわけだ。

ただし東芝内部には今も“聖域”が残されている。
日経ビジネスが繰り返し述べてきたように、WHの買収こそが不正会計の原点だ。巨費を投じたWHが想定通りに稼げなくなったため、複数の事業部門が利益の水増しに手を染めた。WH内部でも「チャレンジ」が求められていた。にもかかわらず東芝は、原子力事業は「順調」と主張し続けてきた。

赤字事業を整理する過程でも、WHは守られてきた。室町は「売れる事業は売る」と宣言し、家電やテレビなどを次々と俎上(そじょう)に載せてきた。一方、累積赤字に陥っていたWHの売却は話題にすらならなかった。

■グレーな経歴より「国策」重視
2600億円の減損に踏み切っても東芝のスタンスは変わらない。WHのロデリックは強気の発言を繰り返し、志賀は「原子力事業全体としては現在も収益力は十分にある」と述べた。

東芝社内では今なお、原子力の未来は「バラ色」なのだ。志賀が会長に昇格する人事も、この延長線上にある。指名委員長の小林は「若干グレーだと思われているが、原子力という国策的な事業をやるうえで、余人をもって代えがたい」と志賀を評した。

不正会計との決別姿勢を示す絶好の機会に、あえて「グレー」な人物を会長として選んだ意味は重い。対外的なイメージが多少損なわれても、原子力ビジネスを重視したわけだ。小林が言うように原子力は「国策」である。東芝はそこに寄り添うと決めたのだろう。

 原子力が東芝の意思決定をゆがめる構図は、今も昔も変わらない。現実を直視しない限り、東芝再生は難しい。
(日経ビジネス 小笠原啓、林英樹、主任編集委員 田村賢司、坂田亮太郎)
[日経ビジネス 2016年5月30日号の記事を再構成]

2016-05-31 本当の変化の予兆。

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f:id:why-newton:20160531013758j:image
日経の良記事。

ITが影響する世界が本当に変わったものだ、などといっていると本物の年寄りのような気分になってくるけれど、それにしても"ずーっとそんな変化の中"にいながら「こんなことにも気づかなかったのか」という感じがしてしようがない。

でもこの感覚は「五年前くらい前にはなかった」ので(まあ自分が急激に年をとった、ということかもしれないけれど)恐らくはそういう「かつてない変化の大波」がこれからやってくるのに違いない。

もう業界に入って三十年になるけれど、これまでの自分のITに関する感覚は「柔軟にソフトを使う便利な道具」の域を超えなかった。それが

ITは従属的に使うものではなく「IT自身が何かを切り開いてゆく」という感じに変わった。

予想以上の波が来る、というのは自然災害同様、事前には想像しづらいものだが、視点を変える思考は重要だ。

「IT(情報技術)だけでは足りません。インターネットクラウドモバイルを通したコミュニケーションが富を生み出しているのです。『C』のためのITなのです。(中略)逆に言うと、未来を変えている印象がないと、富を生み出せないということですね

何か重要なヒントのような気がする。

「ヒト・データ・キカイ」 AI時代の経営資源 ヤフー安宅和人チーフストラテジーオフィサー(CSO)

2016/5/11 6:30
ニュースソース
日本経済新聞 電子版
 米グーグルが「モバイルファーストからAI(人工知能)ファーストへと移行する」と4月末に宣言するなど、AIは社会に溶け込みつつある。急速に進むAIによる変化に、我々はどう対応すればいいのか。人工知能の技術動向に詳しいヤフーの安宅和人チーフストラテジーオフィサー(CSO)は、「ヒト・モノ・カネの経営から脱却し、AIとビッグデータで未来の変化を生み出せなければ未来はない」と後れを取る日本に警鐘を鳴らす。

――グーグルのAI「アルファ碁」が人間のプロ棋士に勝ちました。

ヤフーでビッグデータ活用を含む全社戦略などを担当する安宅和人(あたか・かずと)CSO。東京大学大学院生物化学専攻で修士号、米イエール大学神経科学プログラムで博士号を取得。マッキンゼー・アンド・カンパニーに11年余り勤務し、飲料・小売り・ハイテクなどの企業を担当する。2008年にヤフー入社、2012年より現職
ヤフーでビッグデータ活用を含む全社戦略などを担当する安宅和人(あたか・かずと)CSO。東京大学大学院生物化学専攻で修士号、米イエール大学脳神経科学プログラムで博士号を取得。マッキンゼー・アンド・カンパニーに11年余り勤務し、飲料・小売り・ハイテクなどの企業を担当する。2008年にヤフー入社、2012年より現職

 「今までのAIでは困難だった“局面を読む”能力が、劇的に高くなったことがポイントです。そのブレイクスルーを引き起こしたのが深層学習(ディープラーニング)などの新しい手法になります。プロの解説者も困惑する人間には考えられない手でも、局面を正しく読んでいるから勝ってしまうわけです」

 「もともと瞬時の情報処理は機械の得意分野です。膨大なコンピューティングパワーとデータを組み合わせられたら当然勝てません。そんなものと人間が戦っていること自体がおかしいのです。相撲の横綱ブルドーザーと戦って『ブルドーザー強えよ』と驚いているようなものです。いやいや当たり前じゃないかという話です」

■生命に近づくAI

――今後AIは社会でどんな用途に使われていくでしょうか。

 「AIは単独ではなく、膨大な量のビッグデータと組み合わせることで大きな意味が出てきます。『AI×データ』で生み出される用途は『識別』『予測』『実行』の3つです」

 「『識別』は機械がものすごく得意とする分野です。写真や動画から物体を識別するといったもので、囲碁の局面を読むのもそうです。データさえ与えれば、信じられない早さで正確に処理します。大量のカメラからリアルタイムで送られてきた映像を分析して挙動不審な人を検出したり、銀行で送金や決済のデータから詐欺を発見したりするといった応用ができます」

 「『予測』も、すでに多くの場所で使われています。代表的なのが、キーワード検索で候補文字列が出てくるアシスト機能や、広告のマッチング機能です。金融機関が数値を分析して、この人は破産する可能性が高いといった予測もできます」

 「3つめの『実行』は、手の動きなど行動を自動化する用途です。工場で使われる組み立て作業や、病院で手術をするロボットなどです。映画の『スター・ウォーズ』ではロボットが手術しています。ミクロン単位の手術のような、人間の医者では神の手といわれるような動きは、機械にやってもらうのがいいわけです」

脳神経科学を専門としていた安宅氏は、AIが果たす役割の中で「識別」「予測」は大脳、「実行」は小脳の機能に該当すると説明する
脳神経科学を専門としていた安宅氏は、AIが果たす役割の中で「識別」「予測」は大脳、「実行」は小脳の機能に該当すると説明する

 「私がかつて専門としていた脳神経科学で説明すると『識別』や『予測』は人間の大脳に当たります。また、脳神経細胞の7〜8割が集まる小脳でつかさどる手の動きや行動を制御するのが『実行』に相当します」

 「これらに加え、サイバー攻撃から系を守るための『免疫』、神経や内臓をうまく連携させて体のバランスをうまく保つ『腹の調節機能』のAIも今後必要とされるでしょう。こうした機能によって、生命に近づこうとしているんだと思います」

■人間の仕事はなくならない

――AIに人間の仕事が奪われると恐れる人もいます。

 「工場の作業や車の運転といった機械が得意な一部の仕事はAIに置き換わるかもしれませんが、過度の心配は必要ありません。過去もそうだったように、人間は別のことをするようになるからです」

 「車が登場して馬車が消滅し、馬車の御者という仕事はなくなったかもしれません。でも、その人は車の運転手になったかもしれないし、車工場で板金をしていたかもしれません。車が普及するにつれて、部品メーカーや修理屋や販売店などを含む巨大産業へと成長したわけです。同様に、完全自動運転の車が登場すれば、シェアリング関連など大量のサービス業が次々と生まれてくるはずです」

 「マッキンゼーの研究では、現在存在する仕事でAIに完全に置き換わるものはわずか5%にすぎません。多くの仕事で必要とされる意思決定や目標設定などの重要な要素は、AIに置き換えられないからです」

■ICTが富を生み出す

――AIを活用する仕事は社会にどのように浸透していきますか。

 「まだ機械学習やAIが浸透し始めた段階に過ぎません。経済産業省の会合などではこの状態をフェーズ1と位置づけています。今から10年後くらいに恐らくフェーズ2に突入するでしょう。モーターが発明されたことを土台にさまざまな機械や家電が発展していったように、機械学習やAIがあるという前提で新しいモノが作り出される時代です。その後は、都市全体や鉄道などインフラを包括するような非常に複雑なシステムがAIを取り込んでいくフェーズ3に入っていきます」

 「今議論すべきことはフェーズ2や3を引き起こす人間をいかに作り出すかです。それに取り組まずに放置すれば、海外の人たちに食いつぶされる立場に追い込まれる可能性があります。フェーズ1は米国のほか英国カナダの一部が突っ走っていますが、次以降のフェーズで日本がそれをやらなければいけません」

――日本はどう挽回していけばいいのでしょうか。

 「現在は富の生まれ方が変わってきています。世界的な企業の時価総額ランキングを見ると、1位が米アップルで、次がグーグルを傘下に持つ米アルファベットです。そのほかの上位にはマイクロソフトフェイスブックアマゾンが入っています。ここから、もはやICT(情報通信技術)しか富を生み出せない時代になりつつあることが読み取れます」

 「IT(情報技術)だけでは足りません。インターネット、クラウド、モバイルを通したコミュニケーションが富を生み出しているのです。『C』のためのITなのです。ランキング上位の会社は、明らかに生み出している富よりも巨大な時価総額を集めています。つまり、未来の大きな成長への期待感で富が回っているわけです。逆に言うと、未来を変えている印象がないと、富を生み出せないということですね」

ICTで未来の成長感を生み出している企業が富を集積できる時代になったと説明する安宅氏
ICTで未来の成長感を生み出している企業が富を集積できる時代になったと説明する安宅氏

 「日本の国内総生産(GDP)を見ても、ICT産業がなければ、マイナスになってしまいます。多くの日経の読者の皆さんにはあまりうれしくない世界かもしれませんが、ICTで未来の成長感を生み出しているヒトとそうじゃないヒトで富の集積が分かれているという真実を直視すべきです」

■「ヒト・モノ・カネ」から「ヒト・データ・キカイ」

――ICTのユーザーを囲い込むプラットフォーム競争に勝てばいいのでしょうか。

 「プラットフォームがなくても、未来を変えられる期待感があればいいのです。囲碁で勝った英ディープマインドだって、技術しか持っていないのにグーグルが5億ドルで買収しました。トヨタ自動車ファナックと協力してAIを研究しているベンチャー企業のプリファード・ネットワークス(PFN、東京千代田)だって何百億円もの価値があるはずです」

 「ヒト・モノ・カネを経営資源としてきた日本の企業は、率直に言うと思考が遅れています。我々のようなインターネット業界ではヒト・データ・キカイを重視しています。高度な技術を持つヒトと、適切な答えを導き出すために使う大量のデータ、さらに瞬時に情報を返すための機械学習を実行するためのキカイが必要とされます」

 「製造業などヒト・モノ・カネで動いてきた従来の日本企業が立ち止まってしまうと、その将来は暗いでしょう。自動運転車に取り組んでいるトヨタなどは『データ・キカイ』に踏み込んで未開領域を切り開こうとしています。それが今、日本の中で起きつつある変化です」

■現代人の武器はデータ処理能力

――今後の目標は。

 「日本がICTを核に未来の変化を生み出せているかと考えると、現状では危ういと思っています。既に何周か遅れており、富が生みだされなくなりつつあります。このまま行くと使われる側になりかねない」

 「ローマ時代に自由人と奴隷を切り分ける武器として『リベラルアーツ』という言葉がありました。そのために論理学や修辞学があったわけです。今後使われる側、つまりローマ時代の奴隷のようにならないためには、強いデータリテラシーを持つ必要があります。そうした力を持つ人を育成し、社会的に力を持てるようにすることが重要です」

 「そのためにヤフー社内はもちろん、国や社会に対するエバンジェリスト(伝道師)であり続けたいと考えています。政府審議会委員会に参加しつつ、データサイエンティスト協会も最初の発起人の一人として立ち上げました。慶応大学湘南藤沢キャンパス(SFC)でデータリテラシーの寄付講座も始めました。今後大きな変化が起きる10〜15年後に、あれをやっておけば良かったと後悔したくない一心で動いています」

(聞き手はコンテンツ編集部 松元英樹)

2016-05-30 シェアの魔力。

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コミュニケーションを制するものが富を生む』、を地でゆく"民泊"。
"民タク"同様に既存事業を覆すに違いない。

タクシーはともかく、もうこうなって一泊何万円もする高級ホテルに(あえて)泊まりたい人は一体どれほどいるのだろうか。
これまでの観光客の「需給バランス」に胡座をかいていた業者はこれから厳しい試練にさらされることになる。

一般のマンションなどでは「民泊禁止」を謳うところが増えてきているようだが、確かに「シェアは単なるビジネス」と捉えるなら「行きすぎたシェア」は生活に不都合なこともあるだろう。
住み慣れた自分の街に、場合によっては犯罪者が入り込まないとも限らない。

ただし、シェアの根底には"社会参加意識"がある。
海外にホームステイして、思いの外シニアの夫婦に暖かく迎えられた経験をした人は多いだろう。

シェアはやっぱりいいことで「人様の役に立つ」という気持ちが働く。
結局は、エントリーの条件を多少上げてでも「全面的にシェア推奨」の時代が間もなく来るのではないだろうか。

旅行業とか、宿泊業とか、運送業とか、これまで「情報の壁」で守られてきた業界は、これからは外界の荒波に晒されることになる。
けれど、またそこに新しい商機も待っていると思う。

将来は個人的な「旅行のコーディネーター」とか、「観光コンサルタント」が増えていくのではないだろうか。
まだまだこの分野は伸び代だらけではないだろうか。

民泊営業「年180日以下」 全面解禁へ規制改革会議が答申

 政府の規制改革会議(議長・岡素之住友商事相談役)は19日、80項目の規制緩和策を盛り込んだ答申をまとめ、安倍晋三首相に提出した。一般住宅に旅行者らを有料で泊める民泊を全面解禁する方針を示す一方、営業日数上限を「年180日以下」とする条件を打ち出した。政府内で具体的な上限値を詰めて2016年度中の法整備をめざす。(関連記事総合2面、答申要旨経済面に)

 項目数は昨年から約100減った。首相は会合で「岩盤規制突破のドリル役として広範な提言をもらった。確実に実行し、国民一人ひとりが改革の成果を感じられるよう仕上げていく」と述べた。政府は答申内容を盛り込んだ規制改革実施計画を今月末に閣議決定する。

 民泊では、いまは禁じている住宅地での営業を容認。届け出制とし、住宅提供者ら施設管理者には宿泊者名簿の作成や衛生管理を義務付ける。営業日数の上限は年90泊の英国や年60泊のオランダなどの例を参考にし、90〜180日の間で調整が進む可能性が高い。

 農協団体がほぼ独占する生乳の流通制度は「抜本的改革を検討」と明記した。国が指定した指定団体以外に生乳を出荷する酪農家にも、補助金を公平に配る仕組みを念頭に置く。3月末の原案にあった「指定団体制度の廃止」の文言は、農業団体などの反発で削除。制度設計は7月の参院選後に先送りする。

 トラクター肥料など農業資材の価格引き下げも明記。公正取引委員会が資材販売をめぐる独占禁止法の情報を受け付ける通報窓口を置く。調査部署も新設する。

 急増する訪日外国人向けには、通訳案内士の国家資格がなくても観光ガイドの報酬を得られるよう法改正を盛り込んだ。

 サービスの質を確保する対応策を講じ多様で安価なガイドの普及を促す。