藤野の散文-初鶏、鶯、花曇り このページをアンテナに追加 RSSフィード

2017-01-23 孫のクレジットカード。(2)

[]選挙は人のためならず。 選挙は人のためならず。を含むブックマーク 選挙は人のためならず。のブックマークコメント

60年代には11人で一人の年寄りを支えていた年金が、今は騎馬戦に例えられ2.3人で一人を支える。
まもなく「肩車」というのは笑えない冗談だ。

選挙の一票を入れるときに感じる無力感。
だけど選挙には行くべきだ。

欧州ではこう教えるそうです。
メディアの事前予想をみて、予想が自分の考えと違うなら、投票所に行き、別の候補に入れなさい」と。
棄権や白票政治不信の意思表示ではない。
有力候補に票を入れるのと同じだという教えです。

消極姿勢は「むしろ積極票になっている」ということ。
無責任に政治の無策を嘆くのなら、あえて投票することしかない。

the power comes from inside
(すべては一人ひとりの意欲から始まる)
by カルロス・ゴーン


(2016参院選)孫のクレジットカード 出口治明さん、島澤諭さん、水無田気流さん

2016年7月9日05時00分

 増税は延期になって良かったけれど、年金や手当はちゃんと貰(もら)いたいというのが私たちの実感だろう。その内実は「孫のクレジットカード」頼みであることを我々は忘れていないだろうか。

 ■お年寄り優先見直すべき 出口治明さん(ライフネット生命保険会長)

 戦後71年がたち、この状態の日本を次世代に渡していくのが、ものすごく不安です。

 僕自身、孫が2人います。孫の顔を見るたびに、少なくともある程度まで税金を上げないと、この子たちにあわす顔がないな、と思います。

 このままでは僕の孫世代が成人する頃には、本来、彼らが使うはずの自分たちの税金の3〜4割が、祖父母世代に勝手に使いこまれていたことになりかねないからです。

 ただ、人間はいい加減で、あほな動物です。増税と聞けば、みな「いやだ」という。

 4年前、自民公明と当時の民主(現・民進)の3党が「社会保障と税の一体改革」で合意したのは税を政争の具にしない知恵でした。結局、今回の参院選を前に3党合意は再び棚上げされ、消費増税先送りに流れてしまった。

 でもこれは、歴史の審判に耐え得るんだろうか。そう思わざるをえません。そのことはドイツと比較するとよく分かります。

 ドイツと日本は戦後、ともに敗戦国として出発しました。ドイツでは、「いまの国民が負担している以上の給付はできない」という当たり前の原則を市民が理解し、いまや財政黒字を出している。

 かたや日本は、税と社会保障という「負担と給付」のバランスが明らかに崩れ、国の借金総額が国内総生産(GDP)の2倍を超えています。将来世代にしわ寄せがいくことが明らかなのに、孫名義のクレジットカードで不足を払っているようなものです。

 どうすべきか。社会保障の給付では、お年寄り最優先の「敬老原則」を見直すべきでしょう。現在の年金・医療保険制度の原型ができた1960年代初頭、お年寄り1人をサッカーチーム(11人)で支えていました。いまは3人でかつぐ騎馬戦も組めない、2・3人での支援です。

 もう年齢で区分けした一律給付は時代にそぐわない。むしろ、本当に困っている人、例えばひとり親世帯への支援などに切り替えたほうが、よほど社会のためになります。

 負担の面でも、お年寄りも加わった互いの支えあいが必要です。それには消費税しかないと私は思います。所得税増税は働く現役世代に負担が集中します。高齢化が一足早く始まった欧州は、それがよくわかっているから高い付加価値税をとっているのです。

 まずは選挙にいき、いい政府を選ぶことです。欧州ではこう教えるそうです。「メディアの事前予想をみて、予想が自分の考えと違うなら、投票所に行き、別の候補に入れなさい」と。棄権や白票は政治不信の意思表示ではない。有力候補に票を入れるのと同じだという教えです。日本でもこの常識をもっと広げないといけません。政府は僕たち市民が作るものですから。

 (聞き手・田中郁也)

 でぐちはるあき 48年生まれ。日本生命を退職後、08年にライフネット生命保険開業。著書に「日本の未来を考えよう」など。

 ■若者は投票しないと損 島澤諭さん(中部圏社会経済研究所 経済分析・応用チームリーダー)

 先日、消費税率の10%への引き上げが再延期され、多くの人はほっとしました。引き上げ予定幅だった2%分、年5・6兆円の税金を払う必要がなくなりましたが、年金などの給付は変わりません。

 財源不足を埋めるのは実質的に借金です。借金を支払うのは、まだ生まれてきていない子や孫たち将来世代です。

 引き上げ再延期で、生まれていない子や孫の負担が1人当たり56万円増えました。

 いまの日本政府は、年間ざっと96兆円のお金を使っています。私たちが税金として払っているのは55兆円。37兆円は、借金(国債)で賄っています。国債の多くは60年かけて分割払いをしていくので、30年、40年後に生まれる孫やひ孫に払ってもらう形です。

 「孫の名義のクレジットカード」を次々と作り、使いまくっている状態です。将来にツケを回し、未来を奪うオレオレならぬ「ワシワシ詐欺」です。世代会計という推計を使うと、今後生まれてくる子は1人当たり8800万円を返済しなければなりません。この状態を一部の経済学者は「財政的幼児虐待」と呼び、日本は先進国で最悪です。

 いま生きている世代の中でも大きな格差があります。

 70歳の人は3320万円、20歳の人は4110万円。「一生の間に国や自治体に払うお金(税金や保険料)」から「一生で国や自治体からもらえるお金(社会保障の受給額)」を差し引いた数字、要は国や自治体への「払い損」の額です。差は800万円だけと思うかも知れませんが、元手となる生涯所得は70歳が3億6千万円、20歳は1億9千万円で約半分。「払い損」の負担感は全く違います。

 ただ、まだ生まれていない将来世代からすれば、今の年寄りも若者も負担をツケ回す同じ穴の狢(むじな)。将来世代の負担を減らすにはいま、給付を減らす必要があると思います。

 しかし、生活が苦しいお年寄りもたくさんおり、一律の給付削減は困難です。だからこそ、富裕層への給付を収入に応じて削減する方式を提案します。給付は若い世代からの仕送りなのですから、経済的に余裕がある人への仕送り額が減るのは道理です。

 もう一つの方策は、資産課税の強化です。富裕層に、一部を相続税課税強化などの形で返還してもらうのです。

 世代ごとの投票率の動きで税負担がどう変わるのかを、国政選挙とその後の国債発行額に基づいて分析しました。20〜30代の若年世代の投票率が1%下がると、この世代の将来の税負担額が1人当たり毎年5万4千円増加。60歳以上の世代の投票率が逆に1%上がると、若年世代の税負担額が1人当たり毎年2万8千円増えていました。若者は、投票しないと損をすることを知っておくべきです。

 (聞き手・畑川剛毅)

 しまさわまなぶ 70年生まれ。経済企画庁秋田准教授、総合研究開発機構主任研究員などを経て、昨年から現職。

 ■増税より女性議員に期待 水無田気流さん(社会学者詩人

 2014年に消費税を5%から8%に上げた後の結果は惨憺(さんたん)たるものでした。増収分は「すべて社会保障の充実と安定化に充てる」はずだったのに、15年度予算の約8兆円もの税収増のうち、社会保障の充実に回されたのは1・35兆円程度でした。

 対国内総生産(GDP)比でみた家族関係支出は1%程度で、福祉先進国の3〜4%と比べて貧相なまま。政権は家族の互助を強調していますが、単身世帯の増加で「家族という含み資産」の恩恵を得られる人は減少しています。

 この構図のまま消費税が10%に引き上げられても、問題は解決しないことが予想されるため、私はさらなる消費増税には慎重です。そもそも消費税は、教育費などの支出が増える子育て世帯には相対的に負担が重い。今後どれぐらい税金を払ったら、いくらを少子化対策に使うのかということをまずは明確にしてもらうこと、それが先決です。

 将来世代への投資は大きなリターンにつながる可能性があります。子供の貧困を放置すれば、15歳の1学年だけでも経済損失は約2・9兆円となり国の財政負担は約1・1兆円増えるとの試算もあります。将来正規雇用に就きにくくなったり、公的扶助に頼る人が増えたりするためです。

 グローバル化でどの国も新自由主義的な傾向の影響を受けるなかで、一番の弱者は生まれる環境を選べない子どもです。だから、たとえ貧困世帯に生まれた子供でも、政府が支援して少なくともスタート地点を平等にすべきです。

 しかし、いま私たちが目の当たりにしているのは、アベノミクスのもとでの格差拡大です。米経済誌が調べた日本の資産家上位40人の総資産は15年、3年前の1・78倍に当たる13兆6千億円に達しました。年間の法人税収約11兆円を超えたのです。所得再分配が効いていません。租税回避は厳しく取り締まると共に、国際金融取引への課税などを通じた所得移転が必要です。

 将来世代のことを考えた政策を実現するためのアイデアですか? 私は一番直接的で、現実的な効果をもたらすのは、女性議員を増やすことだと思います。改選前の参院の女性議員の割合は15・8%です。女性議員が3割を超えると、政策の重要項目や意思決定プロセスが変化するといわれています。女性有権者の意見がくみ上げられやすくなる効果も期待できます。

 今、この国で問われているのは社会保障制度から雇用・家庭・地域生活のあり方に至る総合的な「持続可能性」です。男性は自分の退職後のことすら考えていない人が多いですが、女性は孫の世代のことまで長期的な視座から自然に考える傾向が強い。次世代を考えた施策の打ち出しに適していると思います。

 (聞き手・北郷美由紀)

 みなしたきりう 70年生まれ。国学院大教授。著書に「『居場所』のない男、『時間』がない女」など。06年に中原中也賞。

2017-01-22 孫のクレジットカード。(1)

[]税金の百年問題。 税金の百年問題。を含むブックマーク 税金の百年問題。のブックマークコメント

一律給付廃止、資産課税、敬老原則。
これから高齢化が進む日本はひたすら『不安心理』に包まれている。
実はそれほどでもないのに。
株式相場がそう言われるように「心理効果」というのは恐ろしい。

現実がどうあれ「イメージが事実を支配」することがある。

バーチャルではない怖い話だ。

権利を有する自分たち年寄りが「もらうもんはもらう」と言ってしまえば、先はない。
若者は黙って俯(うつむ)いてしまうだろう。

自分は最近気がついたのだが、月に十万円程度の生活費があれば「さほど惨めにならずに」一月を過ごせる。
住み家はできれば確保しておきたいところだけれど。
そんなに「老後の三千万」とか「介護や入院費でさらに何千万」とかいうのはちょっと囃しすぎではないだろうか。

税金を富裕層から取る、というから富裕層は逃げる。
法人も海外に行く。
けれどある資産家は私財のほとんどを寄付したりもする。

全ては安心感の問題だろうか。
だとすれば「安心させてくれるもの」を与えれば良い。

誰もが「あの世」に財産を持っていけるとは思っていない。

「不安」が際限なく膨れ上がることでの悪循環を"政治"が断ち切らねばならないのではないだろうか。

政治家は訴求するポイントがズレていると思えて仕方ないのだ。

(2016参院選)孫のクレジットカード 出口治明さん、島澤諭さん、水無田気流さん

2016年7月9日05時00分

 増税は延期になって良かったけれど、年金や手当はちゃんと貰(もら)いたいというのが私たちの実感だろう。その内実は「孫のクレジットカード」頼みであることを我々は忘れていないだろうか。

 ■お年寄り優先見直すべき 出口治明さん(ライフネット生命保険会長)

 戦後71年がたち、この状態の日本を次世代に渡していくのが、ものすごく不安です。

 僕自身、孫が2人います。孫の顔を見るたびに、少なくともある程度まで税金を上げないと、この子たちにあわす顔がないな、と思います。

 このままでは僕の孫世代が成人する頃には、本来、彼らが使うはずの自分たちの税金の3〜4割が、祖父母世代に勝手に使いこまれていたことになりかねないからです。

 ただ、人間はいい加減で、あほな動物です。増税と聞けば、みな「いやだ」という。

 4年前、自民公明と当時の民主(現・民進)の3党が「社会保障と税の一体改革」で合意したのは税を政争の具にしない知恵でした。結局、今回の参院選を前に3党合意は再び棚上げされ、消費増税先送りに流れてしまった。

 でもこれは、歴史の審判に耐え得るんだろうか。そう思わざるをえません。そのことはドイツと比較するとよく分かります。

 ドイツと日本は戦後、ともに敗戦国として出発しました。ドイツでは、「いまの国民が負担している以上の給付はできない」という当たり前の原則を市民が理解し、いまや財政黒字を出している。

 かたや日本は、税と社会保障という「負担と給付」のバランスが明らかに崩れ、国の借金総額が国内総生産(GDP)の2倍を超えています。将来世代にしわ寄せがいくことが明らかなのに、孫名義のクレジットカードで不足を払っているようなものです。

 どうすべきか。社会保障の給付では、お年寄り最優先の「敬老原則」を見直すべきでしょう。現在の年金・医療保険制度の原型ができた1960年代初頭、お年寄り1人をサッカーチーム(11人)で支えていました。いまは3人でかつぐ騎馬戦も組めない、2・3人での支援です。

 もう年齢で区分けした一律給付は時代にそぐわない。むしろ、本当に困っている人、例えばひとり親世帯への支援などに切り替えたほうが、よほど社会のためになります。

 負担の面でも、お年寄りも加わった互いの支えあいが必要です。それには消費税しかないと私は思います。所得税増税は働く現役世代に負担が集中します。高齢化が一足早く始まった欧州は、それがよくわかっているから高い付加価値税をとっているのです。

 まずは選挙にいき、いい政府を選ぶことです。欧州ではこう教えるそうです。「メディアの事前予想をみて、予想が自分の考えと違うなら、投票所に行き、別の候補に入れなさい」と。棄権や白票政治不信の意思表示ではない。有力候補に票を入れるのと同じだという教えです。日本でもこの常識をもっと広げないといけません。政府は僕たち市民が作るものですから。

 (聞き手・田中郁也)

 でぐちはるあき 48年生まれ。日本生命を退職後、08年にライフネット生命保険開業。著書に「日本の未来を考えよう」など。

 ■若者は投票しないと損 島澤諭さん(中部圏社会経済研究所 経済分析・応用チームリーダー)

 先日、消費税率の10%への引き上げが再延期され、多くの人はほっとしました。引き上げ予定幅だった2%分、年5・6兆円の税金を払う必要がなくなりましたが、年金などの給付は変わりません。

 財源不足を埋めるのは実質的に借金です。借金を支払うのは、まだ生まれてきていない子や孫たち将来世代です。

 引き上げ再延期で、生まれていない子や孫の負担が1人当たり56万円増えました。

 いまの日本政府は、年間ざっと96兆円のお金を使っています。私たちが税金として払っているのは55兆円。37兆円は、借金(国債)で賄っています。国債の多くは60年かけて分割払いをしていくので、30年、40年後に生まれる孫やひ孫に払ってもらう形です。

 「孫の名義のクレジットカード」を次々と作り、使いまくっている状態です。将来にツケを回し、未来を奪うオレオレならぬ「ワシワシ詐欺」です。世代会計という推計を使うと、今後生まれてくる子は1人当たり8800万円を返済しなければなりません。この状態を一部の経済学者は「財政的幼児虐待」と呼び、日本は先進国で最悪です。

 いま生きている世代の中でも大きな格差があります。

 70歳の人は3320万円、20歳の人は4110万円。「一生の間に国や自治体に払うお金(税金や保険料)」から「一生で国や自治体からもらえるお金(社会保障の受給額)」を差し引いた数字、要は国や自治体への「払い損」の額です。差は800万円だけと思うかも知れませんが、元手となる生涯所得は70歳が3億6千万円、20歳は1億9千万円で約半分。「払い損」の負担感は全く違います。

 ただ、まだ生まれていない将来世代からすれば、今の年寄りも若者も負担をツケ回す同じ穴の狢(むじな)。将来世代の負担を減らすにはいま、給付を減らす必要があると思います。

 しかし、生活が苦しいお年寄りもたくさんおり、一律の給付削減は困難です。だからこそ、富裕層への給付を収入に応じて削減する方式を提案します。給付は若い世代からの仕送りなのですから、経済的に余裕がある人への仕送り額が減るのは道理です。

 もう一つの方策は、資産課税の強化です。富裕層に、一部を相続税課税強化などの形で返還してもらうのです。

 世代ごとの投票率の動きで税負担がどう変わるのかを、国政選挙とその後の国債発行額に基づいて分析しました。20〜30代の若年世代の投票率が1%下がると、この世代の将来の税負担額が1人当たり毎年5万4千円増加。60歳以上の世代の投票率が逆に1%上がると、若年世代の税負担額が1人当たり毎年2万8千円増えていました。若者は、投票しないと損をすることを知っておくべきです。

 (聞き手・畑川剛毅)

 しまさわまなぶ 70年生まれ。経済企画庁秋田准教授、総合研究開発機構主任研究員などを経て、昨年から現職。

 ■増税より女性議員に期待 水無田気流さん(社会学者詩人

 2014年に消費税を5%から8%に上げた後の結果は惨憺(さんたん)たるものでした。増収分は「すべて社会保障の充実と安定化に充てる」はずだったのに、15年度予算の約8兆円もの税収増のうち、社会保障の充実に回されたのは1・35兆円程度でした。

 対国内総生産(GDP)比でみた家族関係支出は1%程度で、福祉先進国の3〜4%と比べて貧相なまま。政権は家族の互助を強調していますが、単身世帯の増加で「家族という含み資産」の恩恵を得られる人は減少しています。

 この構図のまま消費税が10%に引き上げられても、問題は解決しないことが予想されるため、私はさらなる消費増税には慎重です。そもそも消費税は、教育費などの支出が増える子育て世帯には相対的に負担が重い。今後どれぐらい税金を払ったら、いくらを少子化対策に使うのかということをまずは明確にしてもらうこと、それが先決です。

 将来世代への投資は大きなリターンにつながる可能性があります。子供の貧困を放置すれば、15歳の1学年だけでも経済損失は約2・9兆円となり国の財政負担は約1・1兆円増えるとの試算もあります。将来正規雇用に就きにくくなったり、公的扶助に頼る人が増えたりするためです。

 グローバル化でどの国も新自由主義的な傾向の影響を受けるなかで、一番の弱者は生まれる環境を選べない子どもです。だから、たとえ貧困世帯に生まれた子供でも、政府が支援して少なくともスタート地点を平等にすべきです。

 しかし、いま私たちが目の当たりにしているのは、アベノミクスのもとでの格差拡大です。米経済誌が調べた日本の資産家上位40人の総資産は15年、3年前の1・78倍に当たる13兆6千億円に達しました。年間の法人税収約11兆円を超えたのです。所得再分配が効いていません。租税回避は厳しく取り締まると共に、国際金融取引への課税などを通じた所得移転が必要です。

 将来世代のことを考えた政策を実現するためのアイデアですか? 私は一番直接的で、現実的な効果をもたらすのは、女性議員を増やすことだと思います。改選前の参院の女性議員の割合は15・8%です。女性議員が3割を超えると、政策の重要項目や意思決定プロセスが変化するといわれています。女性有権者の意見がくみ上げられやすくなる効果も期待できます。

 今、この国で問われているのは社会保障制度から雇用・家庭・地域生活のあり方に至る総合的な「持続可能性」です。男性は自分の退職後のことすら考えていない人が多いですが、女性は孫の世代のことまで長期的な視座から自然に考える傾向が強い。次世代を考えた施策の打ち出しに適していると思います。

 (聞き手・北郷美由紀)

 みなしたきりう 70年生まれ。国学院大教授。著書に「『居場所』のない男、『時間』がない女」など。06年に中原中也賞。

2017-01-21 逆転の発想。

[]この発想を、医療に。介護に。お仕事に。 この発想を、医療に。介護に。お仕事に。を含むブックマーク この発想を、医療に。介護に。お仕事に。のブックマークコメント

先日お会いした会社の社長さんは「会社のメールアドレスは一つだけ」とのこと。
今の時代に、と思うでしょうけど案外仕事が共有できていいもんです、と。

万が一、過去データがない場合は本社から全店に呼びかけ解決法が分かる従業員を見つけ出し、当該店舗に連絡させる。
全国約60店の1000人規模が知識を共有し、対応できないトラブルは限りなくゼロに近い。

「今、○○店でお客様が困っています!」と聞いて、自分がその一助になれるとしたら。
目の前にあるそんな状態って結構前のめりになるものだ。
要はそういう「環境」をうまくセッティングできるかどうかということなのではないか。
困っている人を無条件に救いたい、と思うのは人の自然な感情だ。

当たり前のことが案外難しい。

発掘 強い会社(9) PCデポ パソコンなどの専門店 ITの「かかりつけ医」 操作苦手な中高年つかむ
2016/7/21付日本経済新聞 朝刊
 「今朝から動かなくなっちゃって……」。7月上旬、横浜市の主婦(57)が「ピーシーデポスマートライフ新横浜店」を訪れた。握りしめていたのは愛用のスマートフォンスマホ)。以前から調子が悪かったが、とうとう電源が入らなくなったという。数十分でスマホは無事に復旧。女性は笑顔で家路についた。

 IT(情報技術)機器の専門店、ピーシーデポコーポレーションはこうした修理・点検サービスが強みだ。メーカーを問わず、他社で購入した機器にも対応する。店頭には問診票が置かれ、来店客は機器の症状や発症時期を記入する。さながら、IT機器の病院だ。

 PCデポの2016年3月期の売上高営業利益率は8%。2〜3%台の家電量販大手をしのぐ。17年3月期の連結純利益は33億円と4期連続で最高を更新する見通し。利益率の高い月額会員サービスの伸びが背景だ。

 会員数は非公開だが数十万人にのぼるという。多くはIT機器が苦手な中高年層だ。対象となる機器の数に応じ、1カ月あたりの会費は1千〜5千円。初期設定やスマホの料金診断まで対応する細やかさが売りだ。

 野島隆久社長が起業したのは1994年。家電量販店の野島電気商会(現ノジマ)で創業者次男として兄の野島広司・現ノジマ社長とともに働いていたが、普及期にさしかかっていたパソコンの専門店を展開しようと独立した。

 だが2000年代に入ると家電量販大手との販売競争が激化し、不振に陥った。違いを出そうと06年に始めたのが月額会員サービスだった。

 年間50万件を修理・点検するノウハウを支えるのは独自に構築した社内ネットワーク。「こんな症状が持ち込まれました。アドバイスをお願いします」。店舗の従業員が無線機で質問すると、本社のオペレーターが過去の修理データを調べて解決法を探す。

 万が一、過去データがない場合は本社から全店に呼びかけ解決法が分かる従業員を見つけ出し、当該店舗に連絡させる。全国約60店の1000人規模が知識を共有し、対応できないトラブルは限りなくゼロに近い。岩井コスモ証券の岩崎彰氏は「大手といえど一朝一夕にはまねできないノウハウ」と評価する。

 あらゆるものがインターネットでつながる「IoT」は新規会員獲得や、より高額な会費を払う会員増加の追い風となりそうだ。異なるメーカーの機器同士ではうまく接続できないといった事例が生じやすいためだ。

 需要拡大を見越し、ヤマダ電機など家電量販大手もサービス部門強化に乗り出している。転機となった競争が再燃しそうな雲行きだ。「IT機器のかかりつけ医」としての強みを維持できるかどうかが勝敗を分けそうだ。

(和田大蔵)

2017-01-20 検索から「抜粋」の時代へ。(2)

[]私のアレキサンドリア私のアレキサンドリア。を含むブックマーク 私のアレキサンドリア。のブックマークコメント

紙の誌面を「ジョキジョキハサミで切り取る苦労<1クリックで記事保存する手間」に今は既になっているから、新聞最大の特徴だった「スクラップ機能」については既に電子版に軍配が上がりつつある。

アレキサンドリアは紀元前ファラオが作った世界最大の図書館だが、
自分の周囲でも、ついに「漫画の単行本の購入」を止め、電子書籍に切り替える人が多くなってきた。

小林秀雄全集も民法案内も全部が電子化されて、本棚に新刊本が増えなくなったらいよいよ「書籍革命」だ。

もう「置き場所の懸念」から解放されるのだ。
個人の蔵書は数万冊が限界、と言われてきた制約は解き放たれて。

さあ自分たちは、何をどう読み散らかすのだろうか。

とは言っても、今度は「こちら」の問題だ。
無尽蔵のコンテンツがあってもそれを処理できるのは「自分の脳」だけだ。

入り口には大海が広がっても全部を取り込むことはとても無理。
これからは情報の検索とか「抜粋サービス」がより重要になってくるのに違いない。

2017-01-19 検索から「抜粋」の時代へ。(1)

[]デジアナ逆転。 デジアナ逆転。を含むブックマーク デジアナ逆転。のブックマークコメント

新聞社で「電子版」に成功しているのはまだ日経だけ、という話を聞いたことがあるが、それはともかく。
確かにデジタルは「ヒタヒタと」アナログに近づいてきていると思う。

十年後には、コンビニ名物の「立ち読みコーナー」は姿を他を消し、みんなタブレットで立ち読みする時代が来るのかもしれない。
(立ち読みはそれほど大事な行為だ)

紙(アナログ)は「人への最後の1インチ」ではまだデジタルに長じているけれど。

デジタル紙面のビューアーはもうほとんど紙に近いインターフェイスだし、そこにデジタルの強みである「クリップ」と「ハイパーリンク」がある。
まだ「すべての過去記事の検索」まではたどり着いていないけれど、

日刊で増え続ける膨大なコンテンツは「整理方法」が具備されるにつれて強みが増大してくる。

(つづく)

2017-01-18 肥える。

[]肥やす行動。 肥やす行動。を含むブックマーク 肥やす行動。のブックマークコメント

目が肥える。
耳が肥える。
舌が肥える。
などと言う。
なかなか経験が増えてきたな、というような意味だが、
人間が肥える。とか
頭が肥える。とか
気分が肥えるとは言わない。
(体が肥えたとはいう。)

今の時代「肥える」って必ずしもいいことを意味しない(どちらかというと逆だ)のも栄養事情の移り変わりか。
「目の肥し」とか「頭の肥し」を意識しながら風景を見たり、本を読んだら案外面白い。
今日のドラマは頭の肥しになるなぁとか、ならないなぁとか。

2017-01-17 生き方の選択、ということ。

[]一度きりの人生だから。 一度きりの人生だから。を含むブックマーク 一度きりの人生だから。のブックマークコメント

誰に頼まれたわけでもないブログなのに「こんな記事を」という候補をもらってかなりの数になる。
ちょっと在庫超過で、溜まったまま2年くらい埃をかぶっているものもある。
自分の言いたいことと、他人が聞きたいことって案外違うものである。
それはともかく。

ビジネスで大成功した経営者よりも「楽に生きている人」が気になる。
例えばお寺の住職。
おそらくはそんなに気楽なことばかりではないはずだが、その語り口調からは世の中達観し、仏の教えなどが聞けて安心する。
例えば芸術家
もう自分の思いのままに作品を作り、気に入らない仕事は受けないし、そもそも「食べるため」という概念から離れている。

芸術家、と言われる人には「そういう傾向」が比較的強い。

つまりは「浮き世」の理屈よりも自分の意思に忠実に生きている、ということだ。

「これとこれを仕入れて一緒に売れば一割は儲かる」というような話とは対極的か。
ところが。

友人の実家の農家を訪ねると、そこには「楽に」というか忠実に、飾り気なく「朴訥(ぼくとつ)」に生きている人が普通にいる。
毎年毎年、同じ作物を植え、育て、肥し、収穫する。
拳の1.5倍はある玉ねぎ。
赤いにんじん。今年が一番。
それがずっと続くことに、何の疑問も持たず。
自分が育てた作物を、毎年の自分の子供のように送り出す。

楽しているのではなく、達観している。
というかそれが生活そのものなのだ。
農家も武道家も芸術家も学者も、そして商売人も。
「永遠の姿勢」を身につけた人の姿形はどこか似ている。

どの分野にしても、自分もそんな存在になれるだろうか。

2017-01-16 『凡眼には見えず。

[]ああ積み重ね。 ああ積み重ね。を含むブックマーク ああ積み重ね。のブックマークコメント

心眼を開け。
後期は常に眼前にあり』
座右の銘にしている藤田田さんの言葉だけれど。
これまで何度も「いやその通り」と思わされたが、またそれだ。

自分たちは「セブンのビンブンがね」とまるでキャラクターのように鈴木元会長のことを話題にしてきた。
やれざるそばの出汁を取りに漁船に乗って鰹節を取りに行ったらしい、とか。

もはや20億杯を得るというセブンイレブンの100円コーヒー
1980年から20余年、4度の失敗にもめげずの特設チームが組まれたという。
その執念には頭が下がるが、2011年の再挑戦から「3年でスタバに追いつく930億円」を達成したというのも並ではない。

■コーヒーマシン……富士電機
コーヒー豆……AGFと三井物産
■紙コップ…… 東罐 ( とうかん ) 興業
■氷……小久保製氷冷蔵
ブランディング……佐藤可士和氏(アートディレクター

妥協のない徹底した姿勢にも恐れ入るが、質の良い機械と食材を追求しても「最後におしゃれなデザイン」がとどめを刺している。

それにしても。
デザインとかブランディングって「最後の掛け算」には大事なものなのだ。

セブンイレブン4回の失敗からコーヒー20億杯
マーケティング戦略アドバイザー 永井孝尚
セブン―イレブンのセブンカフェをはじめとするコンビニコーヒーが人気を集めている。ビジネス街では、出勤前にコーヒー目当てのサラリーマンがレジの前で行列をつくる光景はすっかりおなじみとなった。しゃれたカフェや落ち着いた喫茶店がしのぎを削る中、なぜコンビニコーヒーは消費者の支持を得て売り上げを伸ばしているのか。マーケティング戦略アドバイザーの永井孝尚氏が、セブンのコーヒー戦略を解説する。

「コーヒー問題」を解決

 4年前。当時会社員だった私は満員電車を避けて、毎朝6時半に勤務先のオフィスに到着するのが日課だった。

 この時の悩みが、「コーヒー問題」。私は毎朝コーヒーを飲んで気合を入れるのだが、朝6時半に飲めるコーヒーは、自販機のインスタントコーヒーだけ。この時間帯においしいコーヒーを出してくれるカフェがなかったのである。

 2013年初めになって、友人たちがFacebookやTwitterで「セブンの100円コーヒーがうまい」と書き込み始めていた。飲んでみると、確かに本格派レギュラーコーヒーでおいしい。おかげで私のコーヒー問題は解決できた。

 「素晴らしい!24時間365日、おいしいコーヒーが飲めるなんて!」と思ったものだ。それから3年半。相変わらずセブンカフェは絶好調だ。

セブンカフェは20億杯

 セブン―イレブン・ジャパンの発表によると、セブンカフェ累計販売数は、13年1月の発売開始以来、16年2月時点でついに20億杯。15年度は8.5億杯、売り上げは930億円にものぼる。

 スターバックスコーヒージャパンが株式公開していた12年度の売り上げは、スターバックスコーヒーの店舗全体で1113億円なので、わずか3年でスタバの売り上げに追いついた。

 そもそもセブンカフェは、いかにして100円でおいしい本格派レギュラーコーヒーを提供しているのだろうか?

 実は失敗の連続だった。

30年で4回の失敗

  • 1杯ごとにいれる専用のコーヒーマシン

 初挑戦は1980年代前半だ。当時、セブンは店頭で弁当、ハンバーガー、サンドイッチの品ぞろえを増やしてきた。これらとコーヒーの相性は良かった。そこでコーヒーサイフォンを店頭に置き、注文のたびに小分けして売っていた。しかし鮮度を保つには1時間ごとに作り直す必要がある。忙しい店舗で対応するのは難しかった。

 2回目の挑戦は、1988年。コーヒーマシンで1杯ずつ作るようにしてみた。しかし、ヒーターの上にポットを長時間置いているため、当時の技術では店舗内に焼き芋のような異臭が発生し断念した。

 3回目の挑戦は1990年代、こうした異臭問題の解決を目指し、カートリッジ式にしたが、今度は風味が飛んでしまい味が損なわれてしまった。

 4回目の挑戦は2000年代になってからだ。スタバのエスプレッソカフェラテがブームになったことから、「バリスターズカフェ」を始め、若い世代を中心に人気を得た。しかしエスプレッソはコアなファン層がいるものの、「万人向け」が求められるコンビニでは売り上げを伸ばすことができず、これも見直すことになった。

5回目の挑戦に「特命チーム」

 セブン―イレブンといえば、おにぎりやサンドイッチはおなじみだが、最近は「セブンゴールド」「セブンプレミアム」といったおかずや惣菜、食品などのオリジナル商品も見かけるようになった。

 これらはセブンが単独で作っているわけではない。セブンがプロジェクトリーダーとなり、原料・製造・資材・機材などを提供するメーカーと共同で商品を開発している。セブンはこれを「チームMD(マーチャンダイジング)」と呼んでいる。

 4回の失敗を経て、5回目のコーヒー挑戦は2011年。セブンカフェもこのチームMDから生まれたものだ。セブン単独では難しかったが、チームの一員となった各社がそれぞれの得意分野を最大限に生かすことで成功に導いた。

■コーヒーマシン……富士電機

 当時、1杯ずつ豆を挽(ひ)くことができ、かつ邪魔にならないコンパクトなマシンは存在しなかった。そこでセブンは、自動販売機などで定評のあった電機メーカーの富士電機と新型の小型コーヒーマシンを共同開発。1年間を費やし、豆を挽くグラインダー、挽いた豆に空気を送り込み湯の中でかくはんする仕組み、出がらしを入れるバケツ、セルフサービスの操作のしやすさなども研究した。機械の扱いに慣れていないバイトでも、掃除がしやすいように工夫されているという。

■コーヒー豆……AGFと三井物産

 味の素ゼネラルフーヅ(AGF)に声をかけて200社の味を分析し、飲みやすさと飲みごたえの最適なバランスを探った。調達するコーヒー豆を厳選。豆を水で洗い、焙煎(ばいせん)時に雑味が残らない「ウォッシュド方式」で100%アラビカ種を精製した。4種類の豆をブレンドし、それぞれの特徴を引き出すダブル焙煎を採用。全国1万8000店舗に供給するため、調達は三井物産に要請、常に安定して入手できるルートを確保した。売り上げ拡大に伴い、後に丸紅も参加した。

■紙コップ…… 東罐 ( とうかん ) 興業

 持ちやすさ、保温性などを追求した。

■氷……小久保製氷冷蔵

 アイスコーヒー用に使われる氷を共同開発。溶けにくく、雑味の少ない氷を研究。24時間かけて不純物が少ない透明な氷の製氷を行っている。

■ブランディング……佐藤可士和氏(アートディレクター)

 「セブンカフェ」というネーミング、黒と白で統一されたデザイン、カップ、ふた、マドラー、ストローなどを手がけ、ブランドイメージの構築を担当した。

2016年09月02日 07時11分 Copyright © The Yomiuri Shimbun
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マーケティング戦略アドバイザー 永井孝尚

相乗効果を生み出したコーヒー

  • (画像はイメージ)

 セブンカフェは相乗効果も生み出し、コンビニビジネスの底上げにも大きく貢献している。セブンカフェにまつわる数字をいくつか紹介しよう。

■リピート購入率 55%

 これはセブンの食品の中でダントツだ。ちなみに弁当のリピート率は40%だ。顧客の固定化に貢献している。(※1)

■男女比 5:5

 セブン利用客の男女比は6.5:3.5だ。缶コーヒーは7:3。セブンカフェは、比較的少ない女性客の来店促進に貢献している。(※1)

■併せ買い率 2割

 セブンカフェと一緒にサンドイッチ、菓子パンスイーツを買っており、朝食と一緒に購入する人も多い。店の売り上げアップにつながっている。(※2)

■缶コーヒー販売 横ばい

 セブンカフェが登場した当初は、缶コーヒーの売り上げは落ちると思われていた。これも新たな客層を取り込んでいることを示している。(※1)

 セブンカフェの好調を受けて、ローソンファミリーマートなどのコンビニ各社も、コンビニコーヒーに力を入れている。

 これだけコンビニコーヒーが普及すると、スターバックスなど既存カフェチェーンへの影響が気になるところだ。カフェチェーンにとっては大打撃となっているのではないだろうか?

コンビニがコーヒー市場を開拓

 実は、ほかのカフェチェーンも好調だ。

 株式公開しているカフェチェーンの15年売り上げを調べると、伊藤園傘下のタリーズは前年比6.6%アップ、ドトール・日レスホールディングス傘下のドトールのコーヒーグループは前年比2.9%アップ、スタバや上島珈琲店など街角のカフェチェーンの多くがにぎわっている。

 カフェチェーンは、コンビニコーヒーの影響を受けて売り上げが下がるどころか、成長を続けているのだ。なぜこんなことが起こるのだろうか?

 それは、コンビニコーヒーが、新しい市場を創造したからだ。そこでコーヒー市場に目を向けて考えてみよう。

日本はコーヒー後進国

 そもそもコーヒーは嗜好品(しこうひん)だ。おいしいコーヒーは、つい何杯も飲みたくなる。

 食品は、なかなかこうならない。消費量は全人口の胃袋の総量が上限だ。日本国内では少子高齢化により、総人口も1人当たりの食べる量も減少しているので、この胃袋の総量も減っている。だから食品を売る立場で考えると、限られたパイの奪い合いになる。

 しかしコーヒーは嗜好品なので、おいしくて飲みやすいコーヒーがあれば、消費量はもっと増える。つまり「おいしさ」という価値を上げて、客層を広げることで、コーヒーの消費量は伸ばせるのだ。

 実際に数字で見ると、1人当たりのコーヒー消費量は、日本が1日0.93杯だ。これは世界全体で見ると29位。まだまだ少ない方だ。

 1位のルクセンブルクは7.79杯で日本の8倍。デンマークは2.59杯、ドイツは1.86杯、イタリアは1.58杯と、多くの国が日本よりもコーヒーを飲んでいる。つまり、日本のコーヒー市場は、まだまだ伸びる余地がある。仮に日本人がドイツ人並みに飲むようになれば、コーヒーの消費量は2倍になるということだ。

コンビニとカフェは共存共栄

 コーヒーの歴史自体、高品質化と大衆化の歴史である。

 元々コーヒーは、11世紀から16世紀にかけてアラビア半島イスラム教寺院で修行僧が飲む秘薬だった。

 1970〜80年頃には、スタバのようにコーヒーのおいしさを追求するスペシャリティーコーヒーが世界に広がり、さらに21世紀になるとブルーボトルコーヒーのように豆の産地・品質を重視し、豆の個性を楽しむサードウェイブコーヒーも生まれた。

 日本におけるコンビニコーヒーの誕生は、長いコーヒーの歴史の中で、本格派レギュラーコーヒーの大衆化を果たした特筆すべき出来事なのだ。

 コンビニコーヒーによって、おいしいコーヒーが広く普及したことで、日本のコーヒー市場が活性化した。「おいしいコーヒーをゆったりと楽しむ」という体験をするためにカフェチェーンにも行くようになった。コンビニコーヒーとカフェチェーンの共存共栄が実現したのである。

 このようにコーヒーの歴史を振り返ってみると、すっかりおなじみになったコンビニコーヒーは、新たな顧客を創造したイノベーションなのである。

 ※1「アエラムック企業研究 セブン―イレブン 勝ち続ける7つの理由 強さの法則」(朝日新聞出版

 ※2「独り勝ちの秘密を徹底解剖 セブンの磁力」(週刊東洋経済 2013/7/13号)

プロフィル
永井 孝尚(ながい・たかひさ)
 マーケティング戦略アドバイザー。1984年に慶應義塾大学工学部を卒業後、日本IBMに入社。製品開発マネージャー、マーケティングマネージャー、人材育成責任者を担当。2013年に同社を退社して独立。ウォンツアンドバリュー株式会社設立して代表取締役に就任。製造業サービス業流通業金融業公共団体などを対象に、マーケティングに関する講演や研修を実施している。主な著書に『100円のコーラを1000円で売る方法』シリーズ(全3巻、コミック版全3巻、図解版、文庫版)、『そうだ、星を売ろう』、『残業3時間を朝30分で片づける仕事術』(以上KADOKAWA)、『「戦略力」が身につく方法』(PHPビジネス新書)がある。オフィシャルサイトは こちら )。
2016年09月02日 07時11分 Copyright © The Yomiuri Shimbun

2017-01-15 もしかして空自。(2)

[]怪物との戦い。 怪物との戦い。を含むブックマーク 怪物との戦い。のブックマークコメント

現代ビジネスより。

つまり認知バイアスがかかって、「ここにこういうものがあるんだ」と思うと、それが見えるようになる。それを福岡さんは「空目」と呼んでいます。(後略)

つまりはお化けだ。
お化けを見た、霊が見える、という人は案外多い。
本人には見えているのだ。

これは避けられないことなのです。だから自然科学者に良心があるとすれば、「いま自分が見ているものは、“自分が見たいものだ”」という、いわば自身の病識を持つところにあるのでしょう。自分は対象の形成にコミットしている。だから、どこまでその認知バイアスを引き寄せられるか。「もしかすると空目じゃないかな?」と思えるかどうか。ここが一流の自然科学者かそうじゃないかの境目だと思います。

科学者にしてそうなのだ。
だったらビジネス族なんてどうなるだろう。
成功するはずだ。
これで完成だ。
これで満足なはずだ…
認知バイアスだらけかもしれない。(案外「店と客の関係」って正直なもののような気もしますが)

体制に順応しようとする人にいくら事実を示したところで見ようとしません。それだけ現状維持にかける体制側の権威は大きいということでしょう。

科学も芸術も何千年もかけて「積み上げてきたもの」「説明してきたこと」がある。
権威。
戦う相手はこれだ。

まあまあ 2017/01/15 20:06 暗殺教室、大人買いしました。(笑)

2017-01-14 もしかして空自。(1)

[]認知バイアスという怪物認知バイアスという怪物。を含むブックマーク 認知バイアスという怪物。のブックマークコメント

現代ビジネスより武道家三人の対談。
暗殺教室という漫画がそれほど深い示唆に富んでいるとは知らなかった。
漫画はやっぱり日本の誇れるカルチャーだ。

以前、福岡伸一先生におもしろい話を聞きました。「結局のところ、自然科学者は自分がつくったストーリーの中でしかものが見られない。本当にバイアスがかかっている」と話されていました。

例えば、分子生物学の授業で、大学1年生に顕微鏡細胞を見させる。「何が見える? それを描いてごらん」というとちゃんと描けないのだそうです。何かわけらないムニュムニュしたものを描いてしまう。

けれども生物学の授業を1年間受けて「細胞膜や核が、ミトコンドリアがあって」といった知識を得た後に同じことをさせると、細胞膜とか核とかミトコンドリアをくっきりと描くのだそうです。同じものを見ているのに、違うものをそこに見ているわけです。

つまり認知バイアスがかかって、「ここにこういうものがあるんだ」と思うと、それが見えるようになる。それを福岡さんは「空目」と呼んでいます。(後略)

科学というそれこそ「最も科学的」であると思い込んでいるものが、実は文学のように情緒的だという。
対談では「認知バイアス」と言われているがほとんど「誤視」だと思う。

これは避けられないことなのです。だから自然科学者に良心があるとすれば、「いま自分が見ているものは、“自分が見たいものだ”」という、いわば自身の病識を持つところにあるのでしょう。自分は対象の形成にコミットしている。だから、どこまでその認知バイアスを引き寄せられるか。「もしかすると空目じゃないかな?」と思えるかどうか。ここが一流の自然科学者かそうじゃないかの境目だと思います。

(つづく)
少し長いが対談を引きます。
面白いのでぜひ。


「暗殺教室」はなぜ最高の学び場となるのか? 完全管理社会をタフに生き抜くために 武術と教育の接点を徹底討論

左から光岡英稔氏、内田樹氏、甲野善紀

担任教師を生徒たちが暗殺しようとする……そんな一見、荒唐無稽な設定の漫画『暗殺教室』が大人気だ。この作品に注目した三人の武の達人、内田樹氏・光岡英稔氏・甲野善紀氏に、「教育」と「殺傷技術を学ぶこと」の接点を縦横に語ってもらった。

殺傷技術を学ぶことが、才能を最大化する!?

甲野 内田先生と光岡師範の新著『生存教室』(集英社新書)は漫画の『暗殺教室』を下敷きにしています。光岡師範がこの漫画に興味をもたれたのはなぜですか?

光岡 漫画をお読みでない方もいるとおもうので、少しだけ『暗殺教室』のストーリーを説明します。

『暗殺教室』に登場するタコのような外見をもつ「殺せんせー」は、マッハ20で飛ぶなどの能力を用いてあらゆる軍事攻撃を跳ね返すなど、いつでも人類を滅亡の淵に追いやれるだけの実力を備えています。なぜか生徒が卒業を迎える来年3月に地球を破壊すると宣言しています。生徒たちは1年間のうちに「殺せんせー」を暗殺しなくてはなりません。

実は「殺せんせー」は、かつて死神と呼ばれていた世界一の殺し屋でした。捕まえられて、さまざまな実験を行われ、いまのような姿形になったわけです。拷問に等しい実験の過程で出会った監視役みたいな人と仲良くなっていくのですけれど、これが初めて人として扱われた体験でした。

かつて彼は「いかに生徒たちに暗殺の技術を教えるか?」について考えていました。そのことと初めて人として接された時間を経て、「殺せんせー」となったかつての死神は、これまで取り組んでいた考えを教育という現場に持ち込んだ。

つまり生徒たちをよき暗殺者にすると同時に、自分の個性を発見できるような学び方を教え始めます。私が『暗殺教室』に興味を持ったのは、これが自分のテーマでもあったからです。

内田 武術とは煎じ詰めていうと殺傷技術ですよね。そうではあるのですが、実際に私も道場合気道を教えていてわかるのは、教育と非常になじみがいいということです。人をどうやって効果的に殺したり傷つけたりするかという技術を教えるということが、教育の方法として有効なんです。

どうしてかというと、一人一人が持っている潜在的な可能性や資源をとにかく最大化していくからです。可能性も資源も本人が自分の欠点だと思っているところと裏表になっています。いわば殺す力を磨くことが生きる力を高めている。

大学で教えていた頃は、「生きる力を高める」ことについてうまく伝え切れませんでした。私が関与した結果、才能が豊かに発動した学生というのは、おそらく全体の5%くらいです。かなり歩どまりは低い。

けれども合気道を教えていると、潜在可能性に気がついて伸びていく子たちは20〜30%はいます。学問は「これを覚えておくと役に立つ」だとか就活にプラスとか有用性を目指すわけです。比べて合気道は腕を折ったり投げたりする技を学びます。しかも「実際に使うような場面になってはいけない」と教えるわけですから、まるで有用性はありません。

身につければつけるほど有用性のないものを学ぶほうが、なぜか個性や才能を伸長させていく。

今回、光岡先生から『暗殺教室』を題材に取り上げたいと言われて、改めて気づきました。殺す技術を教えることが、一人一人の持っている才能を最大化する上で極めて有効である。このことをここまではっきりと言い切った作品はかつてなかったのではないでしょうか。

生物は常に戦っている

光岡 「才能の最大化」について言えば、私は19歳でハワイに渡り、そこで武術を教えることになりました。会得したことをいかに次世代に伝えるか。これは『暗殺教室』でたんねんに描かれています。私の場合、教え方を間違えてしまい、うまく育たなかった人もいます。「才能の最大化」には至りませんでした。

光岡秀稔(みつおか・ひでとし)1972年生まれ。日本韓氏意拳学会会長。国際武学研究会代表。

ハワイアンサモアンだと、放っておいたほうが強くなります。なるべく手を加えず、余計なことを教えない。ただ環境に変化があるということだけを教えておけば、すごく伸びる。

けれども彼らに型のようなものを伝えると、それに拘束されてしまって、一気に弱くなっていく。本来、みなぎっていた本能や血がどんどん消されていくからです。失敗した過去の始末というのは、ほとんどの場合できないと思ったほうがいいですね。

だから、私は他の先生のところに習いに行くことも勧めています。そのほうが伸びる場合もあります。自分なりの始末というより、他力になってしまいますが。やはりなかなか現実は漫画のようにはいきません。

とはいえ、「殺す技術を教えることが、一人一人の持っている才能を最大化する」について、ここまではっきりと言い切った漫画はかつてなかった。これは確かです。

甲野善紀(こうの・よしのり) 1949年生まれ。日本古来の武術の身体操法を古伝書と実技の両面から実践的に研究。

甲野 「殺す技を学ぶことが生きる力を高める」と聞いても、「そんな怖いことはできない」「野蛮だ」という人がいると思いますが、その人にしても体内の白血球は常にいろいろな細菌と戦っているわけです。

生物は常に環境に対応して生きていますが、対応するという中には戦うことも含まれているわけで、そういう意味で言えば、武術というのは好き嫌いの問題を超えて、自覚していなくても生きていることと密接に関わっているわけであり、どんな人も無関係ではいられません。

毎日100人自殺する国で

内田 『暗殺教室』を読んでいない人は、ここまでの話を聞いて、「超生物が暗殺技術を教えて、子供たちが個性を開花させていく」という、なんだか変な話というふうに思っているかもしれません。でも、これ学園ドラマなんですよね。

内田樹(うちだ・たつる)1950年生まれ。神戸女学院大学名誉教授。思想家・武道家。

暗殺を教えられているE組は落ちこぼれで、学校全体としては過激な進学校です。E組では、人殺しの技術を懸命に学んでいて、それ以外はひたすら受験勉強をしています。

受験勉強に必死に取り組んでいる生徒たちは相手を陥れようとしたり、明らかにお互いを殺し合っています。比べて暗殺を学ぶE組の子らはお互いを高め合っています。

パリでのテロの際、130人ぐらい亡くなり、大騒動になりました。それについてイスラム法学者中田考先生が「何でそんなに大騒ぎするの? 日本では年間3万人、1日あたり100人が自殺しているのに」とおっしゃった。

確かに飢饉も内戦もテロもないところで、毎日100人ずつ死んでいる。それがどういう日常生活で起きているかというと、例えば上司がどなったり、同級生いじめたり。そういうことの中で毎日100人が死んでいる。誰かが100人を毎日殺しているわけです。殺している本人は業務上の当然の要求をしただけだと思っているでしょう。

私たちの日常生活は、それと気がつかないで人殺しをしています。逆に「どうやったら人を殺せるか」という技術の鍛錬は殺人を主題化している限り、無意識に人を呪い殺したり、追い詰めたりはしない。

だから「暗殺教室」というのは、E組の子たちのことではなく、E組以外が全部「暗殺教室」です。むしろE組だけが「生存教室」で、あとはそれと知らずに、周りの人間の生きる力を損なっているわけです。それが社会における競争の姿であり、したがって「私たちはフェアに育っている」と思い込んでいる。

光岡 一人一人の個性を生かす。それについて私の場合、武術を通じて何ができるかなと考えています。武術をやりたい人は、どこかでメインストリームから外れたがっている人が多いので、E組的なのかもしれません。そういう意味では一般的に変と言われかねないでしょう。

甲野 まあ、変な人は問題も起こすでしょうが、だからといって、政府が育てたいような「良い人材」をたくさん育てたところで、この先うまくいくとは到底思えません。

「良い」とされていることを積み重ねれば本当に良くなるかというと、いろんな矛盾が増えて行くだけではないでしょうか。「このままではまずい」といえず、体制に対して「はい」というだけのことになってしまいかねませんからね。

甲野 原発の問題を例にとれば明らかですが、現状を何とかしようとしているだけでは革命的な処理方法など開発されないでしょう。原発が大事故を起こした今、本当にこれまでにない発想をして革命的な処理技術を開発する若い人を育てなければならないと思います。だからこそ教育のあり方が本当に大事ですよね。

しかし、現在の文科省官僚には全く期待できないですね。4月入学を9月にするとか、そんなどうでもいいことに頭を使っていますから。現在はそんなことをやっている場合ではないでしょうにね。

日本の教育に未来はない

内田 日本の教育行政に文句を言っても、もうしょうがないと思うんですよ。この25年ぐらい、教育行政は学校教育を破壊し続けています。

過日、大学ランキングに関する取材で「日本中の大学がグローバル化したのですが、今後はどうなりますか?」と聞かれたのです。「滅びるね」というしかありませんでした。

内田氏と光岡氏の共著『生存教室』

文科省は20年ほど前、人口減を見越して大学を減らそうとしました。教育行政は子供たちの就学機会を増やすための官庁です。したがって学校を増やすことに関してはさまざまなロジックノウハウもあるけれど、学校を減らすことについてはそのどちらも持っていません。

そこで思いついたのが、規制緩和です。大学を増やせば競争原理が働いて自然淘汰されるだろうと思った。その結果どうなったかというと、ただ増えた。いまや50%近い大学が定員割れです。大学教員は研究や教育よりも志願者集めに奔走しています。

だから日本の大学の論文発行数は2004年から下がる一方です。かつてはアジアで一位でしたが、人口当たりの論文点数は韓国台湾中国に抜かれ、かなり低域まで下がり続けています。

教育研究がここまで荒廃しているのに、文科省はこれを全く止める気がありません。はっきり言って、文科省が教育行政を握っている限り、日本の教育に未来はありません。

だから、もうこれはオルタナティブを考えるしかないんです。

甲野 現代の教育の問題は、たくさんありますが、その中でも、教育機関にというより、親に対して一つ言いたいことがあります。

いじめによる子供の自殺が後を絶ちませんが、あれは親なり周囲の大人が子供に対し「学校に行かなくても人は人として生きていけるのだ」と自信を持って示していたら、子供もそんなに追い詰められないと思うのです。

大学が増えて誰でも大学に行けるようになったことで、大学という存在が「大学ぐらい出ていないと恥ずかしい」という見栄の対象になってしまっています。

人が生きているとはどういうことなのか。子供たちが育っていく過程でいかにそれに取り組めるか。これが教育において一番大事だと思います。そのためにも親が深い考えとまでは言わないですけれど、体感を通しての、「生きていく上での自覚」を持つべきですよね。

この事は本当はもっと厳しく問われるべきです。「子供が自殺したのだからそんなことまでは言えない」と思うから、みんな黙っているのかもしれませんが。

内田 いや、なかなか責められませんよ。「学校なんて行かなくていいよ」と親が決然と言っていたらなと思いはしても。

甲野 しかし、根本問題はそこですから、親が自分の中でそれなりの価値観をちゃんと持つべきだと思います。

内田 価値観がちゃんと確立されている親なんて、そんなにいるでしょうか?

甲野 いや、いないから問題なんですよ。

光岡 いまお話の「価値観」についてです。内田先生や甲野先生が言われたことは、私よりも若い世代であっても共感できると思います。「おっしゃるとおり」とみんな言うでしょう。

けれども、言われた通りにやることしか教わっていない中で20歳も過ぎてしまった。一切自分の価値を見出すということを教わったこともない。「じゃあ、私はこれからどうすればいいんですか?」と思う人は多いでしょう。

本宮ひろ志さんの『男一匹ガキ大将』とか『サラリーマン金太郎』を読んで、あの世界観に共感した世代は「がんばればいいんだ」「努力しろ」と言うんですよ。昭和の時代の象徴的な考えです。でも、努力しようがテロは起きたし、原発だって爆発したわけです。

あらゆる努力はした。その上での現状がいまです。そこからスタートしている世代が確実にいます。

この先、私たちはどうしたらいいのか? この問いを抱えている人たちの多さ。それが『暗殺教室』のような作品が世に出る理由でしょう。ですから、これに対しての答えを何らかの方法で提示しないといけない。

科学の限界?

甲野 高度成長期に盛んに言われた「がんばればいいんだ」「努力しろ」といった考えや社会の動向に対して、私は学生時代から根本的に「おかしい」と感じていました。

例えば食物の問題ひとつとってもそうです。断食で難病が治るという実例は結構あります。しかし、現代医学の医師は、人によっては断食などの民間療法を裏では認めるかもしれないですけれど、表立っては全く認めないですよね。

科学は「事実を見る」ことを第一にすると言いながら、断食が明らかに有効であったという確かな結果があるにも関わらず、そのことをなかったことのように無視して認めません。私はそこに、現代科学文明の不誠実さ、理不尽さをものすごく実感したのです。

ですから私が大学生の頃、学生運動がすごく盛んでしたが、全くそれに加担する気が起こりませんでした。その理由は、今もお話しましたように、人間が生きることに関しては、政治運動よりも、もっと根本にある「生きているとはどういうことなのか?」という問題を突き詰める方が先だと思いましたから。

内田 自然科学の分野でも、ちゃんとした人はいます。「科学で全部説明できる」と言うような人は「科学主義者」でしかなく、本当の科学者とは、もっとずっと柔らかいし、豊かだと思います。

以前、福岡伸一先生におもしろい話を聞きました。「結局のところ、自然科学者は自分がつくったストーリーの中でしかものが見られない。本当にバイアスがかかっている」と話されていました。

例えば、分子生物学の授業で、大学1年生に顕微鏡で細胞を見させる。「何が見える? それを描いてごらん」というとちゃんと描けないのだそうです。何かわけらないムニュムニュしたものを描いてしまう。

けれども生物学の授業を1年間受けて「細胞膜や核が、ミトコンドリアがあって」といった知識を得た後に同じことをさせると、細胞膜とか核とかミトコンドリアをくっきりと描くのだそうです。同じものを見ているのに、違うものをそこに見ているわけです。

つまり認知バイアスがかかって、「ここにこういうものがあるんだ」と思うと、それが見えるようになる。それを福岡さんは「空目」と呼んでいます。

光岡 どちらが本当なんですか?

内田 どちらが本当ということはないんです。ある仮説を受け入れた瞬間に、仮説の通りに物が見えるのです。何も知識がないときには見えない。ただ、ぐにゅぐにゅぐにゅっていう輪郭も何もないものがあるだけです。それは対象を見たとはとても言えないわけです。でも、ある時から「ここに細胞があります」と言った瞬間、もうでき合いの物語に乗っかってしまう。

これは避けられないことなのです。だから自然科学者に良心があるとすれば、「いま自分が見ているものは、“自分が見たいものだ”」という、いわば自身の病識を持つところにあるのでしょう。自分は対象の形成にコミットしている。だから、どこまでその認知バイアスを引き寄せられるか。「もしかすると空目じゃないかな?」と思えるかどうか。ここが一流の自然科学者かそうじゃないかの境目だと思います。

光岡 科学の見識はありませんが、科学の普遍性について言うならば、例えば目が見えない人に「電子顕微鏡の向こうに何があるのか」ということを示せる科学でなければ普遍性がないわけですよね。その程度のことを証明して欲しいなとは思います。

社会の価値観からはみ出る勇気を

甲野 確かに現代は、視覚がたいへん優先されている時代ですよね。その視覚ですが、開眼手術が進歩した結果、生まれてすぐ視覚を失った人が視覚を獲得できるようになってきているそうですが、そのことで手術を受けた人がハッピーになったかというと、全然そんなことはないようです。

実際は「まあ、これもひとつの体験ではあるけれど、今まで通り見えなくても全くかまわなかった」という人が最も上手くいった例で、最悪の場合は自殺してしまうそうです。

なぜかというと、生まれてすぐ目が見えなくなった人は、その成長の中で自分の世界を作り上げています。そこに開眼手術をすると、今まで暗闇で平穏に過ごしていたのに、いきなりそこに訳のわからない視覚という情報が入ってくるので、自分の平穏さを保つことができず、鬱になってしまうようです。

なにしろ視覚というのは意識が生まれる以前に自動的に身につくものですから、大人になって意識がハッキリしてから、これを使いこなすのは、とても大変なのです。このことを見ても、人の価値観は無理強いできませんよね。

光岡 『暗殺教室』のA組は現状の価値観に従うことに懸命で、E組の方は「殺せんせー」との出会いによって、社会の価値観よりも自分が活き活きと生きられる道を模索し始める。そちらの方が楽しいし、可能性があります。できれば、そういう選択をしたいし、踏み切れるだけの勇気が欲しい。そう思う若い人も多いと思います。

それには一度、人生が狂う必要があるんだなと思います。順調に真っすぐな道を歩んでいたはずが、急にカーブが多くなるような人生になっていく。

甲野 すべての人がE組になる必要もないし、A組の中にいてもよくものを考えれば見えてくることはきっとあるはずです。ただ、問題は根源的なことを、実は人々は求めていない側面もあるということです。社会というのは、ほどほど有効なことを求めているんですよ。

例えば、世の中をガラリと変えるような発明はすでに成り立っている産業のあり方を変えてしまうから迷惑がられる。それで特許が抹消された例もありますからね。

体制に順応しようとする人にいくら事実を示したところで見ようとしません。それだけ現状維持にかける体制側の権威は大きいということでしょう。

ですから、根源的な問題を指摘する時は暗殺されないようにほどほどやるしかないかもしれないですが、それでも、つい黙っていられなくなって出すぎてしまい、消されるなら、それはそれで仕方がないと思います(笑)。

内田 私もわりと人が言わないことを叫び続けてきています。わりと子供のころからの実感として、誰も言っていないことを言ったとしても、みんな結構「うん」というもんだと思っています。

みんな口にして言っていないけれども、それはうまく言葉に乗せられないだけ。だから「こうなんじゃない?」と言った瞬間に、たくさんの人がうなずくわけです。そう思うと、実は人間は孤立していない。

だから、「何かおかしいんじゃないかな。絶対にこうだと思う」ということを言ってみればいいんですよ。普遍性のある知見であれば、必ず多くの人が黙ってうなずくと思います。それがある限り、孤立することというのはあんまりないと思います。

(構成・尹雄大)

2017-01-13 どうもそういうことらしい。

[]勝とうとしないこと。 勝とうとしないこと。を含むブックマーク 勝とうとしないこと。のブックマークコメント

競争に勝つことが目的ではない。
というか勝とうとしたら「それ」が目的になり、努力の軸がズレるのだ。

「他人との競争に勝つため」というよりは、「自分の個性作り」というニュアンス。

欧米の友人たちが口癖のように「think different」という感じに、結果似ているような気がする。

対手に"勝とう"と思えば、その邪心に自らが囚われてしまう。
人の自我というのはげに難しいものだ。

「他人とは違うことを考え、突き詰める」という態度が昇華され、ついにはその「他人」を意識しなくなる境地になり「本当に自分のオリジナル」を考える、ということなのだろう。

つまりは「自分の頭で、自分のこととして考える」ということに収斂されそうだ。

目的がありながらも、目的を意識しない。
まるで禅業の"半眼"そのものだ。

どうもそういうことらしい。

2017-01-12 人生の速度。

[]今の速度を計ってみる。 今の速度を計ってみる。を含むブックマーク 今の速度を計ってみる。のブックマークコメント

フルスピード、というのは文字通り全速力、という意味だ。
「そのものの持つ能力の全開」ということだ。
車のエンジンなら最高出力で走っている状態。
当然「そのまま」では長くは保たない。
それはともかく。

五十年ほど生きてきて「人生のスピード」ということを考えた。(でたでた)
おっさんは、しばしばそんなことを考えて感傷的になる。
少女に還るおっさんだ。
まあそんなもんだ。
それもともかく。

まず、生まれてから社会人になるまでは「仮免許」だとしよう。
だからそもそも「スピード測定の対象」にはならない。
けれど学生なのに「猛スピードで走れるやつ」は存在する。
もともとのエンジンの排気量が大きいとか、高性能だとか。

そう。
そもそも「絶対値」としてどのくらいのエンジンを抱えているか?ということも(スピードの測定には)ある。
そして思う。
スピードを追求していた若い頃には「スピードそのもの」が魅力だったのに、時が過ぎればそれは重要なことではなくなっている。
価値観の変遷ってそれくらい自分の全てを変えてしまうものなのだ。
だから「今の自分は何が目盛りなの?」ということにはいつも注意を払っていたいものである。

2017-01-11 教育IoT。

[]教育の盲点。 教育の盲点。を含むブックマーク 教育の盲点。のブックマークコメント

そんなに突拍子もない分野でもなく。
けれど「情報の一元化」は自分たちの日常でどんどん進む。

個人レベルでの「医療とか教育とか行政とか」に、一貫したITカルテが作成されれば、結構利便性は一変するだろうと思う。

自分という個人が「生後からどのような生活環境で、"毎日何を食べ"、"どのような教育を受け、どのような反応をし"、"自らは何を意思表示して欲したのか"というような、今までの「通信簿とか連絡帳とか生活日記」のようなものを全てシステムで一元化できれば、そこから得られる情報はかなり「教育行政」には行かせるだろう。

というか、今の教育には「成果」を明確に測る物差しがない。
教育とは「時代」で測る答えの出ないものだ、という批判はともかく。

さらには、「どんな資質の人」に「どんな教育」を与え、「どのような反応や指導が必要か」というような未来の教育スタイルすら導けるかもしれない。
そんなになっても「そもそもどんな社会人像が必要か」というコンセプトなしには成立しないけれど、少なくとも「○×式教育が」とか「食物と精神」とか今は拡散しているいろんな問題の改善に役に立つ情報は集まってくるのに違いない。
そんな傾向をAIが導き出すのだとしたら、教育の主導を人は取り続けられるのだろうか。
「AI様」が指導要領を描くのはそう遠い話ではないだろう。


学習と生活状況 IT活用し分析 文科省、学校で実証研究

2017/1/6 0:29

 児童生徒が教室で日常的にタブレット端末などを活用する次世代の学校像を見据え、文部科学省2017年度から全国5地域で初の実証研究を始める。ICT(情報通信技術)を活用し、教室での学習記録やテストの結果と、出席や生活状況など校務に関するデータを共有して分析。学びの実態を「見える化」し、各児童生徒に応じた指導の充実を目指す。

 文科省は20年度から導入する次期学習指導要領で、アクティブ・ラーニング能動的な学習)を全ての学校で展開する方針。コンピューターで情報を集めて議論したり、探究的な課題に取り組んだりする授業の増加も見込まれる。ICTを活用した「スマートスクール」の実現に向け、自治体を後押しするという。

 文科省によると、全国の公立学校のコンピューター整備率は平均6.2人に1台(16年3月時点)。教員の質問に児童生徒がタブレット端末を通じて答え、全回答が電子黒板に表示されるなどの授業は各地で始まっている。ただ、端末に記録される個人の回答や思考の経過の分析、生徒指導にどういかすかなどの取り組みは不十分という。

 また、宿題の提出や定期テストといった学習の記録は、依然として紙やノートによるやりとりが中心だ。職員室の校務用コンピューターは児童生徒の出欠管理や健康診断表、通知表向けの成績などの事務情報が記録されているが、こうしたデータは保存に重点が置かれているという。

 このため実証研究では、教室でのICT利用で蓄積された児童生徒の学習記録と事務情報をつないでデータを分析。児童生徒一人ひとりの日々の学びや成績、生活状況などの関係を可視化し、教員らがより適切な指導をできることを目指す。

 通知表や保健日誌などの文書は地域ごとにばらつきがあるため様式を統一し、児童生徒が転校してもデータを利用しやすくするという。文科省情報教育課の担当者は「従来の教員の経験に基づく指導から、データを使った学校運営へと転換したい」と説明する。

 ただ、校務用コンピューターには児童生徒の個人情報が多く集まり、過去には情報漏洩事件も発生。文科省は総務省と連携してセキュリティー対策を確保したシステム設計を進めるという。

 ICT対応は教員の多忙化の一因とされることから、来年度から教員養成系大学での養成研修も始める。ICT活用が定着すれば、教員の事務作業は一定程度減らせるとみられ、文科省は20年度の新指導要領導入に向け研修を展開する方針だ。

2017-01-10 演奏のエロス。

[]表現できるか。 表現できるか。を含むブックマーク 表現できるか。のブックマークコメント

D
矢野顕子の"SUPER FOLK SONG"
二十日までの限定上映。
新宿単館と。

見に行ってまず驚いた。
満席。
すぐに本編が始まりあっという間の一時間半に誰もが言葉を失った。
泣いている人もいっぱいいた…
誰もエンドロールで席を立たない。
どんな悲しい映画の終わった後だってこんな風ではない。

夢を見終わったような顔の人。
思いつめたような表情の人。(多分音楽関係者ではないかな)
頬が上気したような顔色の人。
ショックを受けたような若者カップル。

これだけの人が見にきていることと、
満席の観客を惹きつけて離さない迫力のドキュメント。
自分のようなアマチュアが云々言うことを許さない映像と演奏だった。

これまで、いくつも天才芸術家のメイキング映像を見たことはあるけれど、本作が頭抜けているのは監督の腕でもあるのだろうと思う。
余談だが、本作を表現する芸術家たちのコメント
からも、どれほどの作品かということが忍ばれる。(これだけを読んだってめっちゃ面白い)

映画館に足を運ぶ喜びってこういうことだと思った。
歌い、弾く矢野顕子はとんでもなくエロスだった。

2017-01-09 価値観の未来。

[]見えてきた自分なりのこと。 見えてきた自分なりのこと。を含むブックマーク 見えてきた自分なりのこと。のブックマークコメント

自分くらいの世代バブルの最後を知っている世代で、みんなが高級品とか派手な遊びに憧れていた。
「その時代の流行り」というのはもちろんあるし、「それ」に自分もだってかなり引き摺られているという気もするけれど。

それにしても「自分という一人の人間のこれまで」の中での「価値観の変わりよう」は自分自身でも驚きだ。
あと二十年もすれば、もっと違うものになるだろうけれど、何だか方向性は見えてきたような気がする、なんてのは勘違いだろうか。

その時代の流行りを追いかけるって「時代の価値観」でもあるだろうから、まるで悪いことでもないと思うけれど、そうした価値観ってどうしても「若い世代」が中心となって作られている気がする。

つまり自分の世代(五十代)が「(時代の価値観の)中心から外れつつあるな」というようなことを感じるのです。

とか言っても、地方の農業指向してみるわけでもなし、相変わらず都会に住んでウロウロしているわけで、やっぱり二十年後のことはわからないのかもしれない。

せめて二十歳の自分には「こんな気持ちになるよ」と言ってやりたかった、などと思うがそんなの大きなお世話なのかもしれないが。
"クールジャパン"と言われる時代が来ることを、高度成長期の人たちは知らなかったかもしれないが、幕末明治維新の人たちには当たり前のことかもしれない。

この先、二千年代の半ばに向けて地球上で「どんな価値観」がメジャーになっていくのか。

19世紀以降の激動を知っている世代としては、かなり面白い研究テーマになるのではないだろうか。
「時代の価値観」はそれほど大きく変わっていると思う。

2017-01-08 5246世紀分のアダルト。

[]ネットと性。 ネットと性。を含むブックマーク ネットと性。のブックマークコメント

GIGAZINEより。
今でこれだから、これからのビッグデータ時代には自分たちの「嗜好とか性向」というのは、ガラス張りになるのに違いない。
なんだ。
みんな見ていたんだ。

地球上にいる全ての人が12.5本のムービーを視聴した」
地球上の半分の人しかネットに繋がっていないし、通信事情を考えればネット先進国の人は多分「週に1本」くらいのエロムービーを見ているようだ。

日本は米英、カナダインドに続いて5位。
人口を考慮すれば、日本人はなかなかの「好き者」である。
さらに驚いたことに。

最も検索されたワードは1位が「lesbian(レズビアン)」、2位が「step mom(義母)」、3位が「MILF(熟女)」4位が「teen(10代)」、5位が「step sister(義姉妹)」。

こんな話題は普段は決して表に出てこないけれど、皆興味のあることって似たようなものらしい。
「義母」とか「義姉妹」とか「熟女」とかって普段は口にしないのに、案外皆の興味の的であるらしい。
改めて「実はそうらしいよ」と知らされるとショックなものである。(というか、自分はおかしいやつではなかったのか、と納得したりして)

フィリピンブラジル南アフリカ、インド、スウェーデン、の順で女性の視聴も多いという。
なんだ、女性も見るんじゃ。

何れにしても「性」はその時代を映す鏡なのだと思った。


超人気アダルトサイトが1年を総まとめにした統計レポートを公開、総視聴時間は5246世紀分に相当

By o-wagen

人気アダルトサイトの「Pornohub」が2016年の総転送量や総視聴時間、人気検索ワードなどをまとめた統計レポートを公開しました。統計レポートを見ていると、年齢や国、地域が違うユーザーの動向が手に取るようにわかります。

Pornhub's 2016 Year in Review – Pornhub Insights
http://www.pornhub.com/insights/2016-year-in-review

Pornohubの2016年における総転送量は3110PB(31億1040万GB)で、これは秒速99GB、分速6TBに相当します。

2016年の1年間で視聴されたムービーの総本数は919億8022万5000本で、地球上にいる全ての人が12.5本のムービーを視聴したことに。また、2016年の訪問数は230億で、1日当たり約6400万人、1秒当たり729人という結果になりました。

ムービーの総視聴時間は45億9900万時間で、これは5246世紀分に相当します。

トラフィックが多かった国トップ20。1位はダントツでアメリカ、2位はイギリス、3位はカナダ、4位はインド、5位は日本という結果になりました。

最も検索されたワードは1位が「lesbian(レズビアン)」、2位が「step mom(義母)」、3位が「MILF(熟女)」4位が「teen(10代)」、5位が「step sister(義姉妹)」。「japanese」は第10位にランクインしています。

アメリカのユーザーが最も検索したのは「step mom」と「lesbian」。人気カテゴリのトップ3は「Lesbian」「Ebony(黒人)」「Teen」になっています。また、人気女優トップ3は「キム・カーダシアン(モデル)」「ミア・カリファ」「リサ・アン」です。

日本のユーザーが最も検索したワードのランキングは「japanese」がダントツで1位。さらに「japanese teen」「japanese amateur(日本人 素人)」「japanese wife(日本人 人妻)」「japan」と続きます。人気カテゴリのトップ3は「Hentai」「Teen」「Amateur」でした。また、人気女優トップ3は「上原亜衣」「波多野結衣」「麻美ゆま」という結果になっています。

イタリアのユーザーの検索ワードトップ10で注目すべきは3位に入った「footjob(足コキ)」。他の国のランキングではほとんど見かけない「footjob」が3位に入ったのは、サッカー人気の高いお国柄が関係しているのかも。

ロシアは検索ワードのトップが、何とゲームの「overwatch」でした。Pornohubにはコスプレといったゲーム関連のアダルトムービーが多数あり、ロシアではOverwatchのムービーが人気だった模様。なお、人気カテゴリトップ3は1位「Anal(アナル)」、2位「Teen」、3位「Mature(熟女)」となっています。

ブラジルでもロシアと同じように「overwatch」が人気検索ワード1位を記録。また、4位に「pokemon」が入っているのにも注目です。

以下の棒グラフは、Pornohubで最も人気があったカテゴリをランキングで表したもの。1位は「Lesbian」で2位は「Teen(18+)」。それに「Ebony」「MILF」「Anal」「Big Dick(巨根)」といったワードが続きます。

各国で最も人気があったカテゴリを色分けして表した世界地図。北米は「Lesbian」、イギリスを除いたヨーロッパ各国やロシアでは「Anal」の人気が高くなっています。なお、日本や中国韓国といった国々では「Hentai」が人気。各地域によって人気カテゴリに違いが出るのは興味深いポイントです。

年齢別訪問者の割合は「18〜24」が31%、「25〜34」が29%、「35〜44」が17%、「45〜54」が11%、「55〜64」が7%、「65+」が4%です。

18〜24歳のユーザーが最も検索したのは「Lesbian」

25〜34歳のユーザーが最も検索したのは「japanese」

35〜44歳のユーザーが最も検索したのは「japanese」

45〜54歳のユーザーが最も検索したのは「milf」

55〜54歳のユーザーが最も検索したのは「milf」でした。

65歳以上のユーザーが最も検索したのは45〜54歳、55〜64歳のグループと同じく「milf」。年齢別の人気検索ワードを見ると、44歳以下の世代では「japanese」や「lesbian」などの人気が目立ちますが、45歳以上になると「milf」が圧倒的人気を誇るようです。また、54歳以下の年齢では一切ランキングに入っていなかった「granny(祖母)」が、55〜64歳で5位、65歳以上で2位に入っており、年齢が上がるに連れて年上の女性人気が高くなっていくようです。

ユーザーがアダルトムービーを視聴していた時間帯は以下の通り。22時から1時ごろまでがアダルトムービー視聴のゴールデンタイムとなっています。

Pornohubのユーザーは、男性だけでなく女性も多くいます。訪問者全体の26%は女性が占めており、理由は定かではありませんが、ジャマイカミクロネシア連邦バハマといったカリブ海にある国々は、女性ユーザーの割合が40%以上あります。なお、日本は男性ユーザーが81%、女性ユーザーが19%です。

性別ごとの人気検索ワードのランキング。女性で最も人気があるのは「lesbian」で、2位には「lesbian scissoring(レズビアン 性器こすりあわせ)」など同性愛者関連のワードが入りましたが、「treesome(3P)」や「big black dick(黒人の巨根)」が3位と4位に入っているのを見ると、同性愛者ではないユーザーも多そうです。

トラフィックをデバイス別に分類すると、スマートフォンからが一番多くて61%、続いてデスクトップで28%、タブレットが11%。

なお、ドナルド・トランプ氏が勝利したアメリカ大統領選の投票日前後から、トランプ氏の家族の名前をPornohubで検索する人が増えたそうです。最も検索されたのはトランプ氏の次女である「ティファニー・トランプ」で、その後に夫人の「メラニア・トランプ」、長女の「イヴァンカ・トランプ」が続きました。

2017-01-07 シェアから予約へーリアルからの脱出(1)

[]大手もシェア。全車両管理の時代へ。 大手もシェア。全車両管理の時代へ。を含むブックマーク 大手もシェア。全車両管理の時代へ。のブックマークコメント

ネット流通の拡大とドライバー不足が極まって食品大手が物流を統合するという。
必要は発明の母。
人手がなくなればそれなりに。
(それにしても求人倍率は上がる一方なのに人手不足は深刻だ。みんな働かなくなっているんだろうか)

こうしてあらゆる企業の物流と、物流会社の物流も統合・再編して「できる限り広い範囲の物流」が統合管理されれば、究極の効率化が実現しそうである。(しかもその頃の大部分の'運び手'は人間ではないだろう)

本当の「趣味のドライブ」以外の車両はすべて必要に応じて集中管理されれば理想的、とも思える。

さらに。

公共交通機関とか、航空便の「人の移動」もある程度予約を前提とすれば、ここも劇的に効率化できる。

来月の移動の仕方は分からなくても、数時間前とか30分前でも「予約」には意味がある。
もっと進めば。

食料とか料理のメニューなんかも「確定」でなくても事前に意思表示できれば、食材の廃棄なんかも劇的に少なくなったり。

今のコンビニとか。「なんでも揃えておいてお客が来るのを予測する」というスタイルのマーケティングではなく、「お互いに予約するのが当然」というのが文化として根付けばちょっと違ったエコシステムができそうだ。

味の素など食品大手4社、物流子会社・部門統合へ

2016/12/2 1:04
味の素やカゴメハウス食品グループ本社日清フーズの食品大手4社は1日、2019年をメドに物流を一本化する検討に入ると発表した。まず、来年に北海道九州で共同出資会社を設立。その後、物流子会社・部門を統合し、共同配送を全国規模で展開する。深刻化するドライバー不足に対応、ライバル会社同士が手を携えて共通の課題克服に取り組む。

 共同出資会社は味の素など4社が25%ずつ出資する。17年3月に北海道に「F―LINE」社を、同年4月に福岡県にも「九州F―LINE」を設立し、4社の共同物流体制を整える。工場から共同配送拠点への物流や、配送拠点から顧客企業までの物流も共同で取り組む。

 北海道、九州の共同事業での成果や改善点を洗い出し、19年にはそれぞれの物流子会社・部門の統合に着手する。北海道と九州に設置した共同出資会社は、統合に伴い設立する新会社の傘下に置くか、統合新会社に吸収させる見通しだ。

 これまで、食品メーカー各社は自前の物流子会社を設立し、個別に全国の物流体制を構築してきた。ただ、13年末から全国的にドライバー不足が発生し、14年3月の消費増税前の駆け込み需要時には「トラックも確保できない危機的な状況に各メーカーが陥った」(味の素の堀尾仁物流企画部長)という。

 このため、味の素やカゴメなど4社にミツカン日清オイリオグループを加えた6社が物流戦略を共同で策定する協議組織「食品企業物流プラットフォーム(F―LINEプロジェクト)」を15年2月に構築した。

 北海道で実施した共同配送プロジェクトでは、各社ばらばらだった納品書伝票を統一した。この結果、配送件数が約16%減少したほか、二酸化炭素(CO2)も16%削減できた。

 参加する食品メーカー各社は調味料などの加工食品で、激しいシェア争いを繰り広げている。ただ、ドライバー不足やネット販売の普及に伴う取扱品数の増加で物流コストが上昇している。こうした状況のなかで「競争は商品で、物流は共同で」(堀尾氏)という考えが食品大手のなかで生まれてきたという。

 4社のうち、日清フーズを除く3社は、自前の物流子会社を持つ。3社が統合すれば合計の売上高で約1000億円の食品物流会社が誕生することになる。

2017-01-06 流行らない力。(3)

[]成功の逆ヒント。原理×環境。つまり「古典×ニュース」。 成功の逆ヒント。原理×環境。つまり「古典×ニュース」。を含むブックマーク 成功の逆ヒント。原理×環境。つまり「古典×ニュース」。のブックマークコメント

流行りの情報とか、ニュースとか、ノウハウとか法則とか。

多分、今の時代は「これまでで初めての時代」であるはずなのに、自分たちは「過去のノウハウ集とか回答集」につい惹かれてしまう。

人間の心理の弱さというか、無理もないところ。
ということは。

成功の法則、などというよりも「物の原理」が根本的にどうはたらくか、ということ。

と、

その普遍的な"原理"が当てはまるだろう「今」はどのような"変数"でできているのか?
という発想はどうだろうか。

変わらぬ物理とか科学とか経済とかの「根本的なこと」と、その原理が「今のいろんな条件下」ではどうはたらくか?
という二つの系で物事を考えられれば、瑣末な情報に翻弄されずに、かなり世の中が見えるような気がする。

過去の名経営者と言われる人たちは、独特の人間観とか経営哲学などを後世の人がまとめているけれど、それって実は「根本的なこと」と「当てはめてみる条件」の話なのではないか、と思う。

つまりは「古典×ニュース」の発想じゃなかろうか。

ネットやITがますます進んで、ますます自分の日常が貴重になってきている。

2017-01-05 流行らない力。(2)

[]読書の理由。 読書の理由。を含むブックマーク 読書の理由。のブックマークコメント

自分の本棚や溜まった本を見ると、圧倒的にビジネス書とか技術書が多い。
反対に和洋の歴史書、古典、詩歌、さらには小説が皆無だ。

文化のテイストがない。
この無味乾燥な本棚が意味するものは何か。

改めて自省すると。
自分は結局「流行」を追いかけているのではないか。
今のビジネスとか、健康とか、人付き合いとか、価値観とか。

そんな「今の流行り」ばかりに気を取られていたら、こんな本棚になるのではないか。
そんな嫌なことに気づいてしまった。

自分だけのことを考えてみても、ネットの普及でそんな傾向は増しているように思う。

昨年はAIIoTがこれまでになく注目され、これからますます情報の洪水は激しくなるのは疑いがないところだ。

自分の部屋が本でオーバーフローしたのをきっかけに、自分の人生のキャパを考える。

「本当に重要なこと」と「実は流行りものでしかないこと」をかなり注意してかからないと、残る人生はあっという間に燃え尽きそうだ。

ネットよりも書籍に。
書籍よりも時間に。
そして"インプットとアウトプットのバランス"に何より注意を払おう。
あ。結局バランスか。
(つづく)

2017-01-04 流行らない力。(1)

[]読書の方法。 読書の方法。を含むブックマーク 読書の方法。のブックマークコメント

年末になり、なんとか部屋やオフィスに溜まった本を処分できないかと考える。
思えばこれまでの人生で、引越しとか年末とか「節目」のたびに浮かぶこの課題。

結論から言えば、今のままでは無理だ。週刊誌を入れれば毎年、最低100冊以上は溜まってゆく。
週刊誌系はなんとか処分するものの、文庫や新書はなかなか捨てづらく、「○○全集」なんかを買ってしまった日には最悪だ。
(古本屋にいけば全集もバラで売っていたりするし)

そこで裁判長の気分になって「このままではこいつ(オレ)はどうなるのか」を考える。

実刑だ。
何度も繰り返すから、執行猶予のつかない実刑だ。
あるいは「更生施設」に入る必要がある。

で最低限「更生するための要件」を考えてみた。
一つには「一冊読み切ってしまうまでは新しい本は買わない刑」。
ところが趣味や遊びや仕事や古典や…と分野が複数ある以上「一冊限定」てのは難しい。
なので止むに止まれず「斜め読みの刑」を選択することにした。

自分は本を読むのが遅く、それはレーザーディスクのように「ジー」とテキストを消化して行っているからだ。
これからは、例えば夜居酒屋に入る前に「今日はこの一冊を終了する」と決めてかかる。
まあ二時間くらいしかないわけで、その間に「その一冊」をともかく把握してしまわなければならないということだ。

よく生産性の向上などというものの、

その気になって「本全体を流し読みしながら全体の文脈を把握する」というのは、ある程度できそうな気がしてきた。

悲しいのは、そんな気持ちで居酒屋に入っていると酔わないこと。
せっかくくつろぎに行くはずが、仕事場が居酒屋になっただけ。

まあそういうものかもしれませんが。
(つづく)

のんのん 2017/01/04 14:28 明けましておめでとうございます。本年も元旦から読んでいます。ニュース記事もいいですけど力の抜けた記事に癒されます。今年も頑張ってくださいませ。

2017-01-03 エスケイプ。

[]労働観。 労働観。を含むブックマーク 労働観。のブックマークコメント

「労使」という言葉に象徴されて。
「働く側」と「雇う側」という概念はここ数世紀対立概念になっている。(と思う)
確かにそういう観点もあると思う。
けれど、まったく違う見方もある。

結論から言う。

"エスケープカード"があればいい。
「ダメだ」と本当に思ったら逃げてこい。
それでも社会から「離脱」とみなされないような保障ができていれば。

国は制度設計に解を求めようとしているようだが、民間人の自分としては「お門違い」に思えてならない。

農林水産業製造業、サーピス業、その他あらゆる業態に則した「働き方のマニュアル」なんて作れない。

農業の中にだって幾つも違う職種があるから。
人間の営みはそんなに簡単に画一化できないだろう。

むしろ「制度ありき」でその制度さえ守っていれば合法だ、というのが36協定に表出しているのではないだろうか。

結局は自発で働き、自分の考えるリミットまで頑張り、そうして「これは頑張りきれないかもしれない」と自分が感じた時点で"エスケープカード"が出せればいい、と思う。

あまり「ノー残業デー」とか「業種別賃金」とかいう行政のルールが業界全体を良くしていく、という例を自分は寡聞にして知らない。
働き方については、経営者が進んで「自業」について発信してゆくべき問題だと思う。

電通事件の衝撃(4)「労基法は悪くない」

 首相が社名と個人名をあげ、一企業の問題に踏み込むのは珍しい。10月19日、首相官邸で開いた働き方改革に取り組む人たちとの意見交換会。首相の安倍晋三(62)は参加者に語りかけた。「先般、電通の高橋さんが長時間労働によって過酷な状況の中で自ら命を絶つという大変悲しい出来事が起こった。このようなことは二度と起こしてはならない。やはり働き方改革を進めていかなければならない」

首相は過労死の防止を力説した(10月、働き方改革の意見交換会)

 電通の新入社員、高橋まつりさん(当時24)の過労自殺はなぜ防げなかったか。そして自殺に追い込まれる若者をどう救うか。政治家の目はそこに向く。

 「心もとないね。今のままでいいの」。11月21日、東京永田町で開いた過労死防止を考える議員連盟の会合。会長を務める前文部科学相馳浩(55)が厚生労働省労働基準局長の山越敬一(57)に労働時間規制への国の関与をただした。山越が「労使の取り組みを支援する」と話すにとどめると、馳は同僚議員が「きょうはこの程度で」と収めるまで指摘を続けた。

 厚労省幹部からは「労働時間には厳しい上限規制が必要」との強硬論も出るが、政府内には問題企業は現行法の枠内で取り締まるべきだとの慎重論もある。「悪いのは電通。今の労働基準法が悪いのではない」(内閣官房幹部)。捜査の行方を見極めたいとの思惑もにじむ。

 官の態度は働き方改革実現会議の運びにも響く。政府自身が目玉とした労働時間を巡る議論は年明けに持ち越し。労働時間の上限規制、労使で決めれば残業時間を延ばせる「36(サブロク)協定」見直しなどは事の是非を問う間もなかった。反対の出にくい非正規雇用の処遇改善を優先したように映る。

 政官の押し引きだけが続き、労働時間を巡る改革論議は膠着。働く時間を短くして済む問題ではない。経済団体からは「(時間でなく成果で賃金を払う)脱時間給などを盛る労基法改正案の審議入りも難しいだろう」との悲観的な見方も出る。

 日本商工会議所会頭の三村明夫(76)は1日の記者会見でこう説いた。「色々な動機を持って働きたい人に色々な働くタイプを提供し、生産性も上げる。企業、労働者に好ましい制度設計が働き方改革に求められる」。個の力を生かしたうえで企業の活力につなげる。善は急げ。だが、その“善”がなかなかみえてこない。

(敬称略)

 辻征弥、高城裕太、伴正春、小川和広、中村亮、三木理恵子、大淵将一が担当しました。

2017-01-02 2017年の予感(2)

[]人間だからしたいこと。 人間だからしたいこと。を含むブックマーク 人間だからしたいこと。のブックマークコメント

毎年過去一年を思い返すと「○○な年だったかも」と思うことがあるけれど。

昨年は「コンピュータ再定義元年であった」のじゃないかと思う。

16年を起点にして、多分加速度的に機械化(って古いか)が進み、今までとは比較にならにないくらい「人の労働からの解放」が進みそうだ。
今はコンピュータとかAIでは難しいと言われる「料理」とか「芸術・創作」の分野もかなりが分析されてくるだろう。

「形ばかりの創作やデザイン」は淘汰されて、自分たちは「より本物」を志向するようになるに違いない。

いざ「そう」なってみると、自分たちは既存路線から外れたがらない「保守」という性質を持っているけれど、心をリラックスしてみれば悪いことではないだろう。

まだ「その世界」は五年や十年はかかりそうだから、今の自分たちは「そうなった未来」をイメージしながら今を生きる、というのが取るべきスタンスなのではないだろうか。

なんでも「新しいものが必ずいいもの」とは限らないけれど、たとえ「古いものを遺す、という新しい発想とか着眼」なんかもあるわけで、つまり「新しい考え」というのはいつも自分たちを鍛える手段なのだと思う。

「ITとか自動化」の道筋が少し見えた(気がする)今、自分が「これからの五十年ほどで考えたいこと」が少しイメージできたような気がしたお正月なのでした。

2017-01-01 2017年の予感(1)-本当の共生はこれから始まる。

明けましておめでとうございます。本年もどうぞよろしくお願いします。

[][]肉体労働から離れたら。 肉体労働から離れたら。を含むブックマーク 肉体労働から離れたら。のブックマークコメント

それにしても、どう考えても産業革命以降、もっと身近で言えばコンピュータの普及によって「人の仕事」は減る一方だ。
人は単純労働からはどんどん解放されているし、これからも「人じゃないと」という業務作業は、ひたすら自動化されていくだろう。
AIが人の仕事をなくす、というのはちょっと扇動的な言い方に過ぎず、「だから人は楽になっていく」ということに尽きると思う。

今に始まった事ではないし、それが極端に進んだらそれは結構なことだと思う。
人が機械とソフトの自動化によってほとんどの労働から解放されるとしたら、いよいよ「そこからが人の出番」だろう。

地球外に何かを求めるのか、
地球そのものに何かを見出すのか、
人の共生を「国や宗教や民族」にどう見出すのか。

今の自分たちは「働きながら」「より豊かに(あるいは飢えないために)なるために」という発展途上にあるのだろう。

今までの過去数千年、決して実現しなかった「対立の調整」とか「全体の調和」にいよいよ本格的に挑む時代が来ると思う。
人類の夢、はそんなところにあるのだと思えばちょっと素敵じゃなかろうか。

仕事がなくなる、とかいうのは変化を嫌う「心の老化」に違いない。

2016-12-31 ゆく年くる年。

[]反ジャネーの法則反ジャネーの法則。を含むブックマーク 反ジャネーの法則。のブックマークコメント

「この一年は早かったなぁ」と言う声が今年は一際多いような気がしたのは自分だけだろうか。

この「一年の速度感」と「この一年に起きたイベントの数と大きさ」は何か体感スピードに関係があるのじゃないか。
イベントが多く、またインパクトが大きいほど時間の経つスピードが速い、つまり「時間を意識する感覚」が意識から薄れて「あっという間」に時が過ぎるような気がする。
ぼーっとして空を眺めていたり、何の意味もない待ち時間って実に時間の経つのが遅いと思いませんか?
ところが。

ところがある先輩は「今年は自分で初めてチャレンジすることがとても多くて、"まだ夏?"とか"まだ秋?時間が経つのが遅い!"という感覚が強かったと仰っていた。

ふーむ。
人生は充実しているほど長くなるのだろうか。
やたらと「早いねー」という自分と自分の周囲。(疑)

しばし今年の回想しながら
今年もお世話になりました。

2016-12-30 ジャンプ力より維持する力。

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毎度のことながら、「いくら天才の様子を研究しても決して天才にはなれない」ということを知っているけどついつい気になる天才の秘密。

イチローが常にハイレベルなモチベーションを維持していることの秘密がある(中略)

何を目標にするのかが重要らしい。

打率の場合は上がっているときには高いモチベーションが保たれるが、下降局面になるとモチベーションも下がっていく。
ヒットを積み重ねることだけを考えれば、目標は日々達成されて高いモチベーションが保たれる。
その高いモチベーションが、さらなるヒットを生むという好循環が生まれるわけだ。

そしてついには

「天才に共通する点は、こうした高いモチベーションを維持する能力」と断言する。

さらに

「人としての成熟はもっと先にあって、そのときに選手でいたい」

これって

成功していると言われる経営者の多くが「自分の人間的成長こそが報酬」というのと同じだ。

つまりつまり。

目先の「ほんの目の前のステップを追いかけつつ」も、
「十年から三十年、くらいのスパンの目標を同時に操ること」なのか。

むむむ。
むむ。
どっちもボヤけているけれど。

イチロー、4000安打生んだ「逆転の発想」
 ヤンキースのイチローが日米通算4000安打を達成した。180センチ、77キロと野球選手としては決して恵まれた体格とはいえないイチローが、なぜこうした金字塔を打ち立てられたのか。モチベーションの保ち方、成功に導いた発想は……。臨床スポーツ心理学者で「イチロー思考」などの著書で知られる追手門学院客員教授の児玉光雄氏に聞いた。

■打率ではなくヒットの数重視

 「(打率は)割り算だからね。ボクは小学校のころから割り算が嫌いだったんです」とイチローはいう。

 イチローが大切にするもの。それは打率ではなくヒットの数だ。「終盤戦に首位打者を狙う駆け引きで、打率を下げないためにわざとベンチに下がる選手になりたくない」とも口にする。

 「打率ではなく、こうしたヒット数に重きを置いていることにこそ、イチローが常にハイレベルなモチベーションを維持していることの秘密がある」と児玉教授は語る。なぜならば、打率の場合は上がっているときには高いモチベーションが保たれるが、下降局面になるとモチベーションも下がっていく。「そんな一喜一憂はしたくない、と考えているのではないか」

ファンの期待もモチベーションに

 打率ではなく、ヒットを積み重ねることだけを考えれば、目標は日々達成されて高いモチベーションが保たれる。その高いモチベーションが、さらなるヒットを生むという好循環が生まれるわけだ。


 そして「ファンが何よりも自分のヒットを見にきていることを知っている」と同教授。だから四球を選ぶことは少なく、早いカウントから積極的に打ちにいく。ファンの期待も自らのモチベーションに変えている。

 イチローの卓越したところは、こうした高いモチベーションの保ち方である。「天才といわれる人は能力に満ちあふれた人と考えられがちだが、それは誤解」と児玉教授。卓越した能力があっても、頭角を現せずに埋もれてしまう人は数多い。「天才に共通する点は、こうした高いモチベーションを維持する能力」と断言する。

■結果出すための過程にも重き

 イチローもかつて自らのことを「天才ではない」と語っていた。「毎日、血のにじむような努力をしてきたから、今の自分があると思っている」

 重きを置いているのは、モチベーションとともに結果を出すためのプロセスだ。「小さなことを積み重ねることが、とんでもないところへ行く唯一の道」と話したことがある。ヒットを打つために単調な練習をいとわず、努力を続ける。ヤンキースに移籍したときも、ニューヨークの自宅に真っ先に運び込んだのがトレーニングマシンだったそうだ。

■試合前に完璧な準備、最も大切

 「ハイレベルなスピードでプレーするために、絶えず身体と心の準備はしている。自分にとって一番大切なことは、試合前に完璧な準備をすること」

 「どんな難しいプレーも、当然にやってのける。これがプロであり、ボクはそれに伴う努力を人に見せるつもりはない」


 そう話すイチローにこんなエピソードがある。高校時代のこと。愛工大名電の合宿所に「夜になると幽霊がでる」といううわさが広まった。その正体はほかならぬイチロー。みんなが寝静まったころ、こっそり抜け出して素振りをしていたという。

 イチローがそうした努力を続けられるのは「確固たる目標を設定し、それに向かって前進しようという執着心と忍耐力を持っているから」と児玉教授。努力をしたからといって、すぐに結果がついてくるものではない。だが続けていれば、あるとき突然に飛躍への扉が開かれる。苦しいことが未来の自分をつくってくれる、という信念を持っているのだ。

■自分を変化させることに敏感

 そして、成功のもう一つの鍵になったのが一般常識とは違った発想、つまり「逆転の発想」だ。

 イチローは自分を変化させることにとても敏感である。「日々変化していることを実感として味わうことが、最強のモチベーションの一つになっている」と児玉教授は指摘する。

 「空振りだとか、三振だとかに一喜一憂しないことが大事。そこで打てない、もう駄目だと思ったら、次の打席に立てない。たとえ3打席、4打席ダメであろうと、『次』につなげる打席にしなければ、打ち取られてしまう」とイチローはいう。

■徹底的に無駄そぎ落とす

 凡打したときでも、その中から次につながるヒントを探し出す。「失敗の中には可能性が含まれている」という。もっというならば、スランプに陥ったときこそ飛躍のチャンスと考える。「普通の人なら落ち込んでしまうだろうが、後退することも一つの進化と考えられるところが偉大さ」と同教授は話す。


 また、イチローは無駄なものを徹底的にそぎ落とす。たとえば細身のバットを使用している。「常識的に考えればミートするには太いタイプのバットの方が楽。細いバットはきちんと芯に当たらないとヒットにならない。きちんと芯に当てるバッティングをするために、あえて細いバットを使っている」と児玉教授はみる。

 バットスイングにしても走塁にしても無駄な動きが一切ない。だから動きが華麗だ。「スイングの仕方なんて変えられませんからね。考え方としてはある動きを省いているということです」とイチロー。そこにはあるのは「そぎおとしの美学」。児玉教授は「成長しようとするとき、普通の人は何かを付け加えようとするが、イチローの思考は全く逆で無駄を省こうとする」と語る。

■打席で待つベストのボール

 もう一ついえば、イチローが打席で待っているのは相手投手の失投ではなく、ベストのボール。こうした逃げない姿勢もメジャーリーガーの中でも超一流としてやっていける理由だろう。

 イチローはメジャー1年目のシーズンを終えたとき、ある雑誌のインタビューで冗談交じりにこう答えたという。

 「50歳のシーズンを終えたときにね、こういいたいんですよ。『まだまだ発展途上ですから』って」

 昨年のペナントレースを終えた後にも、テレビのインタビューで「人としての成熟はもっと先にあって、そのときに選手でいたい」と口にしている。

■「まだまだ進化の途上に」

 こうした言葉からも「イチローがまだまだ進化できると信じているのは間違いない」と児玉教授はいう。

 限界に達した自分、最高の自分を見てみたい――。プロ生活22年の歳月でたどってきたのは、ある意味で「自分探求の道」。今年10月に40歳になるイチローの旅はさらに続く。

(鉄村和之)

2016-12-29 積極的に勉強しよう。

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こういう「年金何するものぞ」というような教育こそ、義務教育から詳しく学び、また大学などでも専門教育を広く深めていくべきではないだろうか。
自分はアメリカのように「何でも投資とリターン」にフォーカスして考えるのは好きではないが、しかし今の「社会の仕組み」については知らないことが多すぎる。

政治思想のことや政治のシステムも然り。
行政の制度なんて、医療介護保険一つとってみても複雑怪奇で、とても「一度サラッと学んだだけ」では理解できない。
どんどん仕組みを複雑にしてしまう「行政と政治」も罪深いと思うが、世間に吠えても仕方にない。

必要なことは自分で補強していくしかないと思う。
コラムの権丈先生の話を聞いていると「じゃあコメとか肉を何十年も保存して蓄えておくか」という気にもなってしまうが、是非とも「老後は暗いことばかり」という論調に一泡吹かせてもらいたいものだ。

親は介護、自分は定年、子供はニート、では若者に「元気を出せ」というのも無理がある。
明るい将来もいくらでも描けるのだ、ということを示すのが大人の責務ではないだろうか。

公的年金保険の誤解を解く(3) 積立方式でも少子化は影響 慶応義塾大学教授 権丈善一
生産物は蓄えることが難しく、20年後、30年後に消費するためには、そのほとんどがその時代に生産される必要があります。その財・サービスを生産するのは誰でしょうか。それは、その時代の生産者でしかあり得ません。筆者のような50歳代の世代が30年後に80歳代になった時、散髪してもらうには、その時に現役の床屋さんに髪を切ってもらうしかないわけです。

 その生産者の数が少子高齢化と人口減少で少なくなっていき、1人当たりの労働者が生産する財・サービスの量が変わらなければ、合計の生産物は減ってしまいます。その少なくなった生産物を、その時代に生きる現役世代と高齢世代などみんなで分け合うことになります。

 この時、20年前、30年前から、お金を蓄えて、将来の生産物に対する請求権を確保していたつもりでいても、その請求権の基になる貨幣価値は変化を余儀なくされます。ニコラス・バー教授が言うように「年金受給者が購入できる生産物がなければ、貨幣は無意味となる」わけです。生産物がなくなるというのは極端ですが、年金の財政方式が積立方式であれば、少子高齢化の影響を受けないと信じている人の目を覚まさせる言葉としては分かりやすいと思います。

 年金受給者の生活水準はその年金によって購入できる生産物の量によって決まりますが、購入できる量はそのときのパイの大きさ(総生産物)に制約されます。だから「生産物こそが重要」なのです。そしてパイの大きさは、年金財政が積立方式であろうと賦課方式であろうと、残念ながら少子高齢化の影響を受けることは免れません。

 積立方式で現役時代から株式債券といった形で蓄えておいても、資産を現金化して財・サービスを購入しようとすれば、資産価値が下落するという形で調整されることもあれば、財・サービスの需要が高まって価格によって調整されることもあるでしょう。いずれにしても、年金受給者の関心は、食料、衣類、医療サービスなどの消費に関心があるのですから、公的年金の制度設計は、生産物を基準にして行うことが必要になります。

2016-12-28 地球ラッピング。

[]地球の把握。 地球の把握。を含むブックマーク 地球の把握。のブックマークコメント

f:id:why-newton:20161228032027j:image
もう数年で地球の上は10キロ単位のマス目で区切られて、地表ではどこもネット網で包囲されるらしい。
世界の半分の人は「網の外」にいるそうだ。
人間だけでも今の倍。
その他のセンサーやら自動車やらドローンやらで地上は埋め尽くされそうだ。
世界中の人も機械も、互いに商売したり、メッセージをやり取りしたり、自動でデータを送ったり…
地球は通信で「くちゃくちゃ」になりそうだ。

地球の環境汚染とか、温暖化とか、資源のありかとかが本当に分かってくるのは、それからが本番なのかもしれない。
ネットで覆われた地球の外側には、やっぱり「リアル宇宙ステーション」が次々できていくのだろうか。


小型衛星で世界にネット網 エアバス支援VBやスペースXなど

 【シリコンバレー=兼松雄一郎】小型通信衛星を地球に近い低軌道へ多数打ち上げ、世界全域をカバーする通信網を構築する構想が動き出した。欧州エアバスや英ヴァージン・グループが出資する米ワンウェブ宇宙開発の米スペースXといったベンチャー企業に加え、米航空機大手ボーイングなども事業計画を具体化している。既存の通信網では採算を見込みにくい新興国や辺境地でもサービス展開を狙う。

 ワンウェブにはソフトバンクグループも10億ドル(約1170億円)の出資を決めた。創業者のグレッグ・ワイラー会長は日本経済新聞取材に対し「計3千億円以上を投じ、882基の衛星を配置する」と計画の概要を明らかにした。

 小型衛星は高度1200キロメートル付近に配置する。高度3万キロメートルを超える静止軌道に配置する通常の大型衛星に比べ打ち上げ単価が安いのが特徴。大型衛星の打ち上げに相乗りしたり、数十基をまとめて打ち上げたりできるため、数が多くてもコストを抑えられる。

 地上側には10キロメートル間隔で簡易型の小型受信端末や中継端末を設置する。ワイラー氏は「地域の経済状況に合わせ、低コストで効率的な地球規模のインターネット接続網を実現する」と語った。

 ワンウェブは2017年中にも1号機を打ち上げ、19年にもサービスを始める。打ち上げにはヴァージン製のロケットも使う。フロリダ州に工場を建設し、衛星の自社生産も計画している。

 電気自動車テスラモーターズで知られる起業家イーロン・マスク氏が率いるスペースXは11月中旬、米連邦通信委員会(FCC)に具体的な事業計画や周波数帯利用を申請した。まず800基を打ち上げ、最終的には4425基まで増やす計画。サービス地域は北米から世界へと広げる。

 ボーイングも6月に1396基の配置計画を申請済み。最終的には3千基まで増やす計画だ。

 国際電気通信連合(ITU)によるとネットの世帯普及率はアジア太平洋地域で4割、アフリカでは1割にとどまる。世界人口の半分はまだネットを利用できていない。既存の通信大手は投資効率を考え、需要が多い都市部にインフラ投資を集中させがち。対するワンウェブなどは後発新興国や人口密度の低いへき地でも事業を展開する。

 小型衛星を使い広域通信網を構築する試みは1990年代からあったが、インフラ整備が高コストだったうえ、需要自体が限られた。このため軍事や船舶、油田向けなど用途限定のサービスしか生き残っていない。

 ここにきて構想が相次ぐのは、衛星コストが劇的に下がったことが大きい。蓄電池半導体の性能向上が進み、製造コストはかつての10分の1以下に下がった。打ち上げコストもスペースXに代表される民間企業の参入で下がり始めている。

 一方、格安スマートフォンが登場・普及し、ネット接続の需要が拡大していることも事業化を後押しする。低所得層が多い後発新興国や需要が少ないと思われた辺境地で一般消費者だけでなく政府や企業向けの情報提供サービスの利用が見込めるようになったためだ。

 小型衛星では米グーグルが地図や広告へのデータ活用を模索。米ベンチャー企業のオービタルインサイト石油備蓄基地や駐車場などの画像を解析し、情報を販売する。ワンウェブに出資する米コカ・コーラはへき地に点在する取扱店向けの流通の効率化などに活用する計画だ。

 日本でも東京大学発ベンチャー、アクセルスペースが小型観測衛星などを手掛け、新興国の都市開発や鉱山運営などに役立つ衛星写真の提供サービスを計画している。

2016-12-27 人間を超えて。

[]機械の閾値越え。 機械の閾値越え。を含むブックマーク 機械の閾値越え。のブックマークコメント

デンソーも今年、東芝との間で、人間と同等以上の認識処理ができるAI技術の共同開発で合意。
画像センサーでは世界首位のソニーとも連携。

この「人間と同等以上の認識処理」というところに目が惹かれた。
今までのコンピューターもそりゃ優秀だけど「単機能」だった。

AIというのは、今は様々に使われているけれど、実は「連携した機能」を指すのではないだろうか。

ただ計算だけを早く正確にこなすのなら、圧倒的にコンピューターだ。
けれど機械は機械。

それ以上のことは「やっぱ人がしなくちゃね」というのがあった。
AIはその壁を超えてくるのじゃないだろうか。

これまでの「クルーズコントロール」でスピードを一定にして走っていた車ではない。
運転の一部」を自動でする機械の登場は、それは「明らかに人の一部、と言えること」が機械で実現されているってことだ。

天文学的なプログラムの塊と、安く早くなったコンピューターがついに「人らしいこと」を代替し始めたということだ。
この流れは来年からはもっと進んでいくだろう。
楽しみな未来が待っているのではないだろうか。


デンソー、NECと自動運転技術 部品とIT連携 日本勢で連合、欧米に対抗

 デンソーとNECは自動運転など先進運転支援システムの実現に向け、人工知能(AI)を活用した車載製品を共同開発するなど包括的に連携する。自動運転や通信機能がついた車の開発では自動車とIT(情報技術)の業界連携が世界的に進んでいる。デンソーは東芝やソニーなども含めて連合を組み、欧米勢との競争に挑む。

 両社の首脳が今週会談し合意した。週明けに発表する。車載ソフトの開発・セキュリティー対策など自動運転を実現する中核的な技術全般にわたってデンソーがIT企業と連携するのは初めて。NECグループが開発要員を提供し開発体制を組むところまで踏み込む。

 自動運転や先進運転支援の実現には、車載カメラで撮影した画像をAIで分析し、どこに歩行者障害物があるか、どちらの方向に進むべきかなどを判断する技術が必要になる。今回の枠組みではデンソーがNECの持つAIや車載ソフトのシステム開発力を活用。AIが危険を予測し、ハンドルやブレーキを制御する技術を共同開発する。

 車載用のIT機器を守る情報セキュリティー技術でも連携する。通信機能が付いた「コネクテッドカー(つながる車)」が普及するとサイバー攻撃を受けるリスクが増すため対策が必要になる。デンソーはあらゆるモノがネットにつながる「IoT」で全世界の工場をつなぐ取り組みを進めており、これにもNECが協力する。

 自動運転やつながる車など次世代の自動車開発にはITが欠かせない。車に載せるIT機器も増える見通しだ。例えば車載センサーの市場規模は、ゴールドマン・サックス証券の予想によると、2020年の市場規模が15年時点に比べて倍増し100億ドル(1兆1700億円)を超える。

 一方で、センサーなどIT機器を車に載せられるよう、耐震性や耐熱性を高める技術は部品メーカーの強み。IT業界にとっても部品を含む自動車業界との連携が不可欠になっている。

デンソーの自動運転時代を見据えたシミュレーター

 デンソーの売上高は約4兆5千億円(16年3月期)で、世界最大手の独ボッシュや独コンチネンタルと並ぶ「メガサプライヤー」の一角を占める。自動運転などを巡り自動車メーカーがIT企業と組むなどしているが、部品の約7割は外部から調達しており、部品メーカーの協力なしに新技術の開発は難しい。メガサプライヤー同士も自動運転など次世代技術の開発で激しく競争している。

 コンチネンタルは昨年フィンランドのIT大手から車載ソフト部門を6億ユーロ(約810億円、当時)で買収。ボッシュもソフト開発人材1万5000人を確保している。米デルファイも米インテルイスラエルモービルアイなどと組んで自動運転に使うソフトを開発している。

 デンソーも今年、東芝との間で、人間と同等以上の認識処理ができるAI技術の共同開発で合意。画像センサーでは世界首位のソニーとも連携。高性能センサーを車に積めるよう耐熱性や耐震性を向上させ、夜間の歩行者も撮影できるようにした。電機大手などと幅広く組むことで競争力を上げる戦略を進めている。

忍たま忍たま 2016/12/27 10:21 私も今みんなが思っている以上の仕事がなくなっていくと思います。一昔前の生産性とかいうレベルではないでしょうね。今一度自分の価値を考えています。

ローカーボローカーボ 2016/12/27 11:41 今何でもAIAI言いますが、確かにこれって「機械の閾値超え」のことかもしれませんね。納得です。

2016-12-26 ありさんはさらにアリさん。

[]成熟した趣味。 成熟した趣味。を含むブックマーク 成熟した趣味。のブックマークコメント

貯蓄する女子を「富女子」と呼ぶらしい。
未曾有の高齢化社会の到来が、結局は「お上頼みで自立心を欠く典型の日本人」(行政大企業の不効率な仕組みを見るとよく分かる)に対して「大逆転
の自衛策」をもたらして居るのかもしれない。

もう"政治頼みでの解決は無理だろう"というくらいはみんなが感じている。
優れた為政者はこうして「絶望的な状況」から国民自らの発露を促す、という究極の統治をするのかもしれない。(だとしたらすごいことだ)

物も買わず、趣味の享楽も外食もせず、ストイックに貯蓄をする姿は見ていてどこか清清しい。

ラグジュアリーには金は使わず、それでいて自己投資には積極的。
こんなライフスタイルが身につけば、実は「それほどの貯蓄も要らない体質」になっていそうだが、そういう人はますます貯蓄を増やしていくだろうことは想像に難くない。

アリさんは貯蓄こそが趣味なのかもしれない。

貯蓄1000万円「富女子」台頭 20〜30代、節約極める
「5年で1000万円をためる」――。そんな目標を掲げてコツコツと節約にはげむ20〜30代の女性が増えている。その名も「富女子(ふじょし)」。お金をためて手に入れたいものはブランド品などの高額品ではなくて、将来への安心感。1000万円をためてもまだ不安はぬぐえずアパートの大家になった女性も現れた。富女子の生態に迫った。

■美容はカットモデル、自作アクセサリーは数十円
年収500万円以下の普通の女性が貯蓄を積み上げている

平日の夜、東京渋谷のマンションの一室で、20〜30代の女性10人が真剣に話し合っていた。
「ボーナスの月はもっとためられるんじゃない?」「これ、無謀な計画では」――。みな自分の年収や貯蓄額を包み隠さずにさらけ出す。手元の資料をのぞくと、「5年1000万達成計画」と書いてある。

ワイズアカデミー(東京・渋谷)が開く女性のためのお金のため方・投資勉強会「富女子会」。代表の永田雄三さんが時折アドバイスをするが、基本的には、参加者が持ち寄った計画書を見ながら議論する。サークルのような雰囲気だ。

「5年で1000万円貯蓄」を目指す20〜30代女性の集まり「富女子会」(東京都渋谷区
2013年に始めた頃は会員は10人程度だったが、口コミなどで広がり150人に増えた。
会社員や学校の先生、薬剤師など様々で年収は多くが500万円以下。励まし合いながらコツコツと節約する一方で、月々の貯金の多くを低リスクの投資に回している。

これまでに約50人が500万円以上を達成し、なかには1000万円の目標をクリアした人も。参加者の1人は「こんなにためたんです」と通帳をみせてくれた。
なぜこれほど懸命にお金をためているのだろう。参加者に聞いてみた。

みな口々に「いつか結婚して子どもが生まれたら、いまのように働き続けられるか分からない」という。子どもが認可保育園に簡単に入れない今。結婚していないうちから子どもを育てて働く将来を案じているようだ。

都内に住む渡辺瑠美さん(30)が1000万円を目指したのは5年前。「はやり廃りがない着回しができる服を何年も着ている」。見ると欲しくなるのであまり店に足を運ばない。サルビアなどの花を金具と合わせて数十円でアクセサリーを作り、シンプルな服のアクセントにしている。

髪を切る時はアプリを使って美容室のカットモデルに応募。「失敗しても、また伸びるからそれで十分」。賃貸マンションの自宅ベランダでリーフレタスなどを栽培し料理につかう。目標があるから、いまの暮らしも「苦に思わない」という。

別の女性(28)は買い物をする際に「それが欲しいものか、必要なものか、徹底的に選別」する。約700万円をため、彼氏もいる。それでも「結婚しても幸せになれないかもしれない。年金だってどうなるか分からない」と打ち明ける。

川崎市の女性(28)は貯蓄額1000万円まであと一歩だ。やはり外食はめったにせず、自宅で多めに作った夕食の残りを朝食や昼のお弁当のおかずにしている。化粧品はずっと数百円ほどの「ちふれ化粧品」。買い物はイオンなどで、百貨店にはまず行かない。

自宅で食用のハーブやアクセサリー作りの材料にする花を栽培する30代の女性
独身だけではない。東京都豊島区の会社員(29)は既婚者だ。家賃や生活費は夫と折半で、お財布は別々。毎月ためる約7万円はもともと「ないもの」としてやりくりをして、昨年末に念願の1000万円を達成した。

ご主人がいますよね? 「でも、夫と離婚や死別する可能性はないとは言い切れないでしょう」ときっぱり。思わず「そうですね」と男性記者(30)もうなずいた。
仕事、結婚、子ども、ローン、年金……。将来への漠然とした不安が富女子たちを貯蓄へと駆り立てる。お金をためてラグジュアリーな暮らしをしたいとか、高級ブランドの数百万円する時計など大きな買い物をしたいわけでもない。得たいのは「安心感」。お金がたまると自信もつき、「周囲からも見違えるほど、雰囲気が明るくなったといわれる」(20代の女性)という。

■将来に備えアパートに投資
不安という感情はやっかいで、1000万円ためても必ずしも不安がなくなるわけではないようだ。富女子の次なるラウンドは不動産投資だ。

1000万円をためてアパート経営を始めた女性
横浜市内の駅徒歩12分。1000万円ためた女性(29)に案内され、ベージュの壁のアパートに着いた。「私がここの大家です」とほほ笑む。

目標の1000万円を達成しても「不安がなくならない」。アパートの大家ならローリスク・ミドルリターンで身の丈にあった投資だと考え、昨年末に1棟丸ごと4000万円で購入した。月々の16万円のローンを返すが、全部屋は満室で24万円の家賃収入を得ている。夫からとくに反対されなかったという。

アパート経営をはじめ不動産投資に関心のある若い女性が年々増えている。会員数が8万人を超えるファーストロジックが運営する不動産投資サイト「楽待」では、主婦の登録が11月時点で約1640人と、12年に比べ約7倍に増えた。

インヴァランス(東京・渋谷)の調査では、20〜39歳で不動産投資に関心のある社会人の女性の半数以上が「老後の生活費のため」、約30%が「子どもの教育費のため」と回答した。

富女子について、コラムニスト辛酸なめ子さん(42)は「年金も男性も頼りにならないので、女性たちの自立心が高まっていったのでしょう」と語る。
先行きが不透明な時代。結婚しても就職しても若い女性たちの不安を払拭する確かなものは、今の社会ではなかなか見当たらないようだ。ある富女子はつぶやいた。「どこまでためてもゴールはないのかもしれない」

■「コト」への消費は惜しまず
強い意志をもってお金をためている富女子だが、「コト」にはあまりお金を惜しまない。
富女子の渡辺さんは数十万円を払い、ビジネスセミナーや薬膳料理教室などに通っている。「将来の選択肢を広げるため」。自己投資こそが、利回りが最も高い投資と考えている。

1000万円ためた別の女性(29)は2、3カ月に1度は歌舞伎や相撲、寸劇などを1万円ほどする席で鑑賞する。「モノをたくさん持ってもおもしろい人になれそうもない。こうした経験は自分の財産になる」と思うからだ。

ベルメゾン生活スタイル研究所によると、30代女性で日常生活の充実よりも貯蓄などして将来に備えたいという人の割合は2016年に6割を超えて、15年より約4ポイント上昇した。富女子ほどストイックではないが、将来への不安から貯蓄へと走る女性は増えている。

富女子は、新語・流行語大賞に昨年ノミネートされた「ミニマリスト」と「不要なモノの購入を控え自分が価値を認めたものにお金を使う」(ミニマリストの佐々木典士さん)という点で似ている。ただ貯蓄という最優先の目標があり、貯蓄を中心に消費のスタイルを決めている。流通業にとって、ミニマリスト以上に手ごわい相手かもしれない。
(小田浩靖)
[日経MJ2016年12月21日付]

エマエマ 2016/12/27 00:40 ありさん。^ - ^

2016-12-25 慢心恐るべし。

[]シェアはすぐそこまで。 シェアはすぐそこまで。を含むブックマーク シェアはすぐそこまで。のブックマークコメント

中国政府機関の調査によると、15年のシェアサービスの市場規模は1兆9500億元(約32兆5000億円)と米国に次ぐもよう。

正直、これまで何度も渡中し、正直中国の人たちの「消費レベルが日本と同じになるまで」はもっと時間がかかると思っていた。
でもそれは大きな間違いだったかもしれない。

いったん「シェアする」とか「(食とかサービスの)安全とか」に目覚めれば、その方向性は一気に変わるのかもしれない。
つまり今の"日本とか先進国の感覚"にたちまち拍車がかかるわけで、

つまり「質のいい商品やサービスが受け入れられる」ということが一気に途上国にも広まることが予想される。

すると製品だけではなく、シェアを始めとする「サービスの世界」に一気に競争原理が入ってくることになる。

今までは先進国と言われる人たちが「自分たちだからこそ思いつき、実施できるサービス」と思っていたことを、それを理解した人たちが大挙してやってくるわけで、いよいよこれからがサービスのグローバル化の時代になるような気がする。

「いいこと」は常にマネされるわけで、だからさらに「マネのできないこと」を自分たちは考えていかねばならない。
安泰はなかなか来ないものである。


中国、シェア経済開花 自転車から家庭の味まで 消費の意識変化

 中国でシェアリング(共有)サービスが活況だ。海外でも定番となった自動車相乗りや「民泊」に加え、乗り捨てできる自転車が急速に普及。家庭の味など個人の料理のお裾分けサービスも人気を集める。かつてのような経済の急成長が望めないなか、出費を抑えて快適に暮らしたいという消費者意識の高まりを国内発のベンチャー企業がとらえている。

スマホで自動決済

 お昼時の上海。20歳代の女性会社員が自転車にスマートフォン(スマホ)をかざしていた。「昼休みに少し離れた人気のお店にランチに行こうと思って」。自転車のQRコードをスマホで読み取ると数秒でカギが外れ、食事に向かっていった。

 これは「摩拝単車(モバイク)」と呼ばれる自転車のシェアサービスだ。スマホの地図上で最寄りの自転車を見つけ、QRコードで解錠。乗り終わってカギをかけると、30分1元(約16円)の料金がスマホで自動決済される。初回に個人登録して299元の保証金を支払えば、通常は最少2回のスマホ操作で乗れる。

 銀色のフレームにオレンジ色のホイールという都会的な雰囲気と、どこでも乗り捨てられる利便性が受けて利用が急拡大している。

 モバイク社を2015年創業した王暁峰・最高経営責任者(CEO)は、ライドシェア(相乗り)の米ウーバーテクノロジーズの上海代表も務めた人物だ。「中国では渋滞と大気汚染が年々深刻になる。自転車は双方の解決につながり、健康にもいい」と力説する。

 カギの部分には通信用のSIMカードを内蔵して自動解錠を可能にしたほか、全地球測位システム(GPS)で全自転車の所在地を把握する。タイヤは耐久性に優れ、空気補充が不要なチューブレス。すでに北京広州などにサービス地域を広げ、計10万台以上を運用している。

■食あたりには補償

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 「安心でおいしい食事をみんなで共有しよう」。食事のシェアサービスを提供するのが「回家吃飯(フイジャーチーファン)」だ。スマホのアプリ上で、料理の腕自慢たちが料理の写真や価格、食材などを公開。ユーザーが配達場所と希望時間を入力すると、宅配業者が料理を届けてくれる。

 レストランの料理を宅配する出前アプリはすでに普及しているが、「回家」では個人が料理を提供する。いわば個人の「台所」と料理の腕前のシェアサービスだ。口コミなども参考に、家庭の味を手ごろな価格で楽しめるのが人気の秘密だ。

 同社は料理提供者を事前に審査。料理代金とは別に5元の保険料支払いを義務付け、食あたりなどトラブルの際には最大30万元を補償する。

 中国でシェアサービスが拡大する背景には、若者を中心とする消費マインドの変化がある。経済成長の減速を受けてメンツ重視型の消費が後退。シェアサービスで出費を抑え、余ったお金で映画や食事を楽しむなど、消費の成熟化が顕著だ。

 1元単位の少額決済が簡単にできるスマホ用アプリの普及も大きい。アリババ集団や騰訊控股(テンセント)の電子決済サービスが人気だ。中国では大学生の多くが4〜6人の相部屋で寮生活を送り、「日用品や食事を共有することに抵抗はない」(上海市内の男子学生)という習慣も背景にありそうだ。

■昨年は32兆円規模

 中国政府機関の調査によると、15年のシェアサービスの市場規模は1兆9500億元(約32兆5000億円)と米国に次ぐもよう。今後5年は毎年4割程度の伸びが見込まれるという。テンセントの馬化騰CEOは著書の中で「中国のシェア経済は黄金期に入った」と指摘する。

 米ウーバーのような相乗りサービスでは最大手の滴滴出行が人気だ。米エアビーアンドビーの「民泊」に相当するサービスは途家が提供している。外資でも独ダイムラーが16年から乗り捨て型のカーシェア事業重慶市で始め、2カ月で8万人近い利用者登録を集めたという。

 シェア経済のうねりは「所有すること」に貪欲だった中国の消費者のこだわりの薄れを反映する。中国の消費市場を攻略する上でも重要なカギとなりそうだ。

(上海=小高航)

2016-12-24 低成長でも怖くない。

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見逃せないのは、主要国の低成長そのものが中間層の所得増を阻み、格差を助長した可能性だ。

要するに、先進国から仕事が減っているということらしい。

移民の問題もよく取り沙汰されるが、要するに「移民さん」がやる仕事を自分たちがしなくなっているわけで、「安く働く外国人は来るな」なぜなら「私は安くは働きたくないから」という理屈は少し無理があると思う。

そこには「自分も安く働くか」もしくは「もっと違う分野の仕事を模索するか」しか選択はないわけで、純粋な競争をしないで規制に頼る、というのはちょっと潔くない気がするのだ。

それはともかく。
世界中の先進国からあまり「成長の余地」がなくなり、新興国はどんどん差を詰めてきている「初めての21世紀」。

このまま進めば、「あと何百年か」をかけて世界は均質化し、環境問題も目処が立ち、「安定世界」に近づいていく、、と思うのは自分だけだろうか。

悲観論も絶えないけれど、ざっと千年単位で見ればかなり安定に近づいているような気がする。
ちょっと肩の力を抜いて自分たちの将来を考えてもいいのではないだろうか。


格差、グローバル化のせい? トランプ氏の「勝因」

 まさかのトランプ氏勝利となった米大統領選。新興国台頭で苦境に陥った白人労働者層の不満が爆発したとされ、グローバル化と格差の関係が改めて脚光を浴びる。だが本当にグローバル化が元凶なのか。探ると様々な疑問に突き当たる。

 ラストベルト(さびた工業地帯)と呼ばれる一角、米オハイオ州。「中国のダンピング輸出にさらされ、俺たちにはなすすべもない」。40歳代のフランクさんが働いていた製鉄所は今年初めに閉鎖された。新しい職場は自宅から遠く、賃金も減った。口ぶりに悔しさがにじむ。

■取り残された層

 トランプ氏勝利の陰にあるのは「グローバリズムへの恐怖と、行きすぎを制御したいという欲望」。オバマ大統領は自らこう説いてみせる。

 1980年代末から進んだグローバル化では新興国経済が急成長し、国家間の所得格差は縮小した。取り残されたのが欧米の低中所得層だ。自国内では一部の高所得者が潤い格差は広がった。グローバル化を目の敵にするのもうなずける。

 だが格差の原因はグローバル化だけではない。金融危機が本格化する直前の2007年に国際通貨基金(IMF)が一つの解を示していた。所得格差を示すジニ係数が00年代前半にかけ悪化した原因を分析。先進国内では「技術進歩」も格差拡大に同じくらい影響を及ぼすとの結論に達した。

 IMFは技術進歩の度合いを測るモノサシとして、IT(情報技術)関連が総資本に占める割合を用いた。ジョージ・メイソン大学のコーエン教授はITを使いこなせる一部の人と、仕事を奪われる人の二極化を招いたと断じる。

 もっとも「格差の共犯」とされるその技術革新も金融危機後は停滞が鮮明。貿易量も頭打ちでグローバル化の歩みも鈍い。それでも多くの国の内部でなお格差拡大が続くのはなぜなのだろう。

 見逃せないのは、主要国の低成長そのものが中間層の所得増を阻み、格差を助長した可能性だ。スイス金融大手UBSが金融危機後の世界貿易(輸入)の伸びが危機前に比べて鈍った要因を分解したところ、主要国(中国を除く)の需要減退の影響が全体の59%分にも上った。中国の貿易構造の変化が23%で続く。

 危機後の大規模な金融緩和が格差拡大につながったとの批判もある。株高などで金融資産を多く持つ富裕層は潤ったが、経済の実力は高まらず、中低所得層の所得は増えなかったという理屈だ。

■むしろ負担増す

 ではトランプ氏の政策格差是正に寄与するのか。目玉は「レーガン政権以来」とうたう大型減税だ。簡素で公平な税制と経済活性化を両立したとしてレーガン税制は今や世界のお手本ともされるが、ノーベル賞経済学者ポール・クルーグマン氏は減税の恩恵が富裕層に偏ったと批判。実際、1980年代は富裕層へ急速に所得集中が進んだ。仏経済学者、トマ・ピケティ氏は「悲劇的なのは、トランプ氏の政策がもっぱら不平等を強めてしまうこと」と言う。

 移民の制限や保護貿易など反グローバルの姿勢も際立つ。国を閉じて米製造業を復活させれば、中間層も潤うという考えだ。ペンシルベニア大のギャレット教授は「メードイン・アメリカは美しいスローガンだが、米国ですべてを一からつくれば価格は急騰する」と中間層の負担はかえって増すと警告している。

 IMFは「グローバル化を拒絶するのでなく、より良く管理すべきだ」(オストリー調査局副局長)と主張。自由貿易などの利益を追求すると同時に、その負の側面を和らげる所得再分配を強める必要があるという。技術革新を促す策を含め、成長の持続性を高める政策パッケージこそが合理的との結論に行き着く。

ニューヨーク=大塚節雄)