藤野の散文-初鶏、鶯、花曇り このページをアンテナに追加 RSSフィード

2017-02-23 常識の危うさ。

[]どんどん覆る世界。 どんどん覆る世界。を含むブックマーク どんどん覆る世界。のブックマークコメント

大麻(マリファナ)の合法化が米国で進んでいるという。
重要なのは、法律も含めた「時代の価値観とかルールとか"法律"」までもが変わってゆくものだ、ということだろうか。
阿片が流通した時代も、薬物が禁止される時代も、実は「その次の科学と価値観」が登場すれば絶対のものではなくなるらしい。

今多くの人が楽しんでいるコーヒーも、時代が進めば「禁コーヒー」という時代が来ないとも限らない。
日本では酒を禁止した時代はないようだけれど、科学的なものについては、薬も含めてこれからも色々と試行錯誤があるだろうと思う。

薬物だけでなく、食品とか添加物とかサプリメントの分野でも、科学が進めば進むほどに賛否の意見が分かれるのは"多様性の成果"と言っていいのだろうか。

もっと広げて「健康法」とか「美容術」になればもはや'言い伝え'レベルのものだってたくさんある。
ここまで時代がすすみ、ネットで情報の共有が進んでいるから「今までの絶対」が「案外簡単に覆るものだ」ということを常にどこかで考えておかないと自分の身の置き場がなくなることになる。

「借り物の知識」と「自分で実感できていること」を分けて使わないと、知識だけを振り回している自分というのは通用しなくなりそうだ。

さて自分の本当って実は何なのだろうか。

北米、大麻合法化の波 娯楽用、9州・地域で容認 税収増え乱用防止策も
北米で大麻の合法化が進んでいる。米国では昨年11月、全米で最も人口が多いカリフォルニアを含む4州が住民投票で娯楽用の大麻使用を賛成多数で承認。医療用の解禁や使用拡大を認める州も増えた。カナダ政府連邦レベルでの合法化の動きを進める。大麻「産業」は500億ドル(約5.6兆円)規模に拡大するとの試算もあり、企業の参入も相次ぐ。日本では考えにくい活況を呈している。

オレゴン州ポートランドの娯楽用大麻販売店=ロイター

 トランプ大統領が誕生した昨年11月の米大統領選。実は同時に5州で娯楽用の大麻合法化を問う住民投票が行われていた。結果は4州が賛成多数で、先行しているコロラド州などと合わせ、計9州・地域に拡大することになった。

 なかでも影響が大きいのは人口3900万人を抱えるカリフォルニアだ。人口ベースで、娯楽用大麻を認める地域は全米の6%から21%に拡大する。このほか、同じ機会に医療用大麻の使用解禁や使い方の拡大の是非を問う住民投票を行った州もあり、29州・地域で使えることになった。

 隣のカナダでは2015年、「全国レベルで娯楽用途を合法化する」と総選挙公約に掲げたトルド首相が就任。16年末に政府の委員会による報告書が公表され、年内に法律が成立しそうだ。

 相次ぐ合法化で大麻「市場」は急拡大する。投資銀行のコーウェンによると、現在約60億ドルの米国の大麻関連市場は今後10年で500億ドルまで成長する見込みという。「製造に加え、決済サービス、警備、市場調査などが有望な成長分野になる」。大麻専門のコンサルティング会社、メディシン・マン・テクノロジーズのマーク・ハービル氏はこう予測する。

 州法で合法でも、連邦法では違法という特殊なビジネス環境。大手金融機関が送金やクレジットカードの決済を受け付けないため、仮想通貨ビットコインを使った決済サービスのベンチャーも登場している。16年に大麻産業に流れ込んだ投資は10億ドルを超えた。

 大手企業のほとんどが及び腰の中、マイクロソフトは昨年6月、大麻に特化したソフトウエア企業との提携を発表。肥料農薬大手スコッツ・ミラクル・グロのジェームズ・ヘッジドーン最高経営責任者(CEO)は米メディアに「大麻は園芸業界で過去最大(のチャンス)」と語っている。

 娯楽用はもちろん、医療用も認めない日本からみれば信じがたい世界だ。大麻は安全なのか。国立精神・神経医療研究センターの舩田正彦・依存性薬物研究室長は「安全だから認めているわけではない」と説明する。ギャラップ社の調査(15年)によると、大麻を吸うと答えた米国人は11%。一度でも使ったことのある人は44%に上った。「既にまん延し、追放は現実的でない状況がある」(舩田室長)

 合法化すれば、販売ルートと犯罪組織を切り離したり、未成年者の使用を防いだりといった管理が進む期待がある。地下に潜っていた資金が表の経済に流れ、自治体の税収にもつながる。娯楽用の解禁先行地、コロラド州では16年の大麻販売額が13億ドルに上り、州の歳入に2億ドルのプラスをもたらした。乱用防止対策などに使っているという。

 もっとも、米国でもこのまま合法化の流れが続くかは分からない。共和党民主党と比べ、慎重派が多い。特にトランプ政権には宗教的保守派の幹部が目立つ。司法長官に就任したジェフ・セッションズ氏は就任前の上院公聴会で「連邦法での合法化は全くあり得ない」と明言。ペンス副大統領も強硬な反対派として知られている。

(国際アジア部 木寺もも子)

  大麻草(麻)の葉を乾燥・液化した麻薬で、吸引などによりテトラヒドロカンナビノール(THC)と呼ばれる物質が麻酔・鎮静・催眠・幻覚を引き起こす。マリフアナとも呼ばれる。覚醒剤などと比べれば弱いが依存性や危険性がある。日本は大麻取締法で無許可の所持や栽培を禁止。医療用の使用解禁を求める声もあるが、科学的な根拠が出そろっていないという指摘もある。

2017-02-22 政治と制度とリアルの生活。

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年金の話。
つまるところ、定年に達した先輩たちの生活を「現役世代の社会」がどうするかという問題だ。
どげんかせんといかん」という観点で「まず対処を」考えなければ今の現役世代の「名折れ」になるのではないだろうか。
方法論で、公平とか不公平とか、「賦課方式か積み立てか」という話は尽きないが、それでも貧困で干上がってしまう目上の世代を見過ごすのはしたくないと思う。

ともかく。
ともかく。
昔の武士で言えば「しばらく、しばらく。」

制度論や設計を話す前に「絶対に飢えさせないセーフティネット」は是非作りたい。
いろんな議論はその後にゆっくりすればいいと思う。

物事の順序は間違ってはいけない。

公的年金保険の誤解を解く(1)多くの日本人は貯金と勘違い 慶応義塾大学教授 権丈善一
日本の人口の高齢化は今後も進行し、日本は大変な高齢社会を迎えます。65歳以上の人口比率は2016年の約27%から、60年ごろには40%になると見込まれています。

 高齢期に必要となる医療介護、そして年金などの制度は、日本では基本的に現役のうちは引退世代の給付を負担し、自分が高齢期になると現役世代から給付を受けるという、いわゆる賦課方式を採っています。

 こうした制度は、今後の超高齢社会では維持できなくなるのではないかと不安に思う人も多いかもしれません。そこに「少子高齢化の影響を全く受けない方式があります。それは現役期に自分で将来必要となるお金を積み立てておく方式のことです」と言われれば、飛びつきたくなるのも分からなくはありません。過去には実際、年金財政を積立方式にすべきだという議論が盛り上がったこともありました。

 しかし、本当は、少子高齢化の影響を全く受けない年金などあり得ない話なのです。ところが、積立方式の確実性を主張する有識者もいるため、それを信じる人も絶えないようです。

 この連載では、そのあたりの誤解を解くためのキーワードとなる「Output is central(生産物こそが重要)」という考え方を軸に公的年金保険に対する誤解について論じていきます。なお本連載では可能な限り、年金のことを正確に「公的年金保険」という言葉で呼ぶことにします。この公的年金保険を、お金が積み立てられる貯蓄と勘違いされると、議論のスタート地点から話がかみ合わなくなるからです。

 ちなみに年金は、1959年までは厚生省(当時)の中の保険局の中で、医療保険と一緒に扱われていました。皆保険、皆年金の施行を前に、年金部門が保険局から独立し、年金局が創設されたという経緯があります。その時、一方を皆保険、もう一方を皆年金と呼んだために、半世紀以上たった今では、日本人の多くが公的年金は保険であることをすっかり忘れてしまったようなのです。

 けんじょう・よしかず 62年生まれ。慶応大博士。専門は社会保障政策

憂国の起業家憂国の起業家 2017/02/22 10:31 いつも気になるトピックをチョイスされており大変ありがたく拝読しております。

老後資金を十分に用意しないまま老後を迎えてしまう。そういった高齢者の救済は生活保護で行われること。
これは老後のために貯蓄していこうとする現役世代には不公平を感じさせるものです。

もちろん、こういった不景気な時勢ですので、どれだけ真面目に貯蓄に励もうと思っても年収が少ない、扶養している親族がいる方にとっては可処分所得を貯蓄に回せず、今を人並みに豊かに生きることに優先して使われることでしょう。

平均的な世帯ですら外からは見えにくいものの家計は火の車であり、もはや誰も責めることもできない惨状が日本全国に薄く広がっていると感じます。
見渡す限り、声にならない絶望が広がって見えるのは私だけでしょうか。

生活保護を右肩あがりを続けており、平均給与は右肩下がりを続けています。
若者は生活防衛のため、結婚や小作りをしません。
豊かな生活を全員がするには、増えすぎた日本。
超長期的に人口が半減することは悪くない兆候です。

ただ、目先、尋常でない生活保護者数になることでしょう。
将来で確実に予測可能な人口動態からスローラインディングできないことが決まった今、もはや「国民総生活保護」待ったなしです。

この国では都合が悪い言葉は美化するためにカタカナにされますね。
「ベーシックインカム」は避けられないと考えています。

月に15〜20万円ほどは最低限の生活に必要であり
もはや水や空気や道路と同じように国民全員に無償で施されるべきです。

すでにどんな仕事であっても月に15万円ほど稼ぐことはできますので
実態として、月15万円は空気のようなものであり
そこから上乗せして稼げる部分が、その人が生み出した富の分配であると言って差支えないのではないでしょうか。

その意味では、月収40万円で無理にややこしい手続きを作り胡坐をかいている公務員は隠居してBIで暮らしてもらいたいところです。
天下り先の法人も不要です。

税制をシンプルにすれば、国税は税務調査が楽になり、大幅人員カット可能であり、税理士も人工知能で置き換え可能です。
他にも血の涙を流せば、歳出をカットできるところは多数あります。

これは既に公務員というものが、ほとんど生活保護であるからです。
富の生産に寄与しない一般公務員が、民間より高給であることは無理があります。
富の再分配の失敗した一面が現れている。

ベーシックインカムが導入される前に、リセットが行われることでしょう。
まずハイパーインフレにより預金封鎖されます。
貧困層の借金は大幅減額され、富裕層の資産も価値を大幅棄損します。
年金の運用先である株は高騰し、国だけは社会保障の財源を守ります。

貧富の格差を大幅に縮小する。法律、慣例、常識、既得権益など
世の中の滞ってきた問題を突破する。

トラッキング可能な電子マネーにより、税金の徴収が用意になり
富の再配分としての大動脈ベーシックインカムも容易になります。

次の世代に。これからも楽しみにしております。

2017-02-21 境界とは何か。自分とは何か。

[]国の意味について。個人の意味について。 国の意味について。個人の意味について。を含むブックマーク 国の意味について。個人の意味について。のブックマークコメント

個人同士や会社組織のことを「小さな世界」だとすると、地方・国・地域などはかなり大きな世界である。
国とは何か、と問われたら実にいろんなの概念が浮かぶ。

【国(くに)】
一定区域をなす土地を表わす言葉で,現在では,土地,人民政府をもつ国家のこと。
歴史的には,さまざまの範囲を呼ぶのに用いられた。

国が力を持ち、経済圏を形成して、それが「境界」を作る。

実は自分たち人間は「境界」を通して自分とそれ以外、を考えることができないのではないだろうか。

自分と他人の境界は「アイデンティティ」として当たり前にある。
けれど、実は「他人を通じてしか」自分のことを計れなくなっているように思うのだ。

トランプ氏の政策が物議を醸しているけれど"「まず自国と他国の境界」について、それまでの「よくわからないグローバル化」を一旦ストップして考え直そうよ"というようなメッセージに見える。

「自分が自分以外の」家族とか友人とか仕事仲間とか、ご近所さんとか知らない人とかとも「自分との関わり」を基準にして考える、というのは案外基本的なアプローチなのではないだろうか。

さて、その後は「自分と自分のこれから」との対話にもなってくる。
自分の立場がはっきりすれば、それ以外のことって意外に見えてくるのかもしれない。

トランプ氏の移民制限が転機 「起業の聖地」アジア
米国には「H1B」という秘密兵器がある――。日系人の米物理学者ミチオ・カク氏は、こう喝破して、壇上に居並ぶ論客を黙らせた。6年前の公開討論会の席である。

 H1Bとは、高度な専門技能を身につけた外国人が取得できる入国査証ビザ)のこと。科学者技術者などが対象となる。発給枠の8万5千人に対し、2016年は23万3千人が応募した。

 「H1Bの制度がなければ、グーグルシリコンバレーも存在しなかった」。カク氏の両親は第2次大戦期に日系人収容所で暮らしたという。移民こそが米国の競争力を支えているという主張には説得力がある。

 トランプ政権の移民制限が、米国のハイテク業界を揺るがせている。世界から頭脳を吸い寄せる力で、米国ひとり勝ちの時代が終わる予兆かもしれない。だとすれば、人材はシリコンバレーからどこへ向かうのか。

 米国への技術者の移住が多い隣国カナダ西海岸は有力な候補だろう。だが、そもそもH1Bの取得者は、インド中国をはじめアジア出身者が8割を占める。米国が門戸を閉ざせば、地元に回帰する流れが自然に生まれるはずだ。21世紀の起業の聖地は、アジアに誕生するのではないか。

 アジア太平洋の小売業の業績グラフをみると、その可能性がより現実味を帯びてくる。2030年までに推定24億人に膨らむ中間層を擁し、アジアは北米欧州連合(EU)をしのぐ巨大な消費市場に変貌しつつある。

 ところが、旺盛に伸びる販売とは裏腹に、流通在庫も増え、業界全体で収益は低下の一途。企業の側の生産性が追いつかず、爆発的に増える商品流通を上手にさばけないでいるからだ。

 「デジタル技術と小売業が融合し、業態進化が劇的に進んでいる」。コンサルタント大手IDCのマイク・ガーセミ調査部長によれば、消費革命で、アジア域内のIT(情報技術)の人材需要が急騰しているという。

 たとえばシンガポールでは、百貨店の老舗が次々と看板を下ろす光景を目にする。あらゆる商品の調達から販売までを、自ら手がける業態は滅びつつある。

 生き残りをかけ経営者は知恵を絞る。テナント出店する業者配送経理、販促を請け負い、舞台裏からネット上でサービスを提供する黒子の物流業へ。あるいは買い物客の電子決済を基に、ビッグデータを握る金融会社へと姿を変えていく。

 IT技術者や起業家投資家が群生し、ノーネクタイでひざをつき合わせてカフェで話し込む姿を、シンガポールや深圳などの都市で見かけるようになった。米西海岸ではおなじみの光景だ。

 昨年2月の旧正月、シリコンバレーを訪れたリー・シェンロン首相は、H1Bビザで働く若者を集めて呼びかけた。「いずれ母国に帰って来てほしい。その日に備えて挑戦と興奮に満ちた国を築いておくから……」

 その予言の日は意外と早く来るかもしれない。第2のシリコンバレー候補として、日本の都市の名は聞こえてこない。

編集委員 太田泰彦)

2017-02-20 富女子。消費と貯蓄。

[]新しい関係。 新しい関係。を含むブックマーク 新しい関係。のブックマークコメント

年収五百万以下の社会人女性の「1000万貯金」がブームだという。

得たいのは「安心感」。

富女子について、コラムニスト辛酸なめ子さん(42)は「年金も男性も頼りにならないので、女性たちの自立心が高まっていったのでしょう」と語る。

記事を見ると、実はその底流には「やりたいことを謳歌する」という精神があるように思った。
若い頃に"そこそこ"着飾ったり、遊興費を使ったり、というのは実は「充実感」が薄いのではないか。

それよりも40代以降に自分の生活サイクルで「将来」が見えてきたときにこそ、必要なことにお金を使いたいという「お金の使い方の話」なのだと思う。

なんとなく、周囲の空気に乗って消費するのではなく、本当に使いたいことにこそ投じる。
お金の使い方としては、かなり洗練された感覚だと思う。

何にしても自分の「ボリシー」というのは常に気にかけて大事にしておきたいものだ。

貯蓄1000万円「富女子」台頭 20〜30代、節約極める
 「5年で1000万円をためる」――。そんな目標を掲げてコツコツと節約にはげむ20〜30代の女性が増えている。その名も「富女子(ふじょし)」。お金をためて手に入れたいものはブランド品などの高額品ではなくて、将来への安心感。1000万円をためてもまだ不安はぬぐえずアパートの大家になった女性も現れた。富女子の生態に迫った。

■美容はカットモデル、自作アクセサリーは数十円

年収500万円以下の普通の女性が貯蓄を積み上げている

 平日の夜、東京渋谷のマンションの一室で、20〜30代の女性10人が真剣に話し合っていた。

 「ボーナスの月はもっとためられるんじゃない?」「これ、無謀な計画では」――。みな自分の年収や貯蓄額を包み隠さずにさらけ出す。手元の資料をのぞくと、「5年1000万達成計画」と書いてある。

 ワイズアカデミー(東京・渋谷)が開く女性のためのお金のため方・投資勉強会「富女子会」。代表の永田雄三さんが時折アドバイスをするが、基本的には、参加者が持ち寄った計画書を見ながら議論する。サークルのような雰囲気だ。

「5年で1000万円貯蓄」を目指す20〜30代女性の集まり「富女子会」(東京都渋谷区

 2013年に始めた頃は会員は10人程度だったが、口コミなどで広がり150人に増えた。

 会社員や学校の先生、薬剤師など様々で年収は多くが500万円以下。励まし合いながらコツコツと節約する一方で、月々の貯金の多くを低リスクの投資に回している。

 これまでに約50人が500万円以上を達成し、なかには1000万円の目標をクリアした人も。参加者の1人は「こんなにためたんです」と通帳をみせてくれた。

 なぜこれほど懸命にお金をためているのだろう。参加者に聞いてみた。

 みな口々に「いつか結婚して子どもが生まれたら、いまのように働き続けられるか分からない」という。子どもが認可保育園に簡単に入れない今。結婚していないうちから子どもを育てて働く将来を案じているようだ。

 都内に住む渡辺瑠美さん(30)が1000万円を目指したのは5年前。「はやり廃りがない着回しができる服を何年も着ている」。見ると欲しくなるのであまり店に足を運ばない。サルビアなどの花を金具と合わせて数十円でアクセサリーを作り、シンプルな服のアクセントにしている。

 髪を切る時はアプリを使って美容室のカットモデルに応募。「失敗しても、また伸びるからそれで十分」。賃貸マンションの自宅ベランダでリーフレタスなどを栽培し料理につかう。目標があるから、いまの暮らしも「苦に思わない」という。

 別の女性(28)は買い物をする際に「それが欲しいものか、必要なものか、徹底的に選別」する。約700万円をため、彼氏もいる。それでも「結婚しても幸せになれないかもしれない。年金だってどうなるか分からない」と打ち明ける。

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 川崎市の女性(28)は貯蓄額1000万円まであと一歩だ。やはり外食はめったにせず、自宅で多めに作った夕食の残りを朝食や昼のお弁当のおかずにしている。化粧品はずっと数百円ほどの「ちふれ化粧品」。買い物はイオンなどで、百貨店にはまず行かない。

自宅で食用のハーブやアクセサリー作りの材料にする花を栽培する30代の女性

 独身だけではない。東京都豊島区の会社員(29)は既婚者だ。家賃や生活費は夫と折半で、お財布は別々。毎月ためる約7万円はもともと「ないもの」としてやりくりをして、昨年末に念願の1000万円を達成した。

 ご主人がいますよね? 「でも、夫と離婚や死別する可能性はないとは言い切れないでしょう」ときっぱり。思わず「そうですね」と男性記者(30)もうなずいた。

 仕事、結婚、子ども、ローン、年金……。将来への漠然とした不安が富女子たちを貯蓄へと駆り立てる。お金をためてラグジュアリーな暮らしをしたいとか、高級ブランドの数百万円する時計など大きな買い物をしたいわけでもない。得たいのは「安心感」。お金がたまると自信もつき、「周囲からも見違えるほど、雰囲気が明るくなったといわれる」(20代の女性)という。

■将来に備えアパートに投資

 不安という感情はやっかいで、1000万円ためても必ずしも不安がなくなるわけではないようだ。富女子の次なるラウンドは不動産投資だ。

1000万円をためてアパート経営を始めた女性

 横浜市内の駅徒歩12分。1000万円ためた女性(29)に案内され、ベージュの壁のアパートに着いた。「私がここの大家です」とほほ笑む。

 目標の1000万円を達成しても「不安がなくならない」。アパートの大家ならローリスク・ミドルリターンで身の丈にあった投資だと考え、昨年末に1棟丸ごと4000万円で購入した。月々の16万円のローンを返すが、全部屋は満室で24万円の家賃収入を得ている。夫からとくに反対されなかったという。

 アパート経営をはじめ不動産投資に関心のある若い女性が年々増えている。会員数が8万人を超えるファーストロジックが運営する不動産投資サイト「楽待」では、主婦の登録が11月時点で約1640人と、12年に比べ約7倍に増えた。

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 インヴァランス(東京・渋谷)の調査では、20〜39歳で不動産投資に関心のある社会人の女性の半数以上が「老後の生活費のため」、約30%が「子どもの教育費のため」と回答した。

 富女子について、コラムニストの辛酸なめ子さん(42)は「年金も男性も頼りにならないので、女性たちの自立心が高まっていったのでしょう」と語る。

 先行きが不透明な時代。結婚しても就職しても若い女性たちの不安を払拭する確かなものは、今の社会ではなかなか見当たらないようだ。ある富女子はつぶやいた。「どこまでためてもゴールはないのかもしれない」

■「コト」への消費は惜しまず

 強い意志をもってお金をためている富女子だが、「コト」にはあまりお金を惜しまない。

 富女子の渡辺さんは数十万円を払い、ビジネスセミナーや薬膳料理教室などに通っている。「将来の選択肢を広げるため」。自己投資こそが、利回りが最も高い投資と考えている。

 1000万円ためた別の女性(29)は2、3カ月に1度は歌舞伎や相撲、寸劇などを1万円ほどする席で鑑賞する。「モノをたくさん持ってもおもしろい人になれそうもない。こうした経験は自分の財産になる」と思うからだ。

 ベルメゾン生活スタイル研究所によると、30代女性で日常生活の充実よりも貯蓄などして将来に備えたいという人の割合は2016年に6割を超えて、15年より約4ポイント上昇した。富女子ほどストイックではないが、将来への不安から貯蓄へと走る女性は増えている。

 富女子は、新語・流行語大賞に昨年ノミネートされた「ミニマリスト」と「不要なモノの購入を控え自分が価値を認めたものにお金を使う」(ミニマリストの佐々木典士さん)という点で似ている。ただ貯蓄という最優先の目標があり、貯蓄を中心に消費のスタイルを決めている。流通業にとって、ミニマリスト以上に手ごわい相手かもしれない。

(小田浩靖)

[日経MJ2016年12月21日付]

2017-02-19 学び方を学ぶために。

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やんちゃだった昔の友人の中に、少なからず「勉強家」がいる。
物理・化学医学薬学外国文学・古典、茶道華道に武道に造形、ヨガ筋トレと勉強に余念がない。
自分もその口だが、揃って「昔は勉強の面白さを知らなかった」という。

本当はもっと大切なことがある。知識体験を基に、物事多面的に見る力や考える力、そしてひらめきを生む感性を持つことだ。
単なる知識を超えた、ゆたかな「知」と呼びたい。

この簡単なことが、なかなか実社会では常識にならない。
クイズ的に蓄積した知識は、それだけではただ書棚に積まれた本でしかない。

学校はゆたかな「知」を築けるか
憂鬱の「鬱」の字を書けますか。御成敗式目の成立はいつ? 原子番号26の物質は何でしょう。球の体積の求め方は……。
といった問いに答えられたら世間でちょっと尊敬されるだろう。学校教育が人々に与える、こうした知識の量は膨大である。だからわたしたちは、学校で学んだ知識自体を「知」であると思い込んでしまう。「高学歴芸能人」が競うクイズ番組など、その典型だ。

AI時代の教育とは
 しかし、本当はもっと大切なことがある。知識や体験を基に、物事を多面的に見る力や考える力、そしてひらめきを生む感性を持つことだ。単なる知識を超えた、ゆたかな「知」と呼びたい。

 それは人工知能(AI)が進歩する時代の要請でもあろう。ただ知識をため込んだり、事務をこなしたりする営みはAIに取って代わられる。だとすれば、人間にしかできない仕事が問われる。そんな時代を前に、学校教育は相当な危機感を持たねばなるまい。

 ところが現実はどうか。明治初年の学制公布以来の、欧米に追いつけ追い越せを目標とした知識注入教育が役割を終えた現代になっても、日本の学校教育はあまり変わることがない。授業が文字通り、教員によって「業を授ける」スタイルを抜け出せないのだ。

 その意味で、こんど中央教育審議会答申をまとめ、文科省が改訂を進めている新しい学習指導要領は注目すべき内容といえる。

 2020年度から小中高校で順次導入されるこの指導要領は、教員が「何を教えるか」ではなく、児童・生徒の側に視点を移して「何を学ぶか」を示すことになる。それにより「何ができるようになるか」を問い、さらに「どのように学ぶか」を掲げるという。

 その手法が「アクティブ・ラーニング」だ。一方通行の授業を脱却し、討論への参加や体験学習を通して「対話的・主体的で深い学び」を実現する。知識だけでなく、思考力・判断力・想像力の育成をねらう。こんな理念をちりばめた指針となるはずだ。

 方向性も、こめられた問題意識も、まずは是としたい。

 かねてアクティブ・ラーニング的な学びは先進国を中心に普及してきたが、日本では立ち遅れていた。改革がうまくいけば、柔軟な思考と感性で問題に向き合える人材の育成が進むかもしれない。主権者教育でも重要なことだ。

 もっとも、そのために取り除くべき障壁があまりにも多い。

 まず試されるのは、文科省が指導要領の趣旨を学校現場に丁寧に説明しつつ、教員一人ひとりの自主性と創意工夫を重んじた「学び」をうまく見守っていけるかどうかである。アクティブ・ラーニングに決して特定の型はない。

 すでに教育界では新指導要領の先取りが始まっており、中央からの指示を待つ空気も漂う。そんななかで文科省が不用意な対応をすれば、新指導要領の趣旨とは相いれぬ画一化が進むだろう。

 そもそも学校現場の多くが、経済的困窮とも関連する低学力層の底上げに悩んでいる。そうした子どもたちを救いながら「深い学び」の実現は可能なのか。教員にはかなりの力量が求められるが、掛け声だけでは人は動かない。

質と量の両立は困難
もうひとつの心配は、学習の量を削らずに「深い学び」がどこまで追求できるかという点だ。教員が真摯に取り組むほど、知識自体の伝授は不十分になる恐れがある。思い切って「質」を優先し、「量」は後回しにするような現場の裁量も認めたらどうだろう。

 こうした課題克服に加えて、欠かせないのは教育条件の整備だ。多忙を極める教員に、いまの環境のままで新指導要領の徹底を求めるのは酷だ。長期的視点に立った教員定数と処遇の改善がきわめて重要である。体験豊富な社会人の力も、もっと借りたい。

 視野を広げれば、大学入試の抜本改革が必須だ。どんなに小中高校の授業が変わっても、選抜のあり方が旧態依然では意味がない。私立大の大規模入試も含め、手間がかかっても考える力を問う選抜へと転換すべきである。

 問題を挙げればきりがない。それでも学びの変革は、学校にゆたかな「知」をもたらすと期待をつなぐだけの価値はあろう。

 米国哲学者ジョン・デューイ19世紀の末に「学校と社会」のなかで、子どもたちを機械的に集団化し、画一化する教育からの解放を説いた。学校教育のコペルニクス的転回を――。100年以上前のこの言葉を、いま改めてかみしめるべきである。

2017-02-18 富がフラット化。

[]政治もこれから。 政治もこれから。を含むブックマーク 政治もこれから。のブックマークコメント

ネットの普及で様々な内部告発が当たり前になり、パナマ文書で世界的に「富の偏在」が知られるようになった。
まだ今の時代だからこうした話題で住んでいるが、近いうちに「税金回避」とか「マネーロンダリング」という言葉は昔の言葉になるのではないだろうか。

電子マネーがどこまで普及するかはともかく、実際の現金のやり取りもそのほとんどが「電子送金」になっている。
それぞれの送金の記録が銀行側に残ってしまうわけで、もう既に「相対現金取引」というクラシックな方法以外には「秘密の資金移動」は難しい。

自分は将来はすべての現金に"ID"が付くと思っていて、そうなったら「闇取引」も「タンス預金」もできなくなるだろう。
ようやくそうなって「富の偏在はどうか」とか「税金とか社会保障費とか行政の費用とか」が具体的に見えてきて、正常な過不足の議論になるのだろうと思う。

ネットや情報化は、そうした「今まで知らなかったこと」を見えるようにして、ようやく考える土俵にみんながつける、という役割を担っているのに違いない。

これまでの権力層の「大人と子供」の関係が、ようやくフラットで「誰にも見える世界」になるのだろう。
本当の政治はこれから始まるのではないだろうか。

富裕層資産、ガラス張り 日本も課税包囲網に参加
 富裕層への課税を強化している日本の国税当局が、海外資産を把握するための新たな手段を手に入れる。2018年、各国の税務当局間で口座情報を交換する仕組みが始まる。パナマ文書問題などで租税回避に対する批判が高まるなか、どこまで効果を発揮するか。

東京国税局の富裕層を専門に調査するチーム(東京都中央区

 「富裕層の資産が丸裸になる。威力はすさまじいものになる」。18年9月までに稼働する「CRS」に対する国税当局幹部の言葉だ。その評価は決して大げさではない。

■瞬時に情報交換

 CRSは(Common Reporting Standard=共通報告基準)の略称。海外の金融機関を使った租税回避への対応を目的に、経済協力開発機構(OECD)が策定した。各国の税務当局が自国の金融機関から氏名や住所、口座残高、利子・配当の年間受取額などの報告を受け、自動的に交換する。

 これまでも情報交換は行われていた。個人法人を特定し、書類で提供し合う方法などが主だった。新たなシステムがまったく異なるのは、大量の口座残高などの情報を電子データで瞬時に交換することにある。

 イメージはこうだ。○月×日。スイスの税務当局から国税庁にデータが届く。スイス国内の銀行や証券会社にある日本人名義の口座情報だ。各地の国税局や税務署が申告状況と照合した結果、都内の会社経営者に不審な点が見つかった。スイスに20億円分の預金があるのに、海外で一定以上の資産を持つ人に義務付けられた書類(国外財産調書)が提出されていない。「隠し財産ではないか」。東京国税局は本格調査の検討に入った。

 CRSには日本を含む101カ国・地域が加わる見通し。米国は加わらないが、英領ケイマン諸島など多くの租税回避地タックスヘイブン)も参加する。東京都内のある男性税理士は「国税当局にとって、CRSで得られる情報は宝の山になるだろう」とみる。

 「これまで申告していない財産がばれてしまうのか?」。都内の税理士は最近、こんな相談を相次いで受けた。金融関係者によると、CRSに参加しないカンボジアへの投資に関心を持つ人もいるという。

 国税当局の期待は、富裕層調査が難しくなっている現状の裏返しだ。相続税で現場に赴いて調査する「実地調査」の件数をみると、15事務年度は1万1935件。ピークの1998事務年度から2割弱減った。申告漏れ金額も約3千億円と、ピーク(95事務年度)からほぼ半減した。

 デリバティブ金融派生商品)を組み込むなど金融商品が次々開発され、海外に投資する富裕層も増えた。一国だけで個人の資産をつかむのが難しくなっている。13年から処分理由を文書化するなど税務調査のルールが厳格になり、事務作業が増した影響もある。

 しかし昨年表面化したパナマ文書で、企業や富裕層の課税逃れの実態が浮き彫りになり、「税の公平性」への関心が世界的に高まった。国税庁の迫田英典長官は「濃密なネットワークを形成することが重要。資産がガラス張りになればけん制効果も働く」と言う。

■エース級が調査

 包囲網は狭まりつつある。東京・築地市場近くにある東京国税局の8階に「富裕層プロジェクトチーム(PT)」がある。30〜40代のエース級職員10人で構成。経験とノウハウを生かし、看板通り、富裕層に絞った税務調査を続ける。

 富裕層PTは14年に東京、大阪名古屋の各国税局に設置された。キーエンス創業家による1500億円超の贈与税申告漏れなどを手掛けた。

 一気に狭まる富裕層への課税包囲網。ただCRSの効果には懐疑的な見方もある。口座の「真の所有者」を金融機関が特定するルールだが、他人や企業の名を借りた口座をどこまで突っ込んで調べられるのか。

 米国の不参加も実効性を弱める。日本と資金移動が多い国の一つが漏れることは抜け穴になりかねない。国際化、複雑化する富裕層の資産を捕捉できるか、国税当局の力量も問われる。(川瀬智浄)

2017-02-17 転落回避の力。

[]投げずにネチネチと。 投げずにネチネチと。を含むブックマーク 投げずにネチネチと。のブックマークコメント

若気の至り、とはよく言ったものだが、思い出すだけで背筋が寒くなるようなことって一つやふたつではない。
腕もないのにバイクで峠を走ってみたり、暴飲して病院に運ばれたり。
進学や就職も熟慮していたとは到底言えず。
よくこんなで何とかやってきたものだと真剣に思う。

市井で普通に生きていれば、近くに犯罪に手を染めるものもいるし、不幸な事故に会う人もいる。
家庭や仕事や異性関係に問題を抱える、なんて珍しいことでも何でもない。

この世は危険でいっぱいだ、とも言える。

そして、少しできた「生活の綻び」がどんどん広がり、いつしか取り返しのつかないことになる人も全然珍しいことではない。
病気だって突然やってきて人を襲うし。

突然の事故でどうにも避け得なかったものはともかく。
「ほんの少しのつまずき」をどう乗り越えていくか、というのはかなり重要な「人生のコツ」じゃないかと思うのだ。

自分も御多分に洩れず、前述のような"アホっぷり"を展開してきた。
一歩踏み外せば、そこから裏社会に引き込まれるようなことは十分にあったと思う。

エラーやミスや事故はどうしても起きるものだ。
その時に"ダークサイドに堕ちずに踏みとどまるしぶとさ"が案外その後の方向を決めてしまう。

もうダメだ!と思った直後に「諦めてしまう」のと「それでもネチネチとこねくり回す」のとの違いだろう。
未練がましいと言わば言え。
その未練こそが、次にちょっとした何かをつないでいるように思う。

全然かっこよくはないけれど。

2017-02-16 自分の思考マップ作り。

[]本当のテーマ。 本当のテーマ。を含むブックマーク 本当のテーマ。のブックマークコメント

もう10年もブログを書いていて、よくもまあ毎日、断片を綴るやつだなあと思っている。
ただし断片は断片だ。
何かまとまった自分の表現になっているか、というと全然そんな風ではない。

ある作家が「ブログやネットには時間軸がない」と宣っておられたが、まさにそういう感じだ。

人生も後半に入ると振り返りも多くなるし、最期のことも考える。
大した足跡は残らないと思うが、「自分なりの総括」ってこれからのためにも必要だと思うのであった。

"私の考える○○"というテーマには実にいろんなものが入るだろう。
「私の人生で仕事とは」とか
「趣味とは」とか
「私の考える性とは」とか
「生とは」とか
「学問とは」とか
差別とは」とか
「嫉妬とは」とか
法律とは」とか
「酒とは」とか
「うまいものは」とか

そんな風に「自分の人生で考える思考マップ」は案外後進の人たちにも参考になったりするのじゃなかろうか。

終活とか言って「私のお葬式は」とか「延命治療は」というのもいいけれど、もっと残しておきたいソフトが自分たちにはあるような気がする。
このブログもそんなことに舵を切って行ければと思っている。

2017-02-15 ほぼ日、あえてそっちに行く。

[]安穏としない武士。(もののふ) 安穏としない武士。(もののふ)を含むブックマーク 安穏としない武士。(もののふ)のブックマークコメント

糸井さんの「ほぼ日」が上場する。

これって殴り込みだ。
ビジネス界とか言っている「こちら側」への正面きっての挑戦だと思う。

そのままの「糸井重里」というブランドで相当なんでも自由にできるのに「あえて」ビジネス界に行く。
そこに「覚悟と本気」を感じる人は多いだろう。

「彼らは感性を生業としているから」とか「メディア業界の人だし」とかどこか"言い訳"にしていたビジネス界への殴り込み。

糸井重里という人の底にある闘争本能を見た気がする。

「じゃあ、そっちに行ってやるさ」ということを、実際にどれだけの人がやれるだろうか。

アウェー、丸裸。

そんな「踏み込み」を感じて、また一介のビジネス人としては身が引き締まる思いがする。
というか「自分も頑張らなあかんなぁ」という無力感とか。

ともかくすごい挑戦になるだろう。
頑張らなきゃがんばらなきゃ。

糸井重里氏の「ほぼ日」、3月16日ジャスダック上場 東証承認、知名度武器 市場も注目
2017/2/13 23:36
東京証券取引所は13日、ほぼ日(東京・港)の株式上場を承認した。3月16日にジャスダック市場に新規上場する。著名コピーライター、糸井重里氏(68)が1979年設立した個人事務所が前身で糸井氏が代表取締役を務める。知名度を武器に新しい新規株式公開(IPO)の形を示せるか、注目される。

想定発行価格(2300円)で計算した時価総額は約50億円。約4割の株式を保有する糸井氏が7万5000株売り出す。新株発行などで計6億円強を調達する。

収益構造はユニークだ。運営する人気ウェブサイトほぼ日刊イトイ新聞」は創刊以来、広告を掲載しない。代わりにサイト上の読者の声を基に生活関連商品を開発・販売し、収益源とする。特に「ほぼ日手帳」が売上高の約7割を稼ぎ出す。2017年8月期の単独売上高は前期比1%増の38億円、税引き利益は8%増の3億円を見込む。

 株式市場では「成長性への期待感は小さい」との声も聞かれるが、糸井氏は「柔らかいIPO」との言葉で利益至上主義から一線を画す姿勢をにじませる。上場市場も高い成長性が求められるマザーズでなく、あえてジャスダックを選んだもよう。カリスマ文化人の経営手腕やいかに――。

2017-02-14 人生の思考マップ作り。

[]本当のテーマ。 本当のテーマ。を含むブックマーク 本当のテーマ。のブックマークコメント

もう10年もブログを書いていて、よくもまあ毎日、断片を綴るやつだなあと思っている。
ただし断片は断片だ。
何かまとまった自分の表現になっているか、というと全然そんな風ではない。

ある作家が「ブログやネットには時間軸がない」と宣っておられたが、まさにそういう感じだ。

人生も後半に入ると振り返りも多くなるし、最期のことも考える。
大した足跡は残らないと思うが、「自分なりの総括」ってこれからのためにも必要だと思うのであった。

"私の考える○○"というテーマには実にいろんなものが入るだろう。
「私の人生で仕事とは」とか
「趣味とは」とか
「私の考える性とは」とか
「生とは」とか
「学問とは」とか
差別とは」とか
「嫉妬とは」とか
法律とは」とか
「酒とは」とか
「うまいものは」とか

そんな風に「自分の人生で考える思考マップ」は案外後進の人たちにも参考になったりするのじゃなかろうか。

終活とか言って「私のお葬式は」とか「延命治療は」というのもいいけれど、もっと残しておきたいソフトが自分たちにはあるような気がする。
このブログもそんなことに舵を切って行ければと思っている。

2017-02-13 良かったことを探してみる。毎日。

[]あえてそういう視点で。 あえてそういう視点で。を含むブックマーク あえてそういう視点で。のブックマークコメント

以前、幸せになるための方法てな記事を確か書いたはず、と思って検索してみたら同じネタで二回も書いていたことが判明したがそれはともかく。

見返してみるとなるほど、というのが幾つかあったので再掲してみます。

◆01:他人のためにお金を使う

◆02:毎晩その日に起こった幸せな出来事3つを書き留める

◆03:新しい事に挑戦する

◆04:楽しみは後にとっておく

◆07:自分の意見に固執せず、他人の意見にも耳をかたむける

◆08:教会に行く

◆12:悲しいときでも幸せなふりをする

それぞれを心がけると、自分の内面である「メンタリティ」に関することと、それをすることで「外部との関係が良くなる」ものに分かれている。
全部がいわゆる「影響の輪(すべて自分でコントロールできること)」の範囲の中にあるから、"やろうと思えばやれること"だ。

今日どちらかというと良かったことは…などと一日を振り返って夜を迎えるなんて、あまりない心理状態だ。
毎日やってれば自己肯定感が出てきそうだ。
そればっかりもどうかなぁという気もするのですが。

2017-02-12 MoMAでお買いもの。

[]見て楽しい。 見て楽しい。を含むブックマーク 見て楽しい。のブックマークコメント

多分実際には行くことのないニューヨーク近代美術館でサーフィンを楽しんでいたら。
なんとちゃっかりショップがある。
MoMAショップ
しかもかなり充実している。
リビング、ダイニング、ワークスペースジュエリー&アクセサリー、アーティスト、ブック、キッズ、ギフトにセールまである。
と思ったら、すでに日本語専用サイトまでできていた。
MoMA store
もうこれ以上は本すら買うのをよそう、と固く心に誓っていたのに危うく照明器具とチェアーを買いそうになった。
アブナし。
未だに文房具やDIYショップをうろつくのが好きだが、この美術館巡りはとても楽しい。
日本も含めて世界中の美術館が追随するべきモデルではないだろうか。

ピカソの壁紙とか、ウォーホールスケボーとか、ベストセラーの"光る本"なんて生活が楽しくなるに違いない。f:id:why-

モンローモンロー 2017/02/12 22:56 MoMA、結構日本人の作品もあるのでwebでよく見ています。ショップも楽しいですよね。

2017-02-11 案外私は何も知らない。

[]知っているか。 知っているか。を含むブックマーク 知っているか。のブックマークコメント

この歳になって何だか「分かっていること」と「知っているだけのこと」の差がとても気になっている。
昔は知ってるだけのことをあたかも、知っていたり「見ていたり」風に他人に吹聴していたものだが恥ずかしい。
知識と知恵と真理とかって自分でうまく律していないと暴走すると思う。

今は情報が特に多いから「何々らしいぞ」という小ネタも「何々だ」といつの間にか断定している自分がいたり。
さらにそんな知識の断片をつなぎ合わせてこねくり回して「マイ理論」にしたりしているとこりゃ害悪ですらある。

「知ってることを言おう」とするには、実は理性がいる。
 人間は、本能的に「つい知ったかぶりする」動物なのだ。

知ったかぶりをしたいのかどうかはともかく、本当に知ってるかどうかは自問していないと、自分で自分のことが分からなくなりそうだ。
結構な恐怖だと思う。

・仕事がらなのか、好奇心もあって、
 ほんとうにいろんな人に会ってきた。
 農業に関わる人だとか、工業的な技術を持ってる人、
 すばらしい料理をつくる人などなど、
 いわゆる象牙の塔の外にいる達人たちは、たくさんいる。
 その人が、まさしく心血を注いでつくってきたもの、
 じっくり考えてきたことは、ほんとうにすばらしい。
 
 ただ、けっこうな割合で、すばらしい街の専門家たちは、
 妙な方向に関心を向けはじめてしまうのだ。
 まじめな顔で、「宇宙の真理」を発見したとか言い出す。
 世界をつらぬく法則が見えたというようなことで、
 それについて熱心に説明をしてくれる。
 ぼくにも、ぜひ理解してほしいと、語ってくれるのだ。
 正直に言うが、もう、そういう次元に入っちゃったら、
 その人の話は、まったくおもしろくなくなる。
 ぼくは、「またか、残念だなぁ」という思いで、
 なるべくそういう話題に触れないようにして、
 やがては、専門分野にも行き詰まっていくその人と、
 だんだんと疎遠になっていく。
 
 「宇宙の真理」だの「世界の真実」だの、
 わかりたい気持ちは、わからないわけじゃない。
 だけど、そっちに行っちゃうのはだめなんだよね。
 物語のなかのゴータマシッタルダじゃないんだから。
 じぶんのずっと見つめてきた関心事の向こうに、
 なにかが見えるのはいいかもしれないけれど、
 宇宙やら世界やらを、俯瞰したくなっちゃいけねぇや。
 
 ただ、これの縮小版みたいな「全能のオレ」的気持ちは、
 タクシーの運転士さんから、街の酔っぱらいから、
 夕食のテレビの前のおとうさんから‥‥みんなにある。
 「それ、前から知ってたの?」と聞き返したくなるけど、
 人が、唐突に、なんだかすごいコメンテーター
 変身してしまう現象は、わりにありふれた風景だ。
 もっとも、ま、本職の「コメンテーター」にしたって、
 あんまり知りもしないことについて、
 もっともらしく真剣そうに言ってるだけかもしれないし。
 「知ってることを言おう」とするには、実は理性がいる。
 人間は、本能的に「つい知ったかぶりする」動物なのだ。

今日も、「ほぼ日」に来てくれてありがとうございます。
確かなことだけ言おうとする人は、口数が少なくなりがち。

2017-02-10 AIの先。

[]その後をイメージしよ。 その後をイメージしよ。を含むブックマーク その後をイメージしよ。のブックマークコメント

世界最強の呼び声高いゴールドマン・サックストレーダーが大量失業したという。
このくらい劇的にAIとかセンサーによる自動化は進んでいるらしい。
自分は産業革命の頃にはまだ生まれていなかったが、ひょっとしてこれからの数十年はそれ以上の「激動の時代」なのではないだろうか。

自分の今の仕事だって、あっさりとなくなるかもしれないけれど、どうにもワクワクする。

人が「いろんな労働」から解放されたら、きっと何かその先にさらに"楽しいこととかクリエイティブなこと"が待っているに違いない。

「今の仕事が奪われる」というのは先を見ていない悲観論だろうと思う。

富の格差とか寡占がしばしば問題になるけれど、世界全体で見れば「いい方向」へと向かっているのじゃないのだろうか。
今の自分の立場よりは「その後のこと」を考えてみたい。


人工知能による自動化が進むゴールドマン・サックス、人間のトレーダーは600人から2人へ

By Owni /-)

シリコンバレーから株取引を完全自動化する初の「人工知能ヘッジファンド」が登場していますが、世界最大級の投資銀行であるゴールドマン・サックスも大量のコンピューターエンジニア雇用しており、人間のトレーダーに替わって株取引の自動化を進めています。

As Goldman Embraces Automation, Even the Masters of the Universe Are Threatened
https://www.technologyreview.com/s/603431/as-goldman-embraces-automation-even-the-masters-of-the-universe-are-threatened/

2000年のゴールドマン・サックスのニューヨーク本社では600人ものトレーダーが大口顧客の注文に応じて株式を売買していたそうですが、ゴールドマン・サックスのCFO(最高財務責任者)に就任予定のマーティ・チャベス氏は、「2017年現在で本社に残っているトレーダーはわずか2人です。空いた席を埋めているのは、200人のコンピューターエンジニアによって運用されている『自動株取引プログラム』です」と、ハーバード大学の応用計算科学研究所で開催された2017 CSE Symposiumで説明しました。

By thetaxhaven

この5年間で株取引の自動化は加速しており、ゴールドマン・サックスだけでなく、多くのウォール街の企業でも金融ビジネスの自動化が進められています。チャベス氏によると、株取引だけでなく通貨取引などの分野でも自動化の方向に動きつつあるとのこと。イギリスの調査会社Coalitionによると、金融取引の45%は電子化が済んでおり、高給を得ていたウォール街のトレーダーは自動化プログラムに置き換わりつつあることがわかっています。

ゴールドマン・サックスを含む世界最大規模の投資銀行において、営業・取引・研究部門の従業員の平均年棒はボーナスを合わせて50万ドル(約5600万円)という試算が出ており、さらにウォール街で発生する報酬のうち75%を一部の「高額報酬者」が得ているとのこと。つまり、自動化が進んでウォール街で働く人が減った結果、1人あたりの報酬が上昇しており、利益を分配する人数が少ないため、管理職は以前よりもさらに高額な報酬を得るようになったということです。

By Megan

2000年にゴールドマン・サックスが600人体制で行っていたような株取引はすでに機械学習機能を備えた複雑な取引アルゴリズムに置き換えられており、通貨取引や先物取引のような証券取引所では取り扱っていない取引にも自動化の波が押し寄せています。こういった分野の金融取引を自動化するため、現段階のアルゴリズムは人間のトレーダーをエミュレートするよう設計されている、とCoalitionの責任者であるAmrit Shahani氏は説明しています。

ゴールドマン・サックスはすでに通貨取引の自動化もスタート済みで、チャベス氏は「4人のトレーダーを1人のコンピューターエンジニアに置き換えることができる」と説明しています。現在のゴールドマン・サックスでは総従業員数の3分の1にあたる合計9000人がコンピューターエンジニアに置き換わっているそうです。チャベス氏は「今後は営業スキルや信頼関係を構築するスキルなど、人間のスキルに焦点を絞った自動化が進むでしょう」と予想。人間のスキルの分野では、トップクラスの従業員を完全に置き換えることは技術的に難しいと考えられていますが、投資銀行業務のさまざまなステップの自動化が求められています。

ゴールドマン・サックスのような大手投資銀行のトレーダーは、年間平均70万ドル(約7800万円)もの報酬を得ている場合もあり、トレーダーの数の削減は銀行にとって利益となります。ゴールドマン・サックスは新しく消費者金融プラットフォーム「Marcus」を開始する予定ですが、Marcusの業務はすべてソフトウェアだけで運用され、人間の従業員は1人も介在しないそうです。Marcusは社内スタートアップのようなスピード感でわずか12カ月で発足されましたが、その理由についてチャベス氏は「我が社には600人のトレーダーが座っていた席がたくさん空いています」と話しています。

なお、シリコンバレーではAppleの音声アシスタント機能「Siri」の開発に携わった経験を持つババク・ホジャット氏が100%人工知能運用のヘッジファンドを人工知能ソフト開発会社のSentient Technologies」が立ち上げています。ホジャット氏は「人間は株式市場において感情的すぎる」と考えており、機械的な判断で人間のプロトレーダーの優位に立てると考えているそうです。Bloombergによると、AIを活用するヘッジファンドはほかにもいくつか誕生しており、ウォール街から人間のトレーダーがいなくなる日が近づきつつあります。

2017-02-09 来るもの拒まずの精神。

[]何でも見てやろう。 何でも見てやろう。を含むブックマーク 何でも見てやろう。のブックマークコメント

f:id:why-newton:20170210003154j:image
パックンのコラム記事。
優性エリートで華やかに見える現在だけれど若い頃は困窮していたという。

人と同じフィールドで闘うと負ける。だから人とは違うことをする工夫を続けてきた。

「その場所場所の人」と「正面きって戦う」ことは大事だと思う。
自分の小ささが実感できるから。
けれどどんどん生きていくには「ガチ勝負」ばかりでは疲弊してしまう。

"自分なりの個性とか付加価値って何だろう"と自問するのはいい方法だ。

来るものは拒まずの精神でやってきたら、仕事は大学講師まで広がった。
忙しい時もあるけど、10代の頃の自分と比べたら全然楽。いい経験だったと思う。
「パックン」という仕事は一大プロジェクトみたいなもの。仕事の技を磨き続けて、20年後には「いぶし銀」と言われるくらいになりたいね。

最後のセリフがかっこいい。
それにしても「来るものは拒まず」ってどうも長らく忘れていた一節だ。
ちょっと取り込んでみようかと。


貧乏にコンプレックス 他人と違う道選んで勝つ タレント、パトリック・ハーランさん

 「パックン」の愛称で知られるタレント、パトリック・ハーラン氏(46)。米ハーバード大学を卒業し、知性と明るい性格が持ち味だが、子どものころは経済的に困窮しコンプレックスを抱えていた。人生を切り開く原動力となってきたのは人とは違う道を探る前向きな姿勢だ。

 とにかく落ち着きのない子どもだったな。好奇心いっぱいで体を動かすのも人と話すのも大好き。大人ともすぐ仲良くなれるので、様々な仕事を手伝った。サーカスの屋台係をしたり、獣医の助手をしたり。将来の夢は弁護士建築家天文学者政治家、役者……。2週間おきに変わっていた。飽きやすいんだ。

 勉強も好きだった。宿題はゲーム感覚で、どうやって付加価値をつけようかといつも考えていた。負けん気は人一倍強かったけれど、負けるとすぐ泣いていた。ハーバードは入れてくれたから入っただけ。冗談じゃなくて、他の大学は落ちたんだよ。米国の大学は選考基準が多様なんだ。

 卒業が近づいても大学院への進学も就職も面倒くさかった。金銭的なコンプレックスも心を縛っていた。

 4年生が終わる頃には燃え尽きていた。小学校から数えたら勉強してきた期間は長い。もうこれからはどこかに行って別の何かをしたいという気持ちがあった。一度しかない青春を大学院入試就職活動に費やしたくないとも思っていた。

 それに当時、僕はコンプレックスの塊だった。ずーっと「ど貧乏」だったから。10歳から18歳までは新聞配達をしていた。朝3時半に起きて6時半までに400軒以上配る。7時すぎからは授業。ほぼ年中無休だった。

 学校には裕福な子がたくさんいて見せつけるようにいい車に乗ってくる。僕が質素なお昼を食べている横で、豪華な弁当を半分残して捨てる人がいる。僕に「食べる?」とも聞かないで。これは経済的ないじめだと思ったことは何度もある。

 学費ローンを完済するまでは必死で、いつ破綻するかわからなかった。もし就職面接で経営者に趣味のヨットの話をされても僕は受け答えできない。そんな引け目があった。のどから手が出るほどお金がほしいくせに「お金に走るなんて薄っぺらい」とも思っていた。

 人と同じフィールドで闘うと負ける。だから人とは違うことをする工夫を続けてきた。

 例えばアメフト父親が試合に連れて行ってくれたり、高い防具を買ったりしないとできない。僕は両親が離婚して父とは離れて暮らしていたし、お金もなかった。そこで選んだのがバレーボール競技人口も多くないからすぐ活躍できた。

 モテたくても高い洋服は買えないから個性で勝負した。高校3年生の一年は半パンで過ごした。一年間靴を履かなかったこともある。コロラドの冬はものすごく寒いけど、面白いヤツって思われようとしていたんだ。

 結局、大学卒業後は日本にいる友人に誘われて福井県に来た。自分が入っていた合唱団のツアーで飛行機代が出たし、友人の所に居候もできる。お金をかけず違う国で暮らすことに挑戦できる道をみつけたんだ。日本語は来日してから独学した。その後、上京してお笑いコンビを組んだことで今の僕がある。

 来るものは拒まずの精神でやってきたら、仕事は大学講師まで広がった。忙しい時もあるけど、10代の頃の自分と比べたら全然楽。いい経験だったと思う。「パックン」という仕事は一大プロジェクトみたいなもの。仕事の技を磨き続けて、20年後には「いぶし銀」と言われるくらいになりたいね。

(福山絵里子)

2017-02-08 会議の理由。

[]会議再考会議再考。を含むブックマーク 会議再考。のブックマークコメント

学生時代にはなかったけれど、社会人になって一番驚いたのは会議という習慣だ。
課の会議、部の会議、会社の全体の会議、取引先との会議。
もう会議だらけ。
会議の種類も「企画のプレゼンテーション」「経営計画のお披露目」 「規則の決定」「問題の解決」「何が問題かわからないけれど共有のため」とか色々ある。
会議のための会議とか。(笑)

会議は多くの人を拘束する。
だからその会議の目的は、「決議」「共有」「告知」「検討」などのいずれにあるのかをはっきりしておきたい。

「今日の集まりはこのためだぞ」というのは"集まり"の最低限の存在意義なのだと思う。

何も決まらない会議、とか
何も発言しない参加者、とか
焦点の定まらない会議、というのは相当な害悪である。

今日とか明日の会議について是非考えたい。

「会議が多くて大変だ」とほくそ笑む管理職の本心
日本企業に会議が多い5つの理由

上司からよく聞く「会議ばかりで大変」というセリフ、本心ではないかもしれません
「うちの会社は会議ばかりで大変だ」
これは、多くのビジネスマンからよく聞かされるセリフだ。特に管理職ともなると、会議に出席するのが仕事のようになり、本来の仕事をする暇がない……ということもある。では、なぜ企業にはこんなにも会議が多いのか。それにはざっと思いつくだけでも5つの理由がある。

1つめの理由は、「意思決定の基準と権限の範囲が明確でないから」だ。戦略自体が曖昧で、本人も事業方針やあるべき行動・思考基準に対する理解度が低い場合、さらに何をどこまで決めてよいかが不明確な場合、一人(もしくは少人数)では意思決定をすることができない。そこで、集団的な合意を求めて会議を開くのだ。

2つめの理由は、「意思決定の影響範囲を正しく見積もれないから」だ。つまり、その決定をすることで他部署にどんな影響があり、どんな作業を依頼しなくてはならないのかが予測できないため、「情報漏れがないように」と、実際に関わってくる可能性のあるすべての部署と人を会議に招集することになる。関係部署の仕事をあまり知らないのが一番の原因だろう。

3つめの理由は、「情報共有を善とし、独断専行を悪とする文化があるから」だ。これは、多くの日本企業の組織に通底している思想である。何でもかんでも情報共有し、報連相を密に行うことが絶対的な善であるため、少人数で決定すると「勝手に進めた」と非難されてしまう。本当に働いている人ほど、「不必要なことまで共有するな」「関係ないメールのCCに入れるな」と言いたいのではないだろうか。

4つめの理由は、「俺は聞いていないと、へそを曲げる社員がいるから」だ。バカバカしい話だとは思うが、直接の関係ないことでも、情報を共有されないと不機嫌になるシニア社員は多い。現在では、上司・部下の間での年齢逆転現象も珍しくない。となると、年上の部下の機嫌を取るために、会議の場をあえて設定し参加してもらい、顔を立てるのだ。

5つめの理由は、「一人で決定することで自分の責任が重くなるのを避けたいから」だ。当然のことながら、そのプロジェクトが上手くいかなかった場合、責任は意思決定をした本人にのしかかる。しかし、「会議において総意で決めた」となれば、個々の責任は幾分軽くなる。弱気なリスクヘッジのひとつの形として、会議が開かれているのだ。

このように会議を開く理由を突き詰めていくと「なんてバカらしい!」と思われる方もおられるだろうが、みなさんとて無関係ではない。今は文句を言っていても、管理職になれば同じように「無駄な会議」を開き、出席するようになる。もはや会議を多用することは、企業において正しい行動文法になっているからだ。

気の利いたことが言える
管理職が出世する

そもそも、なんでも会議で決める企業の場合、管理職個々人に「意思決定をする能力(自分で決める能力)」が育成されていない。というのも、意思決定をしない上司の下にいれば、慣例として自分も意思決定をしない上司になるし、リアルな意思決定の成否を見る機会もないから、学ぶこともできない。影響範囲を見積もる力も、シミュレーション能力も身につかない。自分で決定する訓練をする機会がないのだ。特に、昨今は、コンプライアンス問題による社会的制裁が怖いので、独断専行は厳に慎むべきことということになっているから、ますます状況は悪化している。

さらに、これこそ真の問題とも言えるが、「会議に出れば、実質的にサボれる」という理由で、(本心は)会議を望んでいる管理職が多いのである。会議なるもの、自分が起案する僅かな案件を除いては、事前に勉強していく必要がない。(本来はそうであってはいけないのだが)さらに、ほとんどの議案は自分に直接関係ない事項だから、会議中は脳みその3分の1でも使っていれば十分務まる。つまり、難しそうな顔をしてその場に存在しているだけで「仕事をしているフリ」ができるのだ。

また、要領よく、省エネモードで出世したい人にとって、会議は都合のいいツールでもある。会議中は、潮の流れと上席の顔色を伺いながら、大勢に逆らわないように前向きなことを言い、自分にお鉢が回ってくるのは巧妙に避ける。どこの会社にもいる「会議の達人」だ。不思議なことだが、そういう人はたいした業績はなくとも、しっかりと出世する。「場の空気」と「上司の真の意向がわかる」という卓越した能力を持っている人だからだろう。

逆に、「仕事がしたいから」と言って会議をサボっていると、本当は良い仕事をしていても上司の覚えは極めて悪くなる。成果主義だから、仕事の成果だけで評価されるなどというのは幻想だ。特別な能力を持つ、幹部から覚えのめでたい僅かな人だけは少々会議をサボっても許されるが、そういう人でさえ、成果が上がらなくなれば、素行が悪いとやり玉に上げられ、即座に引きずりおろされる。能力に自信もないのにそんなことをするよりは、大人しく会議に出たほうがまし、というわけだ。

無駄な会議を撲滅する方法は?

もし本当に、無駄な会議をなくしたいと望むなら、意思決定ができる管理職を育成するしかない。経営理念や事業戦略を深く理解し、授権範囲をこころえ、個々人の能力や他部署の業務内容を把握する。そのうえで、衆知を集める必要のあることだけは会議を開く。意思決定の経験を積み、失敗を反省し意思決定に習熟する。そういう管理職が育ち、彼らがまた次の世代を育成する。この好循環なくして、無駄な会議を根絶することはできない。

阿吽の呼吸で調整しながら、誰にとっても痛みの少ない決定を探るのは、日本企業が得意とする手法だ。それを全否定するつもりはない。しかし、冷静に考えれば、無駄な会議にかけているコストは計り知れないし、そのやり方では管理職も成長しない。古くからの伝統にしたがって現状に甘んじるか、リスクをとってでも意思決定の能力を身につける管理職を養成するか。
どちらが正解かは自ずと見えていると思うのだが。
(構成/大高志帆)

2017-02-07 私らしさって何。(2)

[]自分らしさ、人間って。 自分らしさ、人間って。を含むブックマーク 自分らしさ、人間って。のブックマークコメント

スポーツ報道AI作成の記事で遜色ないレベルに来ている、という話。

最低限の情報は漏れなく入っており、結果と簡単な経過だけを知りたいなら十分だ。

スポーツは特に定型化しやすいかもしれないが、よく考えればこれってスポーツに限らない。
政治だって経済だって「5W1H」が入っていれば通用する。
よっぽど批判的(あるいは提灯的)に書くのなら「人ならでは」になるかもしれないが、すでにAIくんは「同じキーワードを100回入力しても、100通りの原稿ができあがる」そうだから、すでに自分レベルは超えていると思われる。

何せ情報処理の量とスピードでは敵わない相手だ。
そのうち「朝日風」とか「日経風」になるのなら、もうそれはコンピュータの出来事の範疇ではないのだろうか。

AIで二極化も スポーツジャーナリズムの未来 スポーツライター 丹羽政善
 もはや、スポーツの現場に行かなくても、原稿ができあがるような時代になって久しい。しかもそれがビジネスとして成立する。

 例えば、ある試合を現場で取材した記者の記事が、インターネットに掲載されたとする。後はそれを要約するなり翻訳するなりして、“紹介する”という体裁でネット上に掲載すれば、ページビュー(PV)に応じて広告収入が得られる。取材経費がゼロなのだから、抜群の生産性である。

 もちろん、そうしたビジネスのあり方には批判もある。本来、出典を示して引用することに問題はない。むしろ、必要な補完作業だ。ただそれは“主従”でいえば、あくまでも従であるべきだ。ところが、その主従関係が逆転し、たんに要約したようなものが出回るようになって、モラルもなにもなくなった。

■まったく現場に行かない記者の台頭

 ここ数年、米スポーツメディア大手はそんな記事流用が氾濫するようになって監視の目を強めてきた。だが、同時にそうした現場に足を運ばず、独自の見方、考えを持たない“コピー&ペースト”ライターは、遅かれ早かれ淘汰されるとも見ている。別の意味で、まったく現場に行かない記者の台頭が著しいからだ。

 今年の6月終わり、世界でも屈指の規模を誇る米AP通信が、マイナーリーグのリキャップ(試合の要約)を「オートメーテッド・インサイツ」社が開発した自動記事作成システムを使って、各メディアに配信すると発表した。ついにスポーツジャーナリズムに本格的な人工知能(AI)の参入である。

 同社はマイナーリーグの公式ページで使われている「GAME DAY」という速報データを利用して記事を作成。これまでそうした原稿は品質の面で実際の記者が書く記事には及ばないと考えられていたが、実際に配信された文章を読むと、違和感がない。例えば、「打球がギリギリで外野フェンスを越えていった」「フルカウントからの際どい球をボールと判定されて投手が冷静さを失った」といった状況の描写はなく、単にそれらは本塁打四球として処理される。だが誰々が先発した、どちらのチームが何対何で勝った、誰が勝ち投手になったという、最低限の情報は漏れなく入っており、結果と簡単な経過だけを知りたいなら十分だ。

 今はマイナーリーグだけだが、そうしたシステムが大リーグや他のメジャースポーツでも利用され、試合終了と同時に公式ページなどに掲載されたとしよう。するとテレビやインターネットなどで試合を見て、どこよりも早く速報をネットに掲載してPVを稼ぐメディアなどは、AIのスピードには到底勝てまい。

 また今後、こう報じられているといった要約などは、もはや人間が行う作業ではなくなるのではないか。

 その時代はもうそこまで来ていて、「ARTICOOLO(アーティクーロ)」という自動記事作成サイトでは実用化が進んでいる。テーマを与えると原稿を書いてくれるだけでなく、リライトや要約、適したコメントまで探してくれるという。同じキーワードを100回入力しても、100通りの原稿ができあがるそうだ。

 例えば、フリーエージェントになる前の日本人選手が大リーグへ移籍する場合に使われる「ポスティングシステム」とキーワードを入れたとする。そうすると自動的にネットを検索して、この新聞社の誰々はこんな意見を書いている、別の記者はこんな主張をしているといった情報を集め、さらにはそれを「現行のポスティングシステムに賛否両論」といった1本の原稿を瞬く間に仕上げてくれるに違いない。

■人を出すよりはるかに費用面で効果的

マーベリクスのキューバン氏は2人の記者にホームゲーム取材を禁じた=AP

 アーティクーロが提供するサービスの値段は、原稿10本で19ドル(約2200円)、50本で75ドル、100本で99ドルとなっていて、月単位の契約だとさらに安くなる。最初に紹介したオートメイテッド・インサイツの価格は5000本で750ドル、1万5000本で1500ドル。前者は個人でも購入できる価格で、後者は企業向けといったところか。750ドルを払って5000本も原稿を書いてくれるなら、需要が決して高いとはいえないマイナーリーグの取材にわざわざ人を出すよりも、はるかに費用面で効果的だ。

 さて、そうした技術革新の流れの中で先日、米プロバスケットボール、NBAマーベリックスマーク・キューバン・オーナーが、米最大のスポーツメディア「ESPN.com」に所属する2人の記者のクレデンシャル(取材許可証)を無効とし、マーベリックスのホームゲームを取材することを禁じて注目を集めた。

 こんな背景があったという。

 2人の記者は、マーベリックスの全試合を取材するわけではない。不在のときなど、「ESPN.com」はAP通信によって配信された記事をネット上に掲載している。しかし、そのAP通信は先ほど紹介したようにAIを利用した記事を配信し始めている。オーナーとしては現場に来て、人間に取材をしてもらって、人間に原稿を書いてもらいたい。機械化に対する抗議の意を込めて、あえて、影響力の大きいメディアに対して出入り禁止を命じた――。

 もちろんAP通信は、NBAや大リーグなど四大スポーツの取材にはきちんと記者を出し、AI記者による記事は配信していないと説明。キューバン・オーナーも理解しているが、いずれ利便性に負けるのではないかと危惧する。

ページ: 3

 彼はソフトウエアの開発で頭角を現し、ハイテク産業界で莫大な財をなすなど技術革新の最先端を歩んできた。そのオーナーが現場に記者を出せ、人間に記事を書かせろと、アナログな主張をすることにはギャップがあるが、彼はスポーツジャーナリズムの変化に一石を投じた。

■メリット、単に利便性にとどまらず

 ただ、これで歯止めがかかるかといえば、もはや難しい。彼もそれを知っているはず。メリットは単に利便性にとどまらないのだ。

 今夏のリオデジャネイロ五輪では、ワシントン・ポスト紙が、自社で開発した「ヘリオグラフ」という自動記事作成ソフトを使い、結果、速報、競技予定、メダル獲得数などをブログなどに掲載し、話題になった。同紙の分析では「膨大な作業量が削減され、記者や編集者は時間に余裕ができ、より詳細な分析、現場の雰囲気、深い洞察が記事に反映できるようになった」そうだ。

 確かに、試合展開を追うような記事は必要だが、誰が書いてもその差はわずかなのに、それでいて手間がかかる。記者も編集者もそこから解放されれば、その分、企画の立案に時間を割いたり、空いた時間で取材を重ねて調査してデータを作り、それをじっくり分析したりするといったこともできるようになる。

 となるとおそらく、これからのスポーツジャーナリズムは二極化していくのではないか。

 AIによるステレオタイプ化と独自の取材、視点による差別化。後者は記者が実際に取材をして、それが1次情報ならば、AIは太刀打ちできない。AIが得意とするネットでの情報収集に関しても、情報を読み解き、独自の考察を加えられれば、やはりAIは人間にかなわない。

 当然、そこで記者の力量が問われるが、結果として人の手によって書かれた記事の質が高まるのだとしたら、それこそAI化に伴う将来のスポーツジャーナリズムのあり方といえるのかもしれない。

2017-02-06 私らしさって何。(1)

[]天下分け目の合戦。 天下分け目の合戦。を含むブックマーク 天下分け目の合戦。のブックマークコメント

今年は囲碁将棋でもAIが人間を凌駕した。
銀行や投資の世界にも実用化されたし、十年後に振り返れば"AI元年"なんて言われるのかもしれない。
脅威はジャーナリズムにも及ぶ。

その時代はもうそこまで来ていて、「ARTICOOLO(アーティクーロ)」という自動記事作成サイトでは実用化が進んでいる。テーマを与えると原稿を書いてくれるだけでなく、リライトや要約、適したコメントまで探してくれるという。

改めて人と機械の差とはなんだろう、なんて考える。
表面的な模倣に関しては見分けがつかなくなりそうだ。

同じキーワードを100回入力しても、100通りの原稿ができあがるそうだ。

むむむ。
果たして自分には「一テーマで百通り」の思考ができるだろうか。
それには他の著作を読んだり、ネットで検索したり、人から取材したりせねばなるまい…
それって機械と同じようなことじゃないか。

今はまだ定型化しやすいスポーツ報道だけらしいけれど。
(つづく)

AIで二極化も スポーツジャーナリズムの未来 スポーツライター 丹羽政善
もはや、スポーツの現場に行かなくても、原稿ができあがるような時代になって久しい。しかもそれがビジネスとして成立する。

 例えば、ある試合を現場で取材した記者の記事が、インターネットに掲載されたとする。後はそれを要約するなり翻訳するなりして、“紹介する”という体裁でネット上に掲載すれば、ページビュー(PV)に応じて広告収入が得られる。取材経費がゼロなのだから、抜群の生産性である。

 もちろん、そうしたビジネスのあり方には批判もある。本来、出典を示して引用することに問題はない。むしろ、必要な補完作業だ。ただそれは“主従”でいえば、あくまでも従であるべきだ。ところが、その主従関係が逆転し、たんに要約したようなものが出回るようになって、モラルもなにもなくなった。

■まったく現場に行かない記者の台頭

 ここ数年、米スポーツメディア大手はそんな記事流用が氾濫するようになって監視の目を強めてきた。だが、同時にそうした現場に足を運ばず、独自の見方、考えを持たない“コピー&ペースト”ライターは、遅かれ早かれ淘汰されるとも見ている。別の意味で、まったく現場に行かない記者の台頭が著しいからだ。

 今年の6月終わり、世界でも屈指の規模を誇る米AP通信が、マイナーリーグのリキャップ(試合の要約)を「オートメーテッド・インサイツ」社が開発した自動記事作成システムを使って、各メディアに配信すると発表した。ついにスポーツジャーナリズムに本格的な人工知能(AI)の参入である。

 同社はマイナーリーグの公式ページで使われている「GAME DAY」という速報データを利用して記事を作成。これまでそうした原稿は品質の面で実際の記者が書く記事には及ばないと考えられていたが、実際に配信された文章を読むと、違和感がない。例えば、「打球がギリギリで外野フェンスを越えていった」「フルカウントからの際どい球をボールと判定されて投手が冷静さを失った」といった状況の描写はなく、単にそれらは本塁打四球として処理される。だが誰々が先発した、どちらのチームが何対何で勝った、誰が勝ち投手になったという、最低限の情報は漏れなく入っており、結果と簡単な経過だけを知りたいなら十分だ。

 今はマイナーリーグだけだが、そうしたシステムが大リーグや他のメジャースポーツでも利用され、試合終了と同時に公式ページなどに掲載されたとしよう。するとテレビやインターネットなどで試合を見て、どこよりも早く速報をネットに掲載してPVを稼ぐメディアなどは、AIのスピードには到底勝てまい。

 また今後、こう報じられているといった要約などは、もはや人間が行う作業ではなくなるのではないか。

 その時代はもうそこまで来ていて、「ARTICOOLO(アーティクーロ)」という自動記事作成サイトでは実用化が進んでいる。テーマを与えると原稿を書いてくれるだけでなく、リライトや要約、適したコメントまで探してくれるという。同じキーワードを100回入力しても、100通りの原稿ができあがるそうだ。

 例えば、フリーエージェントになる前の日本人選手が大リーグへ移籍する場合に使われる「ポスティングシステム」とキーワードを入れたとする。そうすると自動的にネットを検索して、この新聞社の誰々はこんな意見を書いている、別の記者はこんな主張をしているといった情報を集め、さらにはそれを「現行のポスティングシステムに賛否両論」といった1本の原稿を瞬く間に仕上げてくれるに違いない。

■人を出すよりはるかに費用面で効果的

マーベリクスのキューバン氏は2人の記者にホームゲーム取材を禁じた=AP

 アーティクーロが提供するサービスの値段は、原稿10本で19ドル(約2200円)、50本で75ドル、100本で99ドルとなっていて、月単位の契約だとさらに安くなる。最初に紹介したオートメイテッド・インサイツの価格は5000本で750ドル、1万5000本で1500ドル。前者は個人でも購入できる価格で、後者は企業向けといったところか。750ドルを払って5000本も原稿を書いてくれるなら、需要が決して高いとはいえないマイナーリーグの取材にわざわざ人を出すよりも、はるかに費用面で効果的だ。

 さて、そうした技術革新の流れの中で先日、米プロバスケットボール、NBAマーベリックスマーク・キューバン・オーナーが、米最大のスポーツメディア「ESPN.com」に所属する2人の記者のクレデンシャル(取材許可証)を無効とし、マーベリックスのホームゲームを取材することを禁じて注目を集めた。

 こんな背景があったという。

 2人の記者は、マーベリックスの全試合を取材するわけではない。不在のときなど、「ESPN.com」はAP通信によって配信された記事をネット上に掲載している。しかし、そのAP通信は先ほど紹介したようにAIを利用した記事を配信し始めている。オーナーとしては現場に来て、人間に取材をしてもらって、人間に原稿を書いてもらいたい。機械化に対する抗議の意を込めて、あえて、影響力の大きいメディアに対して出入り禁止を命じた――。

 もちろんAP通信は、NBAや大リーグなど四大スポーツの取材にはきちんと記者を出し、AI記者による記事は配信していないと説明。キューバン・オーナーも理解しているが、いずれ利便性に負けるのではないかと危惧する。

ページ: 3

 彼はソフトウエアの開発で頭角を現し、ハイテク産業界で莫大な財をなすなど技術革新の最先端を歩んできた。そのオーナーが現場に記者を出せ、人間に記事を書かせろと、アナログな主張をすることにはギャップがあるが、彼はスポーツジャーナリズムの変化に一石を投じた。

■メリット、単に利便性にとどまらず

 ただ、これで歯止めがかかるかといえば、もはや難しい。彼もそれを知っているはず。メリットは単に利便性にとどまらないのだ。

 今夏のリオデジャネイロ五輪では、ワシントン・ポスト紙が、自社で開発した「ヘリオグラフ」という自動記事作成ソフトを使い、結果、速報、競技予定、メダル獲得数などをブログなどに掲載し、話題になった。同紙の分析では「膨大な作業量が削減され、記者や編集者は時間に余裕ができ、より詳細な分析、現場の雰囲気、深い洞察が記事に反映できるようになった」そうだ。

 確かに、試合展開を追うような記事は必要だが、誰が書いてもその差はわずかなのに、それでいて手間がかかる。記者も編集者もそこから解放されれば、その分、企画の立案に時間を割いたり、空いた時間で取材を重ねて調査してデータを作り、それをじっくり分析したりするといったこともできるようになる。

 となるとおそらく、これからのスポーツジャーナリズムは二極化していくのではないか。

 AIによるステレオタイプ化と独自の取材、視点による差別化。後者は記者が実際に取材をして、それが1次情報ならば、AIは太刀打ちできない。AIが得意とするネットでの情報収集に関しても、情報を読み解き、独自の考察を加えられれば、やはりAIは人間にかなわない。

 当然、そこで記者の力量が問われるが、結果として人の手によって書かれた記事の質が高まるのだとしたら、それこそAI化に伴う将来のスポーツジャーナリズムのあり方といえるのかもしれない。

2017-02-05 メガネ、オートフォーカス。

[]アタマの廃用性。 アタマの廃用性。を含むブックマーク アタマの廃用性。のブックマークコメント

f:id:why-newton:20170205122223j:image
IoTの普及が一体何をもたらしてくれるのか、毎日一度は考えてその度にワクワクするけれど、そんな「便利になった社会の中の人間」ってずい分とナマケモノというか「エネルギー消費をしない生き物」になっているような気がする。
GIGAZINEより。

それほど特殊な素材ではない液体グリセリンとセンサーを組み合わせて「オートフォーカスのメガネ」ができているという。
夢のメガネだ。
赤外線でピントを図り、遠近どこでも焦点を合わせてくれるということだが、これは人間にどのような変化をもたらすだろうか。

近眼も老眼も、結局は目のビンと調節の筋肉の老化が原因だ。
当事者になると分かるが、段々と目の力が衰えてくるのはまさに老化そのものである。

こういうことをテクノロジー解決してくれるとなると、人の機能はますます「技術まかせ」になるだろう。
高齢者が入院など寝たきり状態を経て、筋肉が衰えてしまう状態を「廃用性症候群」という。
つまり「使わなければ衰えてしまう」のだが、これからはテクノロジーの補助でそんなことが多発するに違いない。

重い荷物を持ってくれる補助ロボット実用まじかだし、
地図を覚える必要もない。
運転も自動になるらしいし、
買い物では現金とお釣りの計算も間もなく無用になるだろう。

AIが「お客様の資産はそろそろ国債に回しませんか?」と連絡してくる時代には、自分たちはどれほど自分の頭を使って独創性を発揮できるだろうか。

テクノロジーの恩恵を受けても、「あえてフルオートにしない」ようなことを少し心がけていないと、たちまちぬるま湯に入って出てこれなくなりそうだ。


見るものに合わせて自動的にピントを合わせるスマートメガネ

メガネのレンズには度数が固定されたものだけでなく、遠近両用レンズの「二焦点(バイフォーカル)レンズ」「累進(プログレッシブ)レンズ」などが存在します。これらのレンズは1枚に異なる度数のレンズを合わせているため、普通のメガネとは物の見方が異なり、慣れるまで時間がかかるのですが、装着して何かを見るだけでメガネが自動的にピントを合わせてくれるという、液体ベースの特殊なレンズを使った画期的なメガネが開発されています。

I can see clearly now | UNews
http://unews.utah.edu/i-can-see-clearly-now/

These glasses come with lenses that adjust themselves
http://mashable.com/2017/01/25/glasses-liquid-lens/

装着者の見ているものに自動的にピントを合わせるというスマートメガネを開発したのは、ユタ大学の電気・コンピュータ工学部のカルロス・マストジェロ教授らを含むエンジニアチームです。レンズには保湿剤や美容製品などによく使われている「液体グリセリン」が使用されており、レンズの両面は柔軟なゴム状の膜で覆われているとのこと。背面のゴム状の膜には3つのアクチュエーターが接続されており、ゴム状の膜を前後に動かすことで、レンズの光の屈折率を調整するという仕組み。

また、スマートメガネはレンジファインダーを内蔵しており、装着者が見ている物体との距離を赤外線で計測します。レンジファインダーが物体の遠近をアクチュエーターに伝えることで、モノを見ているだけでレンズが変形し、自動的にピントが合うというわけです。Bluetooth接続機能も備えており、初めて使用するときは専用のアプリから一度だけ装着者の目とレンズの調整が必要とのことです。

このスマートメガネのプロトタイプCES 2017にも出展されましたが、現段階ではメガネのフチがとても太く、一般的なおしゃれなメガネとは程多いデザインなのがネック。マストラジェロ教授も「販売するにはもっと薄く、魅力的なメガネにしなくてはいけない」と語っています。開発されたスマートメガネは目が悪くなっても買い換える必要はないのですが、メガネを着けている人は「ファッション性」を理由にメガネを買い換えることがあるのも事実。その一方でバッテリーや特殊なレンズを内蔵するスマートメガネは、通常のメガネより高価になってしまうことを意味しています。

ユタ大学のエンジニアチームは3年以内に普通のメガネらしいデザインの製品版を発売するとしています。二焦点メガネなどを使う人は年齢層が高い傾向があるのですが、すでに機能的には問題ないレンズは完成済みであるため、分厚いレームのままスマートメガネを販売しても、デザインを気にしない層からの需要があるだろうと、Mashableは予想しています。

なお、手動で度数を調整できるメガネは以前から日本でも販売されており、見た目も普通のメガネと遜色ないデザインとなっています。

Amazon.co.jp: アドレンズ スペアペア(度数調節老眼鏡 遠近・老眼対応) ブラック: ドラッグストア

2017-02-04 量が質に変わった時代。

[]コンピューターと保険。 コンピューターと保険。を含むブックマーク コンピューターと保険。のブックマークコメント

自動運転が普及するにつれ保険料や範囲も変わるという。
フル自動運転で事故が起きればメーカーの責任、だろうけど半自動とかだと確かに考えものだ。
けれど、どんどん「自動化」が進むことによって事故率はどんどん減りそうだ。

つまり「自分で運転する人」がいなくなればほとんど事故って起きないだろう。
それでも楽しさを求めて人手で運転する人はどれほどいるだろうか。

それはともかく。
製造、物流、サービス。
前者二つはこの100年で怒涛のような変化で革新され続けてきた。(今も変化は続いているけれど)

サービス分野は長年、テクノロジーに直接脅かされることはなかったけれど、これを「通信」という怪物が変えてしまった。
「誰とでも瞬時につながる」ということが、我われユーザーにとって「サービスそのもの」になってしまった。
もう「いらっしゃいませ。ニコッ。」ということだけがサービスではない。

欲しい時に欲しいものが宅配されてくるとか、
今の気分に合わせて友人から連絡が入るとか、
地球の裏側でモノ作りをしている若者に興味はありませんか?
とか。
ある意味アナログをデジタルがついに追い越してしまったとも言えそうだ。
アナログはずっと残るけれど、その何倍もデジタルが「量」で圧倒してしまったのだと思う。

自動運転時代、試される損保 リスクや法制度見極め
急ピッチで開発が進む自動運転技術。その行方を慎重に見守るのが損害保険業界だ。損保の収益の約5割は自動車保険。自動運転で「事故が起きないクルマ」が普及すれば、自動車保険はどうなるか。損保各社の経営戦略が試されている。

 「自動運転は現行の自動車と異なると考え、法的枠組みを官民で検討すべきだ」。18日にスイスで開いた世界経済フォーラムの年次総会(ダボス会議)。非公開の自動運転車セッションでSOMPOホールディングス桜田謙悟社長は国内外の自動車メーカー幹部を前にこう力説した。

 自動運転への注目度は世界的に高まっている。ボストンコンサルティンググループ(BCG)が2015年に実施した調査によると、米国消費者の55%が今後5年以内に車を購入する場合、部分的な自動運転車を買いたいと回答。今後10年以内に広げると、44%が完全な自動運転車を買いたいと答えた。

 損保にとって問題はその理由だ。部分的自動運転車を購入する理由については「自動運転車だと保険料が安くなるから」が最も多かった。自動運転の普及は損保の収益の根幹を揺るがす問題になり得るわけだ。

 桜田社長は「自動車保険はなくならない」とみる。桜田社長が描く未来は完全自動運転車と部分的自動運転車が混在する状態。法的枠組みの検討を提起したのは、自動運転の普及時に適切な保険料を確保することが大事だと考えているからだ。このため「各社がデータを持ち寄り、官民で新たな保険料を決める必要がある」と訴える。

 これに対し、あいおいニッセイ同和損害保険の金杉恭三社長は自動車保険市場は縮むとみる。安全技術は日進月歩で「完全自動運転は難しくても安全技術の進化で事故の頻度や被害額は徐々に減る」と判断しているからだ。金杉社長は新たな保険料の設定よりも「縮むパイの中でシェアを広げるため、トヨタ自動車との関係が近い利点を生かす」戦略を描く。

 一方、こんな見方もある。MS&ADインシュアランスグループホールディングスの柄沢康喜社長が注目するのは自動運転が生む新たなリスク。事故は減っても、自動運転システムがサイバー攻撃にさらされるリスクが生じる。柄沢社長は「自動運転が普及すると一気に大災害が起きる危険性もある」と指摘。自動運転時代には新たな保険が必要になると読む。

 技術的に自動運転が可能になっても法的な問題は残る。例えば完全自動運転車が誤作動で事故を起こしたら、誰が賠償責任を負うのか。東京海上ホールディングスの永野毅社長は「法的な課題が解決するまでにはかなりの時間がかかる。それまでは素早く被害者を救済できる仕組みが必要になる」と考える。

 このため東京海上日動火災保険は4月から自動運転中の事故も補償する特約を自動車保険に無料で付帯する。「自動運転の普及までの残された時間に新たな収益源をつくる」(永野社長)として新種保険の開発に力を入れる方針だ。

 今でこそ損保の収益の約半分を占める自動車保険だが、歴史的には「海上保険から火災保険、自動車保険、賠償保険と常にリスクの形に合わせて変わってきた」(柄沢社長)。自動運転時代には新たな保険の必要性が生じる可能性もある。損保が培ってきた柔軟性や適応力が改めて試される時代が迫っている。

2017-02-03 次のイノベーション。(2)

[]逆境こそが母。 逆境こそが母。を含むブックマーク 逆境こそが母。のブックマークコメント

日経、十字路より。
"高齢化社会AIの台頭"はどのような影響をもたらすのだろう。
一見別問題のような両者だけれど、一つの世界で同時に起きている現象だ。

イノベーションは、それを望めば盛り上がるわけではない。
リスクに挑む民間経済アニマルスピリッツによるところが大きい。
(中略)
さかのぼれば、高度成長期は好条件に恵まれていた。今後の見通しはどうか。

自分は『逆境がなければ新しいものは生まれにくい』と思っている。
つまり"辛いところ"にこそ何かが生まれる素地があると思うのだ。

高度成長期は終戦があったこそ生まれた。
幕末は徳川治世から民主主義胎動によって生まれた。(と思う)
「それ」を望んでも機が熟していないとそれは訪れないだろうと思う。

今度の超高齢化は「それ」ではないだろうか。
そして一方、自分たちはどんどん働く時間が短くなっている。
この度は国を挙げて「残業60時間制」へという声が上がっている。

生産性は上がりつつ仕事は減り、
高齢化がどんどん進んで働く人は減る。

仕事が減ったり、リタイヤで仕事が無くなった自分たちは一体「次に何をするのか」。
そんな"アニマルスピリッツ"がこれからの10年の主役ではないだろうか。
これから、何かが起こる気がする。


人口減少とイノベーション

 少子化による人口減少は深刻な問題だ。働き手(労働力人口)が減って経済成長にマイナスに作用する。このため日本経済の将来に悲観論が強まり、それが翻って足元の経済活動に影を落とす。

 この状況に対し、悲観主義ペシミズム)の行き過ぎを心配する声が上がっている。労働力人口が減っても、そのマイナスを上回るほど労働生産性を伸ばせば経済は成長すると説く。そして、成長を決めるのは人口よりも、新しい需要を作り出し生産性を高める広い意味での技術進歩(イノベーション)だと論じる。

 理屈はその通りだ。勇気付けられもする。だが疑問が残る。リアリティーの問題である。日本経済に改めてイノベーションのうねりが訪れるというハッピーストーリーの現実味はどの程度だろうか。

 イノベーションは、それを望めば盛り上がるわけではない。リスクに挑む民間経済のアニマルスピリッツによるところが大きい。その試行錯誤を見守る風通しの良さ、共感する積極性が社会に求められもする。さかのぼれば、高度成長期は好条件に恵まれていた。今後の見通しはどうか。

 大きな問題は、少子高齢化の帰結として世の中の空気がいや応なく老化していくことにある。競争よりも平穏が好まれ、覇気のない雰囲気が広がる可能性がある。

 そうなれば草食系のムードが定着し、成長せずに定常化する経済を受け入れる生活感覚も根を下ろす。ハングリー精神の発揮よりコンプライアンスガバナンスを重視し、企業に無難な振る舞いを求める風潮はさらに強まろう。イノベーション加速にとって必ずしも順風とはいえない。

 行き過ぎたペシミズムは無用である。しかし、イノベーションの効用を聞かされ、それを漠然と当てにして安心するのも、単なる皮算用で危うい。人口減の不都合な真実は願望や期待では変わらない。

損保ジャパン日本興亜顧問 中川洋)

2017-02-02 次のイノベーション。(1)

[]未来予想図未来予想図。を含むブックマーク 未来予想図。のブックマークコメント

日経、十字路より。

時代の平坦な時期よりも、動乱の時期の革命とかイノベーションを見るのは楽しいものだ。

それにしてもローマ帝国とか三国志とか日本の戦国時代とか幕末とかは、それから何百年経っても何度でも回顧され、時には新たな分析が唱えられたりする。

歴史好きの人が多いのは、ただ過去を分析して物語を発見し、喜んでいるだけじゃなく「今をよりよく変えたい」というかなり率直な欲求からなのなのだと思う。

記事の指摘する通り、

少子化による人口減少は深刻な問題だ。
この状況に対し、悲観主義ペシミズム)の行き過ぎを心配する声が上がっている。

高齢化が進む→経済規模が縮む→収入が減る→老後が不安、という噂にうんざりしている若者はとっても多いようだ。

ただ、ここ1年にわかに盛り上がってきたAIIoTの話題では「人の仕事はどんどんなくなる」というのが通説だ。(実際ここ20年でもそうだし)
駅や車内で人が改札しなくてないいし、タクシー運転手もいなくなるかもしれない。
税理士や銀行融資だってもう人の手を借りなくていいだろう、という話も現実的だ。
未来は明るいのか暗いのかどっちやねん。
(つづく)

人口減少とイノベーション
 少子化による人口減少は深刻な問題だ。働き手(労働力人口)が減って経済成長にマイナスに作用する。このため日本経済の将来に悲観論が強まり、それが翻って足元の経済活動に影を落とす。

 この状況に対し、悲観主義(ペシミズム)の行き過ぎを心配する声が上がっている。労働力人口が減っても、そのマイナスを上回るほど労働生産性を伸ばせば経済は成長すると説く。そして、成長を決めるのは人口よりも、新しい需要を作り出し生産性を高める広い意味での技術進歩(イノベーション)だと論じる。

 理屈はその通りだ。勇気付けられもする。だが疑問が残る。リアリティーの問題である。日本経済に改めてイノベーションのうねりが訪れるというハッピーストーリーの現実味はどの程度だろうか。

 イノベーションは、それを望めば盛り上がるわけではない。リスクに挑む民間経済のアニマルスピリッツによるところが大きい。その試行錯誤を見守る風通しの良さ、共感する積極性が社会に求められもする。さかのぼれば、高度成長期は好条件に恵まれていた。今後の見通しはどうか。

 大きな問題は、少子高齢化の帰結として世の中の空気がいや応なく老化していくことにある。競争よりも平穏が好まれ、覇気のない雰囲気が広がる可能性がある。

 そうなれば草食系のムードが定着し、成長せずに定常化する経済を受け入れる生活感覚も根を下ろす。ハングリー精神の発揮よりコンプライアンスガバナンスを重視し、企業に無難な振る舞いを求める風潮はさらに強まろう。イノベーション加速にとって必ずしも順風とはいえない。

 行き過ぎたペシミズムは無用である。しかし、イノベーションの効用を聞かされ、それを漠然と当てにして安心するのも、単なる皮算用で危うい。人口減の不都合な真実は願望や期待では変わらない。

損保ジャパン日本興亜顧問 中川洋)

2017-02-01 抗酸化物質と低糖。

[]今の正解。 今の正解。を含むブックマーク 今の正解。のブックマークコメント

酸化物質。
アスタキサンチンリコピン、カプサンチン。

「(できるだけ)酸化しないこと」と「血糖値を急にあげないこと」。
結局最新の「脂肪対策」としてはこの二つに集約されるような感じがする。

そうしたことを、限界まで(160キロ)走るようなアスリートたちの経験からこそ分析できる貴重な経験則だろう。

糖質を貯め込み、一気に消費する」のを止めて
「脂質を効率的に燃やす回路を作る」というのが要諦だ。

もともと「老け顔」とか「童顔」とかはあるけれど、30歳くらいから「見るみる更けてゆく人」と「いつまでも変わらない人」の差は大きい。
食と運動(習慣)と気持ち(?)の組み合わせが自分の老い方を決めてゆくと思っている。

歳の取り方というのは案外自分次第なのではないだろうか。

脂質燃やす体質へ低糖食 トレイルラン鏑木氏 エネルギー切れしにくく
 トレイルランニングトップランナーである鏑木毅さんは48歳になったいまも世界の第一線で戦い続けている。100マイル(160キロ)を超える山道(トレイル)で過酷なレースに耐える体と心をいかに整えているのか。そこには「低糖」「抗酸化」を意識した食生活があり、老化を受け入れたうえで創造性を働かせる前向きな思考がある。その生き方は加齢と闘う市民ランナーにも参考になる。

トレーニングについて創造的に考え、レースまでのプロセスを楽しむのが重要だという

 鏑木さんが食生活を改め、「低糖」に重きを置くようになったきっかけは米国のトレイルランナーの冷笑だった。レース前に糖質(炭水化物)を体に蓄積しようと、パスタやごはんを腹に詰め込んでいると「いまだにそんなことをしているのか?」とあきれた顔をされたという。

 「米国のランナーはレース中に糖質に頼らず、体脂肪を効率的に燃やしてエネルギーを得るため、低糖質の食事をしていたんですよ」

 運動するためのエネルギーは糖質、脂質を同時に使って生み出されるが、糖質に頼りきった体質になっていると、糖質ばかりが優先的に使われ、脂質が燃えにくい。糖質の貯蔵量は少ないため、走行中にエネルギー切れを起こしやすい。

 一方、脂質は大量に蓄えられているため、安定したエネルギー供給ができる。脂質を効率的に燃やす回路を築いておけば、より長い距離を巡航スピードで走れる。その回路をつくり、体脂肪の燃焼効率を高めるのが低糖質の食事の狙いだ。

 鏑木さんのある一日の食事はこんな具合だ。

 朝食はサラダ、納豆さんまの塩焼き、ごはんを茶わんに半分。トレーニング後の昼食は野菜をたっぷり入れた水炊き鍋、トースト1枚。夕食は鍋の残り、さしみ、ごはんを茶わんに半分。

 肉より魚が中心。鍋料理が多く、その具で変化をつける。このあと詳述する「抗酸化」のためサケなどの魚やカニもよく食べる。ニンジン、ゴボウなど根菜類を温野菜として食べるほか、風邪をひかないように毎食、ミカン、イチゴなど果物でビタミンをとる。

 練習量が多い日も食事のパターンは変えない。6〜7時間走をやっても基本は同じ。強度が高いトレーニングの後は魚など良質のたんぱく質を多めにとるくらいだという。食べる順番には気を使い、いきなり血糖値が上がらないように、初めに炭水化物をとらない。

 「炭水化物は三大栄養素の一つなので、全くとらないわけではない。そこを誤解しないでほしい」と鏑木さんは念を押す。もし低糖の食事を試すなら、急激に糖質を減らさず、まずは甘いものの間食をなくすことから始めるのがいいという。

 鏑木さんが「低糖生活」に先駆けて取り組んだのが「抗酸化生活」だ。

 息がゼイゼイするような激しい運動をすると活性酸素が大量に発生する。活性酸素が体内に増え過ぎると、酸化によって細胞、血管や筋肉を傷め、老化のもとになる。活性酸素を除去して酸化を抑えないとパフォーマンスが落ちる可能性がある。それ以前に運動が健康に結びつかない。

 「健康のことだけを考えたら、ゆっくりランニングがいい。しかし、速くなりたい人はそうはいかない。そういうランナーが健康でもありたいと思ったら、抗酸化物質を含む食べ物をとる必要がある」

 鏑木さんは37歳のときに、上りでの脚力低下を感じ、抗酸化物質のアスタキサンチン、リコピン、カプサンチンなどを摂取できる食事(表参照)を始めた。半年ほどで脚力が戻っただけでなく、目が疲れにくくなり、目覚めが良くなり、白髪が減ったという。

 2007年から抗酸化、08年から低糖を意識した食生活は大会の成績に結びついた。40歳だった09年に累積標高が9600メートルにもなる世界最高峰の大会、ウルトラ・トレイル・デュ・モンブラン(UTMB)で3位に食い込み、世界のトップランナーに名を連ねた。

 昨年、こうした経験をもとに「低糖質&抗酸化ランニングのすすめ」(鏑木毅、菊地恵観子共著、実務教育出版)をまとめた。

2017-01-31 決断をするのは私。

[]活字で学ぶか、人から学ぶか。 活字で学ぶか、人から学ぶか。を含むブックマーク 活字で学ぶか、人から学ぶか。のブックマークコメント

f:id:why-newton:20170131001751j:image
六平直政さんの記事より。
最近強く思うのだけれど、「知っているか未知か」とか「経験したか初めてか」とかいうことで、自分の行動とか言動はずい分違う。
つまり「知っていたり、経験アリ」ということについてはかなり固定的に断定してしまい、あまり疑おうとしない。
ステレオタイプだ。

知識や経験が培ってくれたそういう「知恵」のようなものは大事だし、むしろ自分と子供の違いは"それ"でしかないのかなぁとも思うのだけれど、特に「新しいもの」に対するとかにはこれが邪魔をする。

しかもタチが悪いのは「自分ではそう頑固だとは思っていない」ことにある。

老害だ。
だから、ちょっと弱腰だと思われても「相手はどうなの?」ということを尊重するようにしたい。
「正解を教え、導く」というのは先輩として大事なことだと思うけれど、そこに短絡的な「思考のショートカット」があれば、結果良くないと思うのだ。
だって先輩に「それは失敗するぞ」とか「行け!」と言われると、自分の心が救われる気がするけれど、ちょっと"それ"頼みにして勢いつけてるようなことがあるし。
決断は自分でしましょう。

俳優・六平直政さん 価値観の押しつけ嫌った父|エンタメ!|NIKKEI STYLE
それでも親子
俳優・六平直政さん 価値観の押しつけ嫌った父
2017/1/25 日本経済新聞 夕刊
 著名人が両親から学んだことや思い出などを語る「それでも親子」。今回は俳優の六平直政さんだ。

 ――六平家は代々お寺の住職を務めてきた。

 「おやじは33代続く秋田県由利本荘市の超光寺という寺に長男として生まれました。でも、弟に住職を譲って、東北大学美学を専攻、その後東京に出て都立高校英語教師になりました。一方で、美学者の阿部次郎氏に弟子入りし、文芸雑誌に関わっていました。付き合いは広く、教え子もよく訪ねてきて、正月はいつも酒宴でにぎわっていましたね」

 ――子どもの教育には信念をお持ちだった?

 「5歳下でダウン症の弟が小学校に上がるときのことです。学校から養護学級に入れるよう言われましたが、武蔵野市教育委員会に乗り込み、『義務教育の間は普通の学級で学ばせる』と主張したそうです。健常者も障害者も共に暮らすのが一般社会。その縮図が公立小中学校なのだから、そこに行かそうとしたおやじの判断は正しい」

 「俺に関しておやじは、自由にさせてくれました。高校3年の時に突然、美大に行って彫刻をやりたいと言っても反対しなかったんです。彫刻を大学院までやって、周囲が美術の世界で食べていくのだろうと思っていたときに、劇団に入ったんですが、そのときも反対しなかった」

 ――お母さんはどうみていらっしゃったのでしょうか。

 「劇団で貧乏していたときこっそり家を訪ねると、ご飯を食べさせてくれ、帰りがけに3000円くらい小遣いもくれました。当時の1000円は俺にとっては今の10万円の価値がありました。おふくろは亡くなる前に『あなたは後ろ盾を大切にして、真実を語りなさい』と言いました。よく俺のことを見てくれているんだなと思いました。俺も両親のように、子どもの選択には一切反対しません」

 ――次男の光成さんはJリーガーですね。

 「サッカーをやれなんてひと言も言ったことはないんです。フットサルの日本代表の選手が近所でサッカー教室を開いていて、その人の足技がすごいと言ってサッカーが好きになり、勝手にFC東京のジュニアユースに入りました。その後、サッカーが強い前橋育英高校に行くなど、自分で道を切り開きました」

 ――亡くなられたお父さんに似てきたと言われるとか。

 「おやじは、自分なりの基準がはっきりしていて他人の価値観を押しつけられるのが何より嫌いでした。風貌だけでなく、そんなところも引き継いでいます。彫刻の師匠である篠田守男さんに『人間は活字で学ぶか、自分より優れた人から学ぶか2つしか勉強手段はない』と教えてもらいました。おやじは本から学び、俺は人から学んだ。学び方は違いますが、おやじの『他人の気持ちを推し量れるような人間になれ』という言葉が人付き合いに生きています」

[日本経済新聞夕刊2017年1月24日付]

2017-01-30 大体の仕事は消える。

[]センサー×データの威力。 センサー×データの威力。を含むブックマーク センサー×データの威力。のブックマークコメント

銀行マン(一位)から
スポーツの審判(二位)、
不動産営業(三位)に
レストランのフロアー係(四位)に
保険の審査担当(五位)。
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結局相当な仕事が「あと10年」で消えていくらしい。
その範囲は弁護士から警察までと聖域を持たない。
「データ」でカバーできるものと、センサーやロボットなどの「実働」でカバーできるものが組み合わさっているからなかなかに手強い。

すでに医師の診断とか金融融資判断などは、実用化を迎えている。
ルートの営業マンの仕事なんかはもうかなりリアルにネット販売に取って代わられている。

何か「ゼーッたいにコンピューターやロボにはできないこと」を探すことがこれからの自分たちのテーマになりそうだ。

でも、それとて絶対に人間のものだろうか…

オックスフォード大学が認定 あと10年で「消える職業」「なくなる仕事」
702業種を徹底調査してわかった
たとえばバーテンダーの仕事。これがコンピューターに代わられる確率は77%―。そんな大胆予測を披露した論文が全世界で話題だ。論文の執筆者が本誌に語った、凄まじすぎる「雇用の未来」。

仕事はほぼ半減する

(註)オズボーン氏の論文『雇用の未来』の中で、コンピューターに代わられる確率の高い仕事として挙げられたものを記載

「コンピューターの技術革新がすさまじい勢いで進む中で、これまで人間にしかできないと思われていた仕事がロボットなどの機械に代わられようとしています。たとえば、『Google Car』に代表されるような無人で走る自動運転車は、これから世界中に行き渡ります。そうなれば、タクシーやトラックの運転手は仕事を失うのです。

これはほんの一例で、機械によって代わられる人間の仕事は非常に多岐にわたります。私は、米国労働省のデータに基づいて、702の職種が今後どれだけコンピューター技術によって自動化されるかを分析しました。その結果、今後10~20年程度で、米国の総雇用者の約47%の仕事が自動化されるリスクが高いという結論に至ったのです」

人間が行う仕事の約半分が機械に奪われる―そんな衝撃的な予測をするのは、英オックスフォード大学でAI(人工知能)などの研究を行うマイケル・A・オズボーン准教授である。

そのオズボーン氏が、同大学のカール・ベネディクト・フライ研究員とともに著した『雇用の未来―コンピューター化によって仕事は失われるのか』という論文が、いま世界中で話題となっている。

同論文の凄味は、702の職種すべてについて、コンピューターに取って代わられる確率を仔細に試算したことにある。言うなれば、これから「消える職業」「なくなる仕事」を示したに等しく、これが産業界に衝撃を与えているわけだ。

右に載せたのは、そうした「消える、なくなる」可能性の高い主な仕事である。いずれもコンピューターに代わられる確率は90%以上という驚くべき数字が弾きだされている。
オズボーン氏が言う。
ページ: 2

「各仕事に必要なスキルはどのようなもので、そのスキルを機械がどれだけ自動化できるのかを、テクノロジーの発展のトレンドを考慮して詳細に調べ上げました。具体的には、コンピューター化の障壁となりうる9つの仕事特性を抽出して―たとえば、手先の器用さ、芸術的な能力、交渉力、説得力など―、702の職種を評価したのです。

これまでロボットはルーチン的な作業しかできないとされてきましたが、ここ10年間におけるロボットの能力向上は目覚ましいものがあります。ロボットが完全に人間の知性を手に入れるにはあと少なくとも50年はかかると言われていますが、その過程で、多くの仕事が機械の脅威にさらされることがわかってきました」

日本におけるロボット市場は直近では9000億円ほどだが、これが'20年には約3兆円、'35年には10兆円程にまで達するといわれる。

この10月に行われた日本最大のIT・エレクトロニクス見本市『CEATEC』では、人間相手にラリーをする卓球ロボットなどが披露され、来場者の度肝を抜いたばかり。最近では携帯大手ソフトバンクが、人間相手に会話をする世界初の感情認識パーソナルロボット『Pepper』を発表するなど、各企業のロボット開発競争は熾烈化している。

子供の頃に憧れたSFの世界が現実化する日が近づくようでワクワクする面もあるが、オズボーン氏が指摘するように、それは同時にロボットが人間の仕事を奪う皮肉な結果をもたらすのである。

弁護士から警察まで

そんな時代がいよいよ本格化しようとしている中で、気になるのはどのような仕事が「消える、なくなる」可能性があるのか、だろう。

オズボーン氏は言う。

「最近の技術革新の中でも注目すべきはビッグデータです。これまで不可能だった莫大な量のデータをコンピューターが処理できるようになった結果、非ルーチン作業だと思われていた仕事をルーチン化することが可能になりつつあります」

その具体例として前出の論文に書かれているのが、「医療診断」である。米国のニューヨークメモリアルスローンケタリングがんセンターが、米IT大手のIBMと協業している事例が取り上げられている。

同がんセンターでは、米国のクイズ番組で人間相手に勝利を挙げたワトソンというIBMの人工知能型コンピューターを活用して、60万件の医療報告書、150万件の患者記録や臨床試験、200万ページ分の医学雑誌などを分析。コンピューターが患者個々人の症状や遺伝子、薬歴などをほかの患者と比較することで、それぞれに合った最良の治療計画を作ることに成功しているというのだ。

法律の分野でも、裁判前のリサーチのために数千件の弁論趣意書や判例を精査するコンピューターがすでに活用されており、米ソフトウェア大手シマンテックのサービスを利用すると、2日間で57万件以上の文書を分析して分類することができる。その結果、弁護士アシスタントであるパラリーガルや、契約書専門、特許専門の弁護士の仕事は、すでに高度なコンピューターによって行われるようになっているという。

オズボーン氏が続ける。

「センサー技術の進化も重要です。センサー技術が発展すると、これまで人間にしかできないとされていた認知能力を備えた機械がさまざまな分野で活躍できるようになるからです。たとえば、カタール首都ドーハブラジルサンパウロ中国北京などでは、水道のパイプやポンプにセンサーを設置。センサーが水道管の漏れをチェックした結果、水漏れを40~50%削減することに成功しています。こうした機器の不具合を観察する作業員は必要でなくなるでしょう」

センサー技術がさらに普及すれば、患者の状況を観察する医療スタッフの仕事がいらなくなる可能性も出てくる。

また、街頭や歩道などにセンサーが張り巡らされ、音や映像を記録することによって、「警官の人数も減らせるかもしれない」とオズボーン氏は指摘する。

「人間は休憩や睡眠をとる必要があるので、観察が中断することがありますが、センサーは常に見張りができる。また、人間は集中力の低下や人それぞれに思考のバイアスがありますが、ビッグデータを分析するコンピューターにはそのようなデメリットがない。結果として、機械のほうが人間よりすぐれた仕事をする可能性すらあるわけです」

知識労働者が次々失業

こうしたビッグデータによる情報分析、センサーによる認識能力を組み合わせることで、人間並み、もしくはそれ以上の「判断力」を備えたコンピューターも出現し始めている。

たとえば米アップルスマホは、人間が「東京の週末の天気は?」と話しかけると、それを認識し、実際の天気予報を画面上に映し出す。

米国では、コールセンター業務を人間に代わって行える音声応答システムも開発されており、これにより従来に比べ60~80%のコストが削減できるようになりつつあるともいう。

金融業界では、人間のトレーダーよりも大量かつ迅速に、コンピューターがプレスリリースや決算資料を分析し、それに基づいた投資判断を下すのが日常の風景となっている。

ウェブ上に顧客が情報を入力するだけで、コンピューターのファイナンシャルアドバイザーが顧客それぞれにあった資産運用アドバイスを行うサービスもスタートし、人気を博しているというのだ。

「教育の現場では、無料でオンライン講義を受けられる『MOOCs』が急成長しています。そして、学生がディスカッションでどんなやり取りをするか、課題を勤勉にこなしているか、講義をきちんと視聴しているか、そして最終的にどれくらいの成績をおさめているか、などについての莫大なデータが集まり始めています。こうした情報を利用すれば、人間に代わってコンピューターの講師が、個々の学生に応じた講習や評価ができるようになるし、卒業後の就職適性も導き出すことができるようになります。その技術を人材採用に適用すれば、各企業の人事部の作業はいまよりずっと効率化できたりもするのです」(オズボーン氏)

オックスフォード大学が認定 あと10年で「消える職業」「なくなる仕事」
702業種を徹底調査してわかった

マッキンゼー・グローバル・インスティチュートによれば、こうした高度な技術が、世界で約1億4000万人のフルタイムの知識労働者にとって代わると予測されているという。

オズボーン氏は語る。

経済の歴史を見ると、技術的進歩といえば、たいていは身体を使う手作業を機械化することを表していました。しかし、21世紀の技術的進歩は、これまで人間の領域とされてきた認知能力を必要とする幅広い仕事を機械化することを意味するのです。

さらに、手作業についても従来は単純化できる作業だけが機械化されていましたが、今後はより複雑な作業まで機械化できるようになります」

その具体例として論文に上げられているのは、たとえば、「病院ロボット」。病院内で、食事処方箋を患者ごとに自動的に輸送するロボットや、手術を行うロボットがすでに出現しているという。

食品業界でも、スペインのある食品加工メーカーでは、ベルトコンベアーで運ばれてくるレタスをロボットが測定し、品質基準に満たないレタスを選り分けているという。

われわれが気付かないうちに、ロボットが人間の代わりに働く光景はすでに世界中に広がっているのだ。

「たとえば、米ゼネラル・エレクトリックは、風力タービンを登ってメンテナンスをするロボットを開発している。物流の分野でも、日本のメーカーが遠隔操作できるほどの高度なコンピューターと通信機器を搭載している自動車を開発しています」(オズボーン氏)

絶対に消えない仕事とは?

バクスター』という汎用ロボットは、人間がロボットの腕などを動かして仕事を憶えさせることで、パターンを暗記してその作業を自動的に行えるという。しかも、『バクスター』の値段は約2万ドル(約210万円)ほどで、産業用ロボットが平均して10万~15万ドルする中にあっては安価だ。

ロボットがこうして広く普及するにつれて、大量生産によってその値段はどんどん下がっていく。「10年以内に産業用ロボットは平均して5万~7万5000ドルほどの値段で買えるようになる」とオズボーン氏が指摘するように、価格下落がさらにロボットの普及をうながし、人間の仕事をさらに奪っていく。

「『バクスター』のような低価格で多目的なロボットは、製造業だけでなく、サービス業でも活用されるようになるでしょう。サービス業は人と人とがコミュニケーションをしなければいけない業種なので機械化は難しいとされてきましたが、その壁すら乗り越えようとしているわけです。かつてレストランのウェイターやウェイトレスの仕事は機械に奪われないと言われていましたが、いまはタブレット端末で注文できるレストランが増えています。受付業務や秘書業務も同じような流れにある。今後はさらに、調理、医療、清掃、高齢者介護などのサービス産業で、ロボットが複雑な作業を担うことになるでしょう」(オズボーン氏)

ページ: 5

オックスフォード大学が認定 あと10年で「消える職業」「なくなる仕事」
702業種を徹底調査してわかった

ロボットが職場に溢れ、仕事を奪われた人間が失業者になっていく様は想像するだけで恐ろしいが、オズボーン氏は「人類にとってこれは歓迎すべきことだ」と主張する。

「かつて洗濯は手作業で行っていましたが、洗濯機の登場でその仕事は奪われました。しかし、それによって余った時間を使って新しい技術や知恵が創造された。こうして人類は発展してきたわけです。現在起きているのも同じことです。

ロボットやコンピューターは芸術などのクリエイティブな作業には向いていません。となれば、人間は機械にできる仕事は機械に任せて、より高次元でクリエイティブなことに集中できるようになるわけです。人間がそうして新しいスキルや知性を磨くようになれば、これまで以上に輝かしい『クリエイティブ・エコノミー』の時代を切り開いていけるのです」

もちろん、そうした高次元でクリエイティブなスキルを身につけられなければ、失業者に転落するリスクが大きいということでもある。来たるべきロボット社会で生き残るのは、なかなか容易ではなさそうだ。

週刊現代2014年11月1日号より

2017-01-29 その国に住む。

[]電子居住。 電子居住。を含むブックマーク 電子居住。のブックマークコメント

エストニアが「バーチャル国民制度」を始めたという。

電子居住の普及は当初目的の一つである経済活性化の効果を上げつつある。
昨年末時点で電子居住者が同国に新設した会社は1200社。
電子居住者に所有されている会社は約2400社と、既に全体の5%程度を占めるまでに増加した。

リアル世界は無くならないが、「バーチャル」も本当の世界、を形成しつつある。
「電子世界」でどのようなプレゼンスを作っていくのか。
今は小国と言われるエストニアが「ある世界」を作っている試みは、これからの「バーチャル世界」を過ごすお手本になる可能性があると思う。

東と西、南と北の今の国境の争いは、近いうちにこのネット上の「バーチャル世界」でも顕在化してくるだろう。

今のうちに「ネット国」の中の様子に注意しておくことも必要なようだ。
世知辛い感じはするけれど。


エストニアの「電子居住権」、小国の生命線 国外の外国人取り込み、投資誘致

 東欧欧州連合(EU)加盟国でもあるエストニアが始めた「電子居住権」制度の利用が広がっている。国外に住む外国人にインターネット上で自国民に準じた行政サービスを提供するもので、導入後約2年で取得者は1万5千人を超えた。外国からの投資誘致を主目的とする前例のない制度の背景には、厳しい国際情勢の中で生き残りを探る小国の危機感がある。

首都タリンで電子居住カードの使い方を説明するエストニア政府の担当者

 エストニアは先進的な電子政府サービスで知られ、2002年にはICチップ入りの国民IDカードを導入。大半の行政手続きがネット経由でできるようになった。07年には国政選挙での電子投票も導入した。

■非居住の外国人にICチップ入りカード

 14年12月に立ち上げた電子居住権制度は国民IDカードと同様の公的個人認証機能を備えた専用のICチップ入りカードを非居住の外国人に発行。取得者は納税、株主総会取締役会で扱う書類への署名などをネット経由でできる。専門の業者から年間2万円程度で住所をレンタルすれば会社の設立も可能だ。

 ネット上での行政手続きは迅速。会社登記なら最短20分程度で済む。利用者は現地に行かずしてEU域内に会社を設立、運営できるメリットがある。近く銀行口座の開設もオンラインでできるようにする方針だ。

 発足当初からIT(情報技術)分野やコンサルタント会社などの起業家から注目され、取得者は着実に増加中だ。ロシア米国ウクライナなどEU域外の取得者が多く、英国ではEU離脱が決まった後に申請者が10倍に増えたという。

 電子居住権の希望者はエストニア政府のホームページからオンラインで100ユーロ(約1万2千円)を支払い申請。担当官庁からマネーロンダリング資金洗浄)に関与していないかなどの審査を受ける。許可されれば、各国の大使館でICカードと専用の読み取り機を受け取る段取りだ。申し込みから1カ月程度で発給される例が多い。

 電子居住の普及は当初目的の一つである経済活性化の効果を上げつつある。昨年末時点で電子居住者が同国に新設した会社は1200社。電子居住者に所有されている会社は約2400社と、既に全体の5%程度を占めるまでに増加した。

 エストニアには電子居住の経済効果に着目した各国からの視察が相次ぐ。欧州アジアの4カ国は制度導入の検討に入った。政府で担当部長を務めるカスパー・コージュス氏は「近い将来、電子居住を導入した国が急増し、競争が激しくなるだろう」と語る。

■政府は安全保障への寄与を最重視

 だが、実はエストニア政府が最重視するのが安全保障への寄与だ。日本の9分の1の国土と人口わずか約130万人のエストニアは歴史上、大国の思惑に翻弄され続け、第2次大戦中にはソ連に併合された。1991年に独立したが、14年3月のロシアによるウクライナ南部・クリミア半島の編入後はロシアの侵略に対する危機感を強めてきた。

 エストニアは北大西洋条約機構(NATO)に加盟するが、ロシアから侵攻された場合に同国との関係改善を掲げる米国のトランプ政権が相互防衛の約束を十分に果たすか不安もある。国土防衛のための民兵組織に志願する市民も増えているという。こうした中、電子居住制度により「国外の多くの企業家や要人を取り込めれば国際世論への影響は大きく、国の安全に大きく寄与する」(政府関係者)との計算も働いた。エストニア政府は25年までに利用者を人口の約8倍の1千万人に増やす構想を描く。15年には安倍晋三首相にも電子居住権を贈った。

 同国は政府のデータと行政サービスのシステムを世界中の大使館敷地内のサーバー分散させる「データ大使館」構想も進めている。サイバー攻撃への対処に加え、敵国に侵略された場合に領土回復まで国家の存続を保つ狙いもある。エストニア軍の幹部も「エストニアの独立を保てるかはネット上の取り組みの成否にかかっている」と語る。

(タリンで、田中孝幸)

 ▼電子政府 インターネットを通じて行政手続きができるサービス。税金申告、会社設立登記などを役所に出向かずにできる。日本政府は2001年に本格着手したが、各府省が縦割りで作った申請システムの多くは使い勝手が悪く、利用率は低迷している。
 海外では成功した他国のシステムを自国に取り入れる例も見られる。欧州メディアによると地中海の小国キプロスは昨秋、エストニア型の電子政府の導入を決めた。

2017-01-28 AIで未来は明るい。(3)

[]仕事の"棚卸し"の時代。 仕事の"棚卸し"の時代。を含むブックマーク 仕事の"棚卸し"の時代。のブックマークコメント

人間が行う仕事の約半分が機械に奪われる―そんな衝撃的な予測をするのは、英オックスフォード大学AI(人工知能)などの研究を行うマイケル・A・オズボーン准教授である。

人類たるもの、恐れてばかりいては情けない。
けれど、自分の仕事がどれほど「機械じゃできないことなのか」というのは非常に重要なテーゼだと思う。
常々「これって自分じゃないとできない判断だろうか」とよく考えるのだが、もっと言えば「優秀なコンピュータ」なら十分判断できるだろうな、と思うことは少なくない。

さらには投資とか、撤退とかいう重要な判断もこれまでは「経営者の勘」とか「ポリシー」「哲学」などと言われていたものも、細分化してみれば「ある傾向のデータの塊だった」ということになりそうだ。

「好み」とか「相性」という今自分たちが逃げ口上にしてしまっていることも「その中身はナンデスカ?」と分解されてしまえば、案外神秘的なものでもなくなるかもしれない。
「人の仕事はなくなるのか」という問いは、すなわち「人の仕事ってなんだろう」ということだ。

AIとIoTブームの到来は、自分がやるべきことと、人や機械任せるべきことと、「それでもあえて自分でやりたいこと」を今一度棚卸する機会を自分たちにもたらしてくれているような気がする。

仕事の棚卸しって、会社の決算にとても大事だが、
"人生の棚卸し"って実はもっと大事だ。
自分の倉庫には、一体どんなものが詰まっているのか。
これからは何を作っていくのかも考えなくっちゃ。

2017-01-27 AIで未来は明るい。(2)

[]あらゆる分野で「ひとだから」の仕事。 あらゆる分野で「ひとだから」の仕事。を含むブックマーク あらゆる分野で「ひとだから」の仕事。のブックマークコメント

知識の集約と組み合わせ」で構成されいた仕事と、「人の五感」に頼っていた仕事は次々に機械化の対象になる。

法律の分野でも、裁判前のリサーチのために数千件の弁論趣意書や判例を精査するコンピューターがすでに活用されており、米ソフトウェア大手シマンテックのサービスを利用すると、2日間で57万件以上の文書を分析して分類することができる。その結果、弁護士アシスタントであるパラリーガルや、契約書専門、特許専門の弁護士の仕事は、すでに高度なコンピューターによって行われるようになっているという。

こちらは「人が見張っていた」ところの警備・保安。

また、街頭や歩道などにセンサーが張り巡らされ、音や映像を記録することによって、「警官の人数も減らせるかもしれない」とオズボーン氏は指摘する。

さらには聖域と言われていた金融でも。

金融業界では、人間のトレーダーよりも大量かつ迅速に、コンピューターがプレスリリースや決算資料を分析し、それに基づいた投資判断を下すのが日常の風景となっている。

自分がこれまで「自分だからできる」と思っていた仕事。
それが案外「情報の独り占め」とか「人間関係」の所産だったというのはよくある古典的な話。

そうではなく「人じゃなくてもできる仕事かどうか」を考えてみる時代になったのだ。

どの職業も安穏としてはいられなそうだ。

"経営者"という職種も、実はそのほとんどは機械化できるのじゃないだろうか。

つまり、人の営みってどの程度「技術」に代替できるのだろう。
(つづく)

2017-01-26 AIで未来は明るい。(1)

[]技術から気づかされること。 技術から気づかされること。を含むブックマーク 技術から気づかされること。のブックマークコメント

もうすでに「○○の自動化」で相当な量の「人の仕事」は機械に代替されている。
切符を切る駅員さんはいないし、現金を授受するお店の人たちはレジに集約されている。

昭和初期、戦後直後、高度成長期、そしてネットの普及した今を比べてみれば「洗濯から通信まで」あらゆるところで人手は省かれている。

今からでもレジにいる人はいらなくなるだろうし、決まったことを教える教師も役割が変わってくるだろう。
AIAI」と声高に言わなくとも、自分たちの仕事は「よくよく考えてみればかなり自動化できる」という事実に気づく。

例えば医者。
同がんセンターでは、米国クイズ番組で人間相手に勝利を挙げた

(現代webより)
ワトソンというIBM人工知能型コンピューターを活用して、60万件の医療報告書、150万件の患者記録や臨床試験、200万ページ分の医学雑誌などを分析。
コンピューターが患者個々人の症状や遺伝子、薬歴などをほかの患者と比較することで、それぞれに合った最良の治療計画を作ることに成功しているというのだ。

つまりは専門家の「専門性」と言われている部分の解体が始まってくるのだろう。
これは「弁護士」とか「税理士」とか「教師」とか「経営者」とかあらゆる種類の職業にも広がるに違いない。

センサー技術がさらに普及すれば、患者の状況を観察する医療スタッフの仕事がいらなくなる可能性も出てくる。

「医療とか看護、あるいは介護」の分野も「機械でできるところは機械で」というのは自然な流れ。
センサーたちが見張っている中で「人でなければならない部分」を担当すれば人手は減る。
さらにはその「人でなければ」という部分もどんどん分解されて機械に置きかわるに違いない。
(つづく)

オックスフォード大学が認定 あと10年で「消える職業」「なくなる仕事」
702業種を徹底調査してわかった

たとえばバーテンダーの仕事。これがコンピューターに代わられる確率は77%―。そんな大胆予測を披露した論文が全世界で話題だ。論文の執筆者が本誌に語った、凄まじすぎる「雇用の未来」。

仕事はほぼ半減する

(註)オズボーン氏の論文『雇用の未来』の中で、コンピューターに代わられる確率の高い仕事として挙げられたものを記載

「コンピューターの技術革新がすさまじい勢いで進む中で、これまで人間にしかできないと思われていた仕事がロボットなどの機械に代わられようとしています。たとえば、『Google Car』に代表されるような無人で走る自動運転車は、これから世界中に行き渡ります。そうなれば、タクシーやトラックの運転手は仕事を失うのです。

これはほんの一例で、機械によって代わられる人間の仕事は非常に多岐にわたります。私は、米国労働省のデータに基づいて、702の職種が今後どれだけコンピューター技術によって自動化されるかを分析しました。その結果、今後10~20年程度で、米国の総雇用者の約47%の仕事が自動化されるリスクが高いという結論に至ったのです」

人間が行う仕事の約半分が機械に奪われる―そんな衝撃的な予測をするのは、英オックスフォード大学でAI(人工知能)などの研究を行うマイケル・A・オズボーン准教授である。

そのオズボーン氏が、同大学のカール・ベネディクト・フライ研究員とともに著した『雇用の未来―コンピューター化によって仕事は失われるのか』という論文が、いま世界中で話題となっている。

同論文の凄味は、702の職種すべてについて、コンピューターに取って代わられる確率を仔細に試算したことにある。言うなれば、これから「消える職業」「なくなる仕事」を示したに等しく、これが産業界に衝撃を与えているわけだ。

右に載せたのは、そうした「消える、なくなる」可能性の高い主な仕事である。いずれもコンピューターに代わられる確率は90%以上という驚くべき数字が弾きだされている。

オズボーン氏が言う。
「各仕事に必要なスキルはどのようなもので、そのスキルを機械がどれだけ自動化できるのかを、テクノロジーの発展のトレンドを考慮して詳細に調べ上げました。具体的には、コンピューター化の障壁となりうる9つの仕事特性を抽出して―たとえば、手先の器用さ、芸術的な能力、交渉力、説得力など―、702の職種を評価したのです。

これまでロボットはルーチン的な作業しかできないとされてきましたが、ここ10年間におけるロボットの能力向上は目覚ましいものがあります。ロボットが完全に人間の知性を手に入れるにはあと少なくとも50年はかかると言われていますが、その過程で、多くの仕事が機械の脅威にさらされることがわかってきました」

日本におけるロボット市場は直近では9000億円ほどだが、これが'20年には約3兆円、'35年には10兆円程にまで達するといわれる。

この10月に行われた日本最大のIT・エレクトロニクス見本市『CEATEC』では、人間相手にラリーをする卓球ロボットなどが披露され、来場者の度肝を抜いたばかり。最近では携帯大手ソフトバンクが、人間相手に会話をする世界初の感情認識パーソナルロボット『Pepper』を発表するなど、各企業のロボット開発競争は熾烈化している。

子供の頃に憧れたSFの世界が現実化する日が近づくようでワクワクする面もあるが、オズボーン氏が指摘するように、それは同時にロボットが人間の仕事を奪う皮肉な結果をもたらすのである。

弁護士から警察まで
そんな時代がいよいよ本格化しようとしている中で、気になるのはどのような仕事が「消える、なくなる」可能性があるのか、だろう。

オズボーン氏は言う。

「最近の技術革新の中でも注目すべきはビッグデータです。これまで不可能だった莫大な量のデータをコンピューターが処理できるようになった結果、非ルーチン作業だと思われていた仕事をルーチン化することが可能になりつつあります」

その具体例として前出の論文に書かれているのが、「医療診断」である。米国のニューヨークメモリアルスローンケタリングがんセンターが、米IT大手のIBMと協業している事例が取り上げられている。

同がんセンターでは、米国のクイズ番組で人間相手に勝利を挙げたワトソンというIBMの人工知能型コンピューターを活用して、60万件の医療報告書、150万件の患者記録や臨床試験、200万ページ分の医学雑誌などを分析。コンピューターが患者個々人の症状や遺伝子、薬歴などをほかの患者と比較することで、それぞれに合った最良の治療計画を作ることに成功しているというのだ。

法律の分野でも、裁判前のリサーチのために数千件の弁論趣意書や判例を精査するコンピューターがすでに活用されており、米ソフトウェア大手シマンテックのサービスを利用すると、2日間で57万件以上の文書を分析して分類することができる。その結果、弁護士アシスタントであるパラリーガルや、契約書専門、特許専門の弁護士の仕事は、すでに高度なコンピューターによって行われるようになっているという。

オズボーン氏が続ける。
「センサー技術の進化も重要です。センサー技術が発展すると、これまで人間にしかできないとされていた認知能力を備えた機械がさまざまな分野で活躍できるようになるからです。たとえば、カタール首都ドーハブラジルサンパウロ中国北京などでは、水道のパイプやポンプにセンサーを設置。センサーが水道管の漏れをチェックした結果、水漏れを40~50%削減することに成功しています。こうした機器の不具合を観察する作業員は必要でなくなるでしょう」

センサー技術がさらに普及すれば、患者の状況を観察する医療スタッフの仕事がいらなくなる可能性も出てくる。

また、街頭や歩道などにセンサーが張り巡らされ、音や映像を記録することによって、「警官の人数も減らせるかもしれない」とオズボーン氏は指摘する。

「人間は休憩や睡眠をとる必要があるので、観察が中断することがありますが、センサーは常に見張りができる。また、人間は集中力の低下や人それぞれに思考のバイアスがありますが、ビッグデータを分析するコンピューターにはそのようなデメリットがない。結果として、機械のほうが人間よりすぐれた仕事をする可能性すらあるわけです」

知識労働者が次々失業
こうしたビッグデータによる情報分析、センサーによる認識能力を組み合わせることで、人間並み、もしくはそれ以上の「判断力」を備えたコンピューターも出現し始めている。

たとえば米アップルスマホは、人間が「東京の週末の天気は?」と話しかけると、それを認識し、実際の天気予報を画面上に映し出す。

米国では、コールセンター業務を人間に代わって行える音声応答システムも開発されており、これにより従来に比べ60~80%のコストが削減できるようになりつつあるともいう。

金融業界では、人間のトレーダーよりも大量かつ迅速に、コンピューターがプレスリリースや決算資料を分析し、それに基づいた投資判断を下すのが日常の風景となっている。

ウェブ上に顧客が情報を入力するだけで、コンピューターのファイナンシャルアドバイザーが顧客それぞれにあった資産運用アドバイスを行うサービスもスタートし、人気を博しているというのだ。

「教育の現場では、無料でオンライン講義を受けられる『MOOCs』が急成長しています。そして、学生がディスカッションでどんなやり取りをするか、課題を勤勉にこなしているか、講義をきちんと視聴しているか、そして最終的にどれくらいの成績をおさめているか、などについての莫大なデータが集まり始めています。こうした情報を利用すれば、人間に代わってコンピューターの講師が、個々の学生に応じた講習や評価ができるようになるし、卒業後の就職適性も導き出すことができるようになります。その技術を人材採用に適用すれば、各企業の人事部の作業はいまよりずっと効率化できたりもするのです」(オズボーン氏)

マッキンゼー・グローバル・インスティチュートによれば、こうした高度な技術が、世界で約1億4000万人のフルタイムの知識労働者にとって代わると予測されているという。

オズボーン氏は語る。

経済の歴史を見ると、技術的進歩といえば、たいていは身体を使う手作業を機械化することを表していました。しかし、21世紀の技術的進歩は、これまで人間の領域とされてきた認知能力を必要とする幅広い仕事を機械化することを意味するのです。

さらに、手作業についても従来は単純化できる作業だけが機械化されていましたが、今後はより複雑な作業まで機械化できるようになります」

その具体例として論文に上げられているのは、たとえば、「病院ロボット」。病院内で、食事処方箋を患者ごとに自動的に輸送するロボットや、手術を行うロボットがすでに出現しているという。

食品業界でも、スペインのある食品加工メーカーでは、ベルトコンベアーで運ばれてくるレタスをロボットが測定し、品質基準に満たないレタスを選り分けているという。

われわれが気付かないうちに、ロボットが人間の代わりに働く光景はすでに世界中に広がっているのだ。

「たとえば、米ゼネラル・エレクトリックは、風力タービンを登ってメンテナンスをするロボットを開発している。物流の分野でも、日本のメーカーが遠隔操作できるほどの高度なコンピューターと通信機器を搭載している自動車を開発しています」(オズボーン氏)

絶対に消えない仕事とは?
バクスター』という汎用ロボットは、人間がロボットの腕などを動かして仕事を憶えさせることで、パターンを暗記してその作業を自動的に行えるという。しかも、『バクスター』の値段は約2万ドル(約210万円)ほどで、産業用ロボットが平均して10万~15万ドルする中にあっては安価だ。

ロボットがこうして広く普及するにつれて、大量生産によってその値段はどんどん下がっていく。「10年以内に産業用ロボットは平均して5万~7万5000ドルほどの値段で買えるようになる」とオズボーン氏が指摘するように、価格下落がさらにロボットの普及をうながし、人間の仕事をさらに奪っていく。

「『バクスター』のような低価格で多目的なロボットは、製造業だけでなく、サービス業でも活用されるようになるでしょう。サービス業は人と人とがコミュニケーションをしなければいけない業種なので機械化は難しいとされてきましたが、その壁すら乗り越えようとしているわけです。かつてレストランのウェイターやウェイトレスの仕事は機械に奪われないと言われていましたが、いまはタブレット端末で注文できるレストランが増えています。受付業務や秘書業務も同じような流れにある。今後はさらに、調理、医療、清掃、高齢者介護などのサービス産業で、ロボットが複雑な作業を担うことになるでしょう」(オズボーン氏)

ロボットが職場に溢れ、仕事を奪われた人間が失業者になっていく様は想像するだけで恐ろしいが、オズボーン氏は「人類にとってこれは歓迎すべきことだ」と主張する。

「かつて洗濯は手作業で行っていましたが、洗濯機の登場でその仕事は奪われました。しかし、それによって余った時間を使って新しい技術や知恵が創造された。こうして人類は発展してきたわけです。現在起きているのも同じことです。

ロボットやコンピューターは芸術などのクリエイティブな作業には向いていません。となれば、人間は機械にできる仕事は機械に任せて、より高次元でクリエイティブなことに集中できるようになるわけです。人間がそうして新しいスキルや知性を磨くようになれば、これまで以上に輝かしい『クリエイティブ・エコノミー』の時代を切り開いていけるのです」

もちろん、そうした高次元でクリエイティブなスキルを身につけられなければ、失業者に転落するリスクが大きいということでもある。来たるべきロボット社会で生き残るのは、なかなか容易ではなさそうだ。

たなこたなこ 2017/01/26 13:09 自分じゃなければできないことって改めて言われると非常に不安ですね。実はないんじゅないかという…

2017-01-25 人生のエキス。

[]やったからこそ分かること。 やったからこそ分かること。を含むブックマーク やったからこそ分かること。のブックマークコメント

若者を見ていて「よくもまぁ、そんなに無駄に時間を使うなぁ」と思った。率直に。
これは大分自分が老いた信号に他ならない。

なぜなら、自分こそ「時間の無駄遣い」では人後に落ちないヤツだったから。
(私の高校卒業後のあだ名は「寝たきり浪人」でした)

だから若い自分にアドバイスってヤツがあるとしたら「時間は大事にな」と言うかもしれない。
けれど。
けれど待てよ。

そういう「何年間もクズのよう」に過ごしたことがあるから「今の大事さ」も分かるのか?
それは言い訳でしかないのだろうか?

ただ無駄にタバコを吸って、酒を飲んで、働かず、学びもせず、どうしようもない自分に「お前なぁ」とアドバイスして効果があるだろうか?
だから若者にかける言葉は難しい。

変に思いやっても「それを受け止める器官」は向こうにはないから。

「俺はこう思う」と素直な自分の意見をぶつけるしかないのだろうか。
それともボブ・ディランをイメージして、自分なりの言葉や詩を語ってみるか。
それとも「俗世の掟」とばかりに「厳しい社会の詮無いルール」をそのまま提示するべきか。

自分より20歳以上も若い人と話していて、絶対敵わないこと。
それは「時間の距離」だ。
お互いの実際の寿命は分からないけれど、「時間の持分」については若い人が圧倒的に差がある。

こちらは、今の経験値を持ってそんな「時間の優位のある若者」に話す。
若者からは「そんな時間の優位」は実感としてはまるでない。

だからそんな「言葉たち」について、敏感に受け止めてもらいたいと思う。
その言葉は何十年もたって発せられる「人生のエキス」みたいなものなのかもしれないから。

もし要らなかったらただ捨ててくれていいから。

2017-01-24 孫のクレジットカード。(3)

[]すでに僕らはワシワシ詐欺て。 すでに僕らはワシワシ詐欺て。を含むブックマーク すでに僕らはワシワシ詐欺て。のブックマークコメント

世代会計という推計を使うと、今後生まれてくる子は1人当たり8800万円を返済しなければなりません。
この状態を一部の経済学者は「財政的幼児虐待」と呼び、日本は先進国で最悪です。

もうここまできたら、利害関係者の国民と、役人と、政治家法律が絡み合って収集は難しそうだ。
一度"ガラガラポン"するしかないだろう。

今、この国で問われているのは社会保障制度から雇用・家庭・地域生活のあり方に至る総合的な「持続可能性」です。
男性は自分の退職後のことすら考えていない人が多いですが、(後略)

そう。
「持続はできますよ」ということだけを宣言したい。
あらゆる見えない、予測できない不安は、自分たちが何とかするから。
もう奪うとか競争とか生き残りとか、「前時代の価値観からの解放」がこれからの自分たちの仕事なのだと思う。

政治の制度設計もこれが基軸ではないだろうか。
「歪み戻り」というか一度リセットするということを今こそ考えよう。

(2016参院選)孫のクレジットカード 出口治明さん、島澤諭さん、水無田気流さん

2016年7月9日05時00分

 増税は延期になって良かったけれど、年金や手当はちゃんと貰(もら)いたいというのが私たちの実感だろう。その内実は「孫のクレジットカード」頼みであることを我々は忘れていないだろうか。

 ■お年寄り優先見直すべき 出口治明さん(ライフネット生命保険会長)

 戦後71年がたち、この状態の日本を次世代に渡していくのが、ものすごく不安です。

 僕自身、孫が2人います。孫の顔を見るたびに、少なくともある程度まで税金を上げないと、この子たちにあわす顔がないな、と思います。

 このままでは僕の孫世代が成人する頃には、本来、彼らが使うはずの自分たちの税金の3〜4割が、祖父母世代に勝手に使いこまれていたことになりかねないからです。

 ただ、人間はいい加減で、あほな動物です。増税と聞けば、みな「いやだ」という。

 4年前、自民公明と当時の民主(現・民進)の3党が「社会保障と税の一体改革」で合意したのは税を政争の具にしない知恵でした。結局、今回の参院選を前に3党合意は再び棚上げされ、消費増税先送りに流れてしまった。

 でもこれは、歴史の審判に耐え得るんだろうか。そう思わざるをえません。そのことはドイツと比較するとよく分かります。

 ドイツと日本は戦後、ともに敗戦国として出発しました。ドイツでは、「いまの国民が負担している以上の給付はできない」という当たり前の原則を市民が理解し、いまや財政黒字を出している。

 かたや日本は、税と社会保障という「負担と給付」のバランスが明らかに崩れ、国の借金総額が国内総生産(GDP)の2倍を超えています。将来世代にしわ寄せがいくことが明らかなのに、孫名義のクレジットカードで不足を払っているようなものです。

 どうすべきか。社会保障の給付では、お年寄り最優先の「敬老原則」を見直すべきでしょう。現在の年金・医療保険制度の原型ができた1960年代初頭、お年寄り1人をサッカーチーム(11人)で支えていました。いまは3人でかつぐ騎馬戦も組めない、2・3人での支援です。

 もう年齢で区分けした一律給付は時代にそぐわない。むしろ、本当に困っている人、例えばひとり親世帯への支援などに切り替えたほうが、よほど社会のためになります。

 負担の面でも、お年寄りも加わった互いの支えあいが必要です。それには消費税しかないと私は思います。所得税増税は働く現役世代に負担が集中します。高齢化が一足早く始まった欧州は、それがよくわかっているから高い付加価値税をとっているのです。

 まずは選挙にいき、いい政府を選ぶことです。欧州ではこう教えるそうです。「メディアの事前予想をみて、予想が自分の考えと違うなら、投票所に行き、別の候補に入れなさい」と。棄権や白票政治不信の意思表示ではない。有力候補に票を入れるのと同じだという教えです。日本でもこの常識をもっと広げないといけません。政府は僕たち市民が作るものですから。

 (聞き手・田中郁也)

 でぐちはるあき 48年生まれ。日本生命を退職後、08年にライフネット生命保険開業。著書に「日本の未来を考えよう」など。

 ■若者は投票しないと損 島澤諭さん(中部圏社会経済研究所 経済分析・応用チームリーダー)

 先日、消費税率の10%への引き上げが再延期され、多くの人はほっとしました。引き上げ予定幅だった2%分、年5・6兆円の税金を払う必要がなくなりましたが、年金などの給付は変わりません。

 財源不足を埋めるのは実質的に借金です。借金を支払うのは、まだ生まれてきていない子や孫たち将来世代です。

 引き上げ再延期で、生まれていない子や孫の負担が1人当たり56万円増えました。

 いまの日本政府は、年間ざっと96兆円のお金を使っています。私たちが税金として払っているのは55兆円。37兆円は、借金(国債)で賄っています。国債の多くは60年かけて分割払いをしていくので、30年、40年後に生まれる孫やひ孫に払ってもらう形です。

 「孫の名義のクレジットカード」を次々と作り、使いまくっている状態です。将来にツケを回し、未来を奪うオレオレならぬ「ワシワシ詐欺」です。世代会計という推計を使うと、今後生まれてくる子は1人当たり8800万円を返済しなければなりません。この状態を一部の経済学者は「財政的幼児虐待」と呼び、日本は先進国で最悪です。

 いま生きている世代の中でも大きな格差があります。

 70歳の人は3320万円、20歳の人は4110万円。「一生の間に国や自治体に払うお金(税金や保険料)」から「一生で国や自治体からもらえるお金(社会保障の受給額)」を差し引いた数字、要は国や自治体への「払い損」の額です。差は800万円だけと思うかも知れませんが、元手となる生涯所得は70歳が3億6千万円、20歳は1億9千万円で約半分。「払い損」の負担感は全く違います。

 ただ、まだ生まれていない将来世代からすれば、今の年寄りも若者も負担をツケ回す同じ穴の狢(むじな)。将来世代の負担を減らすにはいま、給付を減らす必要があると思います。

 しかし、生活が苦しいお年寄りもたくさんおり、一律の給付削減は困難です。だからこそ、富裕層への給付を収入に応じて削減する方式を提案します。給付は若い世代からの仕送りなのですから、経済的に余裕がある人への仕送り額が減るのは道理です。

 もう一つの方策は、資産課税の強化です。富裕層に、一部を相続税課税強化などの形で返還してもらうのです。

 世代ごとの投票率の動きで税負担がどう変わるのかを、国政選挙とその後の国債発行額に基づいて分析しました。20〜30代の若年世代の投票率が1%下がると、この世代の将来の税負担額が1人当たり毎年5万4千円増加。60歳以上の世代の投票率が逆に1%上がると、若年世代の税負担額が1人当たり毎年2万8千円増えていました。若者は、投票しないと損をすることを知っておくべきです。

 (聞き手・畑川剛毅)

 しまさわまなぶ 70年生まれ。経済企画庁秋田准教授、総合研究開発機構主任研究員などを経て、昨年から現職。

 ■増税より女性議員に期待 水無田気流さん(社会学者詩人

 2014年に消費税を5%から8%に上げた後の結果は惨憺(さんたん)たるものでした。増収分は「すべて社会保障の充実と安定化に充てる」はずだったのに、15年度予算の約8兆円もの税収増のうち、社会保障の充実に回されたのは1・35兆円程度でした。

 対国内総生産(GDP)比でみた家族関係支出は1%程度で、福祉先進国の3〜4%と比べて貧相なまま。政権は家族の互助を強調していますが、単身世帯の増加で「家族という含み資産」の恩恵を得られる人は減少しています。

 この構図のまま消費税が10%に引き上げられても、問題は解決しないことが予想されるため、私はさらなる消費増税には慎重です。そもそも消費税は、教育費などの支出が増える子育て世帯には相対的に負担が重い。今後どれぐらい税金を払ったら、いくらを少子化対策に使うのかということをまずは明確にしてもらうこと、それが先決です。

 将来世代への投資は大きなリターンにつながる可能性があります。子供の貧困を放置すれば、15歳の1学年だけでも経済損失は約2・9兆円となり国の財政負担は約1・1兆円増えるとの試算もあります。将来正規雇用に就きにくくなったり、公的扶助に頼る人が増えたりするためです。

 グローバル化でどの国も新自由主義的な傾向の影響を受けるなかで、一番の弱者は生まれる環境を選べない子どもです。だから、たとえ貧困世帯に生まれた子供でも、政府が支援して少なくともスタート地点を平等にすべきです。

 しかし、いま私たちが目の当たりにしているのは、アベノミクスのもとでの格差拡大です。米経済誌が調べた日本の資産家上位40人の総資産は15年、3年前の1・78倍に当たる13兆6千億円に達しました。年間の法人税収約11兆円を超えたのです。所得再分配が効いていません。租税回避は厳しく取り締まると共に、国際金融取引への課税などを通じた所得移転が必要です。

 将来世代のことを考えた政策を実現するためのアイデアですか? 私は一番直接的で、現実的な効果をもたらすのは、女性議員を増やすことだと思います。改選前の参院の女性議員の割合は15・8%です。女性議員が3割を超えると、政策の重要項目や意思決定プロセスが変化するといわれています。女性有権者の意見がくみ上げられやすくなる効果も期待できます。

 今、この国で問われているのは社会保障制度から雇用・家庭・地域生活のあり方に至る総合的な「持続可能性」です。男性は自分の退職後のことすら考えていない人が多いですが、女性は孫の世代のことまで長期的な視座から自然に考える傾向が強い。次世代を考えた施策の打ち出しに適していると思います。

 (聞き手・北郷美由紀)

 みなしたきりう 70年生まれ。国学院大教授。著書に「『居場所』のない男、『時間』がない女」など。06年に中原中也賞。