藤野の散文-小雪、冬至、大寒。 このページをアンテナに追加 RSSフィード

2016-12-08 アニメの熱量。

[]破格の動機破格の動機。を含むブックマーク 破格の動機。のブックマークコメント

漫画やアニメはもともとは国内では確固たる地位を成していたと思うけれど、
海外での評価うなぎ上りだ。
海外の友人はジブリとか
改めて「漫画ってどういう存在か」を海外の人から考えさせられた。

結論。
「作画のレベル」と「ストーリー」が図抜けて高い、ということらしい。

しかも

対象を「成人」に限っていない。
「幼児から青年層、そして成年層まで全てを対象にしているようだ」と友人は言っていた。

つまり

「あらかじめ、視聴者層を特定していない」というあたりに、日本アニメの凄みがあるようだ。

ハリウッド映画がともすれば「あざとさ」が目立って鑑賞に堪えないのは、特撮とかヒーロー仕立ての「感動を前提」にしたような「製作者の視聴者への意図」が強すぎるからだろう。
数々のヒーローが一堂に会して悪を滅ぼす、みたいな企画がよくあるやつである。

それに比べれば、日本のアニメは「その製作に費やす膨大な努力」に比して「あらかじめ狙う興業効果、つまりお金」とかがストレートに予測できないらしい。

つまり、アニメを作る人たちはかなり「純粋な芸術家」とか「アニメクリエイター」とか「脚本家」であり、"ホレホレ的"な視聴者への「おもねり」が少ないということらしい。

実際現場で画像を作っている人たちは、確かに「一枚の作品を何万枚も作る」ような熱量をアニメに投じているようだ。

2016-12-07 電気優位の時代。

[]電気さえあれば。 電気さえあれば。を含むブックマーク 電気さえあれば。のブックマークコメント

電池の技術も進歩著しいけれど、ついに「人の体温」とか「振動」で充電できるようになるらしい。

つまり自分たちの「体のエネルギー」からうまく電気を作り出す、ということで、つまりは「人が発電機」になるようだ。

電話とか音楽とかVRとかGPSとかSNSとかニュースとか、あらゆるデジタルが「完全に肌に触れた」ものになりそうだけれど、その発電の素が自分自身の体だとすれば、相当なエネルギーを自分に蓄積していないと「デジタル機器に吸い取られる」ような感じがする。

電気の重要性って20世紀以降のエネルギーの中でも突出してきているのじゃないだろうか。
ますますポジションが高まりそうな気がする。

ウエアラブル機器、電源の確保効率化 東工大東京理科大
2016/11/28 1:30

 ウエアラブル(装着型)機器に必要な電気を上手にまかなう研究が活発化している。東京工業大学は人の体温を利用して発電する技術を開発した。東京理科大学は無線で電気を送る技術を開発、バッテリーを効率よく充電する狙いだ。電気をうまく作って使えるようになれば、ウエアラブル機器のバッテリーの小型化などにつながる。使い勝手がよくなり、機器普及を後押しすると期待する。

 ウエアラブル機器は身につけて使う情報端末だ。リチウムイオン電池などを組み込んでいるが、充電に手間がかかる例が多い。デザイン性を高めるためにバッテリーを小型にすれば駆動時間が短くなる。使っているうちに少しずつ充電できるようにしたい、バッテリーを長持ちさせたいなどのニーズがある。

 東工大の菅原聡准教授らは熱を電気に変える「熱電発電」を活用した。この技術は材料の両端に温度差があると内部に電流が流れる現象を利用する。人の体温と外気温の温度差に着目した。

 IC向け技術を使い薄膜状のモジュール(複合部品)にする。ビスマス系化合物などを用いる熱電材料の厚さは約100ナノ(ナノは10億分の1)メートル。部品全体でも1ミリメートルの厚さで、腕時計型機器のバンド部分などに実装しやすい。従来のモジュールは高温の排熱などが主な対象で、厚みがあった。

 熱や電気の抵抗を制御する設計の工夫で、電気を効率よく生み出せる。電圧0.4〜1ボルトで約10ミリワットの電気が得られ、無線通信で必要な電力の一部をまかなえるとみる。

 菅原准教授は「充電の頻度を大幅に減らしたりバッテリーを不要にしたりするのが目標」と話す。大幅なコスト増も招かない見通しだ。2020年ごろの実用化を見込む。

 東北大学成田史生准教授らは身の回りのわずかな揺れから電気を作る「振動発電」に注目し、新材料を開発した。鉄とコバルトの合金を直径0.2ミリ〜1ミリメートルの線材に加工し、エポキシ樹脂に埋め込んだ。材料が振動した際に磁気的な性質が変化する現象を利用して樹脂の近くに置いたコイルで電気を作り出す。

 「靴などに組み込めば、歩行時の振動などで発電できる」と成田准教授は話す。採用した合金は同大の古屋泰文客員教授が開発した。加工しやすく耐久性に優れている。レアアース(希土類)などを用いる従来の材料は加工が難しく、実用性に課題があったという。

 東京理科大の楳田(うめだ)洋太郎教授らは周波数が30ギガ(ギガは10億)〜300ギガヘルツの「ミリ波」と呼ぶ電波を使い、ウエアラブル機器に電気を供給する技術を開発した。数メートル離れた場所からでも電気を送れる。携帯型の充電用システムをかばんに入れ、本体に送ることなどを想定している。

 電波受信用のアンテナをウエアラブル機器に組み込む際は、アンテナの小型化が求められる。「周波数が高く効率的に電気を送れるミリ波が適している」(楳田教授)。企業と組み、3〜5年後に実用化したい考えだ。

 非接触で電気を送る技術では磁気を使う方法などが既にあるが、送電側とウエアラブル機器を近接させる必要があった。

2016-12-06 自分の成長のために。

困難な成熟

困難な成熟

[]他人の考えに学べるか。 他人の考えに学べるか。を含むブックマーク 他人の考えに学べるか。のブックマークコメント

まさか福岡さんのコラムから内田樹さんが引かれるとは。
知的な結びつきというのは案外「狭い範囲」で起こっているのかもしれない。

内田さんは哲学者であり武道家
その論旨にもどこか武術とか、格闘の匂いを感じる。
(だから人気なのじゃないだろうか)

最初の質問は、「責任を取る」とはどういうことか、というもの。
ニュースを眺めると不祥事だらけ、そこここに責任を取れという言葉が溢(あふ)れるが、人の死にかかわることや原発事故のように、個人のレベルをはるかに超えた問題について、人はどのように責任を取ればよいのでしょうか。

内田先生の答えはシンプル。
ほんとうの意味で、責任を取ることなど「不可能である」というのだ。


ではなぜ責任という言葉があるのか。
それは社会を安定させるために作り出された概念だから。
責任は誰かに押しつけるものではなく、自らが引き受けるもの(引き受けるという覚悟を示すもの)としてある。
「オレが責任を持つよ」と宣言する人間が多ければ多いほど、誰かが責任を取らねばならないような事態が起こりにくい社会になる。

そのあとの「赦しの理論」以降についてはまだまだ深い。
(自分もこれから著書を読もう)

それにしても福岡さんという先進的な科学者と内田さんという哲学者の触れ合い。
お互いが「相手の領域に入って感じること」は「異質の交わり」の最たるものではないだろうか。

自分たちは「ルーティン」で硬直しないためにも、ちょっと逆説的でも「異質」と触れ合うことをしないとたちまち硬化してゆくような気がする。

常に異質で。
常に未知と。
常に学びを。

優れた先輩たちから学べることは多い。

内田樹の解答 成熟の困難さ思い知る
 過去3週にわたって、「講義録を読む」という読書法を提案してきた。最終回の今回は、内田樹の『困難な成熟』(夜間飛行)をとり上げたい。この本は正確にいえば、学生・生徒を前にして内田先生が実際に講義を行った記録ではないが、次々と投げかけられる難しい「問い」に対して、内田先生が、ちぎっては投げ、ちぎっては投げ、淀(よど)みなくみごとな解答を与えていくスタイルはまさに講義録である。それにページを開くと最初に大きな黒板が描かれているので、やはり講義録として読める本だと思う。

 内田先生の講義には爽快感がある。まるで、将棋の名人が、何十人もの挑戦者を同時に相手にして、居並ぶ盤面の間を縫いながら全員を打ち負かすような感じ。それはどの解答にもくっきりとした「理路」(これは内田先生愛用の言葉)が通っているからである。やはり、先生はえらい、のだ。

 まず最初の質問は、「責任を取る」とはどういうことか、というもの。ニュースを眺めると不祥事だらけ、そこここに責任を取れという言葉が溢(あふ)れるが、人の死にかかわることや原発事故のように、個人のレベルをはるかに超えた問題について、人はどのように責任を取ればよいのでしょうか。内田先生の答えはシンプル。ほんとうの意味で、責任を取ることなど「不可能である」というのだ。

 いったん起こってしまったことを、なかったことにはできない。たとえ元通りに復元することができたとしても、それでは責任を取ったことにはならない。

 ではなぜ責任という言葉があるのか。それは社会を安定させるために作り出された概念だから。責任は誰かに押しつけるものではなく、自らが引き受けるもの(引き受けるという覚悟を示すもの)としてある。「オレが責任を持つよ」と宣言する人間が多ければ多いほど、誰かが責任を取らねばならないような事態が起こりにくい社会になる。

 質問者は食い下がる。では、誰も責任を取れないなら、被害者は泣き寝入りするか、司法に裁きを委ねて、個人としては加害者を赦(ゆる)すしかないのでしょうか?

 赦しについての内田先生の解答もふるっている。被害者の気持ちを「癒やす」ためには、加害者が自分の犯してしまったことの意味を「学ぶ」必要がある。そしておもむろに、古来、人間の集団に絶対的に存在した4つの柱について語りがはじまる。裁き、祈り、癒やし、学び、である。

 これをどんどん書いていくといくら紙面があっても足りないので、あとは本書を読んでもらうしかない。それにしても、もっと大人になれと言われ続けても、人は決して大人になれない。年を取るほどそう思う。成熟はほんとうに困難なのである。そんな真実を痛感させてくれる味わい深い良書だ。
(生物学者)

2016-12-05 講義録を読むこと。

[]福岡式、タイムスリッピング福岡式、タイムスリッピング。を含むブックマーク 福岡式、タイムスリッピング。のブックマークコメント

学問のいいところと「学問でしかない」ところ。

このことによって日本の過去が、自分の生まれる前の、自分とは関係のない遠い昔ではなく、今もなお同じ風土と文化の中に生きる自分と地続きのものであることを認識させた。
これほどすばらしい歴史の講義があるだろうか。

学問は実は「学問」ではなく、今の自分のいのちと「地つづきなものだ」、と気づいた途端、学問は机上の論ではなくなる。

なぜ日清戦争が起きたのか。
何を巡って日本と中国は戦ったのか。
民権論者はどう見ていたのか。
日露戦争から第1次世界大戦にかけての変動。
国家改造論。
当時の東大生の88%が武力行使を正当と考えていた満州事変前夜。
ついに太平洋戦争が開始されたとき人々はどう思ったか。

50歳を超えた自分にも、どれ一つ回答はできない。
だから学び直したいと思った。

文学とか、教育とかは「タイムスリップ」を起こせる分野なのだ。
若い人にも自分にも時空を超えた体験が可能なことはすごい発見ではないだろうか。


近現代史の講義 生徒とタイムスリップ

 今回も、「専門家が、優秀な学生・生徒を前にして行った講義録を読む」という読書提案したい。

 今日取り上げるのは、近現代史の専門家・加藤陽子神奈川県進学校栄光学園の有志中高生を相手に行った『それでも、日本人は「戦争」を選んだ』(新潮文庫)である。名著といってよい。まずは、なんといっても書名が秀逸である。このタイトルに本書の成り立ちのすべてが象徴されている。

 日本の過去に起きたことについて、理論や解釈や結論を示すのではなく、当時、何がどのように起き、人々がどう考えていたか、あとづけていくことによって、そして、これが実に丁寧に、きめ細かく、リアルに行われることによって、生徒たちは必然的にタイムスリップさせられる。

 なぜ日清戦争が起きたのか。何を巡って日本と中国は戦ったのか。民権論者はどう見ていたのか。日露戦争から第1次世界大戦にかけての変動。国家改造論。当時の東大生の88%が武力行使を正当と考えていた満州事変前夜。ついに太平洋戦争が開始されたとき人々はどう思ったか。

 おそらくこの講義が行われているあいだじゅう、生徒たちは、映画館で映画に没入するように1930年代から40年代にほんとうに生きているような気分になっただろう。そして、自分ならどう思い、どう判断しただろうという思考実験を課せられる。加藤の狙いもまさにここにあったのだ。それでも「戦争」を選んだ日(ゝ)本(ゝ)人(ゝ)に、生徒が自らを重ね合わせることに成功した。

 このことによって日本の過去が、自分の生まれる前の、自分とは関係のない遠い昔ではなく、今もなお同じ風土と文化の中に生きる自分と地続きのものであることを認識させた。これほどすばらしい歴史の講義があるだろうか。

 なぜこんなことが達成できたのだろう。おそらく加藤は、普段、東大の学生や院生に対して行っている専門の講義から離れて、中高生の目線に降り、過去を思い出し、時間をかけて入念に準備し、段取りや展開を考え、資料を用意したことだろう。

 加藤は生徒たちをタイムスリップさせると同時に、歴史に興味を持ち、数々の疑問を心にいだいた自分自身の中高生時代に、自らをもタイムスリップさせることによって、このような画期的な講義を行うことができた。

 つまり、ほんとうに優れた教師の講義とは、テキストに書いてあることをただ伝達するのではなく、テキストを勉強してきた自分が、なにに気づき、どのように理解してきたか。その学びのプロセス自体を伝達できたとき、はじめて成立するものなのだ。本書はそのことの類稀(たぐいまれ)なる例証である。

(生物学者)

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学問のいいところと「学問でしかない」ところ。

このことによって日本の過去が、自分の生まれる前の、自分とは関係のない遠い昔ではなく、今もなお同じ風土と文化の中に生きる自分と地続きのものであることを認識させた。
これほどすばらしい歴史の講義があるだろうか。

学問は実は「学問」ではなく、今の自分のいのちと「地つづきなものだ」、と気づいた途端、学問は机上の論ではなくなる。

なぜ日清戦争が起きたのか。
何を巡って日本と中国は戦ったのか。
民権論者はどう見ていたのか。
日露戦争から第1次世界大戦にかけての変動。
国家改造論。
当時の東大生の88%が武力行使を正当と考えていた満州事変前夜。
ついに太平洋戦争が開始されたとき人々はどう思ったか。

50歳を超えた自分にも、どれ一つ回答はできない。
だから学び直したいと思った。

文学とか、教育とかは「タイムスリップ」を起こせる分野なのだ。
若い人にも自分にも時空を超えた体験が可能なことはすごい発見ではないだろうか。


近現代史の講義 生徒とタイムスリップ

 今回も、「専門家が、優秀な学生・生徒を前にして行った講義録を読む」という読書提案したい。

 今日取り上げるのは、近現代史の専門家・加藤陽子神奈川県進学校栄光学園の有志中高生を相手に行った『それでも、日本人は「戦争」を選んだ』(新潮文庫)である。名著といってよい。まずは、なんといっても書名が秀逸である。このタイトルに本書の成り立ちのすべてが象徴されている。

 日本の過去に起きたことについて、理論や解釈や結論を示すのではなく、当時、何がどのように起き、人々がどう考えていたか、あとづけていくことによって、そして、これが実に丁寧に、きめ細かく、リアルに行われることによって、生徒たちは必然的にタイムスリップさせられる。

 なぜ日清戦争が起きたのか。何を巡って日本と中国は戦ったのか。民権論者はどう見ていたのか。日露戦争から第1次世界大戦にかけての変動。国家改造論。当時の東大生の88%が武力行使を正当と考えていた満州事変前夜。ついに太平洋戦争が開始されたとき人々はどう思ったか。

 おそらくこの講義が行われているあいだじゅう、生徒たちは、映画館で映画に没入するように1930年代から40年代にほんとうに生きているような気分になっただろう。そして、自分ならどう思い、どう判断しただろうという思考実験を課せられる。加藤の狙いもまさにここにあったのだ。それでも「戦争」を選んだ日(ゝ)本(ゝ)人(ゝ)に、生徒が自らを重ね合わせることに成功した。

 このことによって日本の過去が、自分の生まれる前の、自分とは関係のない遠い昔ではなく、今もなお同じ風土と文化の中に生きる自分と地続きのものであることを認識させた。これほどすばらしい歴史の講義があるだろうか。

 なぜこんなことが達成できたのだろう。おそらく加藤は、普段、東大の学生や院生に対して行っている専門の講義から離れて、中高生の目線に降り、過去を思い出し、時間をかけて入念に準備し、段取りや展開を考え、資料を用意したことだろう。

 加藤は生徒たちをタイムスリップさせると同時に、歴史に興味を持ち、数々の疑問を心にいだいた自分自身の中高生時代に、自らをもタイムスリップさせることによって、このような画期的な講義を行うことができた。

 つまり、ほんとうに優れた教師の講義とは、テキストに書いてあることをただ伝達するのではなく、テキストを勉強してきた自分が、なにに気づき、どのように理解してきたか。その学びのプロセス自体を伝達できたとき、はじめて成立するものなのだ。本書はそのことの類稀(たぐいまれ)なる例証である。

(生物学者)

2016-12-04 音楽のある風景。

[]so music so life. so music so life. を含むブックマーク so music so life. のブックマークコメント

Amazon CAPTCHA
量販店に行くと「ワイヤレススピーカー」のオンバレードに驚いた。
昨日自宅が温泉と書いたが、
本当に自宅の風呂が「かけ流し」の温泉のようになった。
自分は、温泉地に出向いてもそんなに「風呂好き」ではなく、あまり温泉そのものについては関心がなかったのに。
年のせいもあると思うが、食べ物 とか飲み物とか「日常の知恵」は大事にしたいものである。

普通のマンションでの入浴が「ほぼ温泉」になった今。
そこに音楽があるとさらに良い。
深夜に入浴してるとエルビス・プレスリーのラブミー・テンダーとか。

アイコアイコ 2016/12/04 15:24 JBLのclip2ですね!色が可愛い。

2016-12-03 自宅が温泉。

[]リアルの価値。 リアルの価値。を含むブックマーク リアルの価値。のブックマークコメント

湯の花パック 10gX21パック

湯の花パック 10gX21パック

書籍については既に「欲しいものが決まっているのならネット(amazon)で」という習性になっていたけれど。
先日、ヘッドフォンとかLED電球とかを買いに「大型量販店」に行ったら結構な点数が欠品だった。
店員さんに聞くと「人気で売れてしまい入荷待ち」とのこと。

ならばネットで在庫を見てみると「あと8点あります。お早めに」などと表示されている。
ますます「リアル在庫」と「ネット物流」について実感することになった。

買い物は「店舗で質感を確かめる」ことだけにますます傾いている。

アンテナショップとかウィンドショッピング、がいよいよ現実のものになっているようだ。
「売ること」が本来の目的の店舗は、いつまで存在できるだろうか。

※この温泉の素には驚いた。「冷え性」の人にはうってつけです。

2016-12-02 ライフ・シフト(2)100歳時代て。

[]老後のために必要だと思うこと。 老後のために必要だと思うこと。を含むブックマーク 老後のために必要だと思うこと。のブックマークコメント

・年齢的に「肉体労働頼み」は不利。
・逆に「指導」「相談」「予測」には人生の経験値が役立つ。
・あらかじめ、幾つかの分野を「特にエッジを立たせる」ようなことを現役時代に意識しておく必要があると思う。
・恐らくそれには、机上の学問よりも「リアルに熟(こな)してきた仕事」をベースにする方がやりやすいはず。

つまりゼネラリスト的に「無難に事務処理ができる」というようなものより「特徴」を意識しておかねば。
経営者でも「なんとなく経営をしていました」という人が多いと思う。
自分がそうだ。

過去を恥じる必要もないと思うけれど、「だからどんな特徴をフィーチャーして行くか」を後半戦には考えるべきだろう。
自分もいよいよ社会人最終フェーズに入りかけているので、まさに"そんなこと"をこれから考えていかなきゃ!と思っている。

若いうちから変に金を溜め込むことに執心するのではなく、長いレンジで考えを巡らすことこそ必要なのに違いない。

結末の迎え方を決めるのは自分でしかない。
日本人って案外「覚悟の人たち」なんじゃないだろうか。

人生100年時代の働き方、日本人にこそ必要な5つの対策
『ライフ・シフト』が提示する
個人と社会の新しい「モデル」

『ライフ・シフト』(リンダ・グラットン、アンドリュー・スコット著、池村千秋訳。東洋経済新報社)という本が話題になっている。著者達はロンドンビジネススクールの教授だが、長寿化が進行する前提の下で、個人及び社会がこれにどう対処したらいいのかを論じている。

 ごく大雑把に言うと、先進国平均寿命は10年当たり2、3年のペースで伸びており、これまでの、個人の人生が教育時代・仕事時代・引退後と3分割された「スリー・ステージ・モデル」が現実に合わなくなっていることと、これに対する個人の人生モデルのあり方、さらに、社会や企業がこの変化に対してどう対応したらいいのかが論じられている書籍だ。

 著者達は、現在の長寿化のペースが続くことを前提とすると、現在の子ども世代は自分の寿命が100歳を超える可能性を十分視野に入れて人生の計画を立てる必要があるという。幸い、今の80歳は、昔の80歳よりも随分元気だが、例えば、65歳で引退して老後の人生を暮らすには、端的に言ってお金が足りないという。

 この本の著者は、資産運用でプラスの実質リターンが上がり、老後の必要生活費を最終所得の0.5倍と見積もるなど、計算の細部が異なるが、筆者が本連載(2016年10月19日付)で書いた「人生設計の基本公式」(「お金の不安を解消する『人生設計の基本公式』はこう使う!」)で計算しても結果とその意味は似たようなものだ。

 なお、筆者が連載に書いた計算式は『ライフ・シフト』の計算よりもシンプルだが、実質プラスの運用利回りを想定して計画を立てるのではない分、より保守的で実用的には無難だ(それでも「インフレ並み」の賃上げと運用は想定されているが)。なぜなら、そもそも「期待リターン」とは予想される平均のリターンであり、起こると想定される事態の半分はそれよりも悪い訳であって、個人の場合は、自分で自分の運用の失敗(ないし不運)をカバーしなければならないのだから(企業や国に頼れる年金基金よりも条件は厳しい)、人生計画は保守的な前提で作成するべきなのだ。

次のページ>> 現役期間を延ばしてより高齢まで働くこと

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 例えば65歳で引退するとして、現在の中高年(40代以上)は計算上「念のため95歳までの30年間」くらいで良さそうだが、その子供である現在の小学生以下の世代ではやや余裕を見て「105歳までの40年」くらいを老後として想定しておく必要があるだろう。現役期間を同じとすると、現役時代に3割以上余計に貯蓄しなければ辻褄が合わないし、日本の場合ほぼ確実に、他の先進国でもおそらくは、公的年金の支給額は将来減少するので、「将来への備え」の負担はさらに重い。

 試しに筆者の方式で計算してみると、22歳から65歳になるまで42年働いて、65歳から105歳になるまでの40年間を「老後期間」として、老後期間に現役時代の平均の0.7倍の生活費で暮らしたいとしよう。公的年金が将来の現役世代の25%程度をカバーすると見積もると(現在の約半分の実質価値だ)、必要貯蓄率は可処分所得の約25.7%と計算される。

 これは、いささか重かろう。同じ条件で、75歳まで働くことにして現役を10年延ばして、老後を10年短縮させると、必要貯蓄率は約18.5%になる。これでも楽ではないが、少し現実的になる。80歳まで働くとすると、約15.1%だ。長寿化の現実がお分かりいただけようか。

現役期間を延ばして
より高齢まで働くこと

「人生設計の基本公式」を見てもらうと分かるが、現役時代の過重な必要貯蓄負担を軽減するには、(1)現役期間を延ばす(同時に老後期間が縮む)、(2)老後の生活レベルを落とす、(3)共稼ぎや副業などで収入を追加する、(4)子どもの教育費など現役時代の生活コストを削減する、(5)資産の運用で稼ぐ、といった方策がある。

 これらのうち、(2)の老後の生活費を小さく見積もって「大丈夫だ」と思い込むことや、(5)の資産運用に大きく期待することは、『ライフ・シフト』でも、良くないとされている(筆者も同感だ)。

 対策の本命は、必然的に、現役期間を延ばして、これまでよりも高齢まで働くことになる。幸い、同じ年齢で比較すると、かつての高齢者よりも今の高齢者の方が、また、おそらくは将来の高齢者の方が今の高齢者よりも、元気である。

 ただし、現在よりも長い現役期間を現在のビジネスパーソンのように働くことを想定すると、(1)ハードに長期間連続して働き続けると疲弊する、(2)現役期間が長期化するとスキルが陳腐化しやすい、(3)自分が選んだ企業や業種が現役期間をカバーするだけ延命できるか不確実だ、(4)現役時代にまとまった余暇や追加教育の時間がなくていいのか、といった問題が生じる。

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 教育期間を終えた後は、概ね一つの仕事で頑張り続けて現役期間を終えて、その後に長い老後期間を過ごす「スリー・ステージ・モデル(3・0シナリオ)」とは異なる人生モデルが必要なのではないかといのが『ライフ・シフト』の問題意識だ。

 詳しくは、本に当たってみて欲しいが、『ライフ・シフト』では、職業人生のスタイルとして、前段階の「エクスプローラー」(放浪などで視野を広げつつ自分の適性・適職を見つけようとする人)、「インディペンデント・プロデューサー」(小さくても自分のビジネスを立ち上げる人)、「ポートフォリオ・ワーカー」(複数の仕事や社会的立場を持つ人)といった独特の職業スタイルが出て来る。また、「3・0シナリオ」だけではなく、職業人生の最後を細くても手堅く延ばそうとする「3・5シナリオ」、職業人生の中盤に働き方を大きく変えようとする「4・0シナリオ」、さらに、職業人生が長期の及ぶことを見越して、見聞を広めるエクスプローラーの時期、小さな起業を試すインディペンデントプロデューサーの時期などを交える「5・0シナリオ」などが提案されている。

「4・0」や「5・0」では、個々のステージ間に「休息と充電」のような期間の必要性が想定されていて、老後ばかりでなく、この間の収入の落ち込みないしは無収入に対する経済的備えも必要になる。もちろん、そうした移行期間は、自分のスキルを磨いたり、健康や活力の回復をもたらしたりする形で、次のステージの生産性を向上させることに寄与すると想定されている。

日本人はどうしたらいいか?
5つの基本的対策

 世界に誇っていいことだが、日本人の寿命は長い。日本人にこそ、真っ先に「長寿化対策」が必要であることは論を待たない。

『ライフ・シフト』に書かれた戦略を日本にあてはめることを考えると、働く年代での教育の過大評価(著者たちが先生だからだろうか)や、職業ステージ間の職業的空白期間の不用意さ(一般に、退職してしまってから転職先を探すのはハイリスクな愚策であり、普通はやってはいけない)などが気になるが、現役期間を延ばすべきこと、複数の働き方を持って時期に応じて組み合わせるべきこと、自分のスキルや健康に対する「投資」が必要なこと、などには概ね賛成だ。

 日本にあって個人としてどうしたらいいのかは、子ども世代以前に、筆者自身にとっても切実な問題であるが、基本的な対策は、以下の5点だろう。

(1) 長く働く(75〜80歳くらいまで)覚悟を決める、
(2) 早めに複数の仕事を持ち、特に高齢になってから働ける道を確保する、
(3) 自分のスキルと健康に、折々に時間とお金と努力とを投資する、
(4) 計算の下に将来に備えて現役時代に貯蓄する(運用は投資でもいい)、
(5) 配偶者などとの家計のダブルインカム化、

次のページ>> 日本の社会は「ライフ・シフト」に何を用意すればいいか

ページ: 4

 まず、長く働くためには、働く「場」の確保(雇ってくれる会社ないし自営の場合は顧客の確保)と、その時にも有効なスキルやビジネスの種の養成、心身の健康、などの準備が必要だ。それぞれに対策は異なるが、いずれも長期にわたる準備が必要だ。将来の可能性を狭めないためには、40歳くらいから先を考えて、45歳くらいから具体的に動きはじめるくらいの心構えが必要だろう。

 次に、本業以外に仕事を持つ「副業」、本業並みの自営ビジネスや雇われ先を持つ「複業」を、キャリアの早い時期から心掛けておくことが好ましい。

 また、スキルへの投資は、継続的に、あるいは折に触れて必要だが、できれば、本業を離れずに辻褄を合わせたい。職を離れることは、経済生活のリスク管理上危険ないし明白な損になることが少なくない。これは、将来も変わるまい。

 そして、公的年金は細るし、寿命は延びるのだから、自分で行う貯蓄の重要性は、従来の比ではない。

 加えて、複数の家族ないし共同生活者が働いて家計を営むと、稼ぎ自体を豊かにしやすいことに加えて、誰かが不調に陥った時の保険の効果もある。

 既に若くない人も含めて、多くの人が、こうした対策の幾つかを着実に実行していくことが必要だろう。

日本の社会は「ライフ・シフト」に
何を用意すればいいか

 長寿化する社会にあって、個人は、戦略を持って、「柔軟な働き方」を実現しなければならないということだ。

 世界の長寿化の先端を行く日本の社会は、こうした個人のために何を用意すればいいだろうか。

 筆者は、以下の5点を提案したい。

(1)「定年」廃止、
(2)週休3日の普及、
(3)副業解禁の明確化、
(4)確定拠出年金の年齢延長(まず70歳、次に75歳まで拠出可能に)、
(5)共稼ぎを容易にする社会的支援、

次のページ>> 政策をあてにせず、個人で長寿化に対処が必要

ページ: 5

 まず、能力や貢献に個人差のある高齢者を一律に年齢で差別する「定年」という制度は、倫理的にも問題があるし、高齢者の労働参加を増やしたい目下の国策にも反している。企業に対する定年の禁止は、社会的影響は大きいが、財政支出が不要な景気対策でもあり、社会の方がこれに合わせることが望ましい根本方針だろう。ただし、金銭補償のルール化が必要だが、正社員解雇規制の緩和が、補完的な制度として必要だ。正社員の解雇規制緩和自体が、雇用市場の流動性を増して、柔軟な働き方をサポートする効果もある。

「週休3日」は、副業を持つ上でも、スキルに投資する上でも、余暇を充実する上でもいい制度だと思う。『ライフ・シフト」には、将来生産力が増し豊かになると労働時間が大幅に短縮されるだろうという、かつてのJ・M・ケインズの予想がなぜ実現しなかったのかに関する興味深い議論があったが、まず、一社に於ける労働時間を短縮するところから始めるのは悪くないように思う。知的な生産性が重要な職種においては、週休2日を週休3日に変更することで失われる生産力は限定的ではないかと推測する。

 副業解禁及び政府によるその後押しは、それ自体が正しいことであり、世間を面白くする上でも、個人にとってのリスク低減のためにも、いいことだ。なお、副業の解禁は、就業規則に於ける副業規制を原則として禁止するところまで踏み込むべきだ。「判例では、副業はいいことになっている」というレベルでは役に立たない。

 確定拠出年金が、原則として60歳までしか拠出できないことは、現時点で既に深刻な制度的不備であり、高齢者の労働参加促進、投資促進、いずれの国策にも反している。70歳までの延長を早急に実現すべきだろう。

 もちろん、女性が働きやすい環境作りが、社会のためにも、個々の家計のためにもプラスに働くことは疑いない。筆者は、例えば東京オリンピックにかける費用を、全国の保育施設や教育費に掛けた方が、よほど国民のためになるのではないか、と常々思うが、日本の「ライフ・シフト」を考えると、その思いがますます深まる。

 もちろん、個人は、政策をあてにせずに、できる範囲で長寿化に対処する必要がある。健康で長く生きられること自体はありがたいことなのだから。

2016-12-01 ライフ・シフト(1)。100歳時代て。

[]流行りに押し流されるな。 流行りに押し流されるな。を含むブックマーク 流行りに押し流されるな。のブックマークコメント

ダイヤモンドより。
ちょっと辟易するくらい「老後の資金計画」とか「老後の漂流」とかいう話題ばかりで、若者は怒りすら感じているだろう。
寿命の伸びはまだまだ続くらしいし、人生が平気で100歳時代に突入したら、確かに60代で働くのを止めてしまっては後が苦しい。
こういう記事のお定まりで「結論は自分で考えて」ということで、当たり前なのだけれど「40年働いて40年の老後を過ごす」ということをあらかじめ考えておく必要はあると思う。

一番ヤなのは、こういう話を国頼みにしておいて、後から文句を言う存在になっている自分である。
後進にもみっともない。

本記事の中で端的に挙げられている

(1)現役期間を延ばす(同時に老後期間が縮む)
(2)老後の生活レベルを落とす、
(3)共稼ぎや副業などで収入を追加する、
(4)子どもの教育費など現役時代の生活コストを削減する、
(5)資産の運用で稼ぐ、といった方策がある。

というようなことを、多分複合的に組み合わせるのだろう。
(つづく)

人生100年時代の働き方、日本人にこそ必要な5つの対策

『ライフ・シフト』が提示する
個人と社会の新しい「モデル」

『ライフ・シフト』(リンダ・グラットン、アンドリュー・スコット著、池村千秋訳。東洋経済新報社)という本が話題になっている。著者達はロンドンビジネススクールの教授だが、長寿化が進行する前提の下で、個人及び社会がこれにどう対処したらいいのかを論じている。

 ごく大雑把に言うと、先進国平均寿命は10年当たり2、3年のペースで伸びており、これまでの、個人の人生が教育時代・仕事時代・引退後と3分割された「スリー・ステージ・モデル」が現実に合わなくなっていることと、これに対する個人の人生モデルのあり方、さらに、社会や企業がこの変化に対してどう対応したらいいのかが論じられている書籍だ。

 著者達は、現在の長寿化のペースが続くことを前提とすると、現在の子ども世代は自分の寿命が100歳を超える可能性を十分視野に入れて人生の計画を立てる必要があるという。幸い、今の80歳は、昔の80歳よりも随分元気だが、例えば、65歳で引退して老後の人生を暮らすには、端的に言ってお金が足りないという。

 この本の著者は、資産運用でプラスの実質リターンが上がり、老後の必要生活費を最終所得の0.5倍と見積もるなど、計算の細部が異なるが、筆者が本連載(2016年10月19日付)で書いた「人生設計の基本公式」(「お金の不安を解消する『人生設計の基本公式』はこう使う!」)で計算しても結果とその意味は似たようなものだ。

 なお、筆者が連載に書いた計算式は『ライフ・シフト』の計算よりもシンプルだが、実質プラスの運用利回りを想定して計画を立てるのではない分、より保守的で実用的には無難だ(それでも「インフレ並み」の賃上げと運用は想定されているが)。なぜなら、そもそも「期待リターン」とは予想される平均のリターンであり、起こると想定される事態の半分はそれよりも悪い訳であって、個人の場合は、自分で自分の運用の失敗(ないし不運)をカバーしなければならないのだから(企業や国に頼れる年金基金よりも条件は厳しい)、人生計画は保守的な前提で作成するべきなのだ。

次のページ>> 現役期間を延ばしてより高齢まで働くこと

ページ: 2

 例えば65歳で引退するとして、現在の中高年(40代以上)は計算上「念のため95歳までの30年間」くらいで良さそうだが、その子供である現在の小学生以下の世代ではやや余裕を見て「105歳までの40年」くらいを老後として想定しておく必要があるだろう。現役期間を同じとすると、現役時代に3割以上余計に貯蓄しなければ辻褄が合わないし、日本の場合ほぼ確実に、他の先進国でもおそらくは、公的年金の支給額は将来減少するので、「将来への備え」の負担はさらに重い。

 試しに筆者の方式で計算してみると、22歳から65歳になるまで42年働いて、65歳から105歳になるまでの40年間を「老後期間」として、老後期間に現役時代の平均の0.7倍の生活費で暮らしたいとしよう。公的年金が将来の現役世代の25%程度をカバーすると見積もると(現在の約半分の実質価値だ)、必要貯蓄率は可処分所得の約25.7%と計算される。

 これは、いささか重かろう。同じ条件で、75歳まで働くことにして現役を10年延ばして、老後を10年短縮させると、必要貯蓄率は約18.5%になる。これでも楽ではないが、少し現実的になる。80歳まで働くとすると、約15.1%だ。長寿化の現実がお分かりいただけようか。

現役期間を延ばして
より高齢まで働くこと

「人生設計の基本公式」を見てもらうと分かるが、現役時代の過重な必要貯蓄負担を軽減するには、(1)現役期間を延ばす(同時に老後期間が縮む)、(2)老後の生活レベルを落とす、(3)共稼ぎや副業などで収入を追加する、(4)子どもの教育費など現役時代の生活コストを削減する、(5)資産の運用で稼ぐ、といった方策がある。

 これらのうち、(2)の老後の生活費を小さく見積もって「大丈夫だ」と思い込むことや、(5)の資産運用に大きく期待することは、『ライフ・シフト』でも、良くないとされている(筆者も同感だ)。

 対策の本命は、必然的に、現役期間を延ばして、これまでよりも高齢まで働くことになる。幸い、同じ年齢で比較すると、かつての高齢者よりも今の高齢者の方が、また、おそらくは将来の高齢者の方が今の高齢者よりも、元気である。

 ただし、現在よりも長い現役期間を現在のビジネスパーソンのように働くことを想定すると、(1)ハードに長期間連続して働き続けると疲弊する、(2)現役期間が長期化するとスキルが陳腐化しやすい、(3)自分が選んだ企業や業種が現役期間をカバーするだけ延命できるか不確実だ、(4)現役時代にまとまった余暇や追加教育の時間がなくていいのか、といった問題が生じる。

次のページ>> 日本人はどうしたらいいか?5つの基本的対策

ページ: 3

 教育期間を終えた後は、概ね一つの仕事で頑張り続けて現役期間を終えて、その後に長い老後期間を過ごす「スリー・ステージ・モデル(3・0シナリオ)」とは異なる人生モデルが必要なのではないかといのが『ライフ・シフト』の問題意識だ。

 詳しくは、本に当たってみて欲しいが、『ライフ・シフト』では、職業人生のスタイルとして、前段階の「エクスプローラー」(放浪などで視野を広げつつ自分の適性・適職を見つけようとする人)、「インディペンデント・プロデューサー」(小さくても自分のビジネスを立ち上げる人)、「ポートフォリオ・ワーカー」(複数の仕事や社会的立場を持つ人)といった独特の職業スタイルが出て来る。また、「3・0シナリオ」だけではなく、職業人生の最後を細くても手堅く延ばそうとする「3・5シナリオ」、職業人生の中盤に働き方を大きく変えようとする「4・0シナリオ」、さらに、職業人生が長期の及ぶことを見越して、見聞を広めるエクスプローラーの時期、小さな起業を試すインディペンデントプロデューサーの時期などを交える「5・0シナリオ」などが提案されている。

「4・0」や「5・0」では、個々のステージ間に「休息と充電」のような期間の必要性が想定されていて、老後ばかりでなく、この間の収入の落ち込みないしは無収入に対する経済的備えも必要になる。もちろん、そうした移行期間は、自分のスキルを磨いたり、健康や活力の回復をもたらしたりする形で、次のステージの生産性を向上させることに寄与すると想定されている。

日本人はどうしたらいいか?
5つの基本的対策

 世界に誇っていいことだが、日本人の寿命は長い。日本人にこそ、真っ先に「長寿化対策」が必要であることは論を待たない。

『ライフ・シフト』に書かれた戦略を日本にあてはめることを考えると、働く年代での教育の過大評価(著者たちが先生だからだろうか)や、職業ステージ間の職業的空白期間の不用意さ(一般に、退職してしまってから転職先を探すのはハイリスクな愚策であり、普通はやってはいけない)などが気になるが、現役期間を延ばすべきこと、複数の働き方を持って時期に応じて組み合わせるべきこと、自分のスキルや健康に対する「投資」が必要なこと、などには概ね賛成だ。

 日本にあって個人としてどうしたらいいのかは、子ども世代以前に、筆者自身にとっても切実な問題であるが、基本的な対策は、以下の5点だろう。

(1) 長く働く(75〜80歳くらいまで)覚悟を決める、
(2) 早めに複数の仕事を持ち、特に高齢になってから働ける道を確保する、
(3) 自分のスキルと健康に、折々に時間とお金と努力とを投資する、
(4) 計算の下に将来に備えて現役時代に貯蓄する(運用は投資でもいい)、
(5) 配偶者などとの家計のダブルインカム化、

次のページ>> 日本の社会は「ライフ・シフト」に何を用意すればいいか

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 まず、長く働くためには、働く「場」の確保(雇ってくれる会社ないし自営の場合は顧客の確保)と、その時にも有効なスキルやビジネスの種の養成、心身の健康、などの準備が必要だ。それぞれに対策は異なるが、いずれも長期にわたる準備が必要だ。将来の可能性を狭めないためには、40歳くらいから先を考えて、45歳くらいから具体的に動きはじめるくらいの心構えが必要だろう。

 次に、本業以外に仕事を持つ「副業」、本業並みの自営ビジネスや雇われ先を持つ「複業」を、キャリアの早い時期から心掛けておくことが好ましい。

 また、スキルへの投資は、継続的に、あるいは折に触れて必要だが、できれば、本業を離れずに辻褄を合わせたい。職を離れることは、経済生活のリスク管理上危険ないし明白な損になることが少なくない。これは、将来も変わるまい。

 そして、公的年金は細るし、寿命は延びるのだから、自分で行う貯蓄の重要性は、従来の比ではない。

 加えて、複数の家族ないし共同生活者が働いて家計を営むと、稼ぎ自体を豊かにしやすいことに加えて、誰かが不調に陥った時の保険の効果もある。

 既に若くない人も含めて、多くの人が、こうした対策の幾つかを着実に実行していくことが必要だろう。

日本の社会は「ライフ・シフト」に
何を用意すればいいか

 長寿化する社会にあって、個人は、戦略を持って、「柔軟な働き方」を実現しなければならないということだ。

 世界の長寿化の先端を行く日本の社会は、こうした個人のために何を用意すればいいだろうか。

 筆者は、以下の5点を提案したい。

(1)「定年」廃止、
(2)週休3日の普及、
(3)副業解禁の明確化、
(4)確定拠出年金の年齢延長(まず70歳、次に75歳まで拠出可能に)、
(5)共稼ぎを容易にする社会的支援、

次のページ>> 政策をあてにせず、個人で長寿化に対処が必要

ページ: 5

 まず、能力や貢献に個人差のある高齢者を一律に年齢で差別する「定年」という制度は、倫理的にも問題があるし、高齢者の労働参加を増やしたい目下の国策にも反している。企業に対する定年の禁止は、社会的影響は大きいが、財政支出が不要な景気対策でもあり、社会の方がこれに合わせることが望ましい根本方針だろう。ただし、金銭補償のルール化が必要だが、正社員解雇規制の緩和が、補完的な制度として必要だ。正社員の解雇規制緩和自体が、雇用市場の流動性を増して、柔軟な働き方をサポートする効果もある。

「週休3日」は、副業を持つ上でも、スキルに投資する上でも、余暇を充実する上でもいい制度だと思う。『ライフ・シフト」には、将来生産力が増し豊かになると労働時間が大幅に短縮されるだろうという、かつてのJ・M・ケインズの予想がなぜ実現しなかったのかに関する興味深い議論があったが、まず、一社に於ける労働時間を短縮するところから始めるのは悪くないように思う。知的な生産性が重要な職種においては、週休2日を週休3日に変更することで失われる生産力は限定的ではないかと推測する。

 副業解禁及び政府によるその後押しは、それ自体が正しいことであり、世間を面白くする上でも、個人にとってのリスク低減のためにも、いいことだ。なお、副業の解禁は、就業規則に於ける副業規制を原則として禁止するところまで踏み込むべきだ。「判例では、副業はいいことになっている」というレベルでは役に立たない。

 確定拠出年金が、原則として60歳までしか拠出できないことは、現時点で既に深刻な制度的不備であり、高齢者の労働参加促進、投資促進、いずれの国策にも反している。70歳までの延長を早急に実現すべきだろう。

 もちろん、女性が働きやすい環境作りが、社会のためにも、個々の家計のためにもプラスに働くことは疑いない。筆者は、例えば東京オリンピックにかける費用を、全国の保育施設や教育費に掛けた方が、よほど国民のためになるのではないか、と常々思うが、日本の「ライフ・シフト」を考えると、その思いがますます深まる。

 もちろん、個人は、政策をあてにせずに、できる範囲で長寿化に対処する必要がある。健康で長く生きられること自体はありがたいことなのだから。

2016-11-30 宴の行方。

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結局先進国と言われる人たちは、どこへ行こうとしているのだろうか。
そんな「右か左か」では片付かない問題だが、それでも「大きな方向性」はどちらに傾こうとしているのか。

大統領選での波乱が示すように、そうした「方向性」をまず先進国がようやく「悩んでいる」というのが今なのかもしれない。

EUは壮大な試み」と言われ、イギリスの離脱が起きた。
トランプはTPPを意に介さぬという。

遠い将来には、「地球一国」に収斂して行かざるを得ないと思うが、「そこ」へ至るプロセスを、あらゆる国のリーダーが見据えていることが必要だと思う。
「市場を取り合う企業」の問題とは違う、やはり「本当の政治課題」について国レベル、地球レベルの議論がいよいよ始まる予感がする。
「切り崩し工作」とかちょっと古く感じないだろうか。

TPPに手詰まり感 中国、切り崩し工作
2016/11/21 1:30
 【リマ=河浪武史、八十島綾平】環太平洋経済連携協定(TPP)の存続に向け、米国は加盟11カ国による「外圧」でトランプ次期大統領がTPP撤退を翻意する展開に望みをかけるほかない。日本政府内では「発効も、消滅もしない状態が続けば御の字」との手詰まり感も漂う。中国はアジア太平洋自由貿易圏(FTAAP)構想の実現を掲げ、新たな貿易秩序作りの主導権獲得に動き始めた。

 「TPPに米国は不可欠だ」。オバマ大統領が11カ国首脳を招待して首脳会合を開催したのは、米国議会に承認を強く促すよう求めるためだ。

 当のトランプ氏も、選挙後はTPPへの言及を避けている。商務長官候補にはTPP推進派の実業家ウィルバー・ロス氏も浮上しており、「現実路線に転じる可能性がある」(日本の通商交渉筋)との声もある。だが、選挙戦の旗印の一つだったTPP撤退をすぐに転換できるとも思えず、長期戦に期待をつなぐ向きもある。

 「しばらくは騒ぎ立てないのが賢明。発効が2年後か3年後か分からないが、現状維持できれば今はそれでいい」。日本政府のTPP政府対策本部幹部はこう話す。

 トランプ氏が公約通り、就任初日に「撤退」を宣言すればTPPはつぶれる。「いま国内手続きをやめればTPPは完全に死んでしまう」と各国に呼びかけた安倍晋三首相次善の策は、11カ国による必死の外交努力を通じて「TPPが発効せず、死にもしない状態」を醸成することだ。

 米では2007年に妥結した米韓自由貿易協定(FTA)に反対を主張していたオバマ大統領が就任後、一転して同協定の成立に動いた。当時は一部の分野の再交渉を経て、4年越しで批准にこぎつけており、トランプ氏が完全否定しないうちはかすかな望みも残る。

 反TPP派の急先鋒(せんぽう)である米自動車業界を除けば、米産業界にもTPP推進への期待は根強く、今後、賛否両方の勢力が激しくロビイング活動を展開していくのは間違いない。

 協定が発効しない間も「TPPが生きてさえいれば、高度な貿易の規範としての力は発揮できる」(経済産業省幹部)との声もある。

 TPPは電子商取引の促進や知的財産の保護などのルールを明確に決めた初の多国間FTA。モノではなく、データやサービスなど「形のない資産」のルールを整備したことに大きな価値があった。

 TPP以外にもアジアでは複数の多国間協定が交渉過程にある。TPPが「ひな型」として、たとえ発効はしていなくても一定の役割を果たしていることになる。

 もっとも数年単位の棚ざらしとなると、日米を除くTPP参加国が「トランプ氏の翻意を待ち続けられるとは限らない」(米通商当局者)。アジア太平洋圏では米国が参加しない東アジア地域包括的経済連携(RCEP)も交渉中で、その主役は中国だ。米政治の「空白」を逃すはずがない。

 中国はTPPのような高度な自由化よりも、アジアの途上国も巻き込みやすいより低いレベルの協定を志向している。アジア太平洋経済協力会議(APEC)に出席するため18日にリマ入りした習近平国家主席は、ベトナムフィリピンなどTPP参加国・参加希望国の首脳と立て続けに会談。アジア太平洋各国が参加するFTAAP構想を「断固推進する」と語った。閉幕後には、ペルーのクチンスキ大統領とも会談する。

 RCEP、TPPのいずれの陣営も、異なる経路ながら最終的にはFTAAPを目指している。中国は自ら主導するRCEPが中核となって将来、FTAAPに発展させていくシナリオを描く。

 クチンスキ氏は11日、「米国を外し、新たな環太平洋での協定を構築すべきだ」と早々に口にし、現在のTPPの枠組みにこだわらない考えものぞかせた。米政治の移行期をにらみ、中国によるTPP参加国の切り崩し工作は強まっており、日本政府が見込む数年にわたる“塩漬け作戦”が功を奏する保証はまだない。

2016-11-29 早寝早起き。再考。

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人としての「1日の過ごし方」って実はかなり深いテーマなのだと思う。

自分は若い頃からかなりの「夜型」だった。
昼夜逆転、が心地よく学生時代は「浮世離れした時間帯」に棲息していたと思う。
(周囲にもそういう人は普通にいた)

それが社会人になったら「向こう」の時間に合わせるしかない。
そうして三十年が過ぎた…

先日、村上春樹さんが「夜の仕事を辞めて、一番有り難かったことは"早起き"できることでした」と言っているのが印象的だった。

"早寝早起き"
どなたが唱えた五文字かは知らないけれど、自分も五十を過ぎてその"恩恵"に少し気づいたような気がする。

逆に言えば「もう寝てばかりもいられない」ということが身近に迫っているということかもしれない。

次に待つのは「腹八分目」だろうか。

 「朝開示」のもう一つのメリットは働き方改革だ。2013年に「朝型勤務制度」を導入し、夜8時以降の残業を原則禁止した伊藤忠商事では、夜8時以降に帰る社員が3割から5%に減り「働くことに誇りを感じる」と考える社員も増えたという。生産性向上へのヒントは、案外、こうしたところにあるのかもしれない。


決算開示、午後3時以降に集中 「朝一開示」で市場活性化も 市場の力学 ヘンでしょ!日本式
2016/11/22 8:44
 日本では当たり前の市場の習慣やルールの中には、外国人には奇異に映るものもある。視点を変えて在り方を見直してみれば、市場の効率化や経済の活性化につながるものもあるかもしれない。

 4〜9月期決算の発表が集中した11月11日。東京証券取引所では取引終了後の午後3時、会見の順番を待つ企業経営者らでごった返していた。

 日本の決算発表はこの時間帯が圧倒的に多い。「上場企業には(翌日の取引開始までに)決算内容をじっくり分析し、取引してもらいたいとの意向が強い」と東証の青克美上場部長は説明する。

 欧米では総じて朝の取引開始前の決算開示が多い。米国では時差の関係で朝開示が難しい西海岸を除き、金融業を中心に朝7〜8時の開示が一般的だ。英国欧州大陸でも朝の取引開始前に公表する慣行がある。独ダイムラーの記者向け会見は午前8時スタートだ。

 株価材料はすぐに市場に消化される。「早朝の会見でその日にアナリストなど複数の評価が形成され、株価にも反映される」(ダイムラー)

 働き方の違いも背景の一つにありそうだ。ドイツでは一般社員の残業時間の規制が厳しく、夕方まで担当部署の社員を残す習慣がない。

 ではもし、日本でも決算開示が朝9時の取引開始前に移ったとしたら、どうなるだろう。

 考えられるメリットはいくつかある。まず、決算を受けた株式の売買が即座に日本市場でこなせるようになる。「日中時間帯に取引が増え、東京時間の売買が厚みを増す効果が期待できる」とコモンズ投信運用部長の糸島孝俊氏は指摘する。

 引け後の開示内容を基に東証で株を売買したい場合、翌日まで待つしかない。取引所を介さない私設取引システムなどもあるが、個人に十分浸透しているわけではない。

 朝の取引開始前に決算を開示する数少ない1社が松井証券だ。4年ほど前から開示は8時20分。市場関係者の決算分析作業が夜遅くまで及ぶ心配がなくなり「業務の効率化につながる、と機関投資家やアナリストの評価は好意的」(松井証券の和里田聡常務)という。

 マクロ経済統計などの発表は取引開始前が一般的だ。経済産業省は今年2月、鉱工業指数速報の発表時間を午前8時50分から午後3時半に変更しようとした。だがエコノミストらが猛反発、10日足らずで撤回に追い込まれた。変更していたら、統計結果を基にした東京市場での株式売買ができなくなった恐れがある。

 「朝開示」のもう一つのメリットは働き方改革だ。2013年に「朝型勤務制度」を導入し、夜8時以降の残業を原則禁止した伊藤忠商事では、夜8時以降に帰る社員が3割から5%に減り「働くことに誇りを感じる」と考える社員も増えたという。生産性向上へのヒントは、案外、こうしたところにあるのかもしれない。

2016-11-28 注意。自分筋シンドローム。

[]情報メタボにならないために。 情報メタボにならないために。を含むブックマーク 情報メタボにならないために。のブックマークコメント

春秋より。

今、政治の主張はネットで発信される例も多い。
受け手は自ら関心ある情報しか集めない。結局、視野は狭まり先鋭となる。

広く、ネットで情報には触れているつもりでも、いつの間にか「回遊する空間」は決まった場所になってしまう。
なぜなら色々と他をあたってみても、そんなに興味のある場所には行き当たらないから、つい居心地のいいところに佇む。

竹内さんはこの傾向を「自分筋」と名付け戒めた。

報道系、情報系のソースはそれを扱うメディアが「中立であろうとする」という建前があるからまだいい。

そうではない思想系というか、「創造系」の情報にはよほどしっかりと情報の触れ方を考えておかないと「自分筋症候群」になってしまうのだろう。

ネットでは特に時間軸が緩いから、少し(あるいは大いに)古い情報は取りこぼしがちだし、つまり

・古い情報
・異分野の情報
母国語以外の情報
などが「視界から消えてしまう」ことになる。

こういうのを解決するいい方法があった。
大きな書店をうろつくのである。
入り口には、超売れ筋のものが平積みされているし、ジャンルごとにも平積みコーナーがあるし、もちろん分野の関係なく「最新刊」のコーナーもある。
まあ人々の関心のるつぼ、って感じだ。
ネットで偏った自分の頭を、リアル書店で解きほぐす。

ただし何万円も散財してしまう可能性は非常に高いから、「そこそこの現金だけ」を持参していく方がいいかもしれない。

春秋
2016/11/27付

 作家の安部譲二さんは1975年、銃の不法所持などの罪で東京府中刑務所に収監中だった。所内の木工工場では、徳島大中退で、赤軍派メンバーの城崎勉被告と席がとなりだったという。眼鏡の奥の澄んだ瞳を輝かせ、革命へ一生をささげる、と話していたらしい。

▼被告は77年、ダッカ日航ハイジャック事件で、乗客の命と引き換えに「超法規的措置」で釈放された。86年にジャカルタでの大使館襲撃に関与したとされ、米国で十数年、服役した後、日本で起訴。先日、懲役12年の判決が下った。68歳で、団塊の世代である。法廷では「余生は故郷で過ごしたい」とも話したという。

社会学者竹内洋さんは60年代末の学園紛争の高揚を学生の境遇の変化から分析している。大学進学率が3割に近付き、進路が経営幹部候補や知的専門職でなくなった。自分は教養あるエリートとは無縁のただのサラリーマンになるのだ、との不満も背景にあったという。一部は社会変革に走り、運動は現実から遊離した。

▼70年代に撮られた活動家の手配写真を街頭で見る。一時の激情からの行動が、いかに長く世に残響するか。今、政治の主張はネットで発信される例も多い。受け手は自ら関心ある情報しか集めない。結局、視野は狭まり先鋭となる。竹内さんはこの傾向を「自分筋」と名付け戒めた。内外のニュースに、思い起こす一言だ。

2016-11-27 ハッとする厳しさ。

[]滅多に見せない本気。 滅多に見せない本気。を含むブックマーク 滅多に見せない本気。のブックマークコメント

ほぼ日より。(ぜひ本文を読んでください)

「これからは、一切、緊張しました、とか
 緊張してます、とか言わないように」と書いた。
 緊張してるとかしたとか、だれにとってもどうでもいい。

糸井重里という人は、お目にかかったことはないけれど、多分、
「等身大」で居ながら、
なぜってその「等身大、自然体が最も強くて安定していて、だからこそ最強なのだ」ということを知り抜いていて、
だから見た目も言葉もそんなに威圧感もないし、
とっつきやすいけれど決して与しやすいわけではなく、
ナメてかかると瞬時に斬られる。

いや、斬られはしないか。
多分相手にして組み合ってもらえないだろう。
だけれども…

と言葉で糸井さんの印象を表現しだしたら相当に難しい。
硬軟両面を併せ持つというか、
それでいてどんな相手にも合わせられて、でもその理由は相手の下心のなさが前提であって…
とか羅列していくと自分の筆力ではキリがない(ことに今気づいた)。
なんか怪物ぽいぞ。
あ怪物か。

そんな糸井さんが「ありありと分かる厳しさ」というか、
いや、それは実は優しさというべき感じももちろんあるのだけれど、
兄貴的なアドバイスでもあるし、でも
"師として直弟子への止むをえぬ鉄槌"でもあるようだ。

ともかく、優しかったとばかり思えた兄貴が、怖いまでの厳しさをチラと見せた。
多分、自分みたいに一般人として糸井さんを見ていたら、そんなに見ることはない。
師が生涯に何度も見せない「稽古つけ」を垣間見た気がした。

「それをやせがまんするだけで、一皮むけるぜ!」
 なんだったら、これ読んでるあなたにも、あげよう。

いただきました。
こわ。
でもたまにこういうのがあると痺れるんだよなぁ。

ここ数日の冷気のようだ。


ほぼ日刊イトイ新聞

・だんだんと年下のともだちが多くなっていく。
 つまり、じぶんが年上のおやじになる場面が多くなる。
 まわりの人たちよりたくさん生きてきたせいで、
 つまらないことも、何度も何度も経験してきた。
 やってみなきゃわからないことを実際にやって、
 うまくいったり失敗したりもしてきた。
 なるべくなら、めんどくさい判断はしたくないし、
 いざ決戦のときみたいな場面は好きじゃないけれど、
 人間を長くやっているものだから、
 そういうことからも逃げてばかりはいられない。
 決断をすることも、賭けてみることもやってきた。

そういうことの積み重ねで、利口になったとは思わない。
 ちっとも利口になってはいないけれど、
 これは覚えておかなくちゃということがたまってくる。
 若いときには気づけなかったけれども、
 苦い味わいとともに気づかされてきたこともある。
 たまに、そういう、ちょっと先に知ったことなんかを、
 若い人に教えておいてやろうと思ったりもする。
 まことに、お節介なことなのだけれど、
 「これを知っておくと、けっこういいぞ」ということを、
 ちょっと伝えておくこともある。
 うるさいなぁと思われるのもいやなので、
 いまなら聞いてもらえるかな、というタイミングで言う。
 先日の、そういう場面が、なんだか印象に残っている。

ある年下の親しい知りあいが、いい仕事をしていた。
 これはいい仕事だなぁと思って、
 「あれ、いいね」と連絡を入れた。
 とてもうれしい、という返事が弾むように返ってきた。
 とてもうれしいのついでに、
 「はじめての仕事だったので、すっごく緊張しました」
 と書いてあったので、間髪入れずに返事を出した。
 「これからは、一切、緊張しました、とか
 緊張してます、とか言わないように」と書いた。
 緊張してるとかしたとか、だれにとってもどうでもいい。
 それを言うことで、なにかの言い訳になってしまう。
 言わないぞ、と決めればいいのだ、緊張していてもね。
 「それをやせがまんするだけで、一皮むけるぜ!」
 なんだったら、これ読んでるあなたにも、あげよう。

今日も、「ほぼ日」に来てくれてありがとうございます。
緊張するのは当たり前よ。それを言わないで、行くんだ!

土曜日、日曜日と祝日の「ほぼ日」は9時に更新しています。

焼き肉焼き肉 2016/11/27 01:52 ほぼ日つながりで来ました。
糸井重里論、みたいになってますね。(笑)
糸井さんのソフトな感じと深みって確かに一筋縄ではわからないところがありますよね。東北での活動とか。
自然に見えて、ただ本能だけじゃなくって。。。

2016-11-26 鎖国か開国か。

[]改正入管法成立て。 改正入管法成立て。を含むブックマーク 改正入管法成立て。のブックマークコメント

まずは深刻な人手不足の介護業界から、ということらしいけれど。
それにしては都心のコンビニファミリーレストランではもはや「日本人を見ることが珍しい」状態になっている。
入管に詳しい友人に聞くと、ほとんどが留学生のアルバイトとか「ワーキングビザ」を持つ人たちらしいのだけれど、どうも政府の「外国人材受け入れ策」と現実はどこか逸れているような感じを受ける。

少子高齢化で日本人の生産年齢人口は減少の一途だ。
今後の成長のためには外国人労働力は有力な選択肢になる。

これを日本が真剣に考える、ということならあらゆる業界に広く規制緩和をするべき。
何か人の足りない介護や看護に限って、とか
留学生に限り、とか施策がとても中途半端だと思う。

どんな政策にも右と左があり、ああ言えばこう言う人、はいるわけでリーダーは誰にもいい顔ができるものではない。
広く労働移民を受け入れる、と国の方針を揚げて腰を据えて取り組む問題だ。
単純労働を好まない日本の若者にとっても、いい刺激になるのではないだろうか。


外国人労働、まず介護から 改正入管法成立

2016/11/19 0:45
 外国人労働者の受け入れを拡大するための法律が18日、成立した。留学生や実習生として日本に入国した外国人を介護専門職に育成し、就職につなげる。来年中に施行する。国内での外国人材育成を重視する新たな仕組みで受け入れの大幅増を目指す。政府は人手不足分野と高度人材の2本柱で受け入れを検討中で、介護での制度構築は、その第1弾になる。

 在留資格に「介護」を追加する改正出入国管理・難民認定法と、外国人技能実習制度を拡充する法律が成立した。18日の参院本会議自民公明、民進など各党の賛成多数で可決した。

 改正入管法は日本の介護福祉士の資格を取得した外国人を対象に、介護の在留資格を認める。

 外国人技能実習適正実施法は、実習期間を最長3年から5年に延ばす。長時間労働などを防ぐため、受け入れ団体・企業を監督する機構を新設。同法の施行と共に、技能実習の対象に介護を加える省令改正をする。

 2法の成立を受け、政府は外国人が実習中に国家資格を取れば、実習後に介護の在留資格で就職できる制度を設計する。

 これまでの制度では、介護職は経済連携協定(EPA)の枠組みに限って受け入れをしてきた。インドネシアフィリピンベトナムの3カ国が対象だ。滞在期間を限定しているうえ、現地の資格や日本語能力が条件。ハードルが高く、過去8年間の累計で看護師とあわせ約3800人(9月時点)にとどまる。

 厚生労働省の推計では、介護職員2025年に日本国内で約38万人も不足する。この差を少しでも埋めるため、今回の法整備はEPAを締結する3カ国以外の留学生も対象にした。

 日本語や資格のハードルの問題には、まず入国してもらい、日本国内で語学やコミュニケーション能力を含めてじっくり学ぶ仕組みで対応する。先に受け入れの間口を広げ、その後に育てる新制度は「人材を根付かせることができる」(法務省)と見ている。

 少子高齢化で日本人の生産年齢人口は減少の一途だ。今後の成長のためには外国人労働力は有力な選択肢になる。政府は2本柱で受け入れを進める考え。経営者技術者ら高度人材では、最短1年の滞在で永住権を認める制度を検討中だ。

 もう一つ、介護を含めた人手不足産業では、日本は単純労働者の入国を原則認めていない。だが政府内では建設業で2国間協定を使った受け入れ拡大を考えているほか、農業では特区での受け入れ解禁を検討中だ。

 建設や農業の分野では、現行制度では技能実習生で入国する以外での在留は難しい。企業が実習生を育てても「期間終了後には帰国してしまう」と不満の声があった。

2016-11-25 若者たちとAI。

[]人じゃなきゃダメですか? 人じゃなきゃダメですか?を含むブックマーク 人じゃなきゃダメですか?のブックマークコメント

「古いやつだとお思いでしょうが…」は昭和の懐メロだ。

「最近の若いヤツは"会社を見る眼"がない」と嘆くのは50代以上のベテラン金融マンたちだ。

その会社に「融資するか否か」を独自に見極める力がなくなっている、との意だが、どうも「そのくらいのこと」はコンピューターの専権事項になりそうだ。

ドラマの話ではないが、個人も会社も「融資してもらえるかどうか」の説得の相手AIでは味気ない。
「なんとかお願いしやすよ」なんて揉み手をしても通じないに違いない。

それとも「三回以上のお願いがあれば融資」なんてAIが学習していくのだとしたらディープラーニングも悪くない。

記事にもあるけれど、今は結構「どんぶり勘定」的な「個人相手のお金の」貸し方、なんてのは細かく見て反応するのはコンピューターが得意なことも頷ける。
自動運転もそうだが「本当に人じゃなきゃいけないこと」の概念が転換するのが2016年の特徴になるのではないだろうか。

提案書なんかもコンピューターの方が出来が良かったりして。


AI融資で新会社 みずほ銀とソフトバンク

2016/11/24付
 みずほ銀行とソフトバンクは人工知能(AI)を使った個人向け融資事業2017年春にも始める。近く共同出資会社「Jスコア」を設立、社長にはみずほ銀の執行役員が就く方向だ。銀行口座の入出金履歴携帯電話料金の支払い状況、職歴などのデータをもとにAIが融資上限や貸出金利を判定する新たな融資ビジネスが動き出す。

 設立当初の新会社の資本金は50億円を予定しており、みずほ銀とソフトバンクが50%ずつ出資する。名称は「Jスコア」とし、社長にはみずほ銀行の大森隆一郎執行役員を充てる方向だ。

 みずほ銀とソフトバンクが保有する銀行口座の入出金履歴や携帯電話料金の支払い状況、職歴などのデータをAIが分析し、顧客ごとに信用力のスコアをつける。スコアが高ければ高いほど、融資上限が上がり、貸出金利も下がる仕組みだ。

 顧客が自ら個人情報を追加して入力することで信用力を高め、より多くのお金を借りたり、金利を下げられたりするようになる仕組みもつくる。

 従来の審査以上に大量のデータを分析することで、顧客ごとにきめ細かく融資上限などを決められる。スマートフォンスマホ)で手続きが完結するため、店舗や人員にかかるコストを大幅に削減できる利点もある。

 みずほ銀は、口座開設などの顧客対応にAIを使ったシステムの導入を検討するなど、取り組みを拡大している。

2016-11-24 本来道具のITが、暫定主役。

[]番付表の入れ替わり。 番付表の入れ替わり。を含むブックマーク 番付表の入れ替わり。のブックマークコメント

自分が二十代で初めてIT企業に就職して「これほどあらゆる業種に関わる仕事は珍しい」と新鮮な驚きを覚えて、早三十年近く。
どんな企業も政府NPOも「コンピューターから離れられないどころ」ではなくなっている。

自分は「コンピューターは便利な道具として万能である」と思っていたが、時代は変わった。

「コンピュータによる情報の収集と加工こそ」が仕事の中心になりつつある。
本業そこのけ。
本業よりも「データ」とか「リアルタイム」とか「ネットワーク」の時代になりつつある。

個々のメインだった業務がもはや「ある一面の使い方」程度にかすみつつある気がする。
業務の重要性が軽くなったのでは決してなく、データとかケースの集積の「桁違いの量」が大きな意味を持ってきている。

ウェブ進化論でいうところの「量が質に変化する」ということがあらゆるところで起こっているようだ。

政府が減税の対象に「サービスも」などと言っているが、もう現実はそんな話ではない。
どこまでがサービスか、どこからがITか、という境界を論じることすら、数年後には古めかしい論点になっているように思う。

センサーやIT主導で考えて「できるかもしれないこと」を業務に落とし込む。

IoTの時代が浸透するまでのしばらくは、こんなITありきの逆転劇が続くのに違いない。

研究減税、サービスも対象 AI活用など後押し 政府・与党
2016/11/17 2:10
 政府・与党は2017年税制改正で、企業の研究開発を支援する政策減税の対象にサービスの開発も加える方針を固めた。人工知能(AI)、ビッグデータなどを活用したサービスの開発を税制面で支援し、政権経済政策アベノミクス」が注力するサービス産業の生産性向上を図る。研究開発費を増やした企業への税優遇も拡充し、企業の投資を促して成長力強化につなげる考えだ。

 自民公明両党の税制調査会で検討を進め、12月8日にまとめる17年度与党税制改正大綱に盛り込む。麻生太郎財務相は16日に開いた政府の働き方改革実現会議で「イノベーティブな研究開発投資など、企業の前向きな取り組みを促す税制措置を検討する」と表明。研究開発減税の見直しに強い意欲を示した。

 租税特別措置法では、研究開発減税の対象を「製品の製造または技術の改良、考案もしくは発明にかかる試験研究に要する費用」と定めている。このため、これまでは自動車や電機、製薬など製造業の利用が多かった。

 政府・与党はIT(情報技術)を駆使したサービスが今後の経済成長の柱になるとみている。来年度改正では、サービス開発を明確に減税対象にすると位置づける。経団連も同分野を対象にするよう要望していた。

 サービスの研究開発に必要なコンピューターやセンサーなどを購入した費用や人件費が対象となる。他社に研究開発を委託した費用も含む。経済産業・財務両省が具体的な内容を詰めている。

 経産省はセンサーで集めた情報を農業医療金融などに役立てるサービス開発を念頭に置く。園児に取り付けたセンサーで呼吸数や脈拍、体温などから健康状態を把握して保育士を支援するサービスなどが対象だ。

 減税手法も見直す。研究開発費の8〜10%を法人税額から引く制度は、研究開発費の増加割合に応じて減税率に差をつける。研究開発費を大きく増やす企業は現行制度より減税率が上がり、減らす企業は低くなる。研究開発税制全体で改正の前後の税収を変えない税収中立にする方向だ。

 サービス産業は国内総生産(GDP)の7割。だが飲食や小売りなど非製造業の生産性は、米国の半分程度。製造業の生産性は1970年から約3倍になったが非製造業は25%程度の伸びにとどまる。サービス産業の生産性を向上させて、労働力不足の改善につなげる。

 財務省によると14年度の研究開発減税の利用額は6700億円で、9割近くを製造業が占める。

2016-11-23 規則は人のためならず。

[]自分は自分で律すること。 自分は自分で律すること。を含むブックマーク 自分は自分で律すること。のブックマークコメント

街中の居酒屋で飲むときは、「お客さんの企業名はイニシャルで」って、社会人になりたての研修で聞いたルール。
今でも全くその通りだが、それにしても「コンプライアンス」という言葉が流通しだしてからは大変になったと思う。

今の新社会人はNG集の勉強も大変のようで、備品の持ち帰りや経費の水増し禁止などについても「処分」と隣り合わせで教わるという。
こう言っては綺麗ごとかもしれないが、もう少し「ジェントルであること」という風なプライドの教育ができないものだろうか。

「詐欺や横領に当たるから」禁止なのではなく、その「心持ち」をこそ恥じるべき。

「罰を与えるぞ」という式のルールは自分は嫌いである。

内部通報制度だって「告げ口」ではなく「あらぬべき所業」を告発する精神でないと、保身のためのチクりみたいなことになるだろう。
魂、というか「精神の教育」がどうも抜けてるなぁ、と思った休日の朝なのでした。

経費・SNS・酒席…会社で注意したい法令違反
 社会人になってどんな仕事をするうえでも大切なのが「コンプライアンス」だ。「法令順守」と訳されることが多いが、単に法律に違反しなければよいわけではない。就業規則や職場のマナーなどルール全般に気を配ることが求められる。軽はずみな行動は自分が処分を受けるだけでなく、会社の信用低下も招きかねないということを頭に入れておこう。

新入社員研修でコンプライアンスについて学ぶことが多い

 コンプライアンスという言葉は社員研修などで度々耳にすることになる。とっつきにくい言葉だが、浅見隆行弁護士は「法律だけでなく倫理や社内外のルールを守って行動すること」と説明する。もともと欧米企業で始まった考え方で、日本でも相次ぐ企業不祥事を受け一気に浸透した。

 まずは勤め先のルールを確認したい。基本となるのが就業規則で、勤務時間や休日・休暇といった働き方や賃金などのほか、禁止事項もまとめられている。違反すると出勤停止や減給、降格、解雇など懲戒処分の対象になる。浅見弁護士は「会社のルールは学校の校則とレベルが違う。ちょっとした違反も処分につながる」と注意喚起する。

 とはいえ身構える必要はない。新入社員としては公私のけじめをつけることを心がけたい。例えばボールペンなど備品の持ち帰りや、出張費・経費の水増し精算は横領や詐欺に当たる。友人との飲食代に会社の接待交際費を充てるのも禁物だ。

 「この程度なら……」と小さな不正を繰り返すと後に大きな不祥事になりかねない。企業研修の講師を多く務めるマコル(東京品川)の代表コンサルタント、笹本雄司郎氏は「一人で抱え込む→隠したり嘘をついたりする→書類やデータを偽装する、と不正は発展しかねない」と指摘する。

 現場の社員のいいかげんな報告が積み重なり、実態とかけ離れた会計・財務報告ができ上がったらどうなるか。財務情報は会社の体力を示す基礎資料で、株主取引先など多くのステークホルダー(利害関係者)の目に触れる。そこに虚偽の記載があれば取引停止やブランドイメージの低下、さらには会社が損害賠償を請求されたり刑事責任を問われたりする可能性もある。最悪の場合、経営危機さえも招くと肝に銘じておきたい。

 会社から一歩外へ出たときも注意を払おう。ウイルス感染に気付かず自宅のパソコンで仕事をすれば、顧客リストや契約書、新商品情報などの営業秘密が漏洩する恐れもある。カフェなどで利用できる無料Wi―Fiも情報流出の恐れがあるので気を付けよう。

 浅見弁護士は「友人などとの居酒屋での談笑から、秘密が漏れることもあるので注意した方がよい」と話す。飲んだ席では大声になりがち。うっかりすると会話が周囲に筒抜けになる。

 個人で楽しんでいるフェイスブックツイッターなど交流サイト(SNS)の発言・投稿も要注意。顧客や会社の悪口などの書き込みがご法度なのはもちろん、匿名だからと反社会的な発言や悪ふざけした写真を投稿するとネット上で「炎上」する。氏名や勤務先を特定されてネットで拡散、勤め先に苦情が押し寄せたケースも実際にある。

 多くの会社は情報機器管理規則を定めており、SNSの利用範囲のガイドラインを作る会社も増えている。自社のルールを確認しておこう。

 同僚や上司は同じ目標に向かって共に走る仲間だ。会社の業績を向上させるには、皆が気持ちよく働ける職場環境が欠かせない。特に気をつけたいのがセクシュアルハラスメントセクハラ)だ。勤務中だけでなく「職場の飲み会などで異性の容姿に関する発言をしてもセクハラと認定される」(浅見弁護士)。

 笹本氏は「コンプライアンスは人物評価に直結する。いったん社会人としての信用を失えば、その後の働く機会や条件も厳しくなる」と戒める。自分の仕事人生は自分で守るという意識を持つことが大切だ。

■傷口広げる「見て見ぬふり」 内部通報も一手

 社内の不正を見つけたら一人で抱え込まないことが大切だ。見て見ぬふりは大きな不祥事に発展する可能性がある。上司や先輩に相談できないようなら「内部通報制度」を利用する手がある。

 内部通報制度は企業が従業員などから法令違反や不正行為などの情報提供を受け付ける仕組み。制度に詳しい竹内朗弁護士は「経営トップに重大な社内のリスク情報を届け、トップの責任で是正や再発防止につなげる狙いがある」と説明する。

 日本では食品偽装などの相次ぐ発覚を受け、2004年に公益通報者保護法が制定されたのを機に、大企業を中心に制度の整備が広がった。

 「通報で不利益を被るのではないか」と不安に思うかもしれないが、同法では通報者の個人情報保護を定めているほか、通報を理由とした解雇や不利益な取り扱いを禁じている。最近は外部の通報窓口を設ける企業も増えているので、自社の制度を確認しておくとよいだろう。

青木茂晴)

よく言ったよく言った 2016/11/23 16:50 全く同感です。いつも規則とか、またその規則を破った破った!と大騒ぎするマスコミとネットのバカっぷりを見ていると腹立たしいの一言です。思考停止極まれり。

かめこかめこ 2016/11/23 23:45 情けは人の為ならず、の変形バージョンですね。面白いブログです。軽妙に文章が書ける人って羨ましいです。

2016-11-22 とらわれの正体。

[]愛するものと、大事なもの。 愛するものと、大事なもの。を含むブックマーク 愛するものと、大事なもの。のブックマークコメント

プラネタリウムよりも、介護施設の方が必要な自治体も多いでしょう。

今、自分が大事に思うものと、本当に必要なもの。
この話は時を変え、時代を経ていつも出てくる。

自分の生活の中で「自分が大事に思うもの」と「本当に必要もの」はどちらがどちらだろうか。

自分と恋人。
自分と家族。
自分と友人。
自分と仕事。
自分と他人。

自分と「関係者」にとって本当に必要なもの、は果たして何だろうか。
「愛するものには囚われる。」
囚われって怖いけれど大事なものだ。

星を作る人 作家 北村薫
2016/11/4付
 東京工業大学社会人アカデミー主催、蔵前工業会共催になる講演会『深海と宇宙』の最終回に行って来た。「地上最高の星作りを目指して」と題し、大平貴之氏が話された。子供の頃、プラネタリウムを観(み)て感動し、《自分の手でこれを作ってみたい》と思い、それを実現された方だ。

 わたしも少年時代、プラネタリウムに連れて行ってもらった。記憶に残るその会場は、大体育館のような広さだ。そんなはずはないのにそう思うことが、いかに強い印象を受けたかの証明だ。しかし、投影機を自分で作ろうとは思わない。なぜならそれは、すでにそこにあ(ゝ)る(ゝ)ものだからだ。

 しかし、大平氏は、現実を超えようとする。より小型で、はるかに多くの星々を映すものを作ろうと考え、実現させる。大平氏の開発したMEGASTARは、従来の百倍以上の星を投影でき、世界十一か国に設置されているという。一方で氏は、家庭用のプラネタリウムまで作り出す。
 その歩みを語るお話は実に魅力的だったが、講演後の質疑もまた素晴らしかった。

 ――近くにあったプラネタリウムが閉鎖されて久しい。今日、大平さんの機械の投影を見て、深い感銘を受けた。ドームがあっても上映されていないようなところに、営業活動というか、MEGASTAR利用の働きかけはなさらないのでしょうか?
 という問いに、大平氏は、

――プラネタリウムよりも、介護施設の方が必要な自治体も多いでしょう。
 と、答えられた。
 愛することには、とらわれるものだ。即座にこういえる大平氏の判断力、人間的な大きさに感じ入った。

2016-11-21 天皇制だけでなく。

[]新しい時代に。 新しい時代に。を含むブックマーク 新しい時代に。のブックマークコメント

その出自も含めて「完全に自分で説明できないこと」というのはどこかに「飛躍」がある。
「借り物の知識」とか、「盲信」とか。

徹底的に考えれば、そもそもの定義が「腑に落ちて」いない。
天皇とか、皇族とか、国王とか、大統領首相との並立とか。

「単なる統治のスタイル」ではないのだろうか。

終戦時に「国民の象徴」というけれど、それだけではないだろう。
記録の残るこの二千年くらいの「何か」があるのだと思う。
天皇制の話題、というのはこの難しい「二千年の話題」に手をつけることなので、あまり皮相的なやり取りに虚しさを感じてしまう。

いよいよ自分たちはそうした「触れざる問題」に一つ一つ決着をつけていく時期のようである。

考えてみれば当然で、「今までに、今の時代と同じ問題はない」と思う。
全く新しい時代に向かうつもりで、過去の制度とか政治とか、そして「これからのルールについて」を考えればいいと思う。

天皇制のヒアリング報道を見ても、天皇本人の意思はともかく「こうあれかし」みたいな議論が多い。
そもそも論がないのに有識者が話をしているような気がしてならない。
屋上屋を重ね、どこまで議論が上滑るのか。
また「どこからが必要な根本」なのか。
市井の自分たちの考えが重要なのではないだろうか。

生前退位、再び賛否割れる 専門家ヒアリング2回目
 政府は14日、天皇陛下の生前退位を巡る有識者会議(座長・今井敬経団連名誉会長)の第4回会合を開いた。専門家への2回目の意見聴取を実施し、学者やジャーナリストら6人から退位の是非や法整備のあり方などについて見解を求めた。4人が退位に慎重な姿勢を示す一方、2人は容認するなど、7日に実施した初回と同様、賛否両方の意見が出た。

天皇の公務の負担軽減等に関する有識者会議に臨む専門家ら(14日午後、首相官邸

 上智大名誉教授の渡部昇一氏は「天皇の仕事の第一は国民のために祈ることだ。本当は国民の目に触れなくても、任務を怠ったことにはならない」と指摘し、退位を明確に否定した。天皇の公務の負担軽減策は摂政で対応すれば「何の心配もない」と述べた。

 皇位継承問題に詳しい慶大教授の笠原英彦氏も、退位に伴い新旧天皇が共存することで権威が二元化し、天皇の統合力の低下を招くとの懸念があると説明。国事行為の臨時代行や摂政の現行規定を柔軟に運用することで対応可能だと主張した。

 ジャーナリストの桜井よしこ氏は心情的には陛下の思いに沿うべきだとしたうえで「国家の在り方は別問題だ」と指摘し、退位には賛成できないと表明。摂政を認める要件に「高齢」を加える制度変更を軸に、対応を急ぐべきだと語った。

ヒアリング対象者の主な意見


渡部昇一氏(上智大名誉教授)

天皇の仕事は本質的に、宮中で国民のためにお祈りすること。皇太子さまが摂政になれば何も心配ない

岩井克己氏(ジャーナリスト)

終身在位は残酷な制度で、譲位(退位)を認めるべきだ。特例法ではなく皇室典範改正で対応を

笠原英彦氏(慶大教授)

天皇の退位には慎重であるべきだ。摂政や国事行為の臨時代行で対応を

桜井よしこ氏(ジャーナリスト)

ご高齢の陛下への配慮は当然だが、国家の在り方の問題は別だ。譲位ではなく摂政を置くべきだ

石原信雄氏(元官房副長官

退位を認め、皇室典範の特例法で対応することが適当だ。退位の判断には皇室会議の活用を

今谷明氏(帝京大特任教授)

国事行為の臨時代行が最も適した対応だ。退位には国論の不一致や権威の分裂などの問題があり困難だ

(注)専門家が会議に提出した資料や取材に基づき作成。名前は聴取順

 日本中世史に詳しい帝京大特任教授の今谷明氏も「天皇は存在自体が貴重だ」と述べ、退位に否定的な見解を示した。国事行為の委任が最適の対応だとし、摂政の設置も「必ずしも必要ない」と否定した。退位の法整備の議論は「与野党が一致するまで見送るのが相当だ」と指摘した。

 退位に否定的な4氏に対し、ジャーナリストの岩井克己氏と元官房副長官の石原信雄氏は退位容認の立場を鮮明にした。朝日新聞で30年間皇室の取材を続けている岩井氏は、昭和天皇が死去した時の経験から「天皇の終身在位は残酷な制度だ」と主張。石原氏も「高齢となった場合には退位を認めるべきだ」と述べた。

 ただ容認派の2氏でも、退位を実現する法整備を巡っては見解が分かれた。石原氏は、政府が軸に検討する皇室典範の特例法での対応が適当だとの見解で、年齢など退位の主要要件は法律で規定し、ほかは皇室会議を活用すべきだと訴えた。

 一方、岩井氏は特例法での対応を「一時の『抜け道』をつくる安易な対処との印象を与えかねない」と批判。高齢を理由とした退位に論点を絞れば皇室典範の改正も「さほど難事とは思えない」と主張した。特例法で対応した後に皇室典範の本格改正に踏み切る「2段階論」は「過去の経験からみて、当面の対処が済めば機運がしぼんで先送りとなる恐れがある」との考えを示した。

 5人を対象とした7日の意見聴取では、条件付きを含めて退位に容認が3人、2人が反対した。聴取は30日にも実施予定で、元最高裁判事園部逸夫氏ら5人を招く。計16人の聴取内容は、年明けにも公表する論点整理に反映させる。

2016-11-20 人生はネタ探し。

[]自分を刺激すること。 自分を刺激すること。を含むブックマーク 自分を刺激すること。のブックマークコメント

昨日に続いて関取花さんのブログより。

とっかかりはなんでも良いのだ、面白くなるなら。予感が欲しいのだ、当たらなくても良いから。

先日、「傷つかないためにはあまり何かと期待しない方が良い」とある人に言われた。 なんだかなあ、と妙に嫌な気分になった。多少傷ついても良いから、私はやっぱり期待していたいのである。

変化とか、傷つくことを嫌って「平坦」をばかり求めるとそのうち「無音」の世界になる。
雑音はないけれど変化もない。
心が癒えたらそこから出よう。

人生なんて壮大なネタ探しみたいなもんだと思う。傷ついたって、最後は笑い話に変えれば良い。

ネタ探し。
ネタ。
「いわゆる「会社」に所属して、誰かが作った仕事を立派にこなす。」という文脈からは出現しにくい感覚だ。
ポジティヴ、というより強さ。
そして息抜き。

笑いってだから大事なのか。


メッセージが一件

2016/11/15 18:50

ずっと聞かないままでいた留守番電話のメッセージがある。もう何ヶ月も前にかかってきた、知らない番号からの電話である。
メッセージを残されたその日、気づいたときには着信から12時間ほど経ってしまっていたので、なんとなくもう良いか、と思ってしまったのである。そしてそのまま月日は流れ、約半年が経った。

先日、昼にインストアライブがあって、そのあとは移動のみの日があった。ホテルに着いて、いつも通り本を読んだりラジオを聞いたりギターを弾いたりしていたのだが、いよいよやることがなくなってきた時、ふと思い立って留守番電話のメッセージを再生してみることにした。

これを再生するのは、「今聞くべきだ」と思った時にする、とずっと決めていた。特別な理由はない、ただ、少し期待していたのだ。もしかしたらドラマのようなロマンチックな出会いが、サスペンスのような展開が、あるいは漫画のような馬鹿げた物語がそこから始まる可能性が、無きにしも非ずだと。

タイミングはいつだってよかった。それがたまたまその日だった。
メッセージは30秒ほど録音されていた。大事なことを話すにも、くだらない話をするのにも、どちらにも適した長さである。いずれにせよ、すべては話しきれない長さであることは間違いないと思った。聞いたあとでもっと知りたくなることが出てきたらどうしようと思うと、胸が少し躍った。
再生ボタンを押した。何も聞こえない。
10秒が経った。ガサゴソと音がする。
20秒が経った。相変わらず雑音が聞こえるだけである。
30秒が経った。切れた。

何のことはない、何の面白味もないただの間違い電話だった。間違ってかけてきた相手の声さえわからない、ただの雑音だった。それでも、十中八九そうだとわかっていながら、私はこの雑音を大事に半年間もあたためてきたのだ。

推理小説的な展開や、SF的な展開も考えていた。もしかしたらもしかして、このメッセージを聞いたら何か世界が回りだすんじゃないかと、本当に少しだけど、でも確実に期待していたのだ。だけど、何もなかった。何もなかったけど、そんなくだらないことを想像している自分が、痛くもあり、可笑しくもあり、でも案外悪い気はしないな、と思った。

それは例えば、道に落ちている片方だけの靴下、便所の落書き、落し物の鍵。見つけた時に、「事件の香りがする」と未だに思ったりする。心の中でちょっとガッツポーズをしたりする。とっかかりはなんでも良いのだ、面白くなるなら。予感が欲しいのだ、当たらなくても良いから。
先日、「傷つかないためにはあまり何かと期待しない方が良い」とある人に言われた。 なんだかなあ、と妙に嫌な気分になった。多少傷ついても良いから、私はやっぱり期待していたいのである。

歌は好きだ、作るのも、歌うのも。だけど、歌が上手な人や楽器が上手な人、音楽に詳しい人は星の数ほどいる。そういう人たちに負けないためには、上手くなる努力をすることも、音楽を知ろうとすることも、良い歌を作るのも多分当たり前で、それ以上に何か、私にしかできないことをするしかない。だから私は私自身を全力で面白がっていたい。ちっぽけな自分に少しでも期待してやるために、今日も何かを見つけたい。

人生なんて壮大なネタ探しみたいなもんだと思う。傷ついたって、最後は笑い話に変えれば良い。

私は今、リリースのキャンペーンで全国をまわっている。そして行く先々で、記念写真を撮っている。思い立って、去年や一昨年の同じ時の写真と見比べてみた。今が一番楽しそうだと思った。いい顔してるな、と思った。そりゃそうだ、去年より一昨年より、今が一番楽しいのだから。
だからみんな、一度ライブに遊びに来てくれよ。良いライブするよ。
11/20は東京でワンマン、12/7は大阪でワンマンです。よろしく!

chpa8erchpa8er 2016/11/20 02:06 why,how,whatのイラスト、いいですね!!気に入っちゃいました。

2016-11-19 自分を面白がれますか?

[]自分が自分でいるために。 自分が自分でいるために。を含むブックマーク 自分が自分でいるために。のブックマークコメント

関取花さんのブログより。
「自分を規定するのは(自分ではなく)他人である」というのは、社会人になって自分がヒシヒシと感じる原則だけれども。
いつも読んでいるだけで笑いあり涙あり。

歌は好きだ、作るのも、歌うのも。
だけど、歌が上手な人や楽器が上手な人、音楽に詳しい人は星の数ほどいる。
そういう人たちに負けないためには、上手くなる努力をすることも、音楽を知ろうとすることも、良い歌を作るのも多分当たり前で、それ以上に何か、私にしかできないことをするしかない。

だから私は私自身を全力で面白がっていたい。ちっぽけな自分に少しでも期待してやるために、今日も何かを見つけたい。

自分を「好奇心の眼」で見るってことは、一番のやり方なのだ。
自分をこそ、他人の目で「こいつはなんだろうか」という視点、つまり客観目線が重要なのだと思う。

自分が一番大事で、好きだけれどもその自分を「一番引いてみている自分」こそが、自分にとって一番大事な自分なのだと思う。
だんだん弱ってくる自分には「無理するなよ」という外からのアドバイスこそが必要なのだろう。

メッセージが一件
ずっと聞かないままでいた留守番電話のメッセージがある。もう何ヶ月も前にかかってきた、知らない番号からの電話である。
メッセージを残されたその日、気づいたときには着信から12時間ほど経ってしまっていたので、なんとなくもう良いか、と思ってしまったのである。そしてそのまま月日は流れ、約半年が経った。

先日、昼にインストアライブがあって、そのあとは移動のみの日があった。ホテルに着いて、いつも通り本を読んだりラジオを聞いたりギターを弾いたりしていたのだが、いよいよやることがなくなってきた時、ふと思い立って留守番電話のメッセージを再生してみることにした。

これを再生するのは、「今聞くべきだ」と思った時にする、とずっと決めていた。特別な理由はない、ただ、少し期待していたのだ。もしかしたらドラマのようなロマンチックな出会いが、サスペンスのような展開が、あるいは漫画のような馬鹿げた物語がそこから始まる可能性が、無きにしも非ずだと。

タイミングはいつだってよかった。それがたまたまその日だった。
メッセージは30秒ほど録音されていた。大事なことを話すにも、くだらない話をするのにも、どちらにも適した長さである。いずれにせよ、すべては話しきれない長さであることは間違いないと思った。聞いたあとでもっと知りたくなることが出てきたらどうしようと思うと、胸が少し躍った。
再生ボタンを押した。何も聞こえない。
10秒が経った。ガサゴソと音がする。
20秒が経った。相変わらず雑音が聞こえるだけである。
30秒が経った。切れた。

何のことはない、何の面白味もないただの間違い電話だった。間違ってかけてきた相手の声さえわからない、ただの雑音だった。それでも、十中八九そうだとわかっていながら、私はこの雑音を大事に半年間もあたためてきたのだ。

推理小説的な展開や、SF的な展開も考えていた。もしかしたらもしかして、このメッセージを聞いたら何か世界が回りだすんじゃないかと、本当に少しだけど、でも確実に期待していたのだ。だけど、何もなかった。何もなかったけど、そんなくだらないことを想像している自分が、痛くもあり、可笑しくもあり、でも案外悪い気はしないな、と思った。

それは例えば、道に落ちている片方だけの靴下、便所の落書き、落し物の鍵。見つけた時に、「事件の香りがする」と未だに思ったりする。心の中でちょっとガッツポーズをしたりする。とっかかりはなんでも良いのだ、面白くなるなら。予感が欲しいのだ、当たらなくても良いから。
先日、「傷つかないためにはあまり何かと期待しない方が良い」とある人に言われた。 なんだかなあ、と妙に嫌な気分になった。多少傷ついても良いから、私はやっぱり期待していたいのである。

歌は好きだ、作るのも、歌うのも。だけど、歌が上手な人や楽器が上手な人、音楽に詳しい人は星の数ほどいる。そういう人たちに負けないためには、上手くなる努力をすることも、音楽を知ろうとすることも、良い歌を作るのも多分当たり前で、それ以上に何か、私にしかできないことをするしかない。だから私は私自身を全力で面白がっていたい。ちっぽけな自分に少しでも期待してやるために、今日も何かを見つけたい。

人生なんて壮大なネタ探しみたいなもんだと思う。傷ついたって、最後は笑い話に変えれば良い。

私は今、リリースのキャンペーンで全国をまわっている。そして行く先々で、記念写真を撮っている。思い立って、去年や一昨年の同じ時の写真と見比べてみた。今が一番楽しそうだと思った。いい顔してるな、と思った。そりゃそうだ、去年より一昨年より、今が一番楽しいのだから。
だからみんな、一度ライブに遊びに来てくれよ。良いライブするよ。
11/20は東京でワンマン、12/7は大阪でワンマンです。よろしく!

ひなこひなこ 2016/11/19 04:05 すっごい数のエントリー。

2016-11-18 自分のスタイル。

[]雑魚ファイティング。 雑魚ファイティング。を含むブックマーク 雑魚ファイティング。のブックマークコメント

そんな態度にで始めたのはいつの頃からだろうか。
たぶん割と若いころだ。
中学とか。
「それ」を認めてしまった方がいいことに気づいたのだ。
相手の能力が自分より優れている」とか。
「相手の意見の方が明らかに論理的だ」とか。
「相手の方が力が強い」とか。

大事なのは「だけど逃げない」。
つまり圧倒的に不利な時の戦い方、だ。

世の中ってプロ野球とかF1とかと一緒で「一番強い層」が「一番お金とか、人とかを持って」いる構造がある。
競争社会ってそういうものだと思うが、今まさに"最底辺から参戦する身"としては絶望的に負け戦だ。

ポンッと大企業に入ってしまえばこの「雑魚感」って分かりにくいと思う。
気持ちでは理解できても、実際に「雑魚になった経験」は強烈なものだ。

けれど、けれどどんなデカい存在だって「最初は雑魚」だった。
つまり「雑魚には雑魚なりの戦い方」があると思う。

自分が今「雑魚スタイル」で相手に対峙した方がいいのか、それとも「中ボス」くらいのスタンスでいた方がいいのか。

そんな「自分の姿勢」って案外大事じゃないだろうか。
スタイルを間違えると、妙に突っ張ったり(それも青くていいんだけど)、妙に卑屈になったりして本来の付き合い方ができなくなることもある。

なんだか恋愛並みに態度が難しいけれど、自分の「コミュニケーション・スタイル」を三つくらいにイメージしておくと、仕事でもプライベートでも(ひょっとしたら恋愛でも)、うまく「自分の姿勢」を取っていくことができるのではないだろうか。

気負わず自然体。
でも前向きに。
目指すのは協調だ。

2016-11-17 空気の読み方。

[]気づかないうちの学習。 気づかないうちの学習。を含むブックマーク 気づかないうちの学習。のブックマークコメント

かがくアゴラより。

どちらか選んだ理由を聞くと「何となく」という返事は多い。
無意識に得た記憶が影響しています。
潜在学習には自転車に乗ること、道順や街中の配置を覚えたりすることがあります。

自分たちは日々の表現の中で「どこまでを本当に意識しているのか」どこからが「意識せずして」意思表示されているのだろうか。

そう問われると「ロジックで判断する部分」は必ずあるし「本能的」に決めている部分もある。

自分は女性は「潜在力の達人」だと思っているが、「ここまでは本能、ここからは論理」と識別できれば自分自身を理解するのに助けになりそうだ。

さらに個人差の問題。
空気を読む人も読まない人も、読めない人も、それが「意識的な自分の選択」なのかそれとも「周囲の気配を読めない結果でしかない」のか。

つまり、空気を読んでから「どうするか?」を考えるのと、
そもそも空気が感じられないの、とではプロセスに差がある。

自分が興味を持つことと持たないこと、とか予め考えて能動的に反応するのか、それとも考えずに反応しているのか。
自分としては「全部自分で考えているつもり」でも、反応的に動いていることは案外多そうだ。
技術の進歩も目覚ましいが、脳の解明もいよいよこれからが本丸ではないだろうか。

人間は無意識でも学習する
潜在学習で得た記憶は忘れにくい。教育に応用できる

 人間は無意識に何を学んでいるのか。京都大学情報学研究科特定研究員の樋口洋子さんは心理学手法を使って、こんなナゾの一端を明らかにした。

 ――無意識で学ぶとはどういうことですか。

 自分では意識していないが、学習して記憶として残ることです。潜在学習と呼ばれます。覚えようという意志がなくても、気づかないうちに記憶しています。

 ――なぜ潜在学習に興味を持ったのですか。

 こうした学習による記憶に、日常生活が左右されているからです。どちらか選んだ理由を聞くと「何となく」という返事は多い。無意識に得た記憶が影響しています。潜在学習には自転車に乗ること、道順や街中の配置を覚えたりすることがあります。脳の研究から海馬が大きな役割を持つこともわかってきました。

 私は「空気が読めない人間だ」とよくいわれます。でも空気が読める理由はうまく説明してくれない。表情や声のトーンなどを無意識のうちに学習しているかもしれません。こうした潜在学習を科学的な実験で明らかにしたいと考えました。

 ――どんな実験に取り組んだのですか。

 心理学で使う「文脈手がかり」という方法を利用しました。環境や周囲の様子などを手助けに、行動がどれだけ速くなるかを探る実験です。再現性が高く、効果が分かりやすいのが利点です。

 具体的にはコンピューター画面で約10人の顔写真を連続して見せ、性別や配置が違う顔写真が出た場合にキーを押してもらいます。約100人の大学生の協力を得て、繰り返すうちにキーを押すのがどれだけ速くなるのかを調べました。

 実験を繰り返すと、ほとんどの学生が速く押せるようになる。でもパターンを覚えているわけではない。無意識に性別や配置に集中し、選ぶ情報の優先順位を付けることでパターンを予測できるようになった。

 ――どんな応用が期待できるのですか。

 最も貢献できるのが教育です。効率的な勉強法や、ゲームのように楽しくやれるような仕組みが見つけられる。また無意識の学習はなかなか忘れにくく記憶として残りやすい。ただ、似たようなものに聞き流す学習や睡眠学習というのがありますが、単に聞くだけではだめで、意識し興味を持つのが大切です。

 ――今後はどういう研究に取り組みますか。

 個人差を探りたい。音楽経験がある人は潜在学習が得意という研究もある。潜在学習の効率を上げる方法を探りたいし、空気が読めるようにもなりたいと思います。

(聞き手は竹下敦宣)

ぺけポンぺけポン 2016/11/17 14:02 日経派ですか。

2016-11-16 弱る筋力。

[]規制は人のためならず。 規制は人のためならず。を含むブックマーク 規制は人のためならず。のブックマークコメント

金融庁市中銀行の「過度なノルマ」を監視するという。
果たしてそんなもの監視できるだろうか。

お上と民間のこうした規制のやり取りを見るたび「お為ごかし」の無力感を感じるのは自分だけではあるまい。
何か問題が出て来れば次から次に規制が増え、減ることはあまりない。

世界的な低金利や日本の人口減など銀行を取り巻く環境は厳しい。
"預金を集め国債で運用すれば利益が出る収益モデルは崩れている。"
顧客を向いた商売の重要性が増している。

「預金を集めて国債で運用する」なんてビジネスモデルとしては噴飯モノだろう。
本当の競争の中にいないと、どんどん弱ることに自身が気付けるかどうか。

病気などで数日寝たきりになると、どんどん脚力が衰える。
「廃用性症候群」という。
仕事はそういう目で選びたいものだと思う。

銀行の営業ノルマ監視 金融庁行政方針、顧客本位求める

2016/10/20 0:52

 金融庁は銀行が支店や職員に営業上の過度なノルマを課していないか監視を強める。投資商品の販売融資増を狙った営業目標の実態や業績の評価方法を検証。顧客不在の利益追求につながりかねない行き過ぎた目標の是正を促す。無理なノルマが不正を招いた米銀大手ウェルズ・ファーゴの例も念頭に、踏み込んだ対応で「顧客本位の業務運営」の徹底を求める。

 金融庁は近く公表する2016事務年度(16年7月〜17年6月)の金融行政方針でこうした姿勢を示す。顧客利益を最優先に考えたサービスの提供で、結果的に金融機関も安定した顧客基盤や収益を確保できるとみる。

 一般に銀行は、投資信託など手数料収入につながる投資商品の販売や融資の増加目標を支店ごとに設定、営業職員にノルマを割り振り目標達成をめざす。ノルマが行きすぎると手数料の高い商品を勧めたり、企業に不要な借り入れを求めたりしかねない。

 そこで金融庁は行きすぎた営業がないか、常時銀行から事情を聞き取る。企業からのヒアリングの際にも銀行の営業姿勢を尋ねる。

 職員の業績評価の方法も検証。「融資を伸ばし、投資商品を多く売った人が単純に評価されるなら実効性は上がらない」(金融庁幹部)ためだ。検査・監督を通じ各行のノルマや評価体系が顧客本位の姿勢とかみ合っているか点検する。

 米ウェルズ・ファーゴの問題は国内金融機関にとっても対岸の火事でない。金融庁の森信親長官は銀行の経営姿勢について「ノルマで営業を縛り、高い販売手数料や顧客に見えにくいサヤを抜ける複雑な商品に傾斜してきた」と厳しくみる。

 金融庁は顧客利益を最優先にした業務運営を銀行に促している。銀行が今月から生命保険商品の販売で受け取る手数料を開示し始めたのも、透明性を高めて商品選びの判断材料を増やす狙いで金融庁が求めたものだ。

 かつての金融庁は保険金不払いなどの法令違反に厳しい姿勢で臨んできた。現在は法令違反がなくても、顧客利益より自前の利益を優先する銀行に目を光らせる。

 世界的な低金利や日本の人口減など銀行を取り巻く環境は厳しい。預金を集め国債で運用すれば利益が出る収益モデルは崩れている。顧客を向いた商売の重要性が増している。

もったいないもったいない 2016/11/16 01:51 毎日のエントリー、いろんな視点で面白く読ませていただいています。が、さすがにチェックし忘れる日もあり(アーカイブがあるので困りませんが)、むしろちょっともったいないとも思います。
戦車のようにエントリーを続ける姿と、ちょっと著作にしたらなぁなんて思ってしまいました。
文章で自分を綴る、って日記だけではないのですね。

2016-11-15 作家の感性。

[]SNSの理由。 SNSの理由。を含むブックマーク SNSの理由。のブックマークコメント

日経プロムナードより。

自分が回り道をしてしまうのは、この気持ちのせいだろうか。枝分かれした別の道の先を、引き返せなくなるぎりぎりのところまで確かめに行く。

「横道にそれる」というけれど、自分もそのタイプだ。
「崖から落ちるかも」と思うギリギリにまでは「確かめに行く」。自分で確かめないとなぜか気が済まない。
好奇心旺盛とも言えるが、「余計なことしい」の典型だ。
年とともに本当に「いらんこと」は段々しなくなってきたけれど性質は変わらない。

実際に見ることは叶(かな)わない未来を惜しみつつ、おそらくは本当に進みたいと思っている道へと戻ってくる。
でも戻ってきても、別の道を歩んでいる感覚が、体に残っている。
そして、知人の誰かや、メディアやSNSで知る誰かの今に、僕自身がそうであったかもしれない未来像を重ね合わせる。

以前からSNSってなんであんなに流行っているのだろう、と思っていたけれど上田さんの言うような「他人の体験の共有」が本当の目的なのかもしれない。

赤の他人ではない「友人」が旅行したりイベントに参加している体験に"いいね!"をすることで共有した気分になる。

自分がSNSから撤退してしまったのは、そんな「体験の膨張」が息苦しく感じてしまったからかもしれない。

それにしても作家というのは文章がうまい。
だから作家なのか。
自分が、作家に最も作家を感じる文章はこんな感じだ。

僕がそうしているように、誰かが僕の文章を読んで、その人の回り道の先に想像した風景と重ねてくれたなら、寂しさも少し和らぐような気がする。


(プロムナード)回り道 上田岳弘
 日常生活においてせっかちな関西人気質の僕だが、どういうわけか、物事の進め方が回りくどいと言われることがよくある。「考えなしに事にあたるから手順が悪いのだ」と評されることもあるが、自己分析してみると、それだけではないように思う。僕の場合、「本筋と思われるものとは、むしろ真逆のことをすべし!」という直感がはじめに働くのだ。

 人生設計にしても、作家になろうと思ったのは幼い頃のことなのだが、高校時代のコース選択では迷わず理数科に進んだ。本当は、どちらかというと文系科目の方が得意だったのだ。大学の学部選びも、文学ではなく法学を選んだ。大学に入ってからも、今のうちに経験しておこう、と営業職のバイトに明け暮れた。同じ時期に、何かを書きたい欲求を満たそうとして、まずは小説ではなく論考を書き始めた。デカルトマキャベリウェーバーの真似(まね)ごとをしたその論考のタイトルは、『鉄と法、座標と温度』。これを2万字まで書き進めたあたりで、何か腑(ふ)に落ちるものがあった。「最終的に小説家になる前に」という前提付きで他の方向に走ることをやめ、僕はようやく小説に取り掛かった。

 ライフワークとして取り組みたいことは小説だと、早くから気付いていた。それなのに僕は、「小説を書くことが向いていない」可能性をつぶすために、青春時代の大半を費やした。この性分は一体何なのか。我ながら、実に回りくどいと思う。

 回り道といえば回り道。でも僕はきっと、回り道するのが好きなのだと思う。目的地に向けてがむしゃらに進むのが大事な時期もある。しかし、到着を先延ばしにしてでも、捨てざるを得ない可能性を、その萌芽(ほうが)だけでもいいから味わいたい。僕は欲張りなのかもしれない。

 高校時代に理系に進んだ時は、研究者になって未(いま)だ解明されていない自然科学的真実の探求に精を出す将来を想像した。法学部の大教室の講義ではウトウトして、弁護士になって裁判示談のために折衝する夢を見た。営業のバイト中は、一般企業に就職して良い頃合いで結婚する自分を、論考を書き進めながら、文系の研究者になる自分をそれぞれ想像した。そうであったかもしれない未来たち。今のパターンしか選べなかったことがもどかしく、また寂しい。

 自分が回り道をしてしまうのは、この気持ちのせいだろうか。枝分かれした別の道の先を、引き返せなくなるぎりぎりのところまで確かめに行く。風の色や温度から、終着地の風景を想像する。実際に見ることは叶(かな)わない未来を惜しみつつ、おそらくは本当に進みたいと思っている道へと戻ってくる。でも戻ってきても、別の道を歩んでいる感覚が、体に残っている。そして、知人の誰かや、メディアやSNSで知る誰かの今に、僕自身がそうであったかもしれない未来像を重ね合わせる。

 「時があるのはすべてのことが一度に起こってしまわないよう、個があるのはすべてのことが一人に起こってしまわないよう」。そんな趣旨のことをある女性作家が書いていた。すべてのことが一時に一人に起こってしまったら、それは何もないのと同じことなのかもしれない。

 僕がそうしているように、誰かが僕の文章を読んで、その人の回り道の先に想像した風景と重ねてくれたなら、寂しさも少し和らぐような気がする。

つねさんつねさん 2016/11/28 15:00 こんにちは。
スペースお借り致します。

お友達がたくさん出来て、投稿に参加する度ごとに直筆のカード式のファンレターが3〜30枚以上届く文芸サークル(投稿雑誌)をやっています。
ネットでのやりとりも楽しいですが、ぬくもりが伝わるアナログでの活動は温かい気持ちになり、楽しさや幸せをより感じられます。
イラスト・詩・漫画・小説・エッセイなどジャンルを問わず何でも掲載しています。
月刊で150ページくらい。全国に約180人の会員さんがいます。
あなたがブログで発表している作品を雑誌に掲載してみませんか?
東京都内で集会も行っています。お友達や創作仲間作りにご活用下さい。

興味を持たれた方には、現在雑誌代と送料とも無料で最新号をプレゼントしています。
よろしかったらホームページだけでもご覧になって下さい。
ホームページにある申込フォームから簡単に最新号をご請求出来ます。
http://www2.tbb.t-com.ne.jp/hapine/

これからもブログの運営頑張って下さい。
失礼致しました。

2016-11-14 決済革命。

[]まず世界を制するものは。 まず世界を制するものは。を含むブックマーク まず世界を制するものは。のブックマークコメント

日経より。
アリババが東南アジアの「決済イニシアチブ」を取りに動いているという。
その競争は熾烈だ。
コンピュータが発展し始めてから、"決済"というのは常に話題の中心の一つだったけれど、「クレジットカードの時代」と今ではその規模が違う。

「電子決済」に雪崩を打って進む様子は、これまでの「現金」「通貨」「小切手」「手形」「クレジットカード」のような手段とは全く違う。

キャッシュが死んでしまう」くらいの"統一した決済の時代"になりそうだ。

「買う」と「支払う」と「運ぶ」がほぼ一体になる時代。

「より便利に」「より安全に」「より有利なレート」で支払える手段に利用は集中するのだろう。
今回の「決済革命」が最後とは到底思えないが、数百年に一度の大きな波が、ここにも来ていると思う。

アリババ、東南アで電子決済 タイCPと提携 ネット通販の基盤に

 中国電子商取引(EC)最大手、アリババ集団は1日、タイ最大財閥チャロン・ポカパン(CP)グループと電子決済分野で提携すると発表した。アリババの電子決済サービス「支付宝(アリペイ)」の東南アジアでの拡大を狙う。スマートフォンスマホ)普及で急成長が見込まれるアジアのネット通販市場の「財布」を握り、米アマゾン・ドット・コムなどとの激しい競争を勝ち抜く構えだ。

 「アリペイが使える店舗を増やすには、現地の有力パートナーとの協力が必要だ。10年間で世界で20億人の利用者を目指したい」。アリババ傘下の金融会社、●蟻金融服務(●はむしへんに馬、アント・フィナンシャル)の井賢棟・最高経営責任者(CEO)は1日、香港での提携記者会見でこう宣言した。

 会見にはアリババの馬雲(ジャック・マー)会長、CPグループのタニン・チャラワノン会長の両トップも出席。両社が提携にかける期待の高さを示した。アントはCP傘下のアセンドマネーの株式を取得する。保有割合や出資額は非公表だ。

■アリペイ普及へ

 狙いは東南アジア市場でのアリペイ普及だ。アセンドマネーは約70万人に電子決済サービスなどを提供。タイ国内では携帯電話料金や電気代、小売店での支払いに使われている。インドネシアフィリピンなど東南ア5カ国でも事業ライセンスを取得している。

 華人が多いタイは中国、韓国に次いでアリペイが使われている。CPがタイで展開するコンビニエンスストアセブンイレブン」約9000店でも導入済みだ。CPと組むことでタイを起点に、他の東南ア各国へのアリペイ普及を加速できると踏んだようだ。

 「決済はアント・フィナンシャルが手掛ける事業の中核だ」。米ゴールドマン・サックス出身のダグラス・フィーギン上席副社長はこう語り、将来は消費者ローンや保険商品の販売など、他の金融サービス提供にも意欲をみせた。一方、CPはアントとの提携により、アリペイが持つビッグデータを消費分析などに活用。売上高の4割を稼ぐ中国市場で商品開発や販売戦略を磨く。

 アリババがネット決済サービスの掌握を急ぐのは、海外EC市場で優位な立場を築くためだ。中国国内のネット通販市場で圧倒的なシェアを誇るアリババだが、売上高の9割近くを中国国内に依存。「内弁慶」の解消が課題となっている。

 アリババは今年4月、タイやシンガポール、インドネシアなど東南アジア6カ国でネット通販事業を手掛ける同業大手のラザダを計10億ドル(約1050億円)で買収。買収によって東南アジアでの足場固めに動いた。ただ、ラザダのように海外のネット通販企業を直接買収できる機会は限られる。そこで海外進出の「先遣隊」として注力するのが電子決済だ。

インドでも出資

 アントは昨年、インドの電子決済最大手「ペイティーエム(Paytm)」の運営会社にも出資した。日本では9月、関西国際空港成田空港と提携し、空港内の店舗や飲食店でアリペイを使えるようにした。9月末時点で「アリペイ」を使える海外の小売店や飲食店は世界70カ国・地域、8万事業者を超える。

 電子決済はネット通販だけでなく、コンビニでの買い物やタクシー配車など、あらゆる生活場面で存在感を高めている。中国で4億5千万人の利用者を抱えるアリペイをアジアへ水平展開することで、消費者の「電子の財布」を握り、ネット通販などのサービスに顧客を囲い込む戦略だ。

 アジアのネット通販市場の覇権を巡っては、アマゾンもインド市場などの開拓を急ぐ。地場EC企業も成長著しい。アリペイは昨年まで、中国国内のモバイル端末による決済市場で7割を超えるシェアを握っていたが、騰訊控股(テンセント)の電子決済サービス「微信支付(ウィーチャットペイ)」が猛追する。今回の提携劇はネット業界の変化の激しさを熟知するアリババの危機感の表れともいえそうだ。

(香港=粟井康夫、上海=小高航、バンコク=小野由香子)

2016-11-13 物流の近未来。

[]進んでみれば。 進んでみれば。を含むブックマーク 進んでみれば。のブックマークコメント

トヨタが本格的にスマホ自動車をつなぐという。
多分今年のニュースを集めてみれば「テクノロジー」の関連が目に見えて多いに違いない。
その中でも「自動運転」はキーワードだったと思う。

それにしても、もうスマホやクラウドとつながることが約束されたような自動車。
その将来は、無人の決められたエリアを、ひたすら安全に荷物や人を運ぶ「次世代車両運行システム」でしかなさそうな気がする。

つまり、人が運転を「主として楽しんでいた時代」は終わる。
未来には運転を楽しむ人はいても、「物流」は機会が担うものになるだろう。
もともと、それってふさわしい形だとも思う。

今はまさに過渡期だけれど、近距離・中距離の物流は自動運転車ができるようになるだろう。
人間の仕事はますます重要になる。

トヨタ、「つながる車」収益源に 米VBと提携

2016/11/2 0:26

 トヨタ自動車通信機能を備えた「コネクテッドカー(つながる車)」を新たな収益源に育てる。米国ベンチャー企業などと連携しスマートフォン(スマホ)を使ったドアロックの開閉装置といった独自製品やサービスを提供する。IT(情報技術)を使った自動車関連サービスは急速に普及しておりトヨタは通信機能を標準装備にして幅広い利用者を取り込む。

スマホでドアロックの開閉やエンジン始動ができる「スマートキーボックス(SKB)」は、カーシェア事業者がターゲット(1日、東京都江東区

 東京都内で1日、開いた「コネクテッド戦略説明会」で明らかにした。友山茂樹専務役員は「トヨタは車をつくって売る会社であると同時に、移動(サービス)を提供する会社になる」と述べ、事業領域を広げる方針を示した。

 トヨタは2020年までに日米で販売するほぼすべての乗用車に通信機能を標準搭載する。従来は高級車ブランド「レクサス」などに限っていたが、今後はトヨタ車にも搭載していく。年間400万台程度が対象になる見通しだ。

 まず今冬に発売するプラグインハイブリッド車(PHV)「プリウスPHV」を原則、通信対応にする。スマホのアプリを使い充電状態の確認や遠方からエアコンを操作できる。利用料は当初3年間は無料とし、4年目以降は年額1万2000円(税抜き)とする。

 つながる車を軸にした新たな事業を始める。米国で人気が高まっている個人間のカーシェアリングでは米ゲットアラウンドと提携した。カーシェアではキーの受け渡しが必要となるが、トヨタはスマホでドアロックやエンジンを操作できる装置を開発し、装置の提供で利用料を受け取る。

 ライドシェア(相乗り)大手の米ウーバーテクノロジーズとの提携では車の購入者が相乗りで稼いだ収入をローンの返済に充てる仕組みを12月に米国で試験導入する。

 コネクテッドカーは米ゼネラル・モーターズ(GM)やトヨタなどが00年前後から普及に取り組んできた。トヨタは世界の主要メーカーに先駆けて標準搭載を打ち出したが、通信機能を使った個人間のカーシェアではGM傘下の独オペルなど欧州勢が先行する。米国ではIT企業など異業種を巻き込んで、ネット接続を利用した新サービスの開発を競っている。

2016-11-12 良いものを見るからわかること。

[]高い値段のものでなくとも。 高い値段のものでなくとも。を含むブックマーク 高い値段のものでなくとも。のブックマークコメント

ファストフードばかりを食べていては、繊細な味覚に鈍くなるかもしれない。
仕事も同じで。
「質の悪い集団」にいるといつしか「そんなレベル」を普通だと思ってしまうのは、自分たちの幼少時の生活環境などを考えても容易に想像できる。

逆に「すごく優秀な人とか集団」に会うと、これまた自分とのギャップに驚き、嘆く。
さらには「その道の専門家と会う」と、その業界の深さとか、大変さとか、行き詰まりとかそんなものに触れることができる。
つくづく人との出会いは重要なものだと思う。

だから、どうせなら。
ぜひとも「その道の専門家」に会ったほうがいい。

必ずしも優秀群にいる人じゃなくてもいいけれど、「真面目にその業界で働いている人」じゃないと時間の無駄になることもある。

自分は飲み歩きが好きだが、料理人の「プロ」に出会って話を聞いているのがとても楽しい。
料理や食材についての考え方、調理法、値段のつけ方とか弟子に対しての姿勢とか。
その人の経営姿勢が、料理人は見えやすいのだと思う。
仕事のプロに出会って色々と教えてもらうのに比べれば、料理は正直だ。

一人前何万円もする店にはまず行かないけれど、料理って「その場で作ってその場で食べる」というあまりのシンプルさゆえに、最も手近で最も楽しい存在なのだと思う。
リタイアしたら料理に挑戦できるだろうか。

2016-11-11 2045年を探して(5)-AIとノラ・ジョーンズ。

[]AIが感動を作るかも。 AIが感動を作るかも。を含むブックマーク AIが感動を作るかも。のブックマークコメント

ノラが発売した新しいCDに収録する曲を調べたところ、AIは12曲中10曲が90%以上の確率でヒットするとの結果をはじき出した。

特殊な見識を持ったプロデューサーでなければ成しえなかった判断を、AIはある程度できているらしい。
ノラ・ジョーンズだけをとってみれば特殊だが、古今東西のヒット曲を並べてみて、

声質とか、
ビートとテンポとか、
楽器の編成とか、
詩とか、
そしてメロディーとか。

を解析してみればある程度の傾向は出るのかもしれない。

結局はプロのプロデューサーも、一般大衆である自分たちも「一体何に興味を持つのか」ということが科学されてしまえばそれまでである。

流行りの人々の関心を、完全に科学することはそんなに簡単ではない(未来予測みたいなものだろうし)だろうけれど、そこに「一定の法則」を見出せれば商業的には共通の公式が導けるかもしれない。

また一人の人間としても「そういう心の傾向が何に基づいているのか」を知ることは面白いことに違いない。

そんな意味でAIの分析は、ぜひ行き着くところまで突き詰めて、再び人間の心とか嗜好とか感性にフィードバックされて欲しいものだと思う。
自分たちの知らないことを、理論的に分かるようにしてもらえば、また「その先」が開けてくるものだから。


「ヒット確率90%」 AIが曲の売れ行き予測 2045年を探して(5)

 米国を代表するジャズシンガー、ノラ・ジョーンズと、同じく実力と人気を兼ねそろえたロックバンド、マルーン5。今や米音楽シーンを代表するこの2大アーティストには共通点がある。人工知能(AI)がヒットのきっかけ作りの一端を担ったことだ。

米ミュージック・エックスレイのマイク・マックレディCEOがつくったAIは、アーティストがつくった楽曲がどれだけ注目されるかをはじき出す(ニューヨーク市

 仕掛け人は、マイク・マックレディ氏。AIを使ったヒット分析を手掛けるベンチャー企業、ミュージック・エックスレイを立ち上げ最高経営責任者(CEO)に就任した。現在の会社を立ち上げる前、2002年ごろに、レコード会社の依頼で「楽曲をAIで分析した」と明かす。

 ノラが発売した新しいCDに収録する曲を調べたところ、AIは12曲中10曲が90%以上の確率でヒットするとの結果をはじき出した。出だしはそこそこの売れ行きだったが、この解析結果がメディアで報じられると注目が集まったこともあり、最終的には世界中で大ヒット。収録した「ドント・ノー・ホワイ」は彼女の出世作となった。

 マルーン5はそのころ、別のレコード会社が初のアルバムを出し、うち1曲をシングルにして売り出していた。しかし、マックレディ氏のAIがヒットすると判断したのはそれではなかった。会社はその曲もシングルとしてリリースした。すると、それまで鳴かず飛ばずだったアルバムがじわじわと売れ始め、ついに1000万枚超の大ヒットを記録。AIが選んだ「ディス・ラブ」は、今やマルーン5の代表作の1つだ。

 なぜAIは、これらの曲をヒットすると判断したのだろうか。マックレディ氏は「それこそ『ドント・ノー・ホワイ』。AIがそう判断した理由すべてがわかるわけではないんだ」と笑う。AIは、これまでにヒットした曲のメロディーやリズムのデータをもとに、販売促進費なども加味してヒットの確率をはじき出す。だが、どうしてAIがその結論に達したのかは、当のマックレディ氏にもわからないという。

 現在マックレディ氏はAIを使って、アーティストが製作した曲をヒットの可能性でランク付けするビジネスを展開している。「この曲ならプロデューサーが興味を持つだろう、といったことをAIが判断し、確率として提示するシステムを構築した」と話す。「誰も関心を持たない曲を前もって排除するフィルターだ」。

 アーティストがメジャーになるには、レコード会社などプロの助けが不可欠だ。だがプロたちには、アーティストたちがつくる大量の曲をすべて聴いている時間はない。マックレディ氏がつくったAIは、過去のヒット曲のメロディーやリズム、「オリエンタルな女性ボーカル」といったプロたちが登録した求める曲想を分析。26万5000人のアーティストが送ってくる曲と照らし合わせ、その曲に何割くらいのプロが関心を持つかを、数字ではじき出す。

 数字を見れば、アーティストには売り込みが成功する確率がわかり、プロの側は誰のどの音楽を優先して聴けばよいかがわかる。マックレディ氏はアーティストからの登録料などを得る仕組みだ。

 AIで楽曲作りそのものを手掛ける動きもある。「米国で活動するポップミュージックのグループ2つに、AIで作曲した曲を提供したことがあるよ」。カリフォルニア大学サンタ・クルーズ校のデビッド・コープ名誉教授はこう打ち明ける。

 80年代の後半、メロディーやコード進行などを記したリード・シートを、無償で約30種提供した。いわば楽曲の素材となるもので、すべて自身で開発したAIが作曲した。

 提供するとき、相手は提供先を明かさないとの契約を結ぶよう求めた。「グループ側も、聞き手の反発を恐れたのかもしれない。AIで作った音楽を、そう言わずに聴かせると、怒ってしまう人が多いから」。コープ教授は契約し、その後、グループ側とのやりとりは途絶えた。

 マックレディ氏も、AIが音楽を評価することへの反発はあると認める。精魂込めて作った楽曲を「プロは関心を持たない」と機械に一刀両断にされれば、怒りを感じる人も少なくない。「アーティストからの批判はある」という。

 これまで人間の専売特許と目されていた創造性の領域に、AIは入り込みつつある。音楽だけでなく、文学や美術にも、AIの進出は進んでいる。AIが新しい作品を生み、人を感動させることはあるのか。そのとき、人とAIとの関係はどう変わるのか。その将来像は、まだ見えない。(戸田健太郎)

かなりのファンかなりのファン 2016/11/12 00:44 いやーAIのシリーズ面白かったです。日経の記事も楽しませてもらいました。こうやって直に引用してもらうととても助かります。日経さんにしたら歯がゆいかもしれませんけれど。(笑)

2016-11-10 2045年を探して(4)-AIトップ。

[]その上の創造性。 その上の創造性。を含むブックマーク その上の創造性。のブックマークコメント

「私の業務上の対話の8割は置き換えられる」

あなたの(もちろん私の)仕事は、この問いに反論できるだろうか。

自分はかねがね「人間の仕事はどんどん部下が上司の仕事を食べていく」と思っていた。

これがAI代替されてもそれほど不思議はない。

だからこそ自分の仕事は「欠け替えのないもの」に昇華していく必要があるのだが、現実は「ルーティン業務」なんかが支配していて停滞気味だと思う。
経営者でもある自分に、AIアドバイザーが現れて「アナタノシゴトハ、ゼンブ代替可能です」となればそれは自分の仕事を反省せざるを得ないだろう。
そうした「自動化の恐怖」ってあるものだと思う。
けれど。

「トップにAIが就く日」。
もう会社の方針すらAIが判断できる日は、「ある局面」では案外早く訪れるのではないだろうか。
戦後の経営者のような「唯一無二の発露」を除けば、あとは割合"合理的な製造と販売の積み重ね"で成功する会社も多いような気もするのだ。

つまり。
逆説的には「機械なんかには逆立ちしたってできない」ようなクリエイティヴなことを、残念ながら自分たちは目指さねばならないらしい。
その「逆立ち」すら真似されるかもしれない恐怖をバネに、発揮することこそ「これからの創造性」ということだろうか。

これからの自分たちには、いくらでも「高いハードル」が待っている。


使うか使われるか 公平な新部長の素顔は 2045年を探して(4)

 米首都ワシントン。大手法律事務所コビントン&バーリングのエドワードリッピ弁護士は最近、大きな案件ではほぼすべて人工知能(AI)を活用する。ちゃんとAIを使ってください――。資料や証拠が整理されていないと、判事から指導されるからだ。

AI搭載ロボット「ベティ」は部長として企業に送り込まれるために進化中

 米国では弁護士の主要作業の一つ、証拠集めはAIが主役だ。メールなど膨大なデータから学習しながら必要な情報を探す。若手弁護士の仕事だったが今はAIに探したい証拠の特徴を教えるだけ。リッピー氏は「弁護士費用削減で顧客への請求額を2割強減らせた」。

 この事務所では所員教育の柱の一つをAIとした。昇進にはAIを使いこなすことが求められる。AIが代替する弁護士業務もこれから増えていくだろう。AIを操れない人はAIに淘汰される厳しい時代に入った。

■空気読まず評価

 あなたの職場にもいずれAIが「社員」としてやってくる。ロンドン北西のミルトンキーンズ。交通システムのトランスポート・システムズ・カタパルトがAIロボット「ベティ」を部長見習いとして採用した。社内を巡回しカメラで人や備品の配置を学習。残業や備品状況をチェックする。

 6月に導入した際、社員は「これで仕事が楽になる」と声をあげたが、歓迎ムードはいつまで続くかわからない。開発したバーミンガム大学のニック・ハウエス准教授は社員の働き方を見極め「いずれ部下の辞令も出してもらう」と明かす。「AIは空気を読まず公正に人事評価できる」と有能さを強調する。AIを使っていると思っていたら、いつの間にか使われる側にまわっている。

■社長も代替可能

 トップにAIが就くかもしれない。IT(情報技術)ベンチャーオルツ東京江東)の米倉千貴社長。自身の対話や表情、癖をまねた3DのAI社長を開発中だ。「私の業務上の対話の8割は置き換えられる」

 きっかけは2年半前。「社員の処遇はどうしましょうか」。日中は部下からの問い合わせへの対応に追われ事業企画に費やせるのは夜中だけ。そこで米倉氏は部下のメールにいくつかのパターンで自動返信する仕組みを開発。「部下は気づかずにメールの指示に従った」。高度な決断が求められる社長業だが多くは代替可能と気づいた。

 AI時代に雇用は減るのか。未来学者のポール・サフォー米スタンフォード大学教授は言う。「機械は人間の仕事を壊したが新しい仕事も生み出した。AIも同じだ」

 19世紀産業革命に沸く英国では手工業職人が織機を壊す「ラッダイト運動」が広がった。仕事を奪う機械への抵抗だ。だが英国はインドより安く綿織物を作れるようになり綿工業が発展。1839年の1人当たり国内総生産(GDP)は1750年より4割以上増加して雇用も増えた。流れる水は高きに戻せない。いかに使う側であり続けるかを考えた方がいい。

ラブ子ラブ子 2016/11/10 00:52 すごいですねえ。毎日。
ちょっとオタクな男らしさを感じてしまいました。
バックナンバーもどんどん読ませてもらっています。

2016-11-09 2045年を探して(3)-ノーベル賞とAI。

[]知性と命の差は。 知性と命の差は。を含むブックマーク 知性と命の差は。のブックマークコメント

人にとって替わるAIと、人の最先端の創造であるノーベル賞が、案外直接に関わってしまうかもしれない、という記事。

AIが進化した時代の人間の存在価値は何なのかという問題を突きつける。

創造性とは一体何か、という問題に真正面から関わってくる問いかけだ。

ひらめきや偶然が生み出す人の大発見に対しAIは圧倒的なスピードと量で挑む。

そうすると「ひらめき」とか「偶然」とかそもそも「創造の中身」ってなんだろうと思わざるを得ない。
美しく、人間たちが思っていた創作とか創造ということは、実は「偶然の掛け合わせの産物」ではなかったか?とか。
案外「理屈と分類」の掛け算ではなかったのか?
というようなことを、人は改めて自問することになるのではないだろうか。

それにしても

「大量に発表される論文を読み込み超高速で膨大な仮説を作成し、繰り返し検証を続けること」

というのはもはやデータ処理の域を超えていると思う。
「一定の知識を蓄積すれ」ば、「その後の推論ができる」というのは「ある種の知性」というべきではないだろうか。
"知性と命"は別物だと思うが、命はともかく「知性」はITの世界に存在出来そうな感じがする。


ノーベル賞が消える日 好奇心保てるか 2045年を探して(3)

 宇宙は何からできているのか。哲学者デモクリトスらが「原子論」を唱えた古代ギリシャ時代から人類は答えを追い求めてきた。最大のナゾに人工知能(AI)が迫ろうとしている。

暗黒物質が見つかればノーベル賞確実というピエリーニ氏

 スイスジュネーブ郊外の欧州合同原子核研究機関(CERN)。AIを使って宇宙の3割を占めるとされる暗黒物質の検出を目指す。マウリツィオ・ピエリーニ研究員は「見つかればノーベル賞確実」と言う。一周27キロメートルの円形加速器で宇宙誕生の瞬間「ビッグバン」を再現し、AIが画像認識であぶり出す。

■離れない不安

 だが、プロジェクトを率いるウラジミール・グリゴロフ氏はある心配が離れない。

 「結果までの過程がわからないことに抵抗する人がいるだろう」。AIが導く結論は途中の計算が複雑すぎて人が理由を後から明らかにするのが難しい。AIが生む「新たなブラックボックス」とも呼ばれる。

 ノーベル賞級の成果をあげても発明ストーリーを語れるのは人間ではなくAI。人知の最高峰であるノーベル賞でAIに主導権を握られたら、人間は研究に情熱を持ち続けられるのか。CERNで巻き起こる議論は、AIが進化した時代の人間の存在価値は何なのかという問題を突きつける。

 いっそAI自身にノーベル賞を受賞させようと動き出した人たちもいる。ソニーコンピュータサイエンス研究所の北野宏明社長が中心となり進める日米欧のプロジェクト。今世紀半ばまでの受賞が目標だ。

 北野氏に勝算はある。AIの強みは「大量に発表される論文を読み込み超高速で膨大な仮説を作成し、繰り返し検証を続けること」。ひらめきや偶然が生み出す人の大発見に対しAIは圧倒的なスピードと量で挑む。

 メンバーの一人が英マンチェスター大学のロス・キング教授。自分が開発したAIロボット「Eve(イブ)」に乳がんメカニズムの解明を託す。Eveは1万5000本の論文や症例データを勉強中で来年にも論文を出す。「ノーベル賞? 時期はわからないがもちろんとれると思う」とキング氏は真顔で語る。

■人間の力探す旅

 「20XX年のノーベル賞はAIが独占」。そんな日がやってきたら。

 宇宙物理学者で名古屋大学名誉教授の池内了氏は「人間が本来持つ能力が衰える」とみる。人類は自動車や飛行機をつくり、行動範囲を飛躍的に広げた。一方で、文明が進んだ国ほど足が弱くなるといった問題が深刻になり、米国では肥満が広がった。肉体で起こったことが頭脳でも繰り返されかねない。

 アインシュタインは「人の持つ最も美しく深遠なものは神秘的なナゾへの感覚」という言葉を残した。AIが人知を超えてもナゾを解明したいという好奇心に優劣はない。AIが持ち得ない人間の力は何かを探す旅が始まろうとしている。

2016-11-08 2045年を探して(2)-AIと専門家。

[]専門家構造改革専門家の構造改革。を含むブックマーク 専門家の構造改革。のブックマークコメント

日経より。
少し前にいろんな専門家が予想したこと(当時は"AI"ではなく"コンピュータ"という表現だったが)が実現に向けて加速している。
弁護士など専門家の仕事は「チップ一つで代替できる」」という話は徐々に真剣味を帯びてきているようだ。

とは言っても、一足飛びに専門家の判断が必要なくなる、ということではなく「まずは情報の編集作業はAIが主流になるだろう」というものだ。

これなら納得がいく。
ただのexcelでは、予め設定しない「関係性」を自動的に抽出してはくれないから、まずAIは有能な秘書になるのに違いない。

さらに監査法人(CPA)になると、対象となる会計データの部分に絞れるために、AIが担当できる範囲は相当広いことも予想できる。
そう考えると、自分たちは改めて「自分(人間)でなければ出来ない仕事って何だろう?」ということを改めて正面から考えなければならない。

案外、どれほどのものがあるのか。
ちょっと不安だがワクワクする。


弁護士や会計士、AIが変える働き方 2045年を探して(2)

 弁護士や会計士など、知識と経験で勝負する専門家の仕事をも、人工知能(AI)は変えつつある。膨大な文書から訴訟に関係のある証拠を探すのは、人間よりAIの方が得意だ。AIができることはAIに任せ、人間は人間でないとできない仕事に注力しようという動きが広がっている。

法律事務所ベーカー&ホステトラーの図書室には人の気配がない(ワシントン市

 ワシントン市内にある高層ビルにある大手法律事務所、ベーカー&ホステトラーは、高級ホテルのロビーを思わせる受付の先に、判例集や論文を揃えた自前の図書室を備えている。だが、そこに人の気配はない。「最近、若い弁護士がここにいるのを見たことがない。私が若い頃には通い詰めたものだが」。パートナーのギルバート・ケテルタス弁護士は話す。

 同事務所は3〜4年前、AIを利用したシステムを導入した。訴訟のために、大量のメールや文書などから必要な証拠物を探し出す。かつては若い弁護士が図書室に泊まり込んでやっていた仕事だが、AIが肩代わりした。

 システムを提供したのは、データ解析を手掛けるフロンテオだ。同社の白井喜勝執行役員は、2013年ごろ、米国判事の「AIに対する考え方が、『使っても良い』から『使った方が良い』に変わった」と指摘する。

大手法律事務所ベーカー&ホステトラーのパートナー、ギルバート・ケテルタス弁護士

 判事が公判の日時を指定しても、それまでに弁護士の証拠整理が間に合わなければ、繰り延べざるを得ない。延期が頻発すれば、ただでさえパンク気味の米国の裁判所にとって大きな負担となる。「それは避けてほしいという意思のあらわれ」(白井執行役員)だという。

 米国では、弁護士は二極化しているといわれる。法廷で高度な弁論を闘わせる弁護士と、下調べに相当する証拠物件の解析作業などを専門とする弁護士だ。収入にも格差があり、「AIの登場でさらに広がるかもしれない」とある弁護士は肩をすくめる。

 弁護士だけではない。昨年末、東芝の不正を防げなかったとして金融庁から行政処分を受けた新日本監査法人は、AIを導入することで、ビジネスの構造を変えつつある。

 これまで会計士が担っていた財務諸表のチェックなど、比較的単純な作業はAIに任せる。会計士は顧客企業の経営者に話を聞いて財務上の課題を指摘するなど、コンサルティング的な業務を主に担う。

 顧客企業の事業の本質を理解できるスキルを身につけるため、東京大学大学院の教授を招いての講演など、新しい研修プログラムを導入し、改革を急いでいる。不祥事は同社への信頼を大きく揺るがしたが、ビジネスの構造を大幅に変えることで生き残りをはかる。

 AIは、多くの人の働き方を急速に変えつつある。人間はより人間らしい、人間でないとできない仕事を求められるようになるだろう。だが「人間でないとできない」と言い切れる仕事が、今後も次第に減っていくことも間違いない。(戸田健太郎)