藤野の散文-私の暗黙知-

毎日の中での気付きについて書いています

結論は事前にはない。

子供を望まない独身者が増えているという。
これから絶対に配偶者とか子供が欲しい(親は後からは作りにくいし)、という人もいるだろうけれど、どうもいきなり「あなたは将来どうしますか?」という紋切り型のアンケートに違和感を覚える。

これからいい人と出会えば付き合ったり結婚したりするかもしれないし、いい仕事に出会ったらそっちに行くかもしれない。
田舎に帰るかもしれないし外国に行くかもしれない。
そこそこ年を取ったって「先のこと」なんて仮定の話でしかないだろう。
メディアがいつも「結婚願望は」とか「将来の計画は」とか「老後の暮らしについて」と"結果ばかり"を訪ねて囃し立てるのはいかがなものだろうか。

結果をイメージしておくことは準備としてとても大事なことだけれど、徒(いたずら)に「あなたはどうするの?」と聞かれては鬱陶しいばかりである。

「これからの人生はこんな方向で」という考えと、日々の価値観は「こうした方針で」というものが織り合わさったものが人生の過程である。

全く想像していないわけではないけれど、「子供はいるの?要らないの?」とか「老後の貯金はできている?」と大人たちがわざわざ質問し、「ほら、若者がロクな将来像が描けていないのは、今の世の中のせいだぞ!」ということが目的だと思えてならない。

独身志向者が増えている、というのはそれだけ選択の自由も増えている、とも考えられる。
表面的な調査で「非正規雇用が増えているからだ」などと一面的に捉えてみても意味はないのではないだろうか。
どうせなら今の高齢者層に様々なアンケートを網羅した方が、今の国民心理をよく把握できるのではないだろうか。

「子どもいらない」独身の若者、増える傾向 厚労省調査

子どもを望まない独身の若者が10年間で増えている。厚生労働省が若者を対象に実施した調査で、2013年は希望する子どもの数を「0人」と答えた人が独身男性の15・8%、独身女性の11・6%。03年調査では独身男性が8・6%、独身女性が7・2%で、いずれも数ポイント上昇した。

 厚労省が実施した「21世紀成年者縦断調査」で明らかになった。03年は調査当時21〜30歳だった1万820人の回答。13年も調査当時21〜30歳だった1万2284人の回答を集計した。同じ質問をして、10年間での若者の意識の変化を分析。厚労省が15日に結果を発表した。

 子どもを望まない独身者が増えた一方、既婚者は逆の傾向にある。03年調査で既婚者のうち「3人以上」の子どもを希望する男性は31・4%、女性は30・4%だったが、13年調査で男性は46・2%、女性は47・4%にそれぞれ増えた。

 厚労省世帯統計室の担当者は「独身で子どもを望まない比率が高まったのは、非正規雇用の広がりや結婚を望まない人の割合が増えていることなど、複合的な要因が影響したと考えられる」と話している。(久永隆一)