歴史を少しでも勉強すれば、多数が支持したことが後々考えても正しかったということは、例外的だと分かります。「市場経済における多数派が常に正しい。今人気のあるものがいいものなんだ」と言うなら、経営者は要らない。実際には、需要の多くは、長く続かないバブルなのです。
この本の内容が5年前と全く変わっていないのには正直驚く。
コロナ禍の影響も小さくはないと思うが、むしろ著者が警告している供給過剰は加速しているように見える。
すでに湯沢町(新潟県)では「立ち腐れ超高層」と言われるマンションが数多く増えている、とあるがその様子はますます加速しているようだ。
さらに「多数が支持している都心」はどうなるのだろうかと思うと、生涯年収に匹敵するような価格の集合住宅の価値は、そう遠くないうちに収束するのではないだろうか。
不動産業者はまさに「売り逃げのスタイル」を隠そうともしないけれど、自分たちは「高齢化」とか「空き家率」について冷静な目でいる必要があるだろう。
現に自分の周囲を見回しても「人より家の数が多い人」はかなり目立つ。
多数の支持より自分の支持を考えよう。