リンドバーグ、ノルディック管弦楽団 +アントンセン+今川映美子

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東京オペラシティー・コンサートホールでのノルディック管弦楽団の公演が終了しました。
多くの若いお客さんがおしかけてくれました。
「クラシックのコンサートがこんなだったら、この先も業界が明るいなー」と
思います。でも、クラシック通のかたもかなり来場頂いてとても良い雰囲気
でした。ちゃんと「最後の音の余韻まで聴ける素晴らしい耳と感性をもった」
素晴らしいお客様達でした。 有り難うございました。
よくいるんですよ、終わりの音の余韻の静寂をぶち壊す無神経と無感性の持ち主が...。


クリスチャンのトロンボーンによりラーショントロンボーン協奏曲で始まり、一気に雰囲気を盛り上げます。まるで、まるで歌い手の様に奏でるフレーズは流石です。大拍手に何度か出入りをしたあと、これまたクリスチャンらしく派手ないでたちでの指揮者姿!これも明るくて全く彼らしい流儀です。アントンセンの演奏によるリンドバーグ作曲のトランペットコンチェルト。これがまた圧巻でした。まさにアントンセンのために書かれたパッセージと音域は、聴衆を古来の協奏曲の概念を根底から変える素晴らしい演奏でした。アンコールのノルウェー民謡をアントンセンが自らアレンジした曲は、あまりにも美しく、その水を打ったような静寂と緊張感は観客を一体にしました。
今川映美子もメンデルスゾーンの第2番の協奏曲も1・3楽章は終始早いパッセージの派手な曲で、彼女の手のうちに修まっており好演でした。
休憩後のシベリウス即興曲に続き、ベト7は、これまた名演。音楽が生き生きとして、個々のセクションのバランスも素晴らしく、新たにベト7の魅力を再発見させてくれました。
終演後のサイン会は、何と幾重にも蛇行した長蛇の列!!300人以上は居たでしょう。

それにしても、今夜の演奏、いや、このオーケストラとリンドバーグの意思の通じあいは見事なものがあります。
様々な無機質な演奏を披露する今日の音楽界のなかで、今晩のような演奏をしてくれる団体がもっともっと増えたら、
きっとクラシック音楽を心から好きになる人たちが、増えること間違いありません。
音が奇麗にならんだ消極的演奏から一歩進んで、それに加えてドラマを創り出すのが音学家、アーチスト、芸術家の仕事です。そこまで到達しようとしない、あるいは欲求を持っていない演奏家はコンサートで自分の恥を知るべきでしょう。
皆で素敵な音楽家を探す旅をしましょう!音楽は尽きることの無い一生の財産になりますよ。
クリスチャン・リンドバーグの日本での指揮者デビューは大成功と言っていいでしょう。
来年は日本のオーケストラと協奏曲の予定があります。
また、アントンセンもリサイタルの予定があります。