シー・ノー・イーヴル 肉鉤のいけにえ

ケインがダイナミックに人を殺しまくって目ん玉をくりぬくダイナミック・アクション巨編。映画とはこうでなくてはいかん。映画とはこうあるべきだ。
つーかまあ出来は水準以上ではあるんだけどケインがケインにしか見えないのはある意味この映画の最大の弱点というか。というかケインにしか見えないというより、単なる大きい人にしか見えないというか。レザーフェイスやジェイソンやピエロや案山子男に比べると、いかにケインといえどもほぼノーメイクでは単なる体の大きい貧乏人にしか見えなくてキャラがいまいち弱い。ケインの表情の多彩さについて監督がメイキングで絶賛していたが、確かにそれはそうだがホラー映画の殺人マシーンだと逆に多彩な表情が見えると恐怖感が薄れるということも。「ジェイコブはジェイソンやフレディと違って、生きた人間だから怖いんだ」とケインが語っていたがそれは若干解釈のずれというか、いまどきホラー映画に恐怖を求めている人がいるのかという話で。いやいるのか。おれが狂っているだけの話か。
監督はポルノ映画→MTV出身の人で映像はいかにもMTVっぽいけど悪くはない。タイトルにもなっている「肉鉤」はインパクト抜群の新兵器だが劇中では2回くらいしか使わないのが残念。最初の方で捕まった女の子が最後まで生き残るとか、どうでもよさそうな奴が最後の方まで生き残るとか、重要そうな人が最初の方でいきなり殺されるとか展開もけっこう凝っている。
最後ケイン(ジェイコブ)が相当豪快でダイナミックな死にざまを見せるし、生き残り連中の会話もなんかいい。最後の最後まで楽しませてくれる力作。続編で生き返って本物の怪物化したケイン(ジェイコブ)の暴れ方が今から楽しみかもしれない。
あと特典映像でケインのWWE登場時の映像が見れるのはありがたいサービスだ。ありがたいありがたい。
爆笑度 ☆☆☆
バイオレンス度 ☆☆☆☆☆
発狂度 ☆☆☆
怪奇度 ☆☆☆☆
男泣き度 ☆☆☆