MY ONE AND ONLY LOVE

4月の曲でTake2。人恋しい夜にはこんな曲を(以前の分はこちら)。


MY ONE AND ONLY LOVE
1952(Robert Mellin / Guy Wood) Main Gazane


The very thought of you makes my heart sing
Like an April breeze on the wings of spring


君のこと思うと僕の心が歌い始めるよ
四月の風が春の翼を羽撃かせるように
すると君の姿が思い浮かんでくるんだ
君は、僕の愛する、たった一人のひと


夕闇が迫り不思議な魔法に包まれると
夜は声を潜めて、君はこの僕の腕の中
ただ感じる、君の唇の優しい温もりを
君は、僕の愛する、たった一人のひと


君の手が触れると天国にいるみたいだ
こんな気持ち、今まで知らずにいたよ
「囁いてほしい、君は僕のもの、と」
僕がそう呟くたび君は頬を染めていく


この焦がれる想いを充たすのは君だけ
キスするたび僕の魂は炎で燃え上がり
身も心も、甘美な恋に占領されていく
君は、僕の愛する、たった一人のひと


「春の風に君を想う。すると君を間近に感じる。本当に僕が好きなのは君だけなんだな」。そういう内容の歌ですが、きっと片想いですね。なにしろ「今まで知らずにいた」だから。想えば想うほど、君に心を奪われていく。「ああ、春の夜が僕をこんな気分にさせるんだろうか」。いえいえ、普通そこまで妄想しません。誰か、この人を止めてやってください。
邦題『ただひとつの恋』。もとは1947年にガイ・ウッドが作曲した「Music from Beyond the Moon」という曲。ヴィック・ダモーンが歌ったもののヒットしなかった。1952年ロバート・メリンが詩を書き換え、翌年シナトラがレコード化したところ、ヒットチャート28位になっている。メロディも良いんだけど、歌詞の力が大きいのかな。

1997年のモントルー・ジャズ・フェスティヴァルで。ジョシュアの甘いサックス。


Now He Sings Now He Sobs
Now He Sings Now He SobsChick Corea

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starアルバムの出来は☆☆☆☆☆ですが・・・
starピアノ・トリオの最高峰
star幻惑される

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リターン・トゥ・フォーエヴァーを結成する前のチック・コリア。1968年。若さがある。インスピレーションがある。40年の前の作品とは思えない、前衛性がみなぎっています。「ただひとつの恋」も甘くはないんです。激流のように鍵盤を叩いています。


Love Songs
Love SongsDiane Schuur

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starJazz vocal
star粋な歌い方にうっとり

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マイケル・ジャクソンホイットニー・ヒューストンのサックスを担当したトム・スコット。LAエクスプレスのリーダーでグラミー賞も3回受賞。これはその彼が手掛けたアルバムです。ボーカルに盲目のジャズ・シンガー、ダイアン・シューアを起用。1993年。スタンダードの数々に美しいオーケストラのアレンジを付けています。豪華な片想い。


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Born to Be BlueGrant Green

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starデータです

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1962年のグラント・グリーン。サックスにアイク・ケベック、ピアノにソニー・クラークが参加。当時のビバップの最高峰が集まっています。「ただひとつの恋」は、物思いにふけるグリーンのギターが聴きどころ。とてもブルージー


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四月の風はパリに吹く。しかもそこにヴァイオリンの音色が流れてきたら最高だと思いませんか。ステファン・グラペリ65歳の誕生日に、オスカー・ピーターソンがゲストで参加しています。ベースがニルス・ペデルセン、ドラムがケニー・クラーク。優雅に舞うグラペリのヴァイオリン。9分半の熱演です。