DAYDREAM

眠いなあ、眠い。冬眠の次は春眠か。

DAYDREAM
1941(John La Touche / Billy Strayhorn) Hinda Hoffman

Day dream,
Why do you haunt me so?

変な感じ、地面に足がついていない
何もかも作り物のように見えてくる
あの人が傍からいなくなっただけで

白昼夢よ、なぜに私に取り憑くの？
薔薇色の光が拓けて、その奥深くに
愛しい人の顔が浮かび上がってくる

歩くと身体が虚空にふわりと浮かび
しかも目の前に大きな城が姿を現す
あの人と一緒に暮らすためのお城が

時間なんて分からない、ああ神さま
頭がクラクラして、ぼんやりします
お日さまは昇ってるのに、空は霞み
私は月影のように淡く漂っています

でもこの夢は誰にも壊されたくない
今、あの人も、この私と同じように
白昼夢を過ごしていると知るまでは

急性白昼夢症候群。スプリング・フィーバーの一種ですね。春になるとよくある奴です。ちょっと微熱が続く。花粉が増えるからでしょう。睡眠不足もあるかもしれません。惑星の配列も関係ありますね。とくに月の影響は大です。重力が乱れてふわふわする。お薬出しておきますね。お知り合いに同じ症状の人がいる？　それはそれは、お大事に。
1940年エリントン楽団がヨーロッパ・ツアーをしたとき、ビリー・ストレイホーンはニューヨークに残り作曲に専念していた。そのとき、エリントンの息子マーサーがジュリアード音楽院でクラスメイトとバンドを組むことになる。そこでストレイホーンがプレゼントしたのがこの曲。翌年帰国したエリントンが気に入り、楽団のレパートリーにした。初めはエリントン名義で出版されたが、マーサーが楽譜出版社に抗議。作曲者としてストレイホーンも加えられた。最初のレコード化も、エリントンはピアノを彼に譲っている。影武者に徹していたストレイホーンの名は、このときから世に知られるようになった。

Introducing Alma
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1992年ユーゴスラビア解体後コソボ紛争に到ったセルビア。そのセルビアから2000年ニューヨークに亡命し、音楽活動を経てアルマ・ミチッチは市民権を得た。2004年デビュー・アルバム。ぶれない実力派の歌唱力。でも、どこか醒めている。彼女の目にはアメリカの繁栄も、嘘くさい「白昼夢」に見えるんじゃないだろうか。
http://www.almajazz.com/

Soprano Sax
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フリー・ジャズにソプラノ・サックスを持ち込んだ張本人スティーヴ・レイシー。 1950年代セシル・テイラー・グループの中心的人物ですが、その1957年ソロ・デビュー作。フリーとはいえ、メリハリがあります。「デイ・ドリーム」。即興で紡ぎ合わせる幻想的な世界。

Late Night Jazz Favorites
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ハービー・ハンコックがマイルス・グループに属しながら、フュージョンを模索した1960年代後半。その頃の実験的な作品を集めたアルバムです。ジム・ホールやフレディ・ハバード、ロン・カーター、ジョー・ヘンダーソン。集まってるメンバーも凄いけど、それだけ当時のジャズに閉塞感があったということ。俺たちには夢がある。そういう変革期の「デイ・ドリーム」。都会的でアヴァンギャルドな演奏。こんなオシャレな路線を示しておいて、なんでその後「ヘッド・ハンターズ」になっちゃうんでしょうねぇ。

Bright Mississippi
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そして現代。ニューオリンズの伝説的な編曲家アラン・トゥーサンが手掛けた2009年スタンダード集。ジョシュア・レッドマンがサックスで、ブラッド・メルドーがピアノ。ギターにマーク・リボーを起用。こんな個性派を集め、エリントンやモンクの楽曲に挑戦しています。「デイ・ドリーム」はトゥーサン自身のピアノに、ジョシュアがメロディを吹くだけ。でもトゥーサンの演奏が、ブルースでもジャズでもない、不思議な密度なのです。夕暮れを思わせる、逢魔時の白昼夢。
http://www.allentoussaint.com/