モブログでMarkdownって使えるものなの?(その10:水平線)

すーいーへーいーせーんのかなたにわぁわわわぁ〜♪


もはや水平線ではない

<hr>−HTML5タグリファレンス
<hr>タグは、段落レベルのテーマの区切り、セクション内における話題の区切りを表す際に使用します。 例えば、物語におけるシーンの変わり目や、参考書のセクション内で別の話題に移る箇所などです。セクション...
hrタグ。「水平線」だと思っていました。HTML5で定義が変わっています。「話題の区切り」を示すタグになってます。HTMLタグは文章構造を示すものであって、レイアウトの指定ではない。レイアウトは全部cssに任せる方針。だからHTML5では、hrタグのような、明らかにレイアウト系のタグは存亡の危機に立たされていたのです。なかなか肩身が狭い。


Context Breaks | XHTML Content Documents | EPUB 3 Accessibility Guidelines
Main / XHTML Content Documents / Context BreaksA context break represents a shift in thought, time, ...
「話題の区切り」という新しい意味づけによって、使われ方が変わります。電子書籍ePub形式では、hrタグを「時間や場所、思考が変わったことを示す」と定義しています。場合によっては「改ページ」として利用する。電子書籍ならではの読み替えがされます。


閑話休題に線を引く

モブログでは「少し時間をおいて考えてみた」という表現に使えますね。間が空いたところに線を引く。Markdownでの記法は簡単です。「-」か「*」か「_」。いずれかを3つ以上並べる。間にスペースがあっても構わない。混在も可能。妙にリキが入ってしまう。

---

** ** ** **

-_-_- *-*-* -_-_-

どんなに凝っても、結果は同じ。






どんな線を引くかはcssでデザインすることが前提。HTML5の啓蒙サイトHTML5Doctorでは、花紋のようなマークを使う方法が載ってます。やりすぎです。

  • The small & hr elements | HTML5 Doctor

  • 矛盾を秘めたMarkdown

    Daring Fireball: Markdown Basics
    By JOHN GRUBEROur servers, your future business - Bitbucket offers code collaboration for growing te...
    Markdownって単純な体系なのに、一貫性がない。hrタグの「---」。見出し化するのにも使われます。Markdownの提唱者ジョン・グルーバーのサイトを読んでみると:


    レベル2のタイトル

                              • -

    こういう使われ方が載っています。

    レベル2のタイトル

    どうやら初期の見出しは2通りだったらしい。タイトルの下に「===」を引くのと「---」を引くの。この2つで区別する記法だった。そこから発展してきたけれど、あえて残してあるようです。タイトルに何も付けず、その下に「---」を引くと、見出しにはならず、水平線として扱われる。すると、hrタグは「名無しの見出し」から発展したのだろうか。


    仕様という名のガベージコレクション

    体系内の不具合を「仕様」として回収する。Markdownにも歴史があり、発展の中で矛盾が生じたとき、もっともらしい辻褄合わせをしてきた。そんな「過去」があるのかも知れません。初めから秩序立った体系が出来ることは稀です。「水平線」にはその傷痕が残されている。そうした観点で今一度「水平線」を考えると、なるほど、残りの2つの記号も曰くありげです。「***」と「___」。どちらも強調を表すMarkdownではないですか。

    **  **
    __  __

    もし「水平線」に変換しないとしたら「空白の強調」になります。「太字の空白」という、不思議なものが表示されるはず。Markdownはこれを嫌ったらしい。
    なぜ嫌っているか? それは、これを許すと、空行を入れることが可能になるからです。何も無い行を作り出せる。そう考えると「名無しの見出し」である「---」が水平線なのも分かりますね。これも空行を生み出すから。Markdownは、意図的に空行を挟む方法を禁じ手にしています。疑わしい記法は水平線に置き換える。それを「仕様」と呼ぶことで。


    まとめ

    モブログをしていて不思議なのは、Markdownで連続した空行が作れないことです。どうやら「禁じ手」だった。排他的な「空行狩り」の思想が見え隠れします。それは「空白」に価値を置かない体系だからでしょうか。「無」を情報として認めない? いやいや、おかしい。むしろ原文の段階では積極的に空白に価値を置いています。リストも引用も空行で区切った範囲を対象としている。じゃあ逆に、うっかり「機能としての空行」が「表現としての空行」と入り混じることを回避する狙いなのだろうか。どうも腑に落ちない。

    実際、モブログで空行を入れるなら「<br>」を使ってください。グルーバーのサイトにもあるように「HTMLに置き換わるものではない」です。HTMLタグで表現できるなら、それはHTMLのまま使えばいい。書きやすさと読みやすさのためにMarkdownがある。