丸ビルに玉三郎出現?


東京・丸の内の丸ビルに、大きな玉三郎さんが現れました。道行くサラ
リーマンも思わず足を止めています。
写真家・篠山紀信さんが37年間にわたり追い続けた玉三郎さんの姿を
収めた写真集「五代目坂東玉三郎」講談社)の出版記念写真展でした。



助六」の揚巻、「壇浦兜軍記」の阿古屋、「桜姫東文章」の桜姫、
天守物語」の富姫…玉三郎の当たり役が、美しく肉迫する写真ばかり
です。特にその豪奢な衣裳は、細かい細工までが浮き立っています。
刺繍の見事なこと・・・


従来の市販されているフィルムで一番大きい「8×10」で撮影した
「揚巻」を見てください。玉三郎という人物だけでなく、伝統的な
織物の質感、ディテールも精密に再現しています。拡大してバナーで
吊して展示しても、まったく同一のクオリティのまま、スケールアップ
して見る人に伝えることができる「写真の力」というか「写真じゃな
くちゃ!」というものを感じてもらいたいですね。


丸ビルのフリーマガジンの記事で、篠山さんがこんなふうに答えて
ました。なるほど。写真展というよりは、玉三郎さんの世界を体感する
ような場としたいという篠山さんの狙いは、見事に成功していました。


ちなみにこの写真集、38000円というお値段なのすが、実際に
舞台で玉三郎さんが身につけた衣裳の切れ端をつけた豪華版50万円も発売されるようです。
ご興味ある方は、この写真展で案内が出ていましたので、ぜひ(笑)
写真展は2007年3月11日まで。入場無料。