塔屋の上にのぼって周りを見ると、どこの家の頭もきれいに高さがそろっていることがわかる。家と山と空という単純な構図が清々しい。



外装は屋根材を葺き始める。一枚ずつ丁寧に張っていく。




2階屋根の排気口まわりの熱電対設置。北側、西側の屋根頂上で、排気口があるところと排気口から遠いところの温度を測定。もしも排気口から遠いところの温度が極端に高くなってしまうようなら、通気層の排熱がうまくいっていないことになる。




ユニットバスの施工2日目。開口部まわりはウレタンを吹いて、隙間を埋める。家の外側だけでなく、内側にもどんどんセンサーを仕込む。




2階の外装下地が着々と進む。軒天と屋根のあいだで空気と水の流れを作るための細工を、この段階で仕込む。

高瀬幸造@前研究室

舘景士郎君へ

http://d.hatena.ne.jp/kshiro_t/20090211読みました。

「求められていること(快適性)に応える」ことの先に「気づかなかったこと(快適性?)に気づかせる」環境を作れないだろうか。 という考えは興味深いと思います。

ただ、一歩間違えると、先進国ならではの「贅沢品」としての快適な温熱環境の創出にしかならない危険性もはらんでいるように思います。それはそれで面白いのですが。

でも、たぶんその前にやらないといけないことがあると思っています。それは下記のようなことなのですが、舘君の修論はまさにその部分を突いているのでしょうか。

基準はあくまで日本全国の戸建て住宅をひとつのマッスとして捉えてつくられています。だから、この基準をクリアするように住宅をつくったとしても、日本全国の戸建て住宅における消費エネルギーを減らすことには繋がっても、それぞれ個々の戸建て住宅が快適になっているとは限らない。

だから、Q値、C値、N値といった基準だけでなく、様々な場所の温湿度、空気年齢を実測し、シミュレーションで再現しようとしてきたわけですよね。これらの成果を設計に結びつけるには、実現される温熱環境の適性を判断できる指標が必要になると思います。

たとえば、ある壁構成、設備システムを住宅に配したときに、たとえば寝室のこの部分がある外気条件のときにある温熱環境になることがシミュレーションにより把握できたとする。このシミュレーション自体が敷地・建築・ユーザーが絡みあうから非常に難しいのはあるのだけど、それ以上に難しいのが、その温熱環境をどう良いまたは問題だと判断するかです。

それはQ値などのように、ひとつの基準では決して縛れるものではないことは確かです。たとえば「窓際Xメートルの範囲の温度は最寒日においても何℃以上となるようにすること」ということが法律で定められることはとんでもないことです。たとえば、ある場所に窓を大きくあければ自分の好きな風景を見れるとしたら、少し窓際が寒くなるとしてもあけるでしょう。もしくはその窓際が通路空間だったとしたら、そこまでシビアな温熱環境は求められないでしょう。つまり、周辺環境、建築プランニング、ユーザーの志向・ライフスタイル・使い方があってはじめてそれらを評価できるはずだということです。

つまるところ、温熱環境の定量化とそれをどう判断して設計に反映したかの蓄積が大事なんだと思います。シミュレーション技術が進歩して簡単に温熱環境を予測できるようになりつつあるけれど、その結果のどこをどう見てどう判断するか、というところが腕の見せ所なのです。それは実測するポイントをどこにするかとも関連していると思います。

これは今後実践しながらでないと成しえないことなので、ともに頑張っていければと思います。なにはともあれ、修論発表楽しみにしています。

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