無慈悲な夜の女王に遠吠えする旅人は賢者の石の夢をみるか?

2008-12-31-Wed 大晦日

クレームでもあったのか今回地味

[]2008年総括 その1

上下巻は1冊と考えて計31冊(その内マンガ3種…マンガはもっと読んでるけど)

去年も確か30冊強だった(もう調べるのも面倒くさ)*1成長ねぇなぁ…orz

*1:きちんと調べたら32冊だった

2008-12-30-Tue ろうばい (Carolina Allspice)  「慈愛」

在庫の姫みくじ

[]お久しぶりですわ。

書くのを忘れていた既読の本

ネタばれもあるので隠し。

マークスの山(上) (講談社文庫)

マークスの山(上) (講談社文庫)

マークスの山(下) (講談社文庫)

マークスの山(下) (講談社文庫)

ハードカバーと違って人間関係がギスギスしていて驚いた。続編(照柿)に続くことを考えたら主人公と周囲のと関係が変わるのは仕方がないとして、真知子の水沢に対する母性的な表現が皆無になり、林原の狂気が顕著になっていたり、明るく賑やかな部分が悉く削ぎ落とされている。

でもストーリーとしてはハードカバーよりも流れがスムーズで「MARKS」がそれほど不自然に出て来なかった(ハードカバーはいきなり過ぎてびっくりだった)し、読みやすかったかも…主人公の胃が痛くなるような周囲との確執を考えなければ。

わが手に拳銃を

わが手に拳銃を

実は文庫版「李欧」の方を先に読んでいたので、違和感感じるかも*1…とちょっと不安感じていたけど、大分昔に読んだので記憶が薄まったいたせいか、別モノと捉えていたせいかそれ程感じなかったなぁ。逆に文庫よりこちらの方が自分的には好み。

文庫の方は一彰の李欧に対するキラキラフィルターが苦手で…ていうかキャラめっさリリカルで文章もめっさ耽美がかっていて、本当にあの「マークス〜」の作者と同一人物?*2としばらく悩んだわ。

単行本の方も展開に無理があったり、数ページ読み損ねた?と首を傾げたくなるようなことあったけど、まだ一彰の心情とかが理解できるよ。泥臭くて薄暗い感じがするせいもあるけど。

アーサー王伝説を再び勉強しようとして図書館で借りました…児童書だけどな。

話が前後したり、途中の展開をざっくり省略したりしてよくわからん。しかも昔読んだのと全く違う内容でびっくり。本当に作者によって雰囲気が全く違う話になっている…やっぱり数冊まとめて読まなきゃ無理かなぁ。それ以前に大人向けを読めってかよ!

異邦人 (新潮文庫)

異邦人 (新潮文庫)

正にフランス文学(詳しくは知らんけど)。怠惰で猥雑でアンニュイ…なんか昼下がりにプールサイドビール飲みながらだらだら寝ている感じ。

あの「太陽が眩しかったから」で有名だけど、セリフそのまま扱われているわけではないのね…それとも訳者が違うせいなのだろうか?

新本格魔法少女りすか3 (講談社ノベルス)

新本格魔法少女りすか3 (講談社ノベルス)

西尾節炸裂!

視角から痛覚というより三半規管に訴える戦闘シーンとか、もう次巻が最終巻?!みたいなはしょり方とか全く関係無さ気な小話の導入部とか…いやそんなことより、こんなところで切るかぁーーーーーっっ!!!!!

悪い言葉集

悪い言葉集

「ここで逢ったが百年目、ここで逢わなければミレニアム」が癖になりそうです。

*1:高村女史お得意の改稿による文庫化

*2:ヲレが高村女史の本を読んだ順が1.「マークス〜」2.「李欧」3.「地に這う虫」だったので

2008-09-13-Sat 世界法の日・司法保護記念日

値段がそこそこするだけある。マカロン

[]照柿 リターン

照柿(上) (講談社文庫)

照柿(上) (講談社文庫)

照柿(下) (講談社文庫)

照柿(下) (講談社文庫)

文庫化ということで外見だけでなく内容までコンパクトになる事無いじゃねーかっ!!アタイハードカバーは場所とるのと重たいので文庫派だったのに…これはもうハードカバーも買うしかねーなぁ…まぁ、買うとしても改稿女王様が相手なのでブックオフとかで出来る限り版数少ないのを探して買うつもりなのであまりどうとか言えんけど。今まで初版とか一切気にせず新刊買う人間だったのに(それどころか新しい方が誤植とか直っていて良いと思っていた)まさかこうなるとわ…。

そうそう前作「マークスの山」の文庫化は大幅な改稿と加筆があるのはいろいろ調べて知っていたんだけど、「照柿」に関しては情報不足だった。やはりデータベースサイト二次創作サイト(苦笑)だけではなくて*1書評サイト感想ブログも巡るべきだったのかなぁ?でもまだ高村薫全作品読み終えたわけでもないのに、ネタばれ感想読むのも気が引けるしなぁ…ぶちぶち。

でもある意味再読になるのかそのおかげで色々と思いだし、削除されたことでココが好きだったんだと分かったりで新たに発見すること多いなぁ…っていうか初読時にどれだけ文章の奔流に飲み込まれて絡め捕られていたんだろう?読み終えた時に動悸が数分して多分興奮していたもんなぁ…もしかしてバッドトリップしていたかもしれない。

ので本当に思いつくまま、単なるだらだらメモ書き。

・美保子さんって何かに似てる、誰かに似てるとずっと思っていたけどやっと分かった。ムンクの「マドンナ」と合田さんだ。

ムンクの「マドンナ」は有名な油彩画の方ではなくて、もっと黒くて不気味な版画の方。それを思い出すと、真っ先に新井素子著の「ひとめ、あなたに…」を思い出す。何故か今、手元に無いので引用できないけど、確か「『何も考えてない』というのが女の本質」みたいなことが書かれていた覚えがある

・後者の方は達夫さんも言っていたっけ…初読時に映画館のこの二人のキスシーンで「うげぇっ」と思ったんだよなぁ。一瞬思っただけだったので忘れていたけど、なんか鏡にキスしているみたいで気持ち悪かったからなはず…。

・あれだけ自分の事を知りたがっていたので、自分に似ている美保子さんに近づいたのかなと思った。けど結局自分と同じく「誰でもいいという欲望」を見せつけられて、あっさり身を引いたのかなと…どうなんだろうなぁ?文庫の方ではやけにあっさり美保子さんのこと諦めたのでそれで納得したんだけどな…あんた確かハードカバーじゃ泣いてたよな。

秦野組長との勝負も大分削られてるよっ!組長が正に獲物を嬲る肉食獣という感じでどんどん合田さんを追いつめて行くシーンにはぞっとしたのに。自分には身一つしかないと言うのを目の当たりにされた合田さんの孤独や絶望感、そしてそれまで奪おうと言う組長の脅しによる恐ろしさ…あんな名シーンをあっさり捨てますかっ?!代わりに3PとかSMだとかセリフに言われても、単に組長に猥雑な感じがしただけだったよ。それに組長がMだったらどうするんだろう(文庫版の方)。合田さんドMなのに…(どうでもいい)

・違う意味でぞっとしたのが元義兄やんの元義弟に対するセリフマジで鳥肌たちましたよ。でも思いっきり本人にはかわされていたけど…

・取調室のシーンまでだいぶ変わってるよっ…もう二度と出ないであろうポッと出の辻村さんの設定まで変わってる…←好きだったのに。

ラストの合田さんの「告白」が説明セリフになってるよぉっっ!!!ヲレ、このシーンでマジで涙ぐんだのにっ!でもよくよく考えてみたら、この告白はそばにいた辻村さんだけでなく、スピーカーを通して捜査員全員聴いているんだよなぁ(苦笑)…ある意味変えて正解かもな。

・元義兄やんの手紙を見て、もし美保子さんに出会ったのが合田さんじゃなくて元義兄やんだったらどうなっていたんだろう…と考えてみたけど、どうも想像力の限界なのか強制終了入ります(笑)

ダンテ神曲の解説本を見た後で、自分は達夫さん中心に考えるとヴェルギリウスは合田さんじゃないのかな?と思った。

やさしいダンテ「神曲」

やさしいダンテ「神曲」

 第六層に入り、道の真ん中に一本の木が立っているのに気づく。その果実がかぐわしく薫っている。梢に行くに連れて繁り、根に近づくにつれて細い。高い岩から滝が落ち、木の葉を潤している。近づくと、繁る葉の中から声が響いて、

「この木の実を食べてはいけない。マリアは自分の口を潤すよりカナの婚礼が滞りなくおこなわれることを願った。昔のローマの女たちは、はしたないおこないをおそれて酒を飲まず、水だけで満足した。聖書に名高いダニエルは食物をいやしんで知識のほうを選び取った。古人は橡のみを食し、小川の水を飲んで、それを美味とした。洗礼者ヨハネは蜂の蜜といなごだけを食物としていたではないか、それゆえに栄光に包まれた」

 つまり貪り食うことを戒めている。たとえ芳香を放つ果樹があっても食してはなるまい。


第八話「愛と自由な意思」p203

ココが凄く印象的だった。

・「解説」で文庫化に際して「〜不条理さがますます際立ち、以前よりも不可解さを増すと同時に作品としての手ごたえが強くなった。」と書かれていたけど、個人的には分かりやすくなったけどなぁ…コレは再読なせい?それともヲレの妄想が強くなったせいかもしれん…

*1:っつうかファンサイトはその辺りで更新が止まっているのがちらほら…。