KOBerrieS♪がやってきた!

2月8日はご存知のとおり、世の中のすべてのマイナス要素を雪のせいにしたくなる大雪の中の大雪。ほとんどのイベントが中止になり川口春奈以外のたくさんのアイドルが「ぜんぶ雪のせいだ」と言わされた中で、「1時間だけ雪のせい」でイベント開始が遅れたものの、無事渋谷タワレコの3階のステージにたどり着いたグループがありました。そして用意されたステージが小さかったことを証明するように、遠征してきたファンと、雪の中ひとめみにやってきたファンによって3階のステージ前のフロア、完全にキャパオーバーになりました。そんな記憶に残るような状況の中で、初めて神戸から東京にやってきたアイドルグループを迎えることになりました。
ということで、2月8日、9日神戸のグループKOBerries♪が東京にやってきたことについてのお話です。


(静止画の撮影が自由だったインスアイベント。コウベリさんヲタのどぶさん @dobutas さんが撮影したものをお借りしました)

僕は渋谷と秋葉原を一部、また、10日の新宿MARZの対バンイベントでコウベリさんを見ることができました。普段東京にいる人間から見た感想ということでちょっとだけ書いてみようと思って久々にブログを更新しました。

元々、フォロワーさんの紹介もあってコウベリさんの「流星☆トランジスタ」を聞いたのですが、これがかなりの名盤で、Perfumeの京セラドームの時に神戸に行こうとしたらちょうどその週だけライブがなくて落ち込んだり、先日作曲しているよねざわやすゆきさんの率いるSchloderというバンドの東京のライブにも行ったりと、少しずつコウベリさんへの期待を膨らませていたのですが、そういった期待にしっかり応えてくれるライブを見せてもらえました。

初遠征に対して、かなりのサポーター(コウベリさんのファンの呼称だそうです)さんも遠征にいらっしゃっていました。サポーターさんが感動をかみ締めながらもとても楽しんでらっしゃって暖かい現場に。


(どぶさん撮影)
この「流星☆トランジスタ」 をはじめとして
パワーポップメロコアモータウンエレクトロニカっぽいイントロ、などの要素をジャンルに偏らなずにいいとこどりした曲の構成に、ユニゾンが印象的なボーカルが乗るコウベリさんの楽曲。作り手が「ジャンル」よりも「ポップであること」にこだわりを持ってるんじゃないかと思います。

そんな楽曲をライブを見て大満足だったんですが、それだけでなくステージの彼女たちもサポの人たちも公共の視線が集まる場所で経験を積んできたんだってことが強く伝わってきました。
いろんな方向に視線を向けて歌を届けるコウベリさんのパフォーマンスは、幅広い範囲に歌を届けることに対して相当鍛えられてるんじゃないかと思いました。きっと人通りのある公共空間でライブをして、常連のサポの人たち以外のたまたまそこにいたお客さんに対しても、「神戸のアイドル」として、思いをうったえかける広い視野を持ってライブに臨んできたんじゃないかと。

それはサポーターの人の振る舞いにも感じました。ここのヲタの人たちはミックスを打ったり、サークルモッシュをしたり、すばらしい楽曲をいくつも持っているグループにしては元気すぎると思うんですが笑、どう見ても暑苦しいアイドルヲタの行動をしているのに、自分たちの世界に閉じこもって内輪だけで楽しんでいる様子がまったく感じられませんでした。常にオープンな姿勢で「心から楽しもう」「コウベリを応援しよう」というマインドが伝わってきました。まるで「あまちゃん」の世界で夏ばっぱが言っていた「来る者は拒まず、去るものは追わず」といった言葉が象徴する北三陸の人々の盛り上がりのようでもありました。

きっとヲタもまた、たくさんの公共の人の目に触れる現場を重ねる中で、コウベリさんのパフォーマンスと共にウェルカムな空気を作られていったんだろうなあと思いました。

とりわけメンバーが「次の曲は●●です。」と言って、次の曲に向けたポジションにつくと「(次の曲名)来たーー!」ってみんなで一斉に叫ぶのが面白くて面白くて腹抱えて笑いました。これもアイドル現場特有の予定調和を楽しむ「ネタ」のレスポンスなんですけど、普通そういうのってその現場特有の文脈を理解していないと面白さがわからないものなのですが、その曲を待ちわびていたことがネタになって、それぞれの曲が主役となり、コウベリーズの音楽への愛を感じます。微笑ましくて面白いシーンでした。

あくまでちらっと現場の雰囲気を見ただけの仮説にすぎませんが、コウベリさんにはローカルアイドルならではのグループと現場の成長曲線をたどっているんじゃないかという気がしました。これは商品をPRするユニットでなくて、神戸という場所を訴求するユニットだからってのも大きいかもしれません。

新宿MARZでのベルハー〜KOBerrieSの流れがすごく面白くて、両方とも機動性が高いヲタに対し、ベルハーは前方に集まるヲタちゃん一人ひとりの心の深い根っこの部分をひっぱろうとするようなステージへの求心力の高いライブをしているのに対して、コウベリさんはフロア全体に対して、初見も常連も関係なく届けようとするようなパフォーマンスで、サポのみなさんが応援しながら時折がっつきながらバランスよく楽しんでいるような気がしました。沢山のすばらしい楽曲と面白いヲタを持っているグループでそれぞれのスタイルが際立った対バンでした。

メンバーの多様なキャラクターの面白さとか(特にめいめいさんとまりんさんの立ち振る舞いがエモいですね)、楽曲におけるユニゾンの声のすばらしさとオリジナリティとか、勝負をかける新曲の「未来少年少女」のよさとか、全体的なよねざわさんの歌詞の作家性とか、いろいろ言いたいところはあるんですが、また、Twitterで。

すごく褒めてる中で、ステージとか、運営の回し方とかで個人的に改善点を感じたところはあるけど、今の段階だとその辺もひっくるめて味なのかもしれません。あとはどこに目標を置くかによるよね。

そういえばドロシーのヲタの人が沢山いたなー笑
パフォーマンスの考え方はまったく異なるし、成り立ち方も全然違うんだけど、音楽に関しては、良質なポップスであり、かつフロアを盛り上げるジャンル系ではなく、ギターをメインに据えたアンサンブルが楽しめるっていう点で、ドロシーとコウベリの音楽には共通点があるんじゃないかなって思いました。

大雪の中流星のごとく東京にやってきて真空管の中のトランジスタのように音楽で人と人とつなげてくれたをKOBerrieS♪さん、とっても楽しい2日間でした!

http://www.youtube.com/watch?v=3C2tyXkzZOI
新曲もある意味アイドルらしからぬ歌詞というか青春を行きてる人たちが青春の後に辿り着く視点を歌っていて面白いです。音源、たくさん聴くことになりそう。

written by iHatenaSync