本の電子化環境を整えた2

スタンス

保存する時は高画質で、iPhoneiPadで見る時は処理が軽くてファイルサイズが小さくても文字がつぶれない程度の解像度を目指しました、以下の表はDR-150購入時のバンドルソフト CaptureOnTouch(以下COT)でスキャンして、PDFの画像を圧縮するPDF Slimで圧縮した時のそれぞれのサイズです。
表の各カラムの意味は上から順に
[カラー:*1][グレースケール:*2]
[ベクター:*3][ラスター:*4]
[高圧縮:*5][標準:*6]


DR-150でスキャンしたのちPDF Slimで圧縮した1ページのファイルサイズ一覧(単位:kb)

/ /
カラー

グレースケール
/ /
ベクター

ラスター

ベクター

ラスター
/ dpi 高圧縮 標準 高圧縮 標準 高圧縮 標準 高圧縮 標準

作成時
200 563 1,963 712 2,336 351 1,443 214 1,014
300 1,045 4,144 1,449 5,633 754 3,283 461 2,176
400 1,755 6,926 2,679 11,625 1,563 6,559 1,009 4,549
600 3,790 16,959 6,582 27,196 3,870 14,559 2,706 10,348

最高画質
200 175 500 168 472 148 494 107 368
300 271 963 308 1,061 249 1,060 156 723
400 394 1,490 503 2,155 437 2,014 260 1,326
600 804 3,572 1,283 5,167 1,049 4,205 613 2,803

高画質
200 146 371 123 335 126 365 100 279
300 217 691 227 704 200 737 136 515
400 306 1,068 357 1,429 318 1,441 207 965
600 569 2,571 852 3,589 724 2,976 442 1,998

普通
200 117 234 75 189 104 223 95 181
300 165 424 147 376 152 403 123 306
400 225 638 216 655 208 748 161 518
600 367 1,480 403 1,880 372 1,691 265 1,183

低画質
200 100 123 42 87 87 108 93 105
300 134 229 99 182 120 189 119 172
400 182 347 142 299 154 323 147 256
600 293 686 246 616 248 643 239 524

↑のファイルサイズを%で比較

/ /
カラー

グレースケール
/ /
ベクター

ラスター

ベクター

ラスター
/ dpi 高圧縮 標準 高圧縮 標準 高圧縮 標準 高圧縮 標準

作成時
200 100% 100% 100% 100% 100% 100% 100% 100%
300 100% 100% 100% 100% 100% 100% 100% 100%
400 100% 100% 100% 100% 100% 100% 100% 100%
600 100% 100% 100% 100% 100% 100% 100% 100%

最高画質
200 31% 25% 24% 20% 42% 34% 50% 36%
300 26% 23% 21% 19% 33% 32% 34% 33%
400 22% 22% 19% 19% 28% 31% 26% 29%
600 21% 21% 19% 19% 27% 29% 23% 27%

高画質
200 26% 19% 17% 14% 36% 25% 47% 28%
300 21% 17% 16% 12% 27% 22% 30% 24%
400 17% 15% 13% 12% 20% 22% 21% 21%
600 15% 15% 13% 13% 19% 20% 16% 19%

普通
200 21% 12% 11% 8% 30% 15% 44% 18%
300 16% 10% 10% 7% 20% 12% 27% 14%
400 13% 9% 8% 6% 13% 11% 16% 11%
600 10% 9% 6% 7% 10% 12% 10% 11%

低画質
200 18% 6% 6% 4% 25% 7% 43% 10%
300 13% 6% 7% 3% 16% 6% 26% 8%
400 10% 5% 5% 3% 10% 5% 15% 6%
600 8% 4% 4% 2% 6% 4% 9% 5%


表の比較

カラーとグレースケールに分けたのはあまり意味が無かったかもしれません、あとベクターの方がラスターよりも標準に対する高圧縮設定の圧縮率が高いです、これはまあ考えてみればベクター画像の方がファイルサイズが小さくなるのは当たり前ですので当然の結果な分けですが。

設定方法は

さて、ではどの設定がいいんでしょうか、結果からいいますと圧縮モードを高圧縮にして300dpiでスキャンした後、PDF Slimで高画質設定で圧縮するのがiPhoneで見るのに適してると感じました、iPadもたぶんこの設定が良いように思います。
というのも、実際に読んでみた感じ400dpi以上あっても違いが分かりませんでしたし、無駄にファイルサイズが大きくなる上に開くのが遅くなって来るからです、600dpiで作った日にゃ3Gユーザな私はページめくりの度にいらいらするほどでした(GoodReaderで約4秒)。
ちなみに圧縮モードを標準にして全ページをラスター画像にすると高dpiでもそれほど遅くはなりませんが、今度はファイルサイズがでっかくなります(高圧縮時の2〜5倍)。
300dpiだと高圧縮でも標準とほとんど同じ体感速度だし(GoodReaderで約1.5秒)、何よりファイルサイズが小さくなります。
PDF Slimでの画像圧縮は高画質設定を選んでおけば大丈夫でしょう、標準でもいけるとは思いますが気になる人は画質の劣化が気になると思います、あとは将来の為にPCに標準の600dpiで保存しとけばいいでしょう。

しかしなかなか上手くいかない

ここまでは理想論、実際はこんなに上手く行きません、というのもバンドルされてるPaperPortにはラスター画像のテキストをベクター画像に変換する機能が無い為、PCに保管している保存用のPDFをさあ上で書いたiPhone用の設定に変換しようか、何て事が出来ません、もちろん600dpiのベクター画像を300dpiにダウンサンプリングする事も出来ません(ラスター画像なら出来ます)、口惜しや、2回スキャンするなんて面倒くさいし、せっかくCOTでベクター画像としてスキャンする機能があるのにPaperPortの機能不足でかゆいところに手が届かない思いをするわけです。

結論は

しかたないので私は高圧縮のモードを捨てて、標準の600dpiで保存用を作りiPhoneに持っていく時に300dpiのラスター画像にダウンサンプリングする方法をとりました、ファイルサイズが大きくなっちゃいますがこれは仕方ないでしょう、将来テキストをベクター画像に変換するソフトが見つかればそれに乗り換えようと思います。

*1:24ビットカラー

*2:256諧調グレー

*3:文字メインで絵が少ないページの事を便宜上命名

*4:絵が比較的多いページを便宜上命名

*5:COTの設定で圧縮モード「高圧縮」を選択、これを選択すると文字等がベクター画像として保存される

*6:COTの設定で圧縮モード「標準」を選択、これを選択するとすべてがラスター画像[普通のjpg画像]として保存される