【仏教なぜなに問答】
「仏教なぜなに問答」では、毎月「仏説無量寿経」というお経を
少しずつ読んでいます。
今月読ませていただいたのは、「五悪段(ごあくだん)」という、
悪についての部分。読めば読むほど苦しくなるような、
厳しい言葉が続きます。たとえば、このような部分がありました。
いずれも現代語訳です。
「第四の悪とは次のようである。世間の人々は善い行いをしようとせず、
互いに次々と人をそそのかして、さまざまな悪を犯している。二枚舌を使い、
人の悪口をいい、嘘をつき、言葉を飾りへつらって、人を傷つけ争いを起こすのである」。
「さまざまな悪は天の神によって残らず記録される。
だから、その人が前世で少しばかり功徳を積んでいたことにより、しばらくの間は
そのおかげで都合よくいくとしても、この世で悪を犯して功徳が尽きてしまえば、
多くの善鬼神に見放され、ひとりきりとなり、もはや何一つ頼るものがなくなってしまう」。
ほかにも厳しい言葉がずっと続きます。
これらの表現は、私たちに対する戒めと受け止めたらよいのだというお話がありました。
どこまでも善をなすことは我々には無理ではあるけれど、「こういったことはしないように」と
やってしまうであろう悪を、できるだけ減らすきっかけになればよいのだと。
今月は「第一の悪」から「第四の悪」までを読み進めました。
来月は、5月14日(月)に開催します。
五悪段の最後「第五の悪」をさらっと読み、次に進む予定です。
*[仏教なぜなに問答]
【仏教なぜなに問答】
今月の「仏教なぜなに問答」の開催日は、2月15日。
ちょうど「涅槃会(ねはんえ)」、お釈迦さまが入滅された日でした。
ボストン美術館の至宝展で「涅槃図(ねはんず)」をご覧になった方もあり、
涅槃図についての話題になりました。
長谷川等伯やボストン美術館所蔵の英一蝶が描いたものが知られている
「涅槃図」は、お釈迦さまが沙羅双樹の下で入滅する情景を描いた図。
涅槃に入るお釈迦さまの周囲には菩薩や仏弟子、象や虎、豹や亀といった動物や
実在しない動物まで、画面いっぱいに嘆き悲しむ姿が描かれています。
そこでお話があったのは、「涅槃図に描かれているうちのどれかが、
今の自分に当てはまる」ということでした。
今の姿は水牛か虎か龍か。あるいは猫であるか、と話が広がりました。
来月は「仏説無量寿経」というお経を読む予定です。