オプティカルカーニングについて
n-yujiさんが「文字ツメ」と「オプティカルカーニング」について。というタイトルで言及されていることについて、書籍組版が主なのであまりツメは使用しないが、持論を少し(反論ではありませんよ、念のため)。
(末尾に参考pdfダウンロード有り)
あちこちでやたら推奨されている文字ツメは補助的な機能であるとする意見には大賛成。
InDesignの%で指定する文字ツメ機能は図を見てもらえば一目瞭然だが、
文字ツメ0%の際のアキを100%とした場合に、そのアキを何%ツメルかということでしかない。
私の感覚ではこんなものをツメ打ちなどと言うたらアキマセン。
フォントによってはメトリクスでは詰まらないことも多いのでそれも使用しない*1。プロポーショナルメトリクスではややツマリ過ぎが気になる。
※この辺りの考え方は(フォントに依ることもあり)変わってきているのではあるが……フォントによって適用するカーニングを変えるということ(2012.11.17 追記)
で、どうしているかというと皆さんが避けるオプティカルを採用している(手っ取り早いのも一因)。
ご存知のように約物の前後がオカシクなるが、そんなものチョチョッと調整すればよいと思っている*2。
※この部分、現在は少々認識を変えている:求められるツメ加減やフォントによってはオプティカルも採用するが、基本的にはプロポーショナルメトリクス+メトリクス。「文字ツメは補助的な機能である」とするのは同様(2011.01.22追記)
行長の関係などでもう少しツメたいときにやっとこさ文字ツメの出番。
作例ではオプティカル+文字ツメ20%でプロポーショナルメトリクスとほぼ同様のツマリ具合になっている。
でも、キレイにキツくツメたいときはn-yujiさんの仰るとおりプロポーショナルメトリクス+メトリクスで微調整が現実的な選択だろうとは思う。
以下、071109 19:20追記
マッカリーさんのコメントをいただいて思い出したが、
図のように「字形で判断」するのである程度の食い込みツメも可能なので重宝している*3。
(ご助言を無視するようで申し訳ありません。)
以下、マッカリーさんのご助言を受けてさらに追記 071109 21:50頃
なお、嬉しいことに「字形で判断」するのでCIDやTrueTypeもツメられる。ただマッカリーさんのご指摘にもあるように、基本的には欧文用の機能であるためか、タテ組には通用しない。
また、文字ツメと併用する場合にはかけ過ぎると確実に重なるので注意が必要だ(フォントにもよるだろうが、50%程度が限度か)。
つまり、欧文用の機能であることを念頭に置き、約物前後の調整の煩雑さも考慮して、本文ツメ組みで使用することは控え、小見出しやタイトルの部分に、画面で字間のバランスを目視確認することを心がけて使用すべきである。
●以下、090924追記
DTP Boosterの005(090827)でもこの件について話をさせていただいたのだが、そのフォローpdfをココにも置いておく。
→ Booster005_HW_follow_new.pdf
●当ブログ内関連頁
文字ツメの効果的な使用例_01
フォント毎に差異のあるツマり具合
ツメ組みの均質化のひとつの方法