白豚饅頭日記

2018-02-18 まさかの??

[]日本がF-35B導入?

先日、読売新聞の記事で「F-35B導入へ」との報道がありました。

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記事では導入機数は明記していませんでしたが、政府は現在主力として配備されているF-15Jの内、近代化改修を行わない99機の一部をF-35Bで更新するとのことを検討しているそうです。F-15Jには近代化改修が可能なMSIP(多段階能力向上プログラム)機と改修が行えない非MSIP機(便宜上、MSIP機をF-15MJ、非MSIP機をF-15SJと区別しています)があり、前者は寿命中に近代化改修が行える様、あらかじめ機体構造の見直しが施されてある生産後期の機体。後者は生産前期の機体で構造上近代化改修が行えない(新型コンピューターの搭載やデータリンクシステム及びデジタルデータバスの搭載や配線を行える構造になっていない)点が異なります。MSIP機は現在近代化改修が行われていて、レーダーやコンピューターの換装による能力向上を行う「形態I」から、統合電子戦システムを搭載した「形態II」へ順次改修が実施中。さらにはレーダーのアップグレードアンテナのAESA化)による更なる能力向上も検討されています。これにより、従来は運用できなかったアクティヴレーダー誘導式空対空ミサイルの運用能力やJHMCS(統合ヘルメット搭載型照準システム)による全方位攻撃能力やパイロットのワークロード低減が行われており、戦闘能力が大幅に向上することになりました。一方で問題となっていたのが近代化改修が行いない非MSIP機で、単純な機体性能なら十分高い能力がありますが、現代の空中戦はレーダーやコンピューターも含めた「総合力」が勝負。非MSIP機のコンピューターは「ファミコンくらい」の処理性能しかなく、単純な機体性能なら上回るはずのF-4EJ改に情報に対する認識力や判断力という点で差をつけられ「総合力で劣る」という逆転現象となっています。もちろん、それ以外の要素もあるんですが、そちらは「好きな戦闘機 F-4ファントムII(ファントム無頼おじさん編)」にて書く予定。F-15Jの話もまた別にちゃんと書きたいなぁ。

さてさて、本題に戻ります。

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航空自衛隊は現在のところF-35Aを42機導入、うち38機で2個戦闘機部隊を編成して三沢基地配備する計画です。昨年末、アメリカでテスト及びパイロットの訓練を行っていた機体の内、1機が三沢基地配備され「F-35飛行隊準備班」が設立されて日本における様々なテストが開始されました。既に現在、百里基地でF-4EJ改を運用している第302飛行隊が解散後に再編され最初のF-35A飛行隊になる事が決定しています。

ああ、オジロワシファントムを見られるのもあと数年かぁ・・・。

イカン、本題、本題。さて、ファントムの後継はF-35Aで決まっていますが、ここ数年の某大陸の国との緊張から急速に問題化してきたのが「F-15Jの非MSIP機をどうするか?」という事。先ほど書いたとおり、総合力という点で厳しくなってきた非MSIP機については「自衛隊デジタルデータリンクシステム」を追加して近代化改修機の補佐に充てるというのが当初の計画でしたが、某大陸の国の軍事力近代化と拡大はとてつもない勢いで進んでいて、もはや非MSIP機では某国戦闘機に太刀打ちできない状況となってしまいました。しばらくはパイロット部隊運用といった「総合力」の質の高さで対抗はできても、圧倒的な数で「もし」が発生した場合、そして「もし」を発生させないためにも「さらなる質の向上でその気にさせない」は必要不可欠となっています。

そもそも大方の見方では「防衛省はF-35Aを2個飛行隊止まりにしておくつもりは毛頭なく、追加発注による非MSIP機との入れ替えを行う」事が確実視されていました。昨年の日米首脳会談でも「F-35の追加に合意」との報道もされています。なので F-35の追加調達については既定路線だったのですが、まさかの「B型導入」とは・・・。

F-35B型アメリカ海兵隊が運用しているAV-8B「ハリアーII」の後継機で、強襲揚陸艦での運用や急造滑走路での運用を考慮した垂直離着陸能力を持つのが最大の特徴。短い距離での離着陸も可能なので、ハリアーの後継機としてイギリスイタリアも導入を決定しています。またスペインオーストラリアも検討中との噂が絶えません。イギリスでは新造の空母「クイーン・エリザベス」級で、イタリア軽空母カブール」でF-35Bを運用する為に様々なテストを現在アメリカで実施中。

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その一つが「スキージャンプ」と呼ばれる短距離滑走離陸で、高価なカタパルトに頼らずに航空機空母で運用できるメリットがある反面、搭載力という点ではカタパルト発艦に対して能力的に劣るので、スキージャンプ型発艦方式を採用している中国空母次世代艦ではカタパルト式に切り替えると言われています。とは言っても、これまでハリアーを運用していた海兵隊イギリス海軍イタリア海軍から見れば、F-35Bの能力は「桁外れ」で、高いステルス性能やレーダーをはじめとする各種センサーによる圧倒的な情報認識能力に裏打ちされた高い空対空戦闘能力、そしてハリアーでは不可能だった各種精密誘導兵器の運用能力などが高く評価されています。ですが、B型には欠点もあって垂直離着陸能力のキモであるリフトファンや可変ノズルがA型と比べると「デッドウエイト」であり純粋な機動性ではA型に劣る点や、整備性も複雑な機構が多い為にA型や空母用のC型に比べると劣り、垂直離着陸を行うエンジンのライフサイクルも通常型に比べれば短く、その垂直離着陸の排熱が滑走路や強襲揚陸艦軽空母も含む)の飛行甲板に耐熱特殊処理を行う必要性など、トータルコストではA型に比べると高くなる点があって「B型を導入して海上自衛隊護衛艦「いずも」型に搭載しよう!」という意見がネットに出る度に識者の間では「百害あって一利無し」と一蹴されていました。僕もB型を導入するくらいならA型をもっと多く導入して、さらには空中給油機や警戒管制機をもっと揃えた方が高い総合力を発揮して「質」の面で抑止力になるって考えていました。

ところがB型導入が本格的に検討される事態になっています。主な理由としては東シナ海で続いている軍事的緊張。その島嶼防衛を考慮すると、沖縄より先の南西諸島には長い滑走路を持った飛行場がない為、短距離離着陸可能なB型があれば前方展開が可能な事や、たとえ長い滑走路を持った飛行場が攻撃されてもB型なら垂直離着陸で作戦続行が可能な事が注目されたようです。

でも、それなら高速道路でも運用できるグリペンにすりゃいいじゃん、コスト安いし性能良いし

って思うんですが、そこには更なる目論見があって海上自衛隊護衛艦「いずも」級を改造し、航空母艦化してF-35Bを搭載し洋上展開させるという事も検討されているとの事。

さて、その「いずも」ちゃんです。

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「いずも」型護衛艦海上自衛隊が持つ最大級の護衛艦で、全長・全幅では大戦時の「飛龍」型航空母艦を上回り、その艦様はまさに「空母」ですが、目的はあくまで対潜水艦戦を始めとするシーレーン防衛を主としたヘリコプター母艦であり、島嶼防衛においては洋上プラットフォームとしてヘリボーン作戦の支援や作戦指揮を行う為の護衛艦であって「空母」として運用するには足りない部分たたくさんあります。特に格納庫と飛行甲板は大改造が必要で、搭載数を確保する為に格納庫は大型化して現状より面積を広げる必要がありますし、飛行甲板はF-35Bの排熱に対応する耐熱コーティングが必要になります。また、空母として運用するなら早期警戒機をどうするか?という問題もありますし、オペレーションシステムとしてソフトウェアを勉強する必要もあったり・・・。

問題山積みなんですけど(^^;;

ただ「いずも」の改造による空母化はファーストステップで、どうやらその「次」を考えているようなフシもあるってジャーナリストの中には呟いている方もいらっしゃいますね。

ともかく、空母という兵器は金がかかる兵器で、純粋に現状の日本の防衛力には必要か?と言われれば疑問符がつく兵器ですが、一方で政治的に考えるなら「空母」の持つ意味は相手に対して大きな抑止力になります。あくまで対潜ヘリコプター護衛艦でしかない「ひゅうが」型護衛艦

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が登場した時でさえ、大陸の国々はかなり神経を尖らせていました。これまでに比べて対潜ヘリコプターの運用能力が飛躍的に向上し、潜水艦の行動に大きく制限を加える事が可能になったからです。ちなみに「いずも」型や「ひゅうが」型が搭載しているSH-60Kは対潜ヘリですが、ヘルファイア対戦車ミサイル機関銃を搭載可能で、ちょっとした攻撃ヘリとして小型艇くらいなら制圧できる能力も持ってたりしますね。

対潜ヘリコプター母艦ですらこうですから、仮に「いずも」がF-35Bを搭載して洋上にいる状況を想定したら・・・

まあ、いろんな国にとって頭の痛い問題になる事には確かでしょう。ただでさえ、アメリカ空母機動部隊という頭の痛い存在があるのに、その同盟国の海上戦力としてF-35Bを搭載した軽空母たちが加わる状況は。これは日本だけでなくオーストラリアも当てはまります。現に「シドニー」型強襲揚陸艦スキージャンプ型の艦首を飛行甲板に備えていますから。日・米・豪で自分たちを取り囲むラインが出来てしまい、そこに「英」「印」も加わるという状況は某大陸の国々にとっては頭の痛い状況になるんでしょう。

ともかく政治的・外交的に考えるなら「いずも」に F-35Bを搭載するってのは、結構な抑止力になるんじゃないかな?っと最近は考えたりしていますが、さてどうなることやら。お金の問題もありますしね。

ちなみに、F-35Bが導入される場合は宮崎県新田原基地が候補になっているようです。現在、新田原基地にはF-15Jを運用する第305飛行隊が展開していますが・・・さて?それともRF-4E/EJ戦術偵察機が退役した後は戦闘機部隊に再編成される計画となっている、百里基地の第501飛行隊が解散後に再編成されてF-35B部隊となるのか?そっちの方が「偵察機」としてのF-35の能力を考えるならアリなのか??とか色々妄想しております。

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