「牛乳とおっぱいのお話」講演会、ご参加ありがとうございました。




つたない司会で申し訳ない・・・orz
一番最初に、私がちょっとだけお伝えしたいなあ、と思っていたことをメモがわりに残しておきます。

以下雑文。のちほど手を入れます。


ぼくらが24時間365日、どこでも牛乳を手に入れられるわけ

あまり気にすることもない牛乳ですが、私たちの手元にくるまで、どこをどう通ってくるのか。今回は牛乳の流通ルートについてちょっとお話を。

 言うまでもなく、牛乳の主産地は北海道。新鮮第一の牛乳は毎日毎日搾られます。一日二回。一回三時間、合計六時間ちかくかかります。明け方5時からと、夕方5時からと。いまは3回しぼるのが主流だそうです。


でまあ、考えてみれば牛は生きてるわけで、そのままだと搾られた乳は牛の体温に近い高温のまま。ちなみに牛の体温は40度弱です。お風呂とおんなじくらい。当然、すぐに細菌が増殖して腐ってしまいます。
品質保持のため、生乳をバルククーラーと呼ばれる巨大冷蔵庫で4℃まで冷やし、一日一回、ミルクローリー(7000L!)という集乳車が集め、クーラーステーションに運び、1℃程度まで冷やしておくんですよ。そしてトレーラーで港まで輸送して、そこから関東まで20時間かけて運ぶんです。関西は舞鶴へ。関東は日立港。ここから各メーカーの工場に運ばれ貯蔵、加熱殺菌されて、スーパー、コンビニなどへと運ばれて皆様のお手元へ、と。結果、1000mlのパッケージに数千頭の乳が混ざってる、と思ってまちがいないかと。


んで、工場で貯蔵されたあと、順次調整、パッケージにつめられて流通、店頭にならぶのでございます。


夏場は、牛も夏バテして乳脂肪分がどうしても少なくなります。もともと寒い国の生き物だもんね。牛舎には扇風機、ミストが必須ですよ。 一方、夏は需要期です。冬場より二割程度需要が増えます。このアンバランスをどう調整するか。
ここを調整するために必要なのが「加工乳」となります。いわゆる「成分調整牛乳」「低脂肪牛乳」「無脂肪牛乳」そして最後に「加工乳」


また、量販店等の注文確定から出荷までの時間が短いため、乳業者は注文を予測して、見込生産をします。で、業者は注文量に対する欠品を生じさせないために多めに生産してます。実は納豆も一緒です。余談。


乳業者が量販店等に納入する牛乳については製造後1日に限られており、それ以降は出荷できない状況にあります。つまり出荷残り、売れ残りの牛乳がどうしても構造的に工場にできます。廃棄するのはもったいないので、これを使うのです。安くしても、捨てるよりはマシ。
以前は、販売店から回収してきた牛乳も使っていたのですが、現在の再利用に関するガイドライン(業界自主基準)では、「出荷等により一旦工場の管理下を離れた製品は再利用しないこと」となっています。雪印以降、ですね。


消費者の口が肥えてきた。だんだんと脂肪が多い=高級的なイメージがでてきた。
さらに追い討ちをかけるように、乳価の下落。2005年現在で23L程度毎日しぼらないと経営がなりたたない。とはいえ、脂肪分などの規定は年々上がり、配合飼料をたっぷり(月に一頭あたり350kg程度)与えないと、検査に合格しない。だが、気候や為替の影響などを受けるのが配合飼料。2006年でトン当たり1万円は上がったり。特にとうもろこしは配合飼料の約半分をしめる代表的な主原料。なたね油の搾りかすなんかも。ふすまも「脱脂ぬか」ですよー。


以下、用語解説


生乳、牛乳、成分調整牛乳、加工乳、のちがい

生乳 - 牛から絞った状態の生の乳
牛乳 - 生乳100%、成分無調整で殺菌したもの
特別牛乳 - 限定された牧場および処理施設で作られる牛乳
成分調整牛乳 - 生乳100%、成分調整して殺菌したもの
低脂肪牛乳 - 生乳100%、乳脂肪分0.5〜1.5%に成分調整して殺菌したもの
無脂肪牛乳 - 生乳100%、乳脂肪分0.5%以下に成分調整して殺菌したもの
加工乳 - 生乳、牛乳のほかに脱脂粉乳やバターなどの乳製品を原料として製造。

製品パッケージには「加工乳」の表示が義務付けられているが、「ミルク」という表示など一見すると無調整の牛乳と見分けが付かないものが多い。 雪印集団食中毒事件発生前までは、一定の成分を満たしていれば、商品名に「牛乳」と命名することが可能であったが(特濃牛乳など)、発生後は商品名に「牛乳」は使用できなくなっている。 ラベルをよーく見ましょう!


ホモジナイズ

搾った牛乳を、細かい目の篩(ふるい)状の細管を2度通しています。ホモジナイズすることにより、脂肪球の直径が1ミクロン程度になります。 普通の髪の毛は80ミクロン、赤ちゃんの産毛は60ミクロン。もちろん高圧をかけてます。
脂肪球を砕くと、製造機器への脂肪分の固着が減るために、殺菌処理などがしやすくなります。つまり大量生産、大量流通のために、連続的に搾られた乳を超高温殺菌(UHT)処理して、詰めて商品化するには、この脂肪球を細かく砕いた牛乳でないと困るからです。
「ノンホモ」はノンホモジナイズの略。ホモジナイズしていません、ということです。

パスチャライズ

たんぱく質の熱変性の程度は、温度だけでなく加熱時間も関係します。
「高温短時間殺菌・HTST」、72℃〜75℃を15秒間加熱では数%のホエイタンパクが変性
「低温保持殺菌・LTLT」、62℃〜65℃を30分間では、20%が変性。
「超高温瞬間殺菌UHT」120〜150℃1〜3秒では 50〜90%が変性します。

UHT牛乳では、本来牛乳が持っている病原菌への抵抗性などの生理的活性・機能は、ほとんど失われています。

http://www.hokkaido-np.co.jp/cont/motto/17919.html


http://zookan.lin.gr.jp/kototen/rakuno/r324_4.htm