2012-02-09
業績予想開示
すでに旧聞に属する話題ですが、東証から『上場会社における業績予想開示の在り方に関する研究会報告書』と、それに基づいた『業績予想開示に関する実務上の取扱いの見直し方針について』という文書が発表されました。→リンク
それによると、日本の業績予想は、諸外国に比べて開示項目が規格化されているため、その規格にこだわり過ぎると、合理的とは言えない業績予想の開示が行われたり、上場会社に必要以上の負担をかけたりするおそれが高い、と問題点を指摘しています。
その上で、望ましい方向性は『経営者自身の合理的な評価や見通し等に基づいて、経営成果に係る直接的な予想が示される規格化された開示の有用性を確認しつつ、上場会社各社の実情に応じて、多様な方法による柔軟な開示を積極的に行い得るようにすること』であるものとして、見直されることになりました。平成24年3月期の決算発表時から、見直し後の運用が行われることとしています。
XBRLに関する言及はなかったので、ここからは推測になります。
いまの業績予想は上記で指摘されているとおり、かなりガチガチに規格化されていて、その分タクソノミもインスタンスも簡単でした。比較分析もしやすいし、システム的にはとてもありがたかったです。しかし、今回の見直しでタクソノミやインスタンスが複雑化し、比較可能性が下がるであろうことが予想されます。システム的にどんな対応をしていくべきか、今後検討していく必要がありそうです。
ところで、この発表で一番気になったのは、以下の点です。
株主、投資者その他の情報利用者に対して、見直し方針の公表とあわせて以下の事項を周知(報道機関等に周知への協力を依頼)
- 業績予想は、合理的に仮定された条件に基づいて算出されたものであり、その達成を約束する趣旨のもの(経営者によるコミットメント)ではないこと
- 業績予想は、その後の適切な修正を通じて、事業年度終了後に決算発表が行われるまでの間の期中におけるダイナミックな業績情報の適時開示の実現を意図したものであり、業績の進捗に応じた修正が当然に予定されていること
当たり前でしょ?と思ったのですが、つい2,3日前の日経新聞の記事を読んで納得。やくざみたいなアナリストがいるもんです(保身ばかりの経営者もどうかと思うけど)。今回の見直しでそんなアナリストが悔い改めてくれるとよいですね。
2012-02-07
「社長が2人いる!」を探した
今日のアイティメディアの@ITメールマガジンに気になる情報がありました。ちょっと長いですけど、引用します。
1月末から2月初旬にかけては第3四半期の決算発表が多数行われます。東証の「適時開示情報閲覧サービス」(TDnet)を眺めていたのですが、決算短信の公表に混じって決算の訂正などもあります。それだけなら珍しくはないのですが、ある企業の開示では社長の肩書の方が2人並んでいました。つまり「代表者 取締役社長〜」「問い合わせ先 取締役社長〜」となっていたのです。
もちろん、代表者と問い合わせ先の方の名前は違います。誤って肩書を同じにしてしまい、社長が2人いることになってしまったようです。この文書自体が前の文書の訂正の開示だったので、かなり慌てて作ったのではないかと思います。しばらく後に再度の訂正の開示があったのはいうまでもありません。
まぢですか?それはひどい。ぜひ見てみなければ。
で、探してみた。
ヒントは多い。
- 決算短信の訂正である
- しばらく後に再訂正がでている
- 代表者と問い合わせ先責任者の肩書きが同じ
- 代表者と問い合わせ先責任者の氏名が違う
決算短信であればXBRLで出てる。EXCELのツールを使えば、最近の決算短信の訂正のXBRLインスタンスをずらっと縦に並べて、代表者の肩書き・氏名、問い合わせ先責任者の肩書き・氏名を一覧にするだけならものの5分とかからない。はずでした。
が、探せども探せども該当のデータが見つからない。
一覧は簡単に5分もかからずにできたんです。でも、ない。
かろうじて2011/7/6に開示されたfonfun(2323)の訂正データの中に「代表者と問い合わせ先責任者の肩書きが同じ」というのが見つかるが、氏名も同じなので違う。(ちなみに、代表者と問い合わせ先責任者の肩書きは『執行役員』だった。これはこれでひどい。)
結局、XBRLからは見つけられなかったので、有報キャッチャーで『訂正』の決算短信のPDFを一つ一つ見ていったら、ここ(会社名は自重)でした。
見つけてから気がついたのですが、訂正の場合には、PDFには訂正箇所だけが記述(訂正前と訂正後が併記)されて、XBRLは全部差し替えになります。だからPDFの代表者や問い合わせ先の内容がXBRLに入っているわけがないんですよね。
金槌を持つと何でも釘に見える、というのは特に私の悪い癖だと思っているのですが、また今日もその罠にはまっていたようです。
2012-02-03
サマリー情報
今年になってから、決算短信サマリー情報のXBRLが提出者(上場企業)が作成したものをTDnetに登録することができるようになりました。→東証:XBRLデータの仕様
提出者自身が作成したかどうかは、ファイルの命名規約があるため、ファイル名で判断できます。
調べてみたところ、すでに2012年3月期の3Qの決算発表のいくつかは提出者自身で作成されていました。1番乗りは日本高純度化学が2012/1/25に提出した決算短信でした。XMLのコメントからすると、XiRUTEのライブラリ(.NET版)を使用したシステムで作成されたようです。
提出者自身が作るにしても、サマリー情報のXBRLの作り方は「作成要領」のなかでガチガチに決められています。実際にデータを見ても、特に気にせずこれまでと同様に使えばよさそうで、安心しました。